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2章 外の世界へ
少し誤解があるんです。
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危険予知が解除された事を気付いていないサトウ。案の定、幼妻を求めて辺り構わず優しさを振り撒いていたわ。
「あの……ペドリストが懲りずにッ!」
私がサトウを見つけたのはザカメレアの住宅街の中心にある広場に設けられた洗濯場だったわ。
家の手伝いで洗濯に来ていた10代の少女達に声を掛けている若返ったサトウの姿に殺意すら芽生えるわね。
上空からガルーダに乗った私が急降下すると、洗濯場は騒ぎになったけど、今はそんな事に構ってる時間はない!
「サトウッ! 今すぐにこのララリルルから出ていきなさい!」
私のいきなりの登場と自身の名前を呼ばれキョロキョロと辺りを見渡し自身を指差すサトウ。
「そうよ! アンタよ」
「あ、あの……どちら様? 君みたいな可愛い少女を一度見たら忘れるわけないんだけど?」
ハハハ……最低だわ、やっぱり最低男だわ。
私がベジルフレアに現れたと聞いて駆け付けたメルリ達、私の表情に危険を理解したみたいでペンネとアララも加わり、3人がかりで私を押さえつけてきたわ。
「お嬢様! 落ち着いてください。今暴れたら、此処は住宅街です……我慢してください」
「カミルよ、メルリの言う通りじゃ、主が暴れると街が吹き飛ぶ、おさえよ!」
「カミル、あの人はパルムタークが何とかしますから我慢してください」
3人に掴まれてる間に逃げようとするサトウ、その行く手にクレレが立ちはだかると、サトウの下半身(急所)へとキツい一撃を食らわせたの……見てて、こっちまでいたくなったわ。
「カミルはクレレの友達でし! カミルの敵はクレレがやっつけるでし」
何故か幸せそうに悶絶するサトウ、やられ方まで最低……
捕まえたサトウを洋館の一室に運びメルリがトルル家直伝の縄抜け不可の拘束術で椅子に縛りあげる。
騒ぎだすサトウ。
「お前ら! 俺が何をしたって言うんだ。人権侵害に誘拐監禁に暴行って酷すぎだろ! 訴えてやるからな」
私はニッコリとエンジェルスマイルを浮かべながら、職業から詐欺師とヤブ医者を選択してからサトウの前に椅子を置き座る。
「吠えないで、貴方はこの世界の存在じゃないのは理解してるわ。だから貴方に選択肢をあげる。1つ、私は医者の資格もあるのだから、貴方をバラバラにして“瓶詰めお得セット”にしてから研究素材になってもらう」
詐欺師の力なのか、私が喋る度にサトウの頬から汗が流れる。
顔からは血の気が少し引いたのか青く見えるわね?
「2つ目は一回限りのサービスよ、私が捕まえた女神と元の世界に帰ってララリルルの事を綺麗に忘れること、さあ、選びなさい!」
因みに1を選んだときは、悲しいけど、ララリルルの少女達の為に魔物の巣に投げ込むわ。
流石に瓶詰めなんて無理だもん。
流石にサトウが病気なくらいロリコンでも命は賭けない筈……
「瓶詰めはイヤだ……でも、帰るのも嫌だ!」
下を向いてそう語るサトウ。
「なら、わかったわメルリ、埋めるわよ。穴はセンチピードの二人に掘って貰うわ……深くね!」
メルリは少し悩んだみたいだけど、直ぐにスコップを手に動きやすい服装に身を包んで戻ってきたわ。
「お嬢様、確り埋めますので安心してください、お嬢様に近づく男は皆悪ですので、私は喜んでこの手を悪に染めます! 歯には歯を、拳には拳を、悪には悪をなのです!」
変なスイッチ入ってるわね? 取り敢えず冗談だったんだけど、詐欺師の職業って凄いのね?
乗り気になったメルリがサトウをガルーダにくわえさせる。
魂が抜けたように真っ白なサトウ、でも仕方ないわね。
「メルリ、たんま!」と私がメルリをとめる。
「ありがとう、助けてくれるんだね」と勘違いしたサトウが感謝を口にしてきたわ。
助ける気はなくも無いけど、次の質問次第ね?
「サトウ? 元の世界で結婚してたんじゃないの……早い話がララリルルに来たから奥さんを裏切るの?」
私の言葉にうつ向き拳を握るサトウ、その拳が力なく開かれると寂しそうに笑みを浮かべてたの。
「なんでも知ってるんだと思ってたよ。妻は四年前に94歳で先に逝っちまったんだ。若返ったけどやっぱり100歳のじいさんがリスタートするにはやっぱり無理があるよな。ひ孫みたいでつい、はしゃいで話し掛けちゃったんだよな」
私の勘違い……と、言うより時間の流れがおかしい! 何でよ、簡単に考えても50年以上も私の居た世界と時間差があるなんて……それにコイツ……最後まで添い遂げたんだ。
「少し言い過ぎたわ、この世界で生きていく気があるの?」と私はサトウに尋ねる。
そんな時、予想外の出来事が起きたの、私達の元にタウリが走ってきたの。
「カミルゥゥゥッ! 大丈夫か、変な奴に絡まれてるって気がして慌てて駆け付けたんだ!」
タウリ……アンタは占い師かなんかなの?
そんなタウリとサトウが向かい合うと不思議な空気に私達は包まれる。
嫌な予感しかしないわ。
「あの……ペドリストが懲りずにッ!」
私がサトウを見つけたのはザカメレアの住宅街の中心にある広場に設けられた洗濯場だったわ。
家の手伝いで洗濯に来ていた10代の少女達に声を掛けている若返ったサトウの姿に殺意すら芽生えるわね。
上空からガルーダに乗った私が急降下すると、洗濯場は騒ぎになったけど、今はそんな事に構ってる時間はない!
「サトウッ! 今すぐにこのララリルルから出ていきなさい!」
私のいきなりの登場と自身の名前を呼ばれキョロキョロと辺りを見渡し自身を指差すサトウ。
「そうよ! アンタよ」
「あ、あの……どちら様? 君みたいな可愛い少女を一度見たら忘れるわけないんだけど?」
ハハハ……最低だわ、やっぱり最低男だわ。
私がベジルフレアに現れたと聞いて駆け付けたメルリ達、私の表情に危険を理解したみたいでペンネとアララも加わり、3人がかりで私を押さえつけてきたわ。
「お嬢様! 落ち着いてください。今暴れたら、此処は住宅街です……我慢してください」
「カミルよ、メルリの言う通りじゃ、主が暴れると街が吹き飛ぶ、おさえよ!」
「カミル、あの人はパルムタークが何とかしますから我慢してください」
3人に掴まれてる間に逃げようとするサトウ、その行く手にクレレが立ちはだかると、サトウの下半身(急所)へとキツい一撃を食らわせたの……見てて、こっちまでいたくなったわ。
「カミルはクレレの友達でし! カミルの敵はクレレがやっつけるでし」
何故か幸せそうに悶絶するサトウ、やられ方まで最低……
捕まえたサトウを洋館の一室に運びメルリがトルル家直伝の縄抜け不可の拘束術で椅子に縛りあげる。
騒ぎだすサトウ。
「お前ら! 俺が何をしたって言うんだ。人権侵害に誘拐監禁に暴行って酷すぎだろ! 訴えてやるからな」
私はニッコリとエンジェルスマイルを浮かべながら、職業から詐欺師とヤブ医者を選択してからサトウの前に椅子を置き座る。
「吠えないで、貴方はこの世界の存在じゃないのは理解してるわ。だから貴方に選択肢をあげる。1つ、私は医者の資格もあるのだから、貴方をバラバラにして“瓶詰めお得セット”にしてから研究素材になってもらう」
詐欺師の力なのか、私が喋る度にサトウの頬から汗が流れる。
顔からは血の気が少し引いたのか青く見えるわね?
「2つ目は一回限りのサービスよ、私が捕まえた女神と元の世界に帰ってララリルルの事を綺麗に忘れること、さあ、選びなさい!」
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「瓶詰めはイヤだ……でも、帰るのも嫌だ!」
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「なら、わかったわメルリ、埋めるわよ。穴はセンチピードの二人に掘って貰うわ……深くね!」
メルリは少し悩んだみたいだけど、直ぐにスコップを手に動きやすい服装に身を包んで戻ってきたわ。
「お嬢様、確り埋めますので安心してください、お嬢様に近づく男は皆悪ですので、私は喜んでこの手を悪に染めます! 歯には歯を、拳には拳を、悪には悪をなのです!」
変なスイッチ入ってるわね? 取り敢えず冗談だったんだけど、詐欺師の職業って凄いのね?
乗り気になったメルリがサトウをガルーダにくわえさせる。
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「メルリ、たんま!」と私がメルリをとめる。
「ありがとう、助けてくれるんだね」と勘違いしたサトウが感謝を口にしてきたわ。
助ける気はなくも無いけど、次の質問次第ね?
「サトウ? 元の世界で結婚してたんじゃないの……早い話がララリルルに来たから奥さんを裏切るの?」
私の言葉にうつ向き拳を握るサトウ、その拳が力なく開かれると寂しそうに笑みを浮かべてたの。
「なんでも知ってるんだと思ってたよ。妻は四年前に94歳で先に逝っちまったんだ。若返ったけどやっぱり100歳のじいさんがリスタートするにはやっぱり無理があるよな。ひ孫みたいでつい、はしゃいで話し掛けちゃったんだよな」
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「少し言い過ぎたわ、この世界で生きていく気があるの?」と私はサトウに尋ねる。
そんな時、予想外の出来事が起きたの、私達の元にタウリが走ってきたの。
「カミルゥゥゥッ! 大丈夫か、変な奴に絡まれてるって気がして慌てて駆け付けたんだ!」
タウリ……アンタは占い師かなんかなの?
そんなタウリとサトウが向かい合うと不思議な空気に私達は包まれる。
嫌な予感しかしないわ。
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