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バッグを取りに来ただけなのに
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町外れにある不気味な洋館は廃墟となって久しいらしい。
かつて一家惨殺事件が起きただとか無理心中だったなどと言われているが、真実は調べればわかりそうなものである。
それでも人々は好き勝手に妄想を膨らませては尾鰭を付けたがる。
今や肝試しのスポットとなり、実際に何か良からぬモノを見た人物がいるなどと病のように噂が伝染している。
「バカみたい……」
石川寧蘭は件の洋館の前で溜息と共に小さく吐き出した。
世の中はハロウィンなどと浮かれているが、そんな気分を味わいにきたわけでもない。
きっと運がなかったのだ。こんな日に会いたくない人間に会ってしまったのだから。
一言で言ってしまえば所謂パリピなどと呼ばれるものだろうか。もう会うこともないと思っていた高校時代の同級生だった。勉強しか取り柄もなく典型的な優等生だった寧蘭とは正反対の存在だったと言えるだろう。
結局はドロップアウトしていったが、それまで一方的に目の敵にされて散々迷惑を被ったものだ。
今やより悪い仲間達とつるみ、久しぶりに会った寧蘭を忘れるわけでもなく、嫌がらせを仕掛けてきた。
彼女の仲間にバッグを取られ、洋館の中に隠されてしまったのだ。警察を呼ぶべきだったのかもしれない。しかし、バッグを取ってくればそれで済む話だと思ってしまった。これ以上の面倒を寧蘭は望まなかった。
扉を開けて、薄暗い室内に足を踏み入れたはずだった。その瞬間冷気が吹き付けてくるような風に思わず目を閉じ、バタンと扉が閉まる音を聞いた瞬間、空気が変わった気がした。
幽霊などいるはずがない。錯覚だ。
そう言い聞かせながら恐る恐る目を開けて寧蘭は言葉を失った。
(ここ、どこ……?)
ハロウィンのイベントでもやっているのかと思うほど中は明るい。
否、それはおかしなことだった。外から灯りは見えなかった。完全に荒れ果てていたはずであるのに、そんな様子はまるでない。
真っ赤な絨毯と豪奢なシャンデリア、大きな階段、思い描く洋館のイメージそのままである。
だが、そんなはずはないのだ。
これはあまりに綺麗すぎる。
振り返り、扉を開けようとしてもびくともしない。外で抑えられている風でもなく、寧蘭は混乱する。
想像した廃墟でないことが恐ろしくてたまらない。進んでみようと言う気にもなれない。
「おっ、お前がお客様か?」
扉を開けることに躍起になっていたせいか、人の気配に気付いていなかった。
彼女達の仲間か、それともこの屋敷の主人なのか。慌てて寧蘭は振り向く。声の感じでは若い男かと思ったが、その姿は寧蘭の想定よりも大きい。
「ひっ……!」
その顔を見た瞬間、腰が抜けて寧蘭はその場に座り込む。
背丈は二メートル近くあるように感じたが、何よりもその頭が異質だった。
一言で表すならば赤茶色の毛並みの狼だろうか。ハロウィンだから仮装をしているのだろうが、あまりにリアルな造形は獣そのものだった。
「おいおい、そんなに怖がるなって。取って食ったりしねぇよ」
大きな身を屈め見下ろされて、後退ろうとも扉に背中をこすりつけるだけだった。
獰猛な目の輝き、言葉に合わせて開閉する大きな口、長い舌と唾液の質感は作り物には見えない。
食べられる――寧蘭はそう直感した。
「あ……」
恐怖と驚愕は頂点に達し、股間を熱く濡らす液体の感覚の意味を理解することも遅れた。
失禁したと気付いた時にはもう止めることもできずに出し切るしかなくなっていた。
大学生になって漏らすことになるとは思いもしなかった。バッグを取られても流れなかった涙が一気に溢れ出す。
「ごめ、なさっ……ひっく……ごめっ……」
「そんな泣くな。漏らしたくらいで」
何でもないことのように彼は言うが、寧蘭にはそうは思えない。
