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3章 素敵なハニーフォレスト
湖の周りは大騒ぎです3
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騙されたと勘違いして怒りに我を忘れたレーメン、その背後に集まる森の妖精達の姿はどうするべきかを悩んでるように見えるわ、ただ、私達には悩んでる暇が無いわ!
レーメンの黒い涙が濃くなるにつれて私のマップに毒マークが大きく点滅していく。
此のままだと森がゲームの毒沼みたいになっちゃうわよ。
「メガはボスを連れて先に下流に向かって、ボス! 此処から先に流れてくる毒水をなんとかする方法を考えて! お願いね」
『がってんでさ、姐さん!』と頷くボスを連れてメガが下流に向かい駆け出していく。
私はレーメンの足止めをする為、逃げるのをやめて、その場で足を止めて後ろを振り向く。
デンキチとモームも私の動きに合わせて行動してくれてた為、直ぐに立ち止まりレーメンと向き合うように停止したの。
見るからに悪役と言うべき真っ黒く染まったレーメンの姿は痛々しいとしか言いようがないわ、話がしたいけど、話を耳に入れてくれる様子は微塵も感じられない。
レーメンの恨めしそうな怒りに満ちた表情と黒い涙が私の背筋に寒気を感じさせる。今までのペンネや麟鳳亀竜の戦いとは違う、本当に嫌な感じがする。
私達と向き合ったレーメンは止まる様子がなく、妖精と言うよりも魔獣や悪霊のようにに感じられる。
「レーメン! 一旦話を聞いてッ!」
私の声に耳を貸す様子がなく、微かに聞こえているのだろうレーメンは『キサマァラァァァァ! 帰せェェェッ!』と呻き声のような低い声で迫ってくる。
「聞く耳なしか、仕方無いわね。此処で食い止めるわよ! 此のままじゃ、川だけじゃなくて、森が全滅しちゃうわ」
私の言葉に鼻息を荒くするデンキチ。
『デンキチのトマトを! アイツ赦さない……絶対倒す!』
倒すって……止めるだけでいいんだけど……まぁ、仕方無いわね。
デンキチが前に出ようとした時、モームがその前方に一歩出る。
『レーメンは森の水を司る守護者、倒したらダメ、此処は森の大地を守護する私がいくよ。ムオォォォォォッ!』
モームが迫り来るレーメンに対して大きく雄叫びをあげる。
その余りに大きな雄叫びに私もデンキチも耳を慌てて塞いだわ。
耳を塞いでも体に伝わる振動は想像を遥かに上回る勢いで私の全身を中から掻き乱されるような感覚に、私は地べたに両膝をつき、全身が痺れ身動きがとれなくなっていたの。
「なんて、デカイ声なの……塞いだ筈の耳がまだ痺れてるわッて! デンキチ大丈夫!」
私の横で目を回すように倒れているデンキチ。
私は直ぐに理解したわ……デンキチの手は口までしか届かないんだ……
耳まで手が伸びなかったデンキチはモームの雄叫びを諸に聞いて気絶してたの。
そんなデンキチと同様にその場で倒れ込み気絶するレーメンの姿、私はモームが何故、森全体のボスなのかを理解したわ。
雄叫びを聞いつて、引き返してきたボスとメガが気絶したデンキチとレーメンの姿を見て、事態が把握できず困惑していたわ。
そんなメガとボスの二人に私は慌てて下流に行ったかを確かめる。
「下流に行く前に戻ってきちゃったの?」
ボスは私にある木の実を見せると其れを川に投げ入れたの。
木の実は徐々に水を吸い込み、“ビー玉”と同等のサイズだったものが“サッカーボール”のサイズにまで膨れ上がっていく。
「何これ! 面白いわね……じゃなくて、此で毒を吸い取れるの?」
私の質問に自信満々にボスが返事をしたわ。
『へい! 間違いなく木の実の中には毒が入ってます。この実は毒を吸うことで他の魔獣から本体の木を護る役割に使われる“蛇実”と言う危ない木の実なんでさ、駆け付けて来たジュレが毒沼に放り投げれば毒は全て木の実の栄養になると、今も下流で作業を続けてくれてやす』
ボスの説明に私は全てを理解したわ。
木の実を大量に川に浮かべて毒を吸い取り、ジュレの加勢で下流への影響を消してくれたみたいなの。
本当に今回は危なかったわ……取り敢えず、なんとかなったけど……レーメンをどうするか考えないと、起きたら誤解を解く為に話し合いをしないといけないわね。
私は気絶したデンキチを影に入れ、ボスをジュレの元に向かわせる。
気絶しているレーメンをモームの背に乗せてその場を後にする。
その際、妖精達が怯えながら、私の前に立ちはだかったのよね……レーメンを守ろうとしてたの。
