12 / 12
第一章
騎士達と背徳の夜
しおりを挟む
「指を、挿れさせていただきますね」
「んっ……!」
アイトが言うか早いか、そっと指を挿れてきた。
許可じゃなくて独り言みたいなものだったのかもしれない。そもそも「全部好きにして」って言ったの私だし。
「痛くはないですか」
「だ、だいじょうぶ……」
この体では百年ぶりって考えると凄いけど、でも、多分、時が止まってたんだと思う。私はミイラミイラって言ってるけど、厳密にはまずミイラじゃない。内臓抜いたとか防腐処理とかもなく、アヴィたちに魔力を注がれて保たれてきた体。
腐らないこの体を単純にみんなは奇跡だと思ってたのかな? 神に捧げられた体だから、誰も疑問に思ったりはしなかったのかな?
そんなこと私にはわからないけど、この体にとってはアヴィたちに犯されたのが昨日のことのようなそうじゃないような。よくわからないけど、凄くご無沙汰って感じじゃないんだと思う。
「んんっ……ぁあっ!」
やばい。これはやばい。ちょっと異物感はあるけど、痛みはなくて、ただ気持ち良い。
アイトは可愛い顔してるけど、やっぱり男の人だと思った。長くて筋張ってて、剣を握る人の指。
今の体の紅葉みたいなお手々と比べると余計かもしれない。アイトはそんなに背が高くないけど、それでも身長差はそれなりにある。元の体より身長が五センチくらいは縮んでると思う。多分、百四十センチ台だと思う。うん、間違いなく殿の性癖。
いや、私も身長差・体格差万歳だけれども……! それこそ、うさぎ精霊さん的なポジションで血眼で覗き見したかった。切実に。
「あいと……! あっ! ぁあっ!」
気持ち良い。わけがわからないくらいに。ゆっくり探るように中をかき混ぜる動きがスムーズになって、自分が感じてるって嫌でも思い知らされる。
グチュグチュ響く音が大きくなって、恥ずかしくてたまらない。上品なアイトが啜る音が下品で、だけど嫌じゃない。神殿に仕える騎士とこんなことしてるなんて、凄く背徳的で、スパイスになってる気がする。
「あいと、あいとぉっ」
多分、これがイっちゃいそうって感覚なんだと思う。
どこかへ行ってしまいそうな、あるいは何かが来そうな未知の感覚。知らないから怖くて、思わずアイトを呼ぶことしかできなかった。
「自分もいます」
「らいん……」
ギュッと腕に力が込められて耳元で切なげに囁かれてキュンとした。
大丈夫、ちゃんとわかってる。忘れてたわけじゃない。そんな気持ちを込めてラインの腕に手を添える。
「今、中が締まりましたよ」
「ゃぁっ、そんな、言わなっ、あぁぁっ!」
ふふっとアイトが笑って、何だか凄く恥ずかしくなった。何かもう羞恥心にキリがない。まだいわゆる前戯で本番はこれからなのに、自分でも先が思いやられる。
殿の小説はもう何度も読み返してきたけど、読むのとヤるのでは大違い。元の体でも未経験だったから余計に。
「本当にサクラ様は可愛らしいですね」
「ぁぅぅ……」
そんなところでクスクス笑わないでほしいのにアイトもさりげなくSっ気ある気がする。隠れSとか属性としては好きだけど! 好みだけど、以下略的な。
もう怒濤の展開で頭の中グチャグチャで死にたくない一心で始めたこと。こうしてる今は繋ぎ止められてるけど、さっき感じた死の恐怖は本物だった。前世って言ったら良いのかわからないけど、咲良としての死はあっという間で、実感もなかったから。
「そろそろ、イきましょう?」
アイトが怖いくらいに綺麗に微笑んだ気がした。こういうところ、本当に殿のヒーロー。顔が良くて、えっちシーンになると一気にエロくなる。
そもそも、イきそうなのはわかるけど、イくのがわからないから怖くて、『一緒がいい……』とか言って先延ばしにしたい気持ちがあったけど、間に合わなかった。
「ひゃあっ! ま、待っ……あっ、ゃあっ! あっ! あぁぁッ!!」
アイトは全然待ってくれなかった。思いっきり追い詰めてきた。隠れS騎士おそろしや。
抗うことのできない波が襲いかかってきて、頭がおかしくなりそうなくらい気持ちが良くて、体が限界まで張り詰めるみたいになって、一気に弾けた。
