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3章 素敵なハニーフォレスト
船旅です2
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マドラッドヘ向けて私達は船を進めたわ、不思議と波に揺られながら、全身に浴びる潮風が心地いいと感じてしまう。
デンキチは、久々の海に大はしゃぎで船の横を楽しそうに泳いでいる。
私は元海賊船の中を少し探索しようと思っていたの、他の沈めた船はマップで調べて、全て必要な物は貰ってから沈めたの。
私の海賊船はあとのお楽しみと言うことで、中は軽くしか調べてないわ。
スケルトン軍団が船内を調べた際に海賊は捕まえたから問題はないけど、いちようマップで全体を見ないとね。
横で私の不敵な笑みを見つめるメルリとアララ。
「お嬢様、楽しそうで何よりです、ですが! 勝手に海賊と戦うなんて危ない真似を……私は心配で心配で……」
「カミル、海賊船にはご飯は無いのですか? 流石にお腹が空きましたよぉ」
メルリとアララの話を聞きながら、取り敢えず落ち着いて話したいと言う結論に到る。
「わかったわ、取り敢えず船の厨房を探さしましょう。船の操作を頼んだわよ。スケルトン軍……いえ、船員の皆!」
『了解です! キャプテンカミル。いくぞ野郎共!』
『『『アイアイサーッ!』』』
一人のスケルトンが声をあげると一斉に持ち場につき、上機嫌に歌い出すスケルトン軍団。
海賊船と言うより、幽霊船と言うべき只為らぬ雰囲気を漂わせつつ船は進んでいく。
私はデッキから船内に続く階段を進み、マップを開く。
マップには食糧庫や火薬庫、医務室に船員の寝床、他にも色々な表示がされている。
下から上までを確認すると船底に近い最下層の一番奥の部屋に緑の点滅を複数見つけたの、その横には微動だにしない赤い点滅が1つ。
「メルリ、アララ。お茶は後にするわ。どうやらまだ、船に敵さんが居るみたいなのよね」
私の言葉にメルリとアララが頷き、一歩前に出る。
「ハァ、カミルが今、船内で暴れれば、確実に船は魚のお家になります」
「アララの言う通りです。お嬢様には取り敢えず戦闘は避けて頂き、私達で敵を排除いたしますので、御自重と御理解をお願い致します」
まるで私を破壊神のような目で見つめるアララとメルリ……正直、悲しいわ。
私は仕方ないと考え頷くと二人の後に続いて歩く。
マップを見ながら道案内をしながら最下層の部屋まで辿り着いたわ。
部屋は縦長で仕切られた部屋が幾つかあり、全てが最初の扉から進む他無いように造られていたわ。
一番奥が緑の点滅、その部屋から2つ手前に敵である赤い点滅が光っている。
最初の扉を開くと船底に敷き詰められた石の袋があり、※バラストの役目をしているのが分かるわ。
※バラスト……船舶等に使われる重し。安定性を高める為に積まれる。バラスト水等、重しにも種類が存在する。
次の扉を開いても同様に石の袋が置かれているだけだったわ。
そして、赤い点滅の部屋へと進む為、メルリがドアノブに手を掛ける。
その時、私の頭の中に警告音が鳴り響いた。
「メルリッ! ドアから離れて!」
声に即座に反応したメルリは後ろに飛び、ドアから距離をとる。
メルリが回避して直ぐにドアノブが反対側から回され、扉がゆっくりと開き始める。
「誰だ……ふぁ~、ザカメレアの港を落としたのかって、お前ら誰だよ?」
奥から姿を現したのは身長高めの若い男だったわ、腰には大きな刃の剣とベルトの代わりに使われている紐には立派な短剣が見える。
顔はバランスの良い優男に見えるが捲り上げられた袖からは幾多の戦いを潜り抜けてきたであろう傷痕と屈強な腕、危険な香りしかしないと言うべき存在感を漂わせていたの。
「あのさ? 言葉わかるかな、俺の船で何してるわけ? 他の連中も居ないし、君達、もしかしてザカメレアの兵隊さん?」
私達を見つめながら笑みを浮かべる男、しかし、目は笑っていない。
そして、私を見た瞬間、不敵に口元が動いたの。
“ガギンッ”
咄嗟に全身を物質変化魔法で鋼に変化させ、男の一撃を防ぐ。
男が軽く踏み込んでから一瞬だった……少しでも反応が遅れたら間違いなく刃は私に届いていたわ。
「おいおい! 手加減したつもりはない無いんだが……冗談キツイくらい硬いなぁ? 魔法の威力が魔術師のレベルじゃないなぁ」
困ったようにそう語る男は私から距離をとると刀を下に向け、再度構える。
「正直、勝てる気がしない、俺を捕まえる為に来たのか?」
男の質問に私は耳を貸す気はなかったわ……今の一撃で私の服の袖が綺麗に切られたの……絶対に赦さないんだから!
