119 / 310
3章 素敵なハニーフォレスト
湖の周りは大騒ぎです3
しおりを挟む
騙されたと勘違いして怒りに我を忘れたレーメン、その背後に集まる森の妖精達の姿はどうするべきかを悩んでるように見えるわ、ただ、私達には悩んでる暇が無いわ!
レーメンの黒い涙が濃くなるにつれて私のマップに毒マークが大きく点滅していく。
此のままだと森がゲームの毒沼みたいになっちゃうわよ。
「メガはボスを連れて先に下流に向かって、ボス! 此処から先に流れてくる毒水をなんとかする方法を考えて! お願いね」
『がってんでさ、姐さん!』と頷くボスを連れてメガが下流に向かい駆け出していく。
私はレーメンの足止めをする為、逃げるのをやめて、その場で足を止めて後ろを振り向く。
デンキチとモームも私の動きに合わせて行動してくれてた為、直ぐに立ち止まりレーメンと向き合うように停止したの。
見るからに悪役と言うべき真っ黒く染まったレーメンの姿は痛々しいとしか言いようがないわ、話がしたいけど、話を耳に入れてくれる様子は微塵も感じられない。
レーメンの恨めしそうな怒りに満ちた表情と黒い涙が私の背筋に寒気を感じさせる。今までのペンネや麟鳳亀竜の戦いとは違う、本当に嫌な感じがする。
私達と向き合ったレーメンは止まる様子がなく、妖精と言うよりも魔獣や悪霊のようにに感じられる。
「レーメン! 一旦話を聞いてッ!」
私の声に耳を貸す様子がなく、微かに聞こえているのだろうレーメンは『キサマァラァァァァ! 帰せェェェッ!』と呻き声のような低い声で迫ってくる。
「聞く耳なしか、仕方無いわね。此処で食い止めるわよ! 此のままじゃ、川だけじゃなくて、森が全滅しちゃうわ」
私の言葉に鼻息を荒くするデンキチ。
『デンキチのトマトを! アイツ赦さない……絶対倒す!』
倒すって……止めるだけでいいんだけど……まぁ、仕方無いわね。
デンキチが前に出ようとした時、モームがその前方に一歩出る。
『レーメンは森の水を司る守護者、倒したらダメ、此処は森の大地を守護する私がいくよ。ムオォォォォォッ!』
モームが迫り来るレーメンに対して大きく雄叫びをあげる。
その余りに大きな雄叫びに私もデンキチも耳を慌てて塞いだわ。
耳を塞いでも体に伝わる振動は想像を遥かに上回る勢いで私の全身を中から掻き乱されるような感覚に、私は地べたに両膝をつき、全身が痺れ身動きがとれなくなっていたの。
「なんて、デカイ声なの……塞いだ筈の耳がまだ痺れてるわッて! デンキチ大丈夫!」
私の横で目を回すように倒れているデンキチ。
私は直ぐに理解したわ……デンキチの手は口までしか届かないんだ……
耳まで手が伸びなかったデンキチはモームの雄叫びを諸に聞いて気絶してたの。
そんなデンキチと同様にその場で倒れ込み気絶するレーメンの姿、私はモームが何故、森全体のボスなのかを理解したわ。
雄叫びを聞いつて、引き返してきたボスとメガが気絶したデンキチとレーメンの姿を見て、事態が把握できず困惑していたわ。
そんなメガとボスの二人に私は慌てて下流に行ったかを確かめる。
「下流に行く前に戻ってきちゃったの?」
ボスは私にある木の実を見せると其れを川に投げ入れたの。
木の実は徐々に水を吸い込み、“ビー玉”と同等のサイズだったものが“サッカーボール”のサイズにまで膨れ上がっていく。
「何これ! 面白いわね……じゃなくて、此で毒を吸い取れるの?」
私の質問に自信満々にボスが返事をしたわ。
『へい! 間違いなく木の実の中には毒が入ってます。この実は毒を吸うことで他の魔獣から本体の木を護る役割に使われる“蛇実”と言う危ない木の実なんでさ、駆け付けて来たジュレが毒沼に放り投げれば毒は全て木の実の栄養になると、今も下流で作業を続けてくれてやす』
ボスの説明に私は全てを理解したわ。
木の実を大量に川に浮かべて毒を吸い取り、ジュレの加勢で下流への影響を消してくれたみたいなの。
本当に今回は危なかったわ……取り敢えず、なんとかなったけど……レーメンをどうするか考えないと、起きたら誤解を解く為に話し合いをしないといけないわね。
私は気絶したデンキチを影に入れ、ボスをジュレの元に向かわせる。
気絶しているレーメンをモームの背に乗せてその場を後にする。
その際、妖精達が怯えながら、私の前に立ちはだかったのよね……レーメンを守ろうとしてたの。
「貴女達の女王と少しだけ家でお茶をしながら話がしたいの、無事に御返しするから、道を開けてちょうだい?」
妖精達は私の周りを何周か回ると納得したように姿を消していったわ、信じて貰えたんだと信じたいわね。
レーメンの黒い涙が濃くなるにつれて私のマップに毒マークが大きく点滅していく。
此のままだと森がゲームの毒沼みたいになっちゃうわよ。
「メガはボスを連れて先に下流に向かって、ボス! 此処から先に流れてくる毒水をなんとかする方法を考えて! お願いね」
『がってんでさ、姐さん!』と頷くボスを連れてメガが下流に向かい駆け出していく。
私はレーメンの足止めをする為、逃げるのをやめて、その場で足を止めて後ろを振り向く。
