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3章 素敵なハニーフォレスト
船旅です4
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マドラッドに到着するまで時間があった私はサンデア達からレナクル王国の話を聞くことにしたの。
レナクル王国……マドラッドから、そう遠くない列島の国、狩猟や漁をするのに適したレナクル王国は海軍が防衛の要であり、島の周りは珊瑚礁と暗礁が混ざり合い複雑な海域となっている。
暗礁と鋭い珊瑚礁に加え、突如として、浅瀬になるレナクル王国の海域は正に天然の海の砦となっている。
その為、レナクル王国の海軍船には魔法を使う【魔導航海士】と呼ばれる航海士が存在する。
風魔法を使い船を敵に悟られないように浅瀬スレスレに浮かし、必要が有れば水魔法でバラスト水を作り出す。
そして、レナクル王国の海軍は海賊である。
本来は護る為に武力を振るう海の戦士であり、他国を侵略しない事を誇りとしている。
サンデアの話を聞いていると、私はある疑問に辿り着いた。
「一つ聞きたいのよね? この海賊船も他の船もザカメレアに攻撃してきたのは何故なの、話を聞いていたら矛盾するわよね?」
質問を問い掛ける私にサンデアは真剣な表情と共に喋り始める。
「私の国はザカメレアの同盟国であるマドラッドの魔王“ヘルム=ペンネル”により、宣戦布告を受けました……本来ならば、マドラッドに出向く筈でしたが、ザカメレアに海軍が不在と知り報復と言う愚かな行為に転じました」
真っ直ぐにそう語るサンデア。
「それって、マドラッドと戦ってるの?」
私の問いに頷くサンデア。
「今も同志がレナクルの為にマドラッドを足止めしていると言うのに……私は死ぬ覚悟は出来ています。どうか、レナクルの民の命は助けたいのです! 身勝手な言い分なのは承知しています、お願い致します……ザカメレア王と魔王ペンネルに謝罪と投降の意思を……民の命は私の命なんかより、遥かに重たいのです……」
必死に訴えながら涙を浮かべるサンデア。
サンデアの肩に手を当てると軽く2回叩く。
「アララ。スケルトン軍団に船の航路をレナクル王国に変更させて、行き先はサンデアに聞いて、メルリはガルーダに乗ってザカメレアに向かって、あと、カルメロに簡単に手紙を書くから渡して頂戴、頼むわよ」
早々と指示を出した私は後方のカメレオン男達が乗るマドラッドの船に向かう。
そして、レナクル王国と私との間に話がまとまったと伝えるとヒルバー達は混乱していたわ。
「今からマドラッドとレナクル王国の戦闘をやめさせるわ! いいわね!」
私の言葉にマドラッドの幹部であるヒルバーが頷くと話がまとまる。
其処からは大変な道のりだったわ、サトウと鎌鼬のカリンにも手伝って貰い、複雑な海域を侍女のシャムスに聞きながら進んでいく事になったわ。
レナクル王国の領海とマドラッドの領海の間で激しくぶつかり合う両国、レナクル王国は大船団なのに対して、飛行型の魔族と、海軍対空軍のような戦いが繰り広げられていたわ。
溜め息が吐きたくなるような光景ね、今すぐバカな戦いはやめさせる!
「アンタ達ッ! 今すぐに戦いを止めなさい!」
私は巨大化したデンキチの肩に乗り、両国が戦っている、ど真中を割るように姿を現す。
マドラッド側は私の姿に攻撃を止め、レナクル王国側は警戒するように武器を構える。
「マドラッド側は今すぐに戻りなさい! あと、ペンネに伝えて、話をしに行くからって。いいわね!」
私の言葉に困惑するマドラッド側の兵隊達、しかし、ヒルバー達が到着すると直ぐに状況を理解しマドラッドへと引き返していく。
感情冷めやらぬレナクル王国側は追撃をしようと動きだしていたわ。
そんな時、海賊船から姿を現したのがキャプテン“ソルティ”だったの。
「お前らッ! 戦いは終わりだ。レナクル王国、サンデア女王陛下は其処に居られる、ミルシュ=カミル殿と平和条約を結ぶ事になった! マドラッド側ともカミル殿が話をつけてくれる。今一度言うぞ、戦いは終わりだ!」
「「「おおおおぅぅぅぅぅ」」」
ソルティの言葉に沸き立つレナクル王国側の雄叫び。
一旦、海賊船とサンデア達をレナクル王国へと戻らせ、ヒルバー達の船に飛び乗った私はその足でマドラッドへと向かう。
ペンネと話して、今の状況を確かめないとね。
マドラッドへと向かう最中、ヒルバーが私に話し掛ける。
『カミル殿、私が口を挟んで言いのか迷いましたが、ペンネル様はカミル殿の為に近隣の島を領地としようとしたのです。我等、魔族は戦う他にカミル殿から話し合う事を学びました……』
下を向きそう語るヒルバー。
「なら、なんで武力を持ち出したのよ?」
『今回、レナクル王国との話し合いは上手くまとまらず、ペンネル様は再度話し合いの席を申し入れましたが叶わず、武力を振るう道を選んでしまわれました、ペンネル様は多分、後悔しておいでです』
「わかったわ。それ以上は言わないで、ペンネとサンデア、マドラッドとレナクル王国は私が何とかするから」
宝探し処じゃないわ、ペンネが悩んでるなら助けないと、それに両国をこのままにしたら、いずれ取り返しがつかなくなるわ。
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その為、レナクル王国の海軍船には魔法を使う【魔導航海士】と呼ばれる航海士が存在する。
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そして、レナクル王国の海軍は海賊である。
本来は護る為に武力を振るう海の戦士であり、他国を侵略しない事を誇りとしている。
サンデアの話を聞いていると、私はある疑問に辿り着いた。
「一つ聞きたいのよね? この海賊船も他の船もザカメレアに攻撃してきたのは何故なの、話を聞いていたら矛盾するわよね?」
質問を問い掛ける私にサンデアは真剣な表情と共に喋り始める。
「私の国はザカメレアの同盟国であるマドラッドの魔王“ヘルム=ペンネル”により、宣戦布告を受けました……本来ならば、マドラッドに出向く筈でしたが、ザカメレアに海軍が不在と知り報復と言う愚かな行為に転じました」
真っ直ぐにそう語るサンデア。
「それって、マドラッドと戦ってるの?」
私の問いに頷くサンデア。
「今も同志がレナクルの為にマドラッドを足止めしていると言うのに……私は死ぬ覚悟は出来ています。どうか、レナクルの民の命は助けたいのです! 身勝手な言い分なのは承知しています、お願い致します……ザカメレア王と魔王ペンネルに謝罪と投降の意思を……民の命は私の命なんかより、遥かに重たいのです……」
必死に訴えながら涙を浮かべるサンデア。
サンデアの肩に手を当てると軽く2回叩く。
「アララ。スケルトン軍団に船の航路をレナクル王国に変更させて、行き先はサンデアに聞いて、メルリはガルーダに乗ってザカメレアに向かって、あと、カルメロに簡単に手紙を書くから渡して頂戴、頼むわよ」
早々と指示を出した私は後方のカメレオン男達が乗るマドラッドの船に向かう。
そして、レナクル王国と私との間に話がまとまったと伝えるとヒルバー達は混乱していたわ。
「今からマドラッドとレナクル王国の戦闘をやめさせるわ! いいわね!」
私の言葉にマドラッドの幹部であるヒルバーが頷くと話がまとまる。
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マドラッド側は私の姿に攻撃を止め、レナクル王国側は警戒するように武器を構える。
「マドラッド側は今すぐに戻りなさい! あと、ペンネに伝えて、話をしに行くからって。いいわね!」
私の言葉に困惑するマドラッド側の兵隊達、しかし、ヒルバー達が到着すると直ぐに状況を理解しマドラッドへと引き返していく。
感情冷めやらぬレナクル王国側は追撃をしようと動きだしていたわ。
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一旦、海賊船とサンデア達をレナクル王国へと戻らせ、ヒルバー達の船に飛び乗った私はその足でマドラッドへと向かう。
ペンネと話して、今の状況を確かめないとね。
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『カミル殿、私が口を挟んで言いのか迷いましたが、ペンネル様はカミル殿の為に近隣の島を領地としようとしたのです。我等、魔族は戦う他にカミル殿から話し合う事を学びました……』
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「なら、なんで武力を持ち出したのよ?」
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