デンキチは、久々の海に大はしゃぎで船の横を楽しそうに泳いでいる。
私は元海賊船の中を少し探索しようと思っていたの、他の沈めた船はマップで調べて、全て必要な物は貰ってから沈めたの。
私の海賊船はあとのお楽しみと言うことで、中は軽くしか調べてないわ。
スケルトン軍団が船内を調べた際に海賊は捕まえたから問題はないけど、いちようマップで全体を見ないとね。
横で私の不敵な笑みを見つめるメルリとアララ。
「お嬢様、楽しそうで何よりです、ですが! 勝手に海賊と戦うなんて危ない真似を……私は心配で心配で……」
「カミル、海賊船にはご飯は無いのですか? 流石にお腹が空きましたよぉ」
メルリとアララの話を聞きながら、取り敢えず落ち着いて話したいと言う結論に到る。
「わかったわ、取り敢えず船の厨房を探さしましょう。船の操作を頼んだわよ。スケルトン軍……いえ、船員の皆!」
『了解です! キャプテンカミル。いくぞ野郎共!』
『『『アイアイサーッ!』』』
一人のスケルトンが声をあげると一斉に持ち場につき、上機嫌に歌い出すスケルトン軍団。
海賊船と言うより、幽霊船と言うべき只為らぬ雰囲気を漂わせつつ船は進んでいく。
私はデッキから船内に続く階段を進み、マップを開く。
マップには食糧庫や火薬庫、医務室に船員の寝床、他にも色々な表示がされている。
下から上までを確認すると船底に近い最下層の一番奥の部屋に緑の点滅を複数見つけたの、その横には微動だにしない赤い点滅が1つ。
「メルリ、アララ。お茶は後にするわ。どうやらまだ、船に敵さんが居るみたいなのよね」
私の言葉にメルリとアララが頷き、一歩前に出る。
「ハァ、カミルが今、船内で暴れれば、確実に船は魚のお家になります」
「アララの言う通りです。お嬢様には取り敢えず戦闘は避けて頂き、私達で敵を排除いたしますので、御自重と御理解をお願い致します」
まるで私を破壊神のような目で見つめるアララとメルリ……正直、悲しいわ。
私は仕方ないと考え頷くと二人の後に続いて歩く。
マップを見ながら道案内をしながら最下層の部屋まで辿り着いたわ。
部屋は縦長で仕切られた部屋が幾つかあり、全てが最初の扉から進む他無いように造られていたわ。
一番奥が緑の点滅、その部屋から2つ手前に敵である赤い点滅が光っている。
最初の扉を開くと船底に敷き詰められた石の袋があり、※バラストの役目をしているのが分かるわ。
※バラスト……船舶等に使われる重し。安定性を高める為に積まれる。バラスト水等、重しにも種類が存在する。
次の扉を開いても同様に石の袋が置かれているだけだったわ。
そして、赤い点滅の部屋へと進む為、メルリがドアノブに手を掛ける。
その時、私の頭の中に警告音が鳴り響いた。
「メルリッ! ドアから離れて!」
声に即座に反応したメルリは後ろに飛び、ドアから距離をとる。
メルリが回避して直ぐにドアノブが反対側から回され、扉がゆっくりと開き始める。
「誰だ……ふぁ~、ザカメレアの港を落としたのかって、お前ら誰だよ?」
奥から姿を現したのは身長高めの若い男だったわ、腰には大きな刃の剣とベルトの代わりに使われている紐には立派な短剣が見える。
顔はバランスの良い優男に見えるが捲り上げられた袖からは幾多の戦いを潜り抜けてきたであろう傷痕と屈強な腕、危険な香りしかしないと言うべき存在感を漂わせていたの。
「あのさ? 言葉わかるかな、俺の船で何してるわけ? 他の連中も居ないし、君達、もしかしてザカメレアの兵隊さん?」
私達を見つめながら笑みを浮かべる男、しかし、目は笑っていない。
そして、私を見た瞬間、不敵に口元が動いたの。
“ガギンッ”
咄嗟に全身を物質変化魔法で鋼に変化させ、男の一撃を防ぐ。
男が軽く踏み込んでから一瞬だった……少しでも反応が遅れたら間違いなく刃は私に届いていたわ。
「おいおい! 手加減したつもりはない無いんだが……冗談キツイくらい硬いなぁ? 魔法の威力が魔術師のレベルじゃないなぁ」
困ったようにそう語る男は私から距離をとると刀を下に向け、再度構える。
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