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第二章
侵食される日常 9
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「重いから……」
「俺の愛の重みです。受け止めてください」
自分よりも大きな晃にのしかかられては潰されてしまいそうで紗菜は訴えるものの無駄だった。より強く体重をかけてくるのだから嫌がらせなのかもしれない。
「暑苦しいから……」
「俺の愛の熱さはこんなもんじゃないですよ?」
背中にはぴったりと熱源が貼り付いているようだったが、心にもないだろう言葉が一層紗菜の心を凍り付かせていくようだった。
「お昼寝するんでしょ……?」
どうにか晃の腕の中から抜け出そうとしながら紗菜は晃の言葉を思い出していた。
『食欲と睡眠欲が満たされれば性欲はどうでも良くなるかもしれませんよ?』
可能性の話でしかなかった。晃の言葉を完全に信用したわけではなかったが、嘘になってほしくなかった。紗菜の切なる願いは呆気なく踏みにじられてしまったのだ。
「ムラムラして辛くて寝れる感じじゃないんです。発散しないとダメです」
「休息日は……?」
「やっぱり無理な我慢は良くないと思うんですよね。先輩といるだけでこんなに元気になっちゃうのに」
大丈夫だと言ったのも嘘になったのだろう。どうすることもできない悔しさがこみ上げてきても紗菜は泣くまいとした。涙を流したところで彼の良心は痛まないのだから。
「やっ! 当てないで……」
「わかります? 先輩が可愛いせいで俺のここがすぐガチガチになっちゃうんです」
臀部にグリグリと押し当てられる硬い感触に紗菜はいよいよ恐ろしくなった。既に実物を目にして受け入れさせられているからといっても平静ではいられない。知っているからこそ、何よりも怖いのだ。
「先輩の可愛いおっぱい触らせてくださいよ」
「ゃ……」
言うが早いか不埒な手は紗菜の胸を這い回る。小さな拒絶は無視され、逃げようとしてもしっかりと抱き込まれて圧倒的な力の差を見せつけられるようだった。一度捕まえたら離さないような、今の彼は間違いなく捕食者であった。少なくとも紗菜にとっては。
「おっぱい触るだけです。それくらいいいじゃないですか。俺達、付き合ってるんですし。ね?」
「あっ……! やめて……」
「触るだけですから」
交際も強要されたようなものだ。もうどんな言葉も信じられるはずがない。やはり彼はこういう男でしかないのだ。
お構いなしにささやかな胸を揉みしだかれ、時折指先が先端に触れる。けれども、紗菜は諦めることもできずにいた。
「やぁっ……!」
やがて狙い澄ましたように服越しにカリカリと先端に刺激を与えられて紗菜の体は震えた。まるで直結しているかのように秘部が疼くのがわかるからこそ、どうにか抜け出そうともがいたが、硬くなった陰茎の感触をより強く感じるだけであった。
「あっ、先輩が動くと俺のチンポ、もっと元気になっちゃいますよ?」
「だって、そんな、触り方……!」
「どんな?」
紗菜が動くのは晃のせいなのだが、彼は決して手を止めずに意地悪く耳元で問いかけてくる。
「そ、それは……あぅぅっ……」
「ねぇ、どんなです? 教えてくださいよ」
まるで答えなければやめないと言わんばかりだ。晃は紗菜を追いつめることに関して天才的であった。
「えっち……」
「ははっ、いいですね、それ。ギンギンになっちゃいますよ? すぐにでも暴発しちゃいそうなくらいです」
羞恥心に耐えながら答えたというのに晃の手は止まらない。余計に彼を喜ばせてしまっただけなのだろう。また泣きたい気持ちの波が押し寄せてくるのを紗菜は必死に堪えた。
「したくないって言ったのに……!」
「こんなに感じやすい体なんですから、いっぱいエッチしないともったいないですよ?」
彼が快楽を良いことだと思っていても紗菜には罪悪でしかない。もう一度したいと思えるものではなかったが、晃は善人の顔をしていながら人を堕落させようとする悪魔のようだった。彼を喜ばせるような体に生まれたことを望んだわけでもないのだから紗菜は恨めしくて仕方がなかった。
「俺の愛の重みです。受け止めてください」
自分よりも大きな晃にのしかかられては潰されてしまいそうで紗菜は訴えるものの無駄だった。より強く体重をかけてくるのだから嫌がらせなのかもしれない。
「暑苦しいから……」
「俺の愛の熱さはこんなもんじゃないですよ?」
背中にはぴったりと熱源が貼り付いているようだったが、心にもないだろう言葉が一層紗菜の心を凍り付かせていくようだった。
「お昼寝するんでしょ……?」
どうにか晃の腕の中から抜け出そうとしながら紗菜は晃の言葉を思い出していた。
『食欲と睡眠欲が満たされれば性欲はどうでも良くなるかもしれませんよ?』
可能性の話でしかなかった。晃の言葉を完全に信用したわけではなかったが、嘘になってほしくなかった。紗菜の切なる願いは呆気なく踏みにじられてしまったのだ。
「ムラムラして辛くて寝れる感じじゃないんです。発散しないとダメです」
「休息日は……?」
「やっぱり無理な我慢は良くないと思うんですよね。先輩といるだけでこんなに元気になっちゃうのに」
大丈夫だと言ったのも嘘になったのだろう。どうすることもできない悔しさがこみ上げてきても紗菜は泣くまいとした。涙を流したところで彼の良心は痛まないのだから。
「やっ! 当てないで……」
「わかります? 先輩が可愛いせいで俺のここがすぐガチガチになっちゃうんです」
臀部にグリグリと押し当てられる硬い感触に紗菜はいよいよ恐ろしくなった。既に実物を目にして受け入れさせられているからといっても平静ではいられない。知っているからこそ、何よりも怖いのだ。
「先輩の可愛いおっぱい触らせてくださいよ」
「ゃ……」
言うが早いか不埒な手は紗菜の胸を這い回る。小さな拒絶は無視され、逃げようとしてもしっかりと抱き込まれて圧倒的な力の差を見せつけられるようだった。一度捕まえたら離さないような、今の彼は間違いなく捕食者であった。少なくとも紗菜にとっては。
「おっぱい触るだけです。それくらいいいじゃないですか。俺達、付き合ってるんですし。ね?」
「あっ……! やめて……」
「触るだけですから」
交際も強要されたようなものだ。もうどんな言葉も信じられるはずがない。やはり彼はこういう男でしかないのだ。
お構いなしにささやかな胸を揉みしだかれ、時折指先が先端に触れる。けれども、紗菜は諦めることもできずにいた。
「やぁっ……!」
やがて狙い澄ましたように服越しにカリカリと先端に刺激を与えられて紗菜の体は震えた。まるで直結しているかのように秘部が疼くのがわかるからこそ、どうにか抜け出そうともがいたが、硬くなった陰茎の感触をより強く感じるだけであった。
「あっ、先輩が動くと俺のチンポ、もっと元気になっちゃいますよ?」
「だって、そんな、触り方……!」
「どんな?」
紗菜が動くのは晃のせいなのだが、彼は決して手を止めずに意地悪く耳元で問いかけてくる。
「そ、それは……あぅぅっ……」
「ねぇ、どんなです? 教えてくださいよ」
まるで答えなければやめないと言わんばかりだ。晃は紗菜を追いつめることに関して天才的であった。
「えっち……」
「ははっ、いいですね、それ。ギンギンになっちゃいますよ? すぐにでも暴発しちゃいそうなくらいです」
羞恥心に耐えながら答えたというのに晃の手は止まらない。余計に彼を喜ばせてしまっただけなのだろう。また泣きたい気持ちの波が押し寄せてくるのを紗菜は必死に堪えた。
「したくないって言ったのに……!」
「こんなに感じやすい体なんですから、いっぱいエッチしないともったいないですよ?」
彼が快楽を良いことだと思っていても紗菜には罪悪でしかない。もう一度したいと思えるものではなかったが、晃は善人の顔をしていながら人を堕落させようとする悪魔のようだった。彼を喜ばせるような体に生まれたことを望んだわけでもないのだから紗菜は恨めしくて仕方がなかった。
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