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第二章

12再会

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 西条はそのまま親子達と共に一夜を明かし、共に城下町に向かう事になった。

「助かりました。ありがとうございます」

「いえいえ、勇者様を運べて我々も嬉しいですから」

ありがたい。このまま走って向かうよりも馬車で向かう方が体力も温存出来るし、またスケルトンが現れた時にもすぐに助ける事が出来るしな

「今日の夕方には着くと思いますので、それまで狭いですがゆっくりとしていて下さい」

「はい!ありがとうございます!」

にしてもこの人達優しいな。勇者とはいえ見ず知らずの俺の為にここまでしてくれるなんて、あの王様にこの人達の爪の垢を飲まさせてやりたいくらいだ

西条と親子達はこの後スケルトンに襲われる事なく夕日が見え始めた頃に城門についた。しかしそこには沢山の人々が集まっており「中に入れろ!」「最低な王様!」「勇者共はまだか!!」と叫ぶ地獄のような光景が広がっていた

「何だこれ‥」

おいおい、デモてやつかこれ。うわ、城門にピッケルとか使って穴開けようとしてる人がいる。あっちは兵士に殴りかかってるし。災禍に負けた影響がここまで酷いないんて

「今日はやけに酷いな、おーいクラストさん。どうしたんだい?また何かあったのかい?」

ロバートは馬車から降りてクラトスいう男性に話を聞きに言った。クラトスが言うには災禍が行動を開始したらしくまた難民が増えているのだが、王は難民を受け入れず。勇者もかれこれ一ヶ月程帰って来ていない為民の不満が爆発した

「と言うことらしいです」

「何してんだよ、あいつらは‥」

一ヶ月も何やってんだよ、勇者だろうが。しかも災禍がまた動き出すなんて‥俺一人でどうにか出来るのか?

「どうやって中に入るんですか?」

「我々は商人登録をしていますので問題なく入る事ができますが勇者様は少し荷物の中に隠れれて下さい」

「分かりました」

西条は木箱の中に隠れると馬車は動き出し兵士に門を開けてくるようにロバートが頼むと裏口から入るよう指示が入りロバート達はそこに馬車を進ませて、無事に城下町に入る事が出来た

「勇者様、もう大丈夫です」

「ありがとうございます。助かりました」

3年越し帰ってくる事が出来た。あとは持っている素材などを売って色々アイテムを揃えて災禍と戦う。勝ち目があるとかないとかじゃない。この不死の体を使って何としても仕留める

「勇者様、ご武運を」

「がんばってね!セーニャ応援してる!」

「ああ、怪物さん頑張ってくるからな」

これ以上被害は絶対に出さない


 「な、黒滝モドキの鱗にブラックウルフの爪!?」

「ああ、いくらで買い取ってくれる?」

適当な装備やに入って店主に尋ねる。これ以外にもダンゴムシの殻等も売って金にして今日にでも災禍を倒す

「普通なら50万はするんだが‥」

「するんだが?」

というかこんな小さい鱗と泥だらけの毛でもこれだけするのか‥もっと探して集めれば良かったな。

「すまん、うちじゃ買い取れない」

「な、5万でもいい!頼む」

「無理だ、うちにそんな余裕はない」

「災禍の影響か?」

店主は頷く、やっぱりここにも影響が出てたのか。

「なら、何処が買い取ってくれそうだ?」

「今は露天商なども店を閉めちまってるから‥安くなるが冒険者ギルドで交渉するしかねぇな」

安くてもいい、とにかく金を集めないと

「助かったよ。ありがとう」

「おい、あんた何でそんなに焦ってんだ。言っちゃ悪いがこの国はもう終わりだ。ここから船を使って別の大陸に行った方がいいぞ」

店主が西条にそう言うと彼はニコリと笑いながら

「そうだな、災禍を倒してからゆっくり考えるよ」

そう言って足早に店を後にした

西条はそのままギルドを探す。当たりを見ても人々の顔には活気がない。どの店も商品の品揃え悪く、食べ物などは殆ど色が悪い

ギルドを探しながら街を見ているが酷いな。みんな喧嘩ばかりしているし、壁には王様と勇者こそが災禍。なんて書かれてる始末だ。

「うわ‥」

勇者と王の悪口だけを書いた掲示板が街の通路のど真ん中に置いてある。書いてある内容はかなり酷いな‥。でも、海界さんと秋野さんの悪口は書かれていないな。

掲示板を見ていると後ろから男性が歩いて来る。男性は「ギルドに行って飲まないとやってられない」と独り言を言いながら西条の後ろを通っていた。

ギルド!!マップを見ても何処にもなかったから本当にあるのか疑っていたけどあったのか。よし

「あの、すみません。」

「ああん?」

ガラ悪!

「えっと俺もギルドに行きたくて場所教えて貰えませんか?」

「はぁ?マップ見ろよ」

「あ、いやなんか壊れてるのかな?表示されなくて‥」

マジで表示されてないんです。というか城下町のマップが虫食い状達で役に立ってねぇし‥まじでなんなんだよこれ

「しょうがねぇな~着いてこいよ」

「ありがとうございます!!」

ガラ悪いけど親切な人で助かった。人は見かけによらないもんだな

そのまま西条は男の後ろについていく。男はどんどん暗い路地に入って行ってからそこにある樽をどかす。その下にはなんと階段があった

「え?」

「ここ」

看板もねぇのに分かるかよ、こんな隠し通路!!

「‥前あったギルドはギルマスが王様と勇者に逆らってそのまま壊されちまったから、しゃーねぇよ」

「え‥!」

逆らったからってそんな事しなくてもいいじゃないか!

「バレるとまずいから早く来なにいちゃん」

「はい」

二人はそのまま下に降りていくと、バーのような作りの場所に出る。レコードが室内に静かなクラシックを鳴らして来るものの心を落ち着かせてくれる。テーブルには冒険者達が災禍の討伐について色々話していたり、王様の愚痴をこぼしに来ている兵士などがいた。その様子に呆気に取られていた西条に店員が話しかけて来る

「ようこそ!冒険者達の憩いの場ギルドホープへ!」

「あ、えっと‥え?」

「え!!」

そこにいたのは三年前に自分を助けようとしてくれた勇者の一人秋野小鳥だった


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