あまりに恥ずかしすぎて、ショックだった。こんな立派な屋敷の絨毯を汚してしまって、クリーニングにはどれほどの費用がかかるのか。学生の身分で自由になる金額は少ない。借金を負わされるだろうか。
もしかしたら、彼は家主ではないのかもしれない。声は人間そのものだが、その姿が恐ろしくて寧蘭は彼の方を見ることができなかった。
「おっ、丁度いいやつが来たじゃねぇか」
そんな声に顔を上げて、寧蘭は卒倒しそうな気持ちだったが、実際そうならなかったのは不幸だったのかもしれない。
痴態を目にする人間が増えてしまったことよりも何よりも現れた人物の容姿が問題だった。
ミイラ男のつもりなのだろうか巻かれているのは包帯ではなく、トイレットペーパーである。それを見ておそらく狼男の彼は『丁度いい』などと言ったのだろう。
「ヒョク、君はデリカシーという言葉を知っていますか?」
ヒョクというのが狼男の名前なのか。
トイレットペーパーのせいで顔は見えないが、ミイラ男もまた若い男であるようだ。狼男とは大違いの落ち着きようだったが。
「当然だ。バカにすんな。つーか、ダリウスとてめぇが堅すぎるんだよ」
「私が何だ? 駄犬」
「げっ、ダリウス……!」
突然の声に寧蘭もビクッと驚く。足音も気配もなく、彼――ダリウスはそこにいた。
タキシードに裏地が赤いマント姿はドラキュラ伯爵のコスプレのつもりなのだろうか。彼もまた異質ではあったが、前の二人とは意味が異なる。
やはり二十代か、金髪に赤い目が印象的な美男である。冷たい印象を受けるが、そのミステリアスな美貌が衣装とマッチしていた。
しかし、だからこそ、寧蘭は恥ずかしさのあまりに顔から火が出そうに感じていた。本当に消えてなくなりたかった。
「躾のなっていない犬はよく吠えるものだ」
「同感です」
「俺は犬じゃねぇ!」
ダリウスが言えば、ミイラ男が頷き、吠えたのは狼男のはずだった。
ふとその顔を視界に入れてしまい、慌てて顔を逸らした寧蘭だったが、恐る恐るもう一度視線を向ける。
彼はいつの間にマスクを脱いだのか。そこにいたのは赤い髪のワイルドな印象の男だ。広い意味ではイケメンと言っても差し支えがないのかもしれないが、寧蘭は不思議な気持ちで、それどころではなかった。
見間違いだったはずがない。そのせいで失禁してしまったというのに彼が手にマスクを持っている様子もなかった。
「大切な客人を怯えさせるのは駄犬でなければ何だと言うのだ? そして、いつまで彼女をその状態でいさせるつもりだ?」
ダリウスは冷ややかな目で狼男を見ている。問いかけているようでありながら、答えなど求めていないように存在にすら感じられる。
彼が家主なのかもしれない。納得できる風格があった。その日本語に淀みもない。
「駄犬が粗相をしたようで申し訳ない」
「えっ……あっ……」
頭を下げるダリウスに寧蘭は動揺して何も言うことができなかった。
謝らなければならないのは自分の方だと思いながらも言葉にならず、土下座することもできない。
「いや、粗相をしたのはそい……ぐえっ!」
事実ではあるが、現実を突きつけられると辛いものがある。
だが、狼男は苦しげな声をあげ、最後まで言うことはなかった。
見れば彼の首にトイレットペーパーが絡まり、首を絞めているようである。その先がゆらゆらと揺れているように見えるのは気のせいか。
しかし、ミイラ男は何もしていない。ただそこに立っているだけだ。敢えて言うならば素顔を晒していた。黒髪に黒目の涼しげな顔をした美男である。
明らかにおかしな光景が繰り広げられて不思議であるのに、既に脳の許容量をオーバーしているのかもしれなかった。
「何も気にしなくていい。バスルームに案内しよう。着替えも用意する。我々は貴方を歓迎する」
そう言って手を差し出してきたのはダリウスだ。
躊躇いはあったが、従うしかないような威圧感が彼にはあった。おずおずと手を伸ばせば、冷たく大きな手にしっかりと掴まれる。バッグを取りに来ただけなのに、そんなことがどうでも良くなるような、逃げられない場所に足を踏み入れてしまったような、そんな感覚だった。
* * *
かつて一家惨殺事件が起きただとか無理心中だったなどと言われているが、真実は調べればわかりそうなものである。
それでも人々は好き勝手に妄想を膨らませては尾鰭を付けたがる。
今や肝試しのスポットとなり、実際に何か良からぬモノを見た人物がいるなどと病のように噂が伝染している。
「バカみたい……」
石川寧蘭は件の洋館の前で溜息と共に小さく吐き出した。
世の中はハロウィンなどと浮かれているが、そんな気分を味わいにきたわけでもない。
きっと運がなかったのだ。こんな日に会いたくない人間に会ってしまったのだから。
一言で言ってしまえば所謂パリピなどと呼ばれるものだろうか。もう会うこともないと思っていた高校時代の同級生だった。勉強しか取り柄もなく典型的な優等生だった寧蘭とは正反対の存在だったと言えるだろう。
結局はドロップアウトしていったが、それまで一方的に目の敵にされて散々迷惑を被ったものだ。
今やより悪い仲間達とつるみ、久しぶりに会った寧蘭を忘れるわけでもなく、嫌がらせを仕掛けてきた。
彼女の仲間にバッグを取られ、洋館の中に隠されてしまったのだ。警察を呼ぶべきだったのかもしれない。しかし、バッグを取ってくればそれで済む話だと思ってしまった。これ以上の面倒を寧蘭は望まなかった。
扉を開けて、薄暗い室内に足を踏み入れたはずだった。その瞬間冷気が吹き付けてくるような風に思わず目を閉じ、バタンと扉が閉まる音を聞いた瞬間、空気が変わった気がした。
幽霊などいるはずがない。錯覚だ。
そう言い聞かせながら恐る恐る目を開けて寧蘭は言葉を失った。
(ここ、どこ……?)
ハロウィンのイベントでもやっているのかと思うほど中は明るい。
否、それはおかしなことだった。外から灯りは見えなかった。完全に荒れ果てていたはずであるのに、そんな様子はまるでない。
真っ赤な絨毯と豪奢なシャンデリア、大きな階段、思い描く洋館のイメージそのままである。
だが、そんなはずはないのだ。
これはあまりに綺麗すぎる。
振り返り、扉を開けようとしてもびくともしない。外で抑えられている風でもなく、寧蘭は混乱する。
想像した廃墟でないことが恐ろしくてたまらない。進んでみようと言う気にもなれない。
「おっ、お前がお客様か?」
扉を開けることに躍起になっていたせいか、人の気配に気付いていなかった。
彼女達の仲間か、それともこの屋敷の主人なのか。慌てて寧蘭は振り向く。声の感じでは若い男かと思ったが、その姿は寧蘭の想定よりも大きい。
「ひっ……!」
その顔を見た瞬間、腰が抜けて寧蘭はその場に座り込む。
背丈は二メートル近くあるように感じたが、何よりもその頭が異質だった。
一言で表すならば赤茶色の毛並みの狼だろうか。ハロウィンだから仮装をしているのだろうが、あまりにリアルな造形は獣そのものだった。
「おいおい、そんなに怖がるなって。取って食ったりしねぇよ」
大きな身を屈め見下ろされて、後退ろうとも扉に背中をこすりつけるだけだった。
獰猛な目の輝き、言葉に合わせて開閉する大きな口、長い舌と唾液の質感は作り物には見えない。
食べられる――寧蘭はそう直感した。
「あ……」
恐怖と驚愕は頂点に達し、股間を熱く濡らす液体の感覚の意味を理解することも遅れた。
失禁したと気付いた時にはもう止めることもできずに出し切るしかなくなっていた。
大学生になって漏らすことになるとは思いもしなかった。バッグを取られても流れなかった涙が一気に溢れ出す。
「ごめ、なさっ……ひっく……ごめっ……」
「そんな泣くな。漏らしたくらいで」
何でもないことのように彼は言うが、寧蘭にはそうは思えない。
あまりに恥ずかしすぎて、ショックだった。こんな立派な屋敷の絨毯を汚してしまって、クリーニングにはどれほどの費用がかかるのか。学生の身分で自由になる金額は少ない。借金を負わされるだろうか。
もしかしたら、彼は家主ではないのかもしれない。声は人間そのものだが、その姿が恐ろしくて寧蘭は彼の方を見ることができなかった。
「おっ、丁度いいやつが来たじゃねぇか」
そんな声に顔を上げて、寧蘭は卒倒しそうな気持ちだったが、実際そうならなかったのは不幸だったのかもしれない。
痴態を目にする人間が増えてしまったことよりも何よりも現れた人物の容姿が問題だった。
ミイラ男のつもりなのだろうか巻かれているのは包帯ではなく、トイレットペーパーである。それを見ておそらく狼男の彼は『丁度いい』などと言ったのだろう。
「ヒョク、君はデリカシーという言葉を知っていますか?」
ヒョクというのが狼男の名前なのか。
トイレットペーパーのせいで顔は見えないが、ミイラ男もまた若い男であるようだ。狼男とは大違いの落ち着きようだったが。
「当然だ。バカにすんな。つーか、ダリウスとてめぇが堅すぎるんだよ」
「私が何だ? 駄犬」
「げっ、ダリウス……!」
突然の声に寧蘭もビクッと驚く。足音も気配もなく、彼――ダリウスはそこにいた。
タキシードに裏地が赤いマント姿はドラキュラ伯爵のコスプレのつもりなのだろうか。彼もまた異質ではあったが、前の二人とは意味が異なる。
やはり二十代か、金髪に赤い目が印象的な美男である。冷たい印象を受けるが、そのミステリアスな美貌が衣装とマッチしていた。
しかし、だからこそ、寧蘭は恥ずかしさのあまりに顔から火が出そうに感じていた。本当に消えてなくなりたかった。
「躾のなっていない犬はよく吠えるものだ」
「同感です」
「俺は犬じゃねぇ!」
ダリウスが言えば、ミイラ男が頷き、吠えたのは狼男のはずだった。
ふとその顔を視界に入れてしまい、慌てて顔を逸らした寧蘭だったが、恐る恐るもう一度視線を向ける。
彼はいつの間にマスクを脱いだのか。そこにいたのは赤い髪のワイルドな印象の男だ。広い意味ではイケメンと言っても差し支えがないのかもしれないが、寧蘭は不思議な気持ちで、それどころではなかった。
見間違いだったはずがない。そのせいで失禁してしまったというのに彼が手にマスクを持っている様子もなかった。
「大切な客人を怯えさせるのは駄犬でなければ何だと言うのだ? そして、いつまで彼女をその状態でいさせるつもりだ?」
ダリウスは冷ややかな目で狼男を見ている。問いかけているようでありながら、答えなど求めていないように存在にすら感じられる。
彼が家主なのかもしれない。納得できる風格があった。その日本語に淀みもない。
「駄犬が粗相をしたようで申し訳ない」
「えっ……あっ……」
頭を下げるダリウスに寧蘭は動揺して何も言うことができなかった。
謝らなければならないのは自分の方だと思いながらも言葉にならず、土下座することもできない。
「いや、粗相をしたのはそい……ぐえっ!」
事実ではあるが、現実を突きつけられると辛いものがある。
だが、狼男は苦しげな声をあげ、最後まで言うことはなかった。
見れば彼の首にトイレットペーパーが絡まり、首を絞めているようである。その先がゆらゆらと揺れているように見えるのは気のせいか。
しかし、ミイラ男は何もしていない。ただそこに立っているだけだ。敢えて言うならば素顔を晒していた。黒髪に黒目の涼しげな顔をした美男である。
明らかにおかしな光景が繰り広げられて不思議であるのに、既に脳の許容量をオーバーしているのかもしれなかった。
「何も気にしなくていい。バスルームに案内しよう。着替えも用意する。我々は貴方を歓迎する」
そう言って手を差し出してきたのはダリウスだ。
躊躇いはあったが、従うしかないような威圧感が彼にはあった。おずおずと手を伸ばせば、冷たく大きな手にしっかりと掴まれる。バッグを取りに来ただけなのに、そんなことがどうでも良くなるような、逃げられない場所に足を踏み入れてしまったような、そんな感覚だった。
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