「貴女達の女王と少しだけ家でお茶をしながら話がしたいの、無事に御返しするから、道を開けてちょうだい?」
妖精達は私の周りを何周か回ると納得したように姿を消していったわ、信じて貰えたんだと信じたいわね。
レーメンの黒い涙が濃くなるにつれて私のマップに毒マークが大きく点滅していく。
此のままだと森がゲームの毒沼みたいになっちゃうわよ。
「メガはボスを連れて先に下流に向かって、ボス! 此処から先に流れてくる毒水をなんとかする方法を考えて! お願いね」
『がってんでさ、姐さん!』と頷くボスを連れてメガが下流に向かい駆け出していく。
私はレーメンの足止めをする為、逃げるのをやめて、その場で足を止めて後ろを振り向く。
デンキチとモームも私の動きに合わせて行動してくれてた為、直ぐに立ち止まりレーメンと向き合うように停止したの。
見るからに悪役と言うべき真っ黒く染まったレーメンの姿は痛々しいとしか言いようがないわ、話がしたいけど、話を耳に入れてくれる様子は微塵も感じられない。
レーメンの恨めしそうな怒りに満ちた表情と黒い涙が私の背筋に寒気を感じさせる。今までのペンネや麟鳳亀竜の戦いとは違う、本当に嫌な感じがする。
私達と向き合ったレーメンは止まる様子がなく、妖精と言うよりも魔獣や悪霊のようにに感じられる。
「レーメン! 一旦話を聞いてッ!」
私の声に耳を貸す様子がなく、微かに聞こえているのだろうレーメンは『キサマァラァァァァ! 帰せェェェッ!』と呻き声のような低い声で迫ってくる。
「聞く耳なしか、仕方無いわね。此処で食い止めるわよ! 此のままじゃ、川だけじゃなくて、森が全滅しちゃうわ」
私の言葉に鼻息を荒くするデンキチ。
『デンキチのトマトを! アイツ赦さない……絶対倒す!』
倒すって……止めるだけでいいんだけど……まぁ、仕方無いわね。
デンキチが前に出ようとした時、モームがその前方に一歩出る。
『レーメンは森の水を司る守護者、倒したらダメ、此処は森の大地を守護する私がいくよ。ムオォォォォォッ!』
モームが迫り来るレーメンに対して大きく雄叫びをあげる。
その余りに大きな雄叫びに私もデンキチも耳を慌てて塞いだわ。
耳を塞いでも体に伝わる振動は想像を遥かに上回る勢いで私の全身を中から掻き乱されるような感覚に、私は地べたに両膝をつき、全身が痺れ身動きがとれなくなっていたの。
「なんて、デカイ声なの……塞いだ筈の耳がまだ痺れてるわッて! デンキチ大丈夫!」
私の横で目を回すように倒れているデンキチ。
私は直ぐに理解したわ……デンキチの手は口までしか届かないんだ……
耳まで手が伸びなかったデンキチはモームの雄叫びを諸に聞いて気絶してたの。
そんなデンキチと同様にその場で倒れ込み気絶するレーメンの姿、私はモームが何故、森全体のボスなのかを理解したわ。
雄叫びを聞いつて、引き返してきたボスとメガが気絶したデンキチとレーメンの姿を見て、事態が把握できず困惑していたわ。
そんなメガとボスの二人に私は慌てて下流に行ったかを確かめる。
「下流に行く前に戻ってきちゃったの?」
ボスは私にある木の実を見せると其れを川に投げ入れたの。
木の実は徐々に水を吸い込み、“ビー玉”と同等のサイズだったものが“サッカーボール”のサイズにまで膨れ上がっていく。
「何これ! 面白いわね……じゃなくて、此で毒を吸い取れるの?」
私の質問に自信満々にボスが返事をしたわ。
『へい! 間違いなく木の実の中には毒が入ってます。この実は毒を吸うことで他の魔獣から本体の木を護る役割に使われる“蛇実”と言う危ない木の実なんでさ、駆け付けて来たジュレが毒沼に放り投げれば毒は全て木の実の栄養になると、今も下流で作業を続けてくれてやす』
ボスの説明に私は全てを理解したわ。
木の実を大量に川に浮かべて毒を吸い取り、ジュレの加勢で下流への影響を消してくれたみたいなの。
本当に今回は危なかったわ……取り敢えず、なんとかなったけど……レーメンをどうするか考えないと、起きたら誤解を解く為に話し合いをしないといけないわね。
私は気絶したデンキチを影に入れ、ボスをジュレの元に向かわせる。
気絶しているレーメンをモームの背に乗せてその場を後にする。
その際、妖精達が怯えながら、私の前に立ちはだかったのよね……レーメンを守ろうとしてたの。
「貴女達の女王と少しだけ家でお茶をしながら話がしたいの、無事に御返しするから、道を開けてちょうだい?」
妖精達は私の周りを何周か回ると納得したように姿を消していったわ、信じて貰えたんだと信じたいわね。
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