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やっぱり変態でした

泣きたいのは私です

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 竜也君にとって私は何なんだろう?
 私に対する想いが本物でも勝手すぎる。
 竜也君は私の意思を無視して触りたがって、こんなことまでしてる。
 全部を知られるのを私が望んでないのに、私のそういう意思表示は無視する。自分に都合が悪いことは見えないし、聞こえない。
 竜也君の中では私は竜也君とそうなることを望んでる? それとも、照れ隠しだと思ってる?
 今の状況が自分にとってどれだけまずいかわかってるのに、怖くてどうすることもできない。
 中を指で掻き回されて、嫌なのに自分が感じて濡れてるのが音でわかる。イっちゃったし、このまま竜也君に流されて気付いたら処女じゃなくなってるかもしれない。
 竜也君の足の間で大きくなってるそれは見たくないけど、でも、私の中に入りたがってるはず。いつ貫かれるかわからない。竜也君なら私なんか簡単に抑え込める。
 どうしたらいいかわからないまま、涙が溢れた。

「りりちゃん、ごめん、泣かないで!」

 私の涙に気付いた竜也君は慌てるけど、やめてくれるわけじゃなかった。

「焦らしてごめんね! 今すぐイかせてあげるから!」

 本当に何を思ったんだろう。
 竜也君が体勢を変えて、またそこに顔を近付けてきた。
 竜也君はさっきから『ごめん』ばっかり。そう言えば許されると思っているのか。

「ひ、あぁっ!」

 クリに吸い付かれて中で指を動かされて、またお腹の奥が疼き出す。
 だめ、これは絶対だめ。
 また頭が真っ白になって、何も考えられなくなったら、竜也君のいいようにされてしまう。

「やだぁっ! ちがっ、違うのっ!」

 じゅるじゅる吸われて、指をくちゅくちゅ動かされて、必死に手を伸ばして、竜也君の髪を引っ張る。

「何が嫌なの? 違うの? まだイきたくない?」
「もう、やめて……お願いだから……」
「俺にされるのが嫌なの?」

 顔を上げてくれた竜也君に訴えて、とにかくやめてほしい一心で、ろくに考えもせずに頷いていた。
 竜也君がフリーズした気がした。
 見つめ合って(睨み合って?)、わかったのかわかってくれないのか、竜也君は動かない。

「ふぇぇ」

 竜也君が口を開いたかと思えば、私だってリアルでは絶対に使わない『ふぇぇ』を使いやがった。
 私が泣きたいのに(もう泣いたけど)、竜也君が本当に泣き出した。
 指は抜いてくれたけど、マジで泣き出した。

「俺はりりちゃんを気持ち良くしてあげたいだけなのに……ぐすっ……どうしてわかってくれないの?」

 ぽろぽろ涙を零しながら竜也君が私を見る。
 私が『どうしてわかってくれないの?』と言いたい。どう考えてもこっちの台詞。
 でも、こいつに道徳を説いても無駄だと私の中の誰かが言ってる。それは由真ちゃんの声に似てたかもしれない。

「私は……」
「凛鈴」

 やっぱり怖い物は怖いから嫌だと言いたかったのに、はっきり名前を呼ばれた。
 ひっ、と声が漏れる。
 結局、恐れていた事態を引き起こしてしまった。
 突然の涙からのコレはやばい。
 全裸になったことがもたらす効果にこのモードの発動の抑制は含まれてないらしい。

「凛鈴」

 二回も呼んだ!
 連続で呼ばれたことはない。
 もしかして、もっとやばい……?

「た……んんっ!」

 いきなりキスされて口の中も、体の中も掻き回されて、抵抗なんてできなかった。

「俺のキスは気持ち良くない?」

 散々蹂躙されて、離れたかと思ったらそんなことを聞かれた。

「そんなことないよね? 目がトロンとしてるから」

 私が答えられない内に竜也君は勝手に結論を出した。
 キスされるのは竜也君が初めてだし、気持ちいいかどうかなんてわからないのに。
 頭がくらくらして、正常に考えられないのに、竜也君の手が体を這い始める。

「っ、ひぃんっ……」
「ここ、いじられるのも気持ちいいんだと思ってたけど、違ったの?」

 いじられすぎて痛いくらいの乳首に触られてあそこがきゅってなった気がした。

「ここも、いっぱい濡れて、可愛くイってくれたのに、気持ち良くないの?」
「あぅぅっ……!」

 またあそこを触られて、ちゅぷちゅぷって水音が響いて嫌なのに、お腹の奥に熱が集まってく気がする。
 そのまま、くちゅって指が中に埋められてしまった。

「こんなにびしょびしょにして、俺の指、ふやけそうなのに?」
「わかんなっ……怖い……も、やらぁっ! あぁっ」

 ぐちゅぐちゅ、音が大きくなって、恐怖も大きくなる。
 体の奥の疼きが膨らんで怖い。また風船が膨らんでるみたい。でも、それはきっと凄く巨大で破裂したら私の手には負えない。
 今までの私が吹き飛ばされて死んでしまいそうな気がする。

「それとも、してほしいことを俺がしてあげられてないから? 言ってくれたら何でもしてあげるのに」
「も、終わりにしてぇっ……怖いよぉっ……」

 懇願しても無駄だってわかってるのに、せずにはいられなかった。
 竜也