デンキチとモームも私の動きに合わせて行動してくれてた為、直ぐに立ち止まりレーメンと向き合うように停止したの。
見るからに悪役と言うべき真っ黒く染まったレーメンの姿は痛々しいとしか言いようがないわ、話がしたいけど、話を耳に入れてくれる様子は微塵も感じられない。
レーメンの恨めしそうな怒りに満ちた表情と黒い涙が私の背筋に寒気を感じさせる。今までのペンネや麟鳳亀竜の戦いとは違う、本当に嫌な感じがする。
私達と向き合ったレーメンは止まる様子がなく、妖精と言うよりも魔獣や悪霊のようにに感じられる。
「レーメン! 一旦話を聞いてッ!」
私の声に耳を貸す様子がなく、微かに聞こえているのだろうレーメンは『キサマァラァァァァ! 帰せェェェッ!』と呻き声のような低い声で迫ってくる。
「聞く耳なしか、仕方無いわね。此処で食い止めるわよ! 此のままじゃ、川だけじゃなくて、森が全滅しちゃうわ」
私の言葉に鼻息を荒くするデンキチ。
『デンキチのトマトを! アイツ赦さない……絶対倒す!』
倒すって……止めるだけでいいんだけど……まぁ、仕方無いわね。
デンキチが前に出ようとした時、モームがその前方に一歩出る。
『レーメンは森の水を司る守護者、倒したらダメ、此処は森の大地を守護する私がいくよ。ムオォォォォォッ!』
モームが迫り来るレーメンに対して大きく雄叫びをあげる。
その余りに大きな雄叫びに私もデンキチも耳を慌てて塞いだわ。
耳を塞いでも体に伝わる振動は想像を遥かに上回る勢いで私の全身を中から掻き乱されるような感覚に、私は地べたに両膝をつき、全身が痺れ身動きがとれなくなっていたの。
「なんて、デカイ声なの……塞いだ筈の耳がまだ痺れてるわッて! デンキチ大丈夫!」
私の横で目を回すように倒れているデンキチ。
私は直ぐに理解したわ……デンキチの手は口までしか届かないんだ……
耳まで手が伸びなかったデンキチはモームの雄叫びを諸に聞いて気絶してたの。
そんなデンキチと同様にその場で倒れ込み気絶するレーメンの姿、私はモームが何故、森全体のボスなのかを理解したわ。
雄叫びを聞いつて、引き返してきたボスとメガが気絶したデンキチとレーメンの姿を見て、事態が把握できず困惑していたわ。
そんなメガとボスの二人に私は慌てて下流に行ったかを確かめる。
「下流に行く前に戻ってきちゃったの?」
ボスは私にある木の実を見せると其れを川に投げ入れたの。
木の実は徐々に水を吸い込み、“ビー玉”と同等のサイズだったものが“サッカーボール”のサイズにまで膨れ上がっていく。
「何これ! 面白いわね……じゃなくて、此で毒を吸い取れるの?」
私の質問に自信満々にボスが返事をしたわ。
『へい! 間違いなく木の実の中には毒が入ってます。この実は毒を吸うことで他の魔獣から本体の木を護る役割に使われる“蛇実”と言う危ない木の実なんでさ、駆け付けて来たジュレが毒沼に放り投げれば毒は全て木の実の栄養になると、今も下流で作業を続けてくれてやす』
ボスの説明に私は全てを理解したわ。
木の実を大量に川に浮かべて毒を吸い取り、ジュレの加勢で下流への影響を消してくれたみたいなの。
本当に今回は危なかったわ……取り敢えず、なんとかなったけど……レーメンをどうするか考えないと、起きたら誤解を解く為に話し合いをしないといけないわね。
私は気絶したデンキチを影に入れ、ボスをジュレの元に向かわせる。
気絶しているレーメンをモームの背に乗せてその場を後にする。
その際、妖精達が怯えながら、私の前に立ちはだかったのよね……レーメンを守ろうとしてたの。
「貴女達の女王と少しだけ家でお茶をしながら話がしたいの、無事に御返しするから、道を開けてちょうだい?」
妖精達は私の周りを何周か回ると納得したように姿を消していったわ、信じて貰えたんだと信じたいわね。
1
お気に入りに追加
548
あなたにおすすめの小説

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

願いの代償
らがまふぃん
恋愛
誰も彼もが軽視する。婚約者に家族までも。
公爵家に生まれ、王太子の婚約者となっても、誰からも認められることのないメルナーゼ・カーマイン。
唐突に思う。
どうして頑張っているのか。
どうして生きていたいのか。
もう、いいのではないだろうか。
メルナーゼが生を諦めたとき、世界の運命が決まった。
*ご都合主義です。わかりづらいなどありましたらすみません。笑って読んでくださいませ。本編15話で完結です。番外編を数話、気まぐれに投稿します。よろしくお願いいたします。
※ありがたいことにHOTランキング入りいたしました。たくさんの方の目に触れる機会に感謝です。本編は終了しましたが、番外編も投稿予定ですので、気長にお付き合いくださると嬉しいです。たくさんのお気に入り登録、しおり、エール、いいねをありがとうございます。R7.1/31
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる