ダンジョンチケット

１２章 新たなる世界・幻想界へ

ダンジョンチケット１３６

竜王族の若き指導者

ーーリュトル・ドラーウェーー 

リュトルは前王ナーガとアマゾネスの間に産まれた異端児だ。

アマゾネスから産まれた男、普通ならば有り得ない事だ。
ナーガの血はアマゾネスの血より濃く、そして、その遺伝子は更なる進化をもたらした。

リュトルはアマゾネスの体にナーガの力を宿した本当の怪物であった。
戦いになれば、その肌は紅い鱗に覆われ全ての熱と冷気を遮断した。
結果リュトルは、どんなに過酷な世界でも左右される事なくその力を発揮したのだ。

そして、前王ナーガが病に掛かり、リュトルはその王位を継いだのだ。
リュトルに竜王族が従うのは、単に王だからでは無かった。
竜王族の王位継承は、血の繋がりは関係ない。
全て力で決められる。

リュトルを含め１０名の若き竜人と１５名の竜人の戦士達が戦ったのだ。

戦いはバトルロワイヤルであり、最後の一人が決まるまで戦い抜くと言うシンプルな物だった。

そして、リュトルを狙い２０名が一斉に襲い掛かったのだ。
竜の戦士として恥ずべき行為だが、其ほどにリュトルは強かったのだ。

何故ならリュトルは、試合開始と同時に３名を蒸発させたのだ。

倒した事には、違いないが其れは誇り高き竜王族のプライドを捨てても、倒さねば為らないとその場に居た者達は考えを同じくしたのだ。

そして２０名の竜人が次々と命を散らしていった。
リングに残る最後の一人に対してリュトルは初めて口を開いた。

リュトル「皆の前で敗北を認めよ、見逃してやる」

その事場に若き竜人は全力で声をあげた。

「死にたくない……まだ死にたくない……参った、敗けをみとめる」

リュトル「勝敗は期した！他に俺と闘う者はいないか！いるなら前にでろーー」

その言葉に会場は静まり返った。
リュトル「ふん、下さん！」

リュトルが会場を立ち去ろうとすると先ほどの若き竜人が後ろから襲ってきたのだ。
リュトルは反射的に相手を殺める形となったのだ。

その若き竜人はリュトルの友であった。