「はっ……ぁ……」
ビクビクと痙攣する体をラインに支えられて、凄く頭がフワフワした。散々エッチな小説読んできたけど、イくのは初めてだったから、何か本当にこんなになるんだ……って衝撃的で、ある意味感動した。
でも、今からもっと凄いことをするんだってわかってるからこそ、怖くなる。だって、前戯だけでこんなに感じる超敏感ボディっていうファンタジー仕様。処女なのにすぐにアンアン喘いじゃうって桜兎さん知ってる。だから、期待よりも怖くなる。
「んっ……!」
アイトが言うか早いか、そっと指を挿れてきた。
許可じゃなくて独り言みたいなものだったのかもしれない。そもそも「全部好きにして」って言ったの私だし。
「痛くはないですか」
「だ、だいじょうぶ……」
この体では百年ぶりって考えると凄いけど、でも、多分、時が止まってたんだと思う。私はミイラミイラって言ってるけど、厳密にはまずミイラじゃない。内臓抜いたとか防腐処理とかもなく、アヴィたちに魔力を注がれて保たれてきた体。
腐らないこの体を単純にみんなは奇跡だと思ってたのかな? 神に捧げられた体だから、誰も疑問に思ったりはしなかったのかな?
そんなこと私にはわからないけど、この体にとってはアヴィたちに犯されたのが昨日のことのようなそうじゃないような。よくわからないけど、凄くご無沙汰って感じじゃないんだと思う。
「んんっ……ぁあっ!」
やばい。これはやばい。ちょっと異物感はあるけど、痛みはなくて、ただ気持ち良い。
アイトは可愛い顔してるけど、やっぱり男の人だと思った。長くて筋張ってて、剣を握る人の指。
今の体の紅葉みたいなお手々と比べると余計かもしれない。アイトはそんなに背が高くないけど、それでも身長差はそれなりにある。元の体より身長が五センチくらいは縮んでると思う。多分、百四十センチ台だと思う。うん、間違いなく殿の性癖。
いや、私も身長差・体格差万歳だけれども……! それこそ、うさぎ精霊さん的なポジションで血眼で覗き見したかった。切実に。
「あいと……! あっ! ぁあっ!」
気持ち良い。わけがわからないくらいに。ゆっくり探るように中をかき混ぜる動きがスムーズになって、自分が感じてるって嫌でも思い知らされる。
グチュグチュ響く音が大きくなって、恥ずかしくてたまらない。上品なアイトが啜る音が下品で、だけど嫌じゃない。神殿に仕える騎士とこんなことしてるなんて、凄く背徳的で、スパイスになってる気がする。
「あいと、あいとぉっ」
多分、これがイっちゃいそうって感覚なんだと思う。
どこかへ行ってしまいそうな、あるいは何かが来そうな未知の感覚。知らないから怖くて、思わずアイトを呼ぶことしかできなかった。
「自分もいます」
「らいん……」
ギュッと腕に力が込められて耳元で切なげに囁かれてキュンとした。
大丈夫、ちゃんとわかってる。忘れてたわけじゃない。そんな気持ちを込めてラインの腕に手を添える。
「今、中が締まりましたよ」
「ゃぁっ、そんな、言わなっ、あぁぁっ!」
ふふっとアイトが笑って、何だか凄く恥ずかしくなった。何かもう羞恥心にキリがない。まだいわゆる前戯で本番はこれからなのに、自分でも先が思いやられる。
殿の小説はもう何度も読み返してきたけど、読むのとヤるのでは大違い。元の体でも未経験だったから余計に。
「本当にサクラ様は可愛らしいですね」
「ぁぅぅ……」
そんなところでクスクス笑わないでほしいのにアイトもさりげなくSっ気ある気がする。隠れSとか属性としては好きだけど! 好みだけど、以下略的な。
もう怒濤の展開で頭の中グチャグチャで死にたくない一心で始めたこと。こうしてる今は繋ぎ止められてるけど、さっき感じた死の恐怖は本物だった。前世って言ったら良いのかわからないけど、咲良としての死はあっという間で、実感もなかったから。
「そろそろ、イきましょう?」
アイトが怖いくらいに綺麗に微笑んだ気がした。こういうところ、本当に殿のヒーロー。顔が良くて、えっちシーンになると一気にエロくなる。
