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夏カボチャ

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19章 月界の長と凍結の支配者

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 船から降り建物の中に通される一同は船から見るより全てが巨大な作りになっている事に気づいた。

「随分デカイ建物だな、見た目は和風建築なのに?」

「拓武様。月界と人間界の日本には古くは交流があり、その建築技術もまた、受け継がれたと聞きます」

 かぐやが人間界に来る遥か前からあった交流の事実をしり、拓武は不思議に感じていた。

「さぁ。皆様、この先にかぐや様が御待ちです」

 そう言われ拓武は扉を開き中へと入っていく。

 部屋の中は不思議な光が無数に点滅する空間であり、その光の先に座るかぐやが拓武を見て微笑みを浮かべる。

「よくきたのぅ、わざわざ月界のゲートを動かすとは、妾も予想だにせぬ事態に驚いておったところよ」

「いきなりの無礼を御許し下さい。実はかぐやさんに頼みがあってきました」

「頼みとな? はて、なんじゃ」

 かぐやが不思議そうな顔を拓武に浮かべる。

「月界にある羅針盤を戻させて欲しいんです」

「……何処でそれを……羅針盤は進む道を開く物、過去を塗り替えるわ! 世界を破滅させるとわかって言っておるのか?」

「人間界と月界が元に戻れば、多くの血が流れずに済むんです、お願いします」

 話は平行線であり、かぐやが首を縦に振る様子はなかった。

 しかし拓武も諦める気はなかったのである。

「貸してやれよ? かぐやが恐れる物なんてないだろう?」

 楽しそうな笑みを浮かべアースが姿を現したのだ。

 そこから話し合いは動き出したのだ。
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