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3章 素敵なハニーフォレスト
湖の周りは大騒ぎです2
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私は背後に居るであろうエレメントクイーンに向かって覚悟を決めて声を掛けたの。
「わ、私はカミル、貴女は誰……なのかしら」
私の問に小さな声で『あなた誰? なんで私と話せるの?』と返されたわ。
まるで敵意を感じない幼い子供のような返答に私の中で恐怖が和らいだように感じたの。
「今から振り向くけど、いいかしら? 話をするなら顔を見て喋りたいんだよね」
私はある意味での賭けに出たんだと思う。もしも、エレメントクイーンが振り向いた途端に私を襲撃したら私は回避できないだろう、和らいだ筈の恐怖が甦る最中、聞こえてきた返答。
『わかった、私も話を聞いて欲しいの』
その言葉にゆっくりと振り向く私、其処には黒い涙を拭ったばかりのエレメントクイーンが居たわ。
「えっと、改めて自己紹介をするわね。私はミルシュ=カミル。いちよう召喚師よ。貴女は?」
『私はレーメン、この地域一帯の水脈を管理する妖精の女王です』
やっぱり、かなりの上位精霊なのね、不意討ちしなくて正解だったわ。
私はレーメンに何故泣いていたかを尋ねたの、話し合いが上手くいけば解決策も見つかる筈だもの。
『私の大切な友達がいなくなったの……朝まではちゃんと居たの……私が約束に遅れたから……エレメント達が巨大な魔獣に連れていかれたって教えてくれて……でも、私は水脈と繋がってるから動けないの……お願い、私の友達を連れ戻して……お願い』
そう言うと両手で顔面を押さえて泣き出すレーメン、私はレーメンからの願いを受ける他ない状況に追いやられてしまっていたわ。
「はぁ、わかったわ。取り敢えず、その魔獣の特徴を教えて、姿、形がわからないと捜すに捜せないわ」
日が傾いた湖の辺りに私とレーメンの影が照らさし出される。
そして、語られる魔獣の容姿。
『その魔獣は、巨大な口に鋭い牙のような歯があり、巨大な体で軽々と私の友人を連れ去ったそうです……全身は夕陽のような橙色で、以前から噂に名高い森の支配者の部下のようなんです、流石の私も森の支配者を相手に勝てるかわからずにいます』
何よ? モーム以外にレーメンってボスキャラがいるのに、更に支配者がいるの……他人事じゃなくなってきたわね。
「で、森の支配者の名前とかはわかるの?」
私の質問に首を横に振るレーメン。
『悪魔のような魔力と自在に姿を変えると言う話ですが……私達、エレメントは精霊であり、森の声しか聞けません。どうか、私の友人を助けて』
私はレーメンの話を聞いて敵は私のマップにめ現れない存在であると理解したわ。
それはつまり、敵に襲われる恐れがあり、その際にマップが使えない事実を私に教えていたわ。
私はレーメンに友達を捜す代わりに水の浄化をお願いしたの、レーメン本人は気づいていないみたいだけど、湖は毒のマークが広がり確実に木々に影響を与えていたわ。
「レーメン、友達捜しは任せて、私の使い魔達は優秀だから直ぐに見つかるわよ。序でにその森の支配者気取りの悪党も私が捕まえてあげるわ」
私はレーメンの目の前で召喚魔法を発動するとデンキチ、メガ、モーム、ボスの4人を召喚したの。
「この森の中でこの子達に探し出せない者はいないわ。任せてねレーメン」
しかし、私はレーメンの怒りに満ちた表情を目の当たりにすることになったの。
『橙色の魔獣……そうか、私を最初から狙っていたと言う事か……カミル、いや、森の支配者よ……私は容易く倒せぬぞ!』
へ? 何の話よ! と言うより、話を聞いてくれる雰囲気じゃないわ!
「わ、私はカミル、貴女は誰……なのかしら」
私の問に小さな声で『あなた誰? なんで私と話せるの?』と返されたわ。
まるで敵意を感じない幼い子供のような返答に私の中で恐怖が和らいだように感じたの。
「今から振り向くけど、いいかしら? 話をするなら顔を見て喋りたいんだよね」
私はある意味での賭けに出たんだと思う。もしも、エレメントクイーンが振り向いた途端に私を襲撃したら私は回避できないだろう、和らいだ筈の恐怖が甦る最中、聞こえてきた返答。
『わかった、私も話を聞いて欲しいの』
その言葉にゆっくりと振り向く私、其処には黒い涙を拭ったばかりのエレメントクイーンが居たわ。
「えっと、改めて自己紹介をするわね。私はミルシュ=カミル。いちよう召喚師よ。貴女は?」
『私はレーメン、この地域一帯の水脈を管理する妖精の女王です』
やっぱり、かなりの上位精霊なのね、不意討ちしなくて正解だったわ。
私はレーメンに何故泣いていたかを尋ねたの、話し合いが上手くいけば解決策も見つかる筈だもの。
『私の大切な友達がいなくなったの……朝まではちゃんと居たの……私が約束に遅れたから……エレメント達が巨大な魔獣に連れていかれたって教えてくれて……でも、私は水脈と繋がってるから動けないの……お願い、私の友達を連れ戻して……お願い』
そう言うと両手で顔面を押さえて泣き出すレーメン、私はレーメンからの願いを受ける他ない状況に追いやられてしまっていたわ。
「はぁ、わかったわ。取り敢えず、その魔獣の特徴を教えて、姿、形がわからないと捜すに捜せないわ」
日が傾いた湖の辺りに私とレーメンの影が照らさし出される。
そして、語られる魔獣の容姿。
『その魔獣は、巨大な口に鋭い牙のような歯があり、巨大な体で軽々と私の友人を連れ去ったそうです……全身は夕陽のような橙色で、以前から噂に名高い森の支配者の部下のようなんです、流石の私も森の支配者を相手に勝てるかわからずにいます』
何よ? モーム以外にレーメンってボスキャラがいるのに、更に支配者がいるの……他人事じゃなくなってきたわね。
「で、森の支配者の名前とかはわかるの?」
私の質問に首を横に振るレーメン。
『悪魔のような魔力と自在に姿を変えると言う話ですが……私達、エレメントは精霊であり、森の声しか聞けません。どうか、私の友人を助けて』
私はレーメンの話を聞いて敵は私のマップにめ現れない存在であると理解したわ。
それはつまり、敵に襲われる恐れがあり、その際にマップが使えない事実を私に教えていたわ。
私はレーメンに友達を捜す代わりに水の浄化をお願いしたの、レーメン本人は気づいていないみたいだけど、湖は毒のマークが広がり確実に木々に影響を与えていたわ。
「レーメン、友達捜しは任せて、私の使い魔達は優秀だから直ぐに見つかるわよ。序でにその森の支配者気取りの悪党も私が捕まえてあげるわ」
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しかし、私はレーメンの怒りに満ちた表情を目の当たりにすることになったの。
『橙色の魔獣……そうか、私を最初から狙っていたと言う事か……カミル、いや、森の支配者よ……私は容易く倒せぬぞ!』
へ? 何の話よ! と言うより、話を聞いてくれる雰囲気じゃないわ!
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