そもそも、イきそうなのはわかるけど、イくのがわからないから怖くて、『一緒がいい……』とか言って先延ばしにしたい気持ちがあったけど、間に合わなかった。
「ひゃあっ! ま、待っ……あっ、ゃあっ! あっ! あぁぁッ!!」
アイトは全然待ってくれなかった。思いっきり追い詰めてきた。隠れS騎士おそろしや。
抗うことのできない波が襲いかかってきて、頭がおかしくなりそうなくらい気持ちが良くて、体が限界まで張り詰めるみたいになって、一気に弾けた。
「はっ……ぁ……」
ビクビクと痙攣する体をラインに支えられて、凄く頭がフワフワした。散々エッチな小説読んできたけど、イくのは初めてだったから、何か本当にこんなになるんだ……って衝撃的で、ある意味感動した。
でも、今からもっと凄いことをするんだってわかってるからこそ、怖くなる。だって、前戯だけでこんなに感じる超敏感ボディっていうファンタジー仕様。処女なのにすぐにアンアン喘いじゃうって桜兎さん知ってる。だから、期待よりも怖くなる。
0
お気に入りに追加
117
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
《短編集》美醜逆転の世界で
文月・F・アキオ
恋愛
美的感覚の異なる世界に転移 or 転生してしまったヒロイン達の物語。
①一目惚れした私と貴方……異世界転移したアラサー女子が、助けてくれた美貌の青年に一目惚れする話。
②天使のような王子様……死にかけたことで前世を思い出した令嬢が、化け物と呼ばれる王子に恋をする話。
③竜人族は一妻多夫制でした……異世界トリップした先で奴隷になってしまったヒロインと、嫁を求めて奴隷を買った冒険者グループの話。
異世界転生先で溺愛されてます!
目玉焼きはソース
恋愛
異世界転生した18歳のエマが転生先で色々なタイプのイケメンたちから溺愛される話。
・男性のみ美醜逆転した世界
・一妻多夫制
・一応R指定にしてます
⚠️一部、差別的表現・暴力的表現が入るかもしれません
タグは追加していきます。
男女比がおかしい世界にオタクが放り込まれました
かたつむり
恋愛
主人公の本条 まつりはある日目覚めたら男女比が40:1の世界に転生してしまっていた。
「日本」とは似てるようで違う世界。なんてったって私の推しキャラが存在してない。生きていけるのか????私。無理じゃね?
周りの溺愛具合にちょっぴり引きつつ、なんだかんだで楽しく過ごしたが、高校に入学するとそこには前世の推しキャラそっくりの男の子。まじかよやったぜ。
※この作品の人物および設定は完全フィクションです
※特に内容に影響が無ければサイレント編集しています。
※一応短編にはしていますがノープランなのでどうなるかわかりません。(2021/8/16 長編に変更しました。)
※処女作ですのでご指摘等頂けると幸いです。
※作者の好みで出来ておりますのでご都合展開しかないと思われます。ご了承下さい。
転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
【R-18】喪女ですが、魔王の息子×2の花嫁になるため異世界に召喚されました
indi子/金色魚々子
恋愛
――優しげな王子と強引な王子、世継ぎを残すために、今宵も二人の王子に淫らに愛されます。
逢坂美咲(おうさか みさき)は、恋愛経験が一切ないもてない女=喪女。
一人で過ごす事が決定しているクリスマスの夜、バイト先の本屋で万引き犯を追いかけている時に階段で足を滑らせて落ちていってしまう。
しかし、気が付いた時……美咲がいたのは、なんと異世界の魔王城!?
そこで、魔王の息子である二人の王子の『花嫁』として召喚されたと告げられて……?
元の世界に帰るためには、その二人の王子、ミハイルとアレクセイどちらかの子どもを産むことが交換条件に!
もてない女ミサキの、甘くとろける淫らな魔王城ライフ、無事?開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる