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しおりを挟む「さぁ皆今日はご苦労さまでした!これから座布団を片付けて机を出そう!」
座敷に着くなり父さんがそう言った。
爺ちゃんじゃなくて父さんが言う形でいいのかな?
「秋坊も立派になったのぅ!この前までこんなにちっこかったのにのぅ。」
えっとこのご年配は・・・。
「歳広叔父さんひどいなぁ、僕ももう37になったんですよ?」
五男の歳広さんだ。
新見家の分家でもし本家に何かあった時に全てをやらないといけないんだよね。
これからも親しくしていこう。
「ほぅ!そりゃ子供も生まれるわけだ!はっはっは!さぁ片付けるかのぅ!」
「もぅ相変わらずですね。」
歳広さんは俺の頭をぽんぽんと叩くと座布団を片手に持って部屋の隅へ持って行った。
気のいい爺さんだね。
「ちーちゃん!終わったから遊ぼ!」
お?あーちゃんが来た。
「あーちゃんお片付けしたらご飯だと思うよ?」
「えー!終わったら遊ぼうって行ったじゃーん!」
いや、そうだけどさ。
「んーじゃあご飯まで何かする?」
「する!マルオカートやろ!」
マルオカートか、それなら昔友達の家でやったことあるな。
あれ、でも確かこの家には無かったような?
「いいけど、ここにはないよ?」
「あーちゃん持って来た!」
準備がいいなおい。
じゃあ父さんに伝えてから居間のテレビで遊ぶか。
「じゃあやろっか。パパ遊んで来ていい!」
「お?いいぞーでも着替えてからな。それから、危ないのはダメだよ。そうだな、歩君!千歳達が遊びたいらしいから見ててあげてくれるかな?」
あーそういえばまだ着替えてなかった。
しかも、監視役に歩にいちゃんが着くらしい。
子供のお世話を任せちゃってすまんの。
「秋歳叔父ちゃんいいですよ。千歳君と天音ちゃんを見てればいいんですね。」
「そうだよ。歩君なら安心して任せられるから頼むね。」
ってことで、着替えてから居間に向かうことになりました。
「ちーちゃんこのゲームやったことある?」
今は居間についてゲーム機を接続してゲームをつけたところだよ。
このゲームは転生してからまだやってないな。
「やったことないから教えて。」
「あーちゃんが教えたげる!あーちゃんが先生です!」
めっちゃ偉そうに踏ん反り返ってますね。
まぁなんて言うか可愛いけど。
「先生お願いしまーす。」
「はーい!えっとねこのボタン押すと走ってね、こっち押すと遅くなるんだよ!でね、ここ押すとバナナとか投げれるんだよ!すごいでしょ!」
これは!
友達が自慢してたハンドル型コントローラーじゃないか!
しかも4つも準備がしてくるとは天音やるな。
「すごいね!たのしみ!歩にいちゃんも一緒にやろ!」
「お?僕もやっていいの?じゃあ入れてもらおうかな。」
1人だけ見ててもつまらないだろうし一所にやろうじゃないか。
"レディー!ゴー"
「あー!スタートできなかった!」
「あはは!ちーちゃん置いてっちゃうからね!」
「千歳君がんばれー。」
スタートダッシュミスっていきなり最後尾になってしまった。
2人とも何気にうまくないですかね?
俺このコントローラ初めてでまだ慣れないんだけど。
あ!くそ!草に突っ込んだ!
あー!水に落ちたー!
やった!3位まで上がったぞ!
バカな!?いや!バナナ!?
くっそアイテムボックスの裏にバナナ置くとは策士な奴がいたか!
って、
一周前に俺が置いたやつか!くっそ!
自分でかかるとは情けない!
あー!雷はダメ!
あー踏み潰された!
あー落ちたー!
"ゴール!!"
画面では天音が使っていた熊のぬいぐるみみたいな奴が両手をあげて1位の勝利を喜んでやがる。
歩にいちゃんは2位のようだ。
因みに俺は7位・・・。
微妙すぎる順位に泣きそうだ。
実質30過ぎのおっさんが子供に負けるとは。
さすがにゲームをやっている回数が違いすぎたか。
慣れってすごいな。
「ちーちゃん初めてにしてはすごいね!」
「千歳君がんばったね!次も頑張ろう!」
くぅー!
勝ち誇った顔が憎たらしい!
悔しいぞ!
「うー次は負けないからね!」
「じゃあ次行ってみようか?」
「ちーちゃんあゆむにいちゃんがんばろう!」
"レディー!ゴー"
くっそ!
毎回違うコースでどこで曲がるのかわからなくて予想しながらやったけど流石に慣れてる2人には勝てなかった。
でも10回中3位を7回取れたからいいとしよう。
因みにあーちゃんがずっと1位で2位が歩にいちゃん。
悔しくて不貞寝しそうだ。
「ちーちゃん上手くなったね!次のコースは最初のやつだよ!」
「次こそ負けな"おーい!歩君準備出来たから2人も連れて来てー"・・・」
くっそ!
いいところだったのに父さん!!!
一戦ぐらいできないかな?
「さ!2人とも行こうか!美味しいご飯がまってるよ!」
ダメそうだ。
「「はーい。」」
次回があったら負けないんだからね!
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