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2章 外の世界へ
騎士学院初なんです。
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騒がしい夜が終わり、朝がやって来る。
サトウは少しピリピリした様子で緊張が解れていないみたいね。
「サトウ。気合いよ!」と私は背中を“バシッ”と叩き気合を注入する。
朝食は蜂蜜をタップリ使ったフレンチトーストに甘い玉子焼きをメルリに頼んで作って貰ったわ。
はじめはメルリは嫌がったけど「サトウは仲間なのよ? 仲間の為に頑張れるメルリが私は好きよ?」と言うと顔を真っ赤にしながら私の渡したレシピ通りに作ってくれたの。
因みにララリルルには、和食みたいな物がないの、お米も余り流通してないみたいね。
だから、簡単な筈の甘い玉子焼きは何個も黒く焼き上がったわ……料理が得意なメルリも砂糖の焦げる早さにビックリしてたわね。
そんな朝食を口にしたサトウは不思議と涙を流していた。
「な、何で泣くのよ」と私が質問をするとサトウは「玉子焼きなんて何年振りだろ……こんなに美味しかったんだな」と懐かしい故郷の味を噛み締めていたわ。
フレンチトーストも朝から4枚と確り食べ過ぎね、でも気合いが入ったみたいね。いい表情をしてるわ。
「さぁ、サトウ急ぐわよ! 今日の試験は勝つわよ」
私はメルリ、サトウと共に騎士学院に向かう。
アララ、ペンネ、クレレも朝食を済ませてから騎士学院に来る予定よ。
騎士学院に着くと騎士学院の全生徒が出迎えているのではないかと疑いたくなる程の生徒と教員が私達を出迎えてくれたの。
普通ならこんなに集まらない筈の編入試験、しかし、今回は私の存在が人を呼び寄せたらしい。
口々に「魔王を倒した召喚師」「二大国家を滅ぼしかねない存在」「魔王より魔王」など、言われたい放題だわね。
先に着いた私達に合流したペンネ達が私への言葉を耳にする。
「黙れッ! 言いたい事があるならば、今すぐ目の前に出てこぬか。群れて語るが主らの騎士道ならば外道としか言えぬ」
ペンネの言葉に集まった学院の生徒達が拳を握り、あわや大乱闘に発展するかとひやひやしたわ。
でも、私の後ろから豪快な声が響くと集まった教員を含め学院側の声がピタリとやんだの。
「何を騒いでんだ? やるなら1対1の真剣勝負が基本だろうが? いいから遣る気のある奴は前にでろ!」
そう、その声の主はクラウン=バイルだったの、御丁寧にバリカさんやラッペンお爺ちゃんに、じい様までいる始末。
「え、何でバイルさん? それにお爺ちゃん達までいるのよ」
予想だにしない麟鳳亀竜の登場に私すら驚きを隠せずに居たわ。
そんな私を見てラッペンお爺ちゃんが、親指を立てて“グっ”と、どや顔を向けてきたの。
「なに、バイルが面白い見せもんがあると言ってきてな、バリカもリハビリがてらにつれてきたんじゃ。じい様も暇そうなんで連れてきたって、わけだ」
存在感の塊となった私達に加えて背後に麟鳳亀竜、誰もが口を結んだまま微動だにしない中、学院長が近づいてくる。
学院長が私を含む全員に会釈をすると喋り始める。
「此れは此れは、麟鳳亀竜の皆様まで、驚きました。ですが今回は編入試験ですので会場に席を設けさせて頂きますのでそちらで試験を御覧くださいますようにお願いいたします。編入試験者のサトウさんは会場に私が直接案内いたしますので、失礼いたします」
サトウは学院長と共に試験会場へ向かい私達は会場となる体育館へ向かう、観覧席と言える二階の席に腰掛けた私達の反対側に学院の生徒の大半が座り、麟鳳亀竜のメンバーの側に教員達が不安そうに座っていく。
両者がリングに姿を表すと会場がざわめき、タウリとサトウが左右の入り口から堂々とリングへと歩んでいく。
試験を始めようと審判が手を上にあげた瞬間、タウリが待ったを掛ける。
「今回の編入試験には使い魔を使用したい。サトウもその方が戦いやすいだろ?」
タウリは私達の考えを理解してると言うより……計画に感ずいてるじゃない!
サトウはその提案を受け入れるとカリンが姿を現す。
タウリも同様にクエンを召喚する。
騎士学院、初の使い魔を使う編入試験になっちゃったの。
サトウは少しピリピリした様子で緊張が解れていないみたいね。
「サトウ。気合いよ!」と私は背中を“バシッ”と叩き気合を注入する。
朝食は蜂蜜をタップリ使ったフレンチトーストに甘い玉子焼きをメルリに頼んで作って貰ったわ。
はじめはメルリは嫌がったけど「サトウは仲間なのよ? 仲間の為に頑張れるメルリが私は好きよ?」と言うと顔を真っ赤にしながら私の渡したレシピ通りに作ってくれたの。
因みにララリルルには、和食みたいな物がないの、お米も余り流通してないみたいね。
だから、簡単な筈の甘い玉子焼きは何個も黒く焼き上がったわ……料理が得意なメルリも砂糖の焦げる早さにビックリしてたわね。
そんな朝食を口にしたサトウは不思議と涙を流していた。
「な、何で泣くのよ」と私が質問をするとサトウは「玉子焼きなんて何年振りだろ……こんなに美味しかったんだな」と懐かしい故郷の味を噛み締めていたわ。
フレンチトーストも朝から4枚と確り食べ過ぎね、でも気合いが入ったみたいね。いい表情をしてるわ。
「さぁ、サトウ急ぐわよ! 今日の試験は勝つわよ」
私はメルリ、サトウと共に騎士学院に向かう。
アララ、ペンネ、クレレも朝食を済ませてから騎士学院に来る予定よ。
騎士学院に着くと騎士学院の全生徒が出迎えているのではないかと疑いたくなる程の生徒と教員が私達を出迎えてくれたの。
普通ならこんなに集まらない筈の編入試験、しかし、今回は私の存在が人を呼び寄せたらしい。
口々に「魔王を倒した召喚師」「二大国家を滅ぼしかねない存在」「魔王より魔王」など、言われたい放題だわね。
先に着いた私達に合流したペンネ達が私への言葉を耳にする。
「黙れッ! 言いたい事があるならば、今すぐ目の前に出てこぬか。群れて語るが主らの騎士道ならば外道としか言えぬ」
ペンネの言葉に集まった学院の生徒達が拳を握り、あわや大乱闘に発展するかとひやひやしたわ。
でも、私の後ろから豪快な声が響くと集まった教員を含め学院側の声がピタリとやんだの。
「何を騒いでんだ? やるなら1対1の真剣勝負が基本だろうが? いいから遣る気のある奴は前にでろ!」
そう、その声の主はクラウン=バイルだったの、御丁寧にバリカさんやラッペンお爺ちゃんに、じい様までいる始末。
「え、何でバイルさん? それにお爺ちゃん達までいるのよ」
予想だにしない麟鳳亀竜の登場に私すら驚きを隠せずに居たわ。
そんな私を見てラッペンお爺ちゃんが、親指を立てて“グっ”と、どや顔を向けてきたの。
「なに、バイルが面白い見せもんがあると言ってきてな、バリカもリハビリがてらにつれてきたんじゃ。じい様も暇そうなんで連れてきたって、わけだ」
存在感の塊となった私達に加えて背後に麟鳳亀竜、誰もが口を結んだまま微動だにしない中、学院長が近づいてくる。
学院長が私を含む全員に会釈をすると喋り始める。
「此れは此れは、麟鳳亀竜の皆様まで、驚きました。ですが今回は編入試験ですので会場に席を設けさせて頂きますのでそちらで試験を御覧くださいますようにお願いいたします。編入試験者のサトウさんは会場に私が直接案内いたしますので、失礼いたします」
サトウは学院長と共に試験会場へ向かい私達は会場となる体育館へ向かう、観覧席と言える二階の席に腰掛けた私達の反対側に学院の生徒の大半が座り、麟鳳亀竜のメンバーの側に教員達が不安そうに座っていく。
両者がリングに姿を表すと会場がざわめき、タウリとサトウが左右の入り口から堂々とリングへと歩んでいく。
試験を始めようと審判が手を上にあげた瞬間、タウリが待ったを掛ける。
「今回の編入試験には使い魔を使用したい。サトウもその方が戦いやすいだろ?」
タウリは私達の考えを理解してると言うより……計画に感ずいてるじゃない!
サトウはその提案を受け入れるとカリンが姿を現す。
タウリも同様にクエンを召喚する。
騎士学院、初の使い魔を使う編入試験になっちゃったの。
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