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2章 外の世界へ
駄目な女神、その名はパルムタークです。
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洋館を訪れたマルルから直接告げられた内容は私の怒りをマックスにするような事実が含まれてたの。
「すまない、実は、この五次元世界“ララリルル”の新たな女神が少し問題児でなぁ、カミルの魔力、蜂蜜、神の加護の三点セットを全て取り上げると言い出してな、困ってるんじゃよ」
は? いきなり過ぎない……しかも全ての能力を封印と言うより回収されたら【全ての道を知る者】や【全種の言葉】も使えないし職業も無くなるって事よね?
「ふざけないで! 私と使い魔になった皆が頑張って作り上げた全てを奪うって言うわけ、絶対に認めないわ!」
マルルも困り果てたように髭に手をあて、目を瞑る。
洋館に不穏な空気が流れ始めた時、更なる訪問者が姿を現したの。
「あららら? なんて小さな家なのん、私が直接来るには余りに貧相じゃないのかしらん?」
突然洋館に姿を現した少女。
見た目はチンチクリンで、フリフリのスカート、ゴスロリファションを思わせる黒い衣装に身を包んで部屋の中なのに日傘を使い、嫌味な登場を確りと決めてきたわ。
いきなりの暴言に私は我慢の限界だったの。
「いきなり来て、貧相? ふざけんじゃないわよ! チンチクリンが!」
鬼すら泣かそう、私の迫力に後退りする少女。
少女は“はっ”と冷静を装うように私には向けて人指し指を向ける。
「無礼者め! 誰か分かってて口を聞いてるのん! 私はこの五次元世界……って、うわぁぁぁぁ……」
自己紹介をしてくれてるみたいだけど、聞きたくないわ。
私は無言のまま、空間魔法の中に少女を掴み放り込むと私自身も中に入ったの。
10分くらいかしら、空間内は私の管理下だから、神とか悪魔とか関係ないの、泣きわめくまでビルクの力で小さくした少女を追い回してあげたわ!
マルルからの念話があり、仕方なく空間魔法から少女を放り出した私、怒りは収まってないわよ。
「うぅぅ、私は……なんなのん! 有り得ないのよ」
「あーー、五月蝿いわね! 私は今バカな女神にイライラしてるのよ! 使いの天使か悪魔か知らないけど、今すぐにバカ女神を連れてきなさい!」
私の一言に涙を浮かべる少女。
「うぅぅ、バカではない! 私は五次元世界の神、パルムタークなの!」
あら、この私より小さな少女が神なの?
「なら、話が早いわ!」
それから私の怒りを全てぶつけられるパルムターク、可哀想に、更に小さくなったように見えるわ?
「これこれ、カミルよ。なんと言うか……許してやってくれないか、今回は挨拶と、この一件の和解が目的なのじゃし」とマルルに言われて一旦落ち着く私、椅子に腰掛けるとメルリに人数分の紅茶を頼み、話を再開する。
「さて、私から全てを奪うって言う話を私が許可するなんて思わないでよ?」
怯えているのか、カップを持つ手が震えてるみたいね?
「ち、力が有りすぎれば、世界の秩序が揺らぐのは理なのよ……だから、貴女の能力を禁止するのん!」
パチンッ!
私の指からデコピン【中】が炸裂する。
「はぅぅぅ、なんでいきなり、痛いのん」
おでこを押さえるパルムターク。
「アンタね、私が本気ならそんなもんじゃ済まないわよ。私から能力を奪うなら私を倒してからにしなさい。神だろうが横暴は赦されないわよ?」
私はマルルと正式な神々の誓いをたてる事にしたの。
マルルには以前のマドラッドでの条件クリアの褒美があったから、嫌とは言わせないわ。
「神々の誓いを結ぶ、我、ミルシュ=カミルは神の横暴を認めず、神であるマルサ=チヨルの名において、今誓いをたてる。我の力は我が神に負けた時のみ、奪われる。神は我と戦う際にその位の剥奪を賭けて戦うものとする。神と戦う際に我は全ての力を使い相手をしなければならない。この誓いは未来永劫、我、ミルシュ=カミルが生ある限り有効となる」
強制的な誓いが終わると私はニヤリとパルムタークに微笑み声をかける。
「さぁ、神様の立場を賭けて勝負しましょう」
当然だけど、パルムタークに勝ち目はないわ。
私の全ての力にはアララとペンネの存在、更にデンキチやスカーと言った使い魔とマドラッドの魔族達が対象になるの、女神が私利私欲の為にマドラッドの民を傷つければどちらにしても女神の座は失われるわ。
「ひ、卑怯よん! そんな横暴よん!」
「先に横暴に出たのはアンタでしょうが!」
結局、私に口でも勝てないまま、パルムタークは引き下がったわ。
でも、更に私の怒りが爆発する事実をパルムタークが告げたの。
「私はただ、ミルシュ=カミルを普通の人間にしようとしただけなのん、だから元の世界から恋人も若返らせて転移させてあげたのに……」
は? 元の世界から恋人……あの最低男をララリルルに招き入れたの!
「パルムターク、アンタはやっちゃいけない事を仕出かしたわね……」
私はパルムタークに百叩きの刑を告げると、この世界に転移した最低男を捜し出す事にしたの。
目的は再会じゃない。クーリングオフよ! あの最低男をララリルルから叩き出す。
「すまない、実は、この五次元世界“ララリルル”の新たな女神が少し問題児でなぁ、カミルの魔力、蜂蜜、神の加護の三点セットを全て取り上げると言い出してな、困ってるんじゃよ」
は? いきなり過ぎない……しかも全ての能力を封印と言うより回収されたら【全ての道を知る者】や【全種の言葉】も使えないし職業も無くなるって事よね?
「ふざけないで! 私と使い魔になった皆が頑張って作り上げた全てを奪うって言うわけ、絶対に認めないわ!」
マルルも困り果てたように髭に手をあて、目を瞑る。
洋館に不穏な空気が流れ始めた時、更なる訪問者が姿を現したの。
「あららら? なんて小さな家なのん、私が直接来るには余りに貧相じゃないのかしらん?」
突然洋館に姿を現した少女。
見た目はチンチクリンで、フリフリのスカート、ゴスロリファションを思わせる黒い衣装に身を包んで部屋の中なのに日傘を使い、嫌味な登場を確りと決めてきたわ。
いきなりの暴言に私は我慢の限界だったの。
「いきなり来て、貧相? ふざけんじゃないわよ! チンチクリンが!」
鬼すら泣かそう、私の迫力に後退りする少女。
少女は“はっ”と冷静を装うように私には向けて人指し指を向ける。
「無礼者め! 誰か分かってて口を聞いてるのん! 私はこの五次元世界……って、うわぁぁぁぁ……」
自己紹介をしてくれてるみたいだけど、聞きたくないわ。
私は無言のまま、空間魔法の中に少女を掴み放り込むと私自身も中に入ったの。
10分くらいかしら、空間内は私の管理下だから、神とか悪魔とか関係ないの、泣きわめくまでビルクの力で小さくした少女を追い回してあげたわ!
マルルからの念話があり、仕方なく空間魔法から少女を放り出した私、怒りは収まってないわよ。
「うぅぅ、私は……なんなのん! 有り得ないのよ」
「あーー、五月蝿いわね! 私は今バカな女神にイライラしてるのよ! 使いの天使か悪魔か知らないけど、今すぐにバカ女神を連れてきなさい!」
私の一言に涙を浮かべる少女。
「うぅぅ、バカではない! 私は五次元世界の神、パルムタークなの!」
あら、この私より小さな少女が神なの?
「なら、話が早いわ!」
それから私の怒りを全てぶつけられるパルムターク、可哀想に、更に小さくなったように見えるわ?
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怯えているのか、カップを持つ手が震えてるみたいね?
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パチンッ!
私の指からデコピン【中】が炸裂する。
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私はマルルと正式な神々の誓いをたてる事にしたの。
マルルには以前のマドラッドでの条件クリアの褒美があったから、嫌とは言わせないわ。
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当然だけど、パルムタークに勝ち目はないわ。
私の全ての力にはアララとペンネの存在、更にデンキチやスカーと言った使い魔とマドラッドの魔族達が対象になるの、女神が私利私欲の為にマドラッドの民を傷つければどちらにしても女神の座は失われるわ。
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「先に横暴に出たのはアンタでしょうが!」
結局、私に口でも勝てないまま、パルムタークは引き下がったわ。
でも、更に私の怒りが爆発する事実をパルムタークが告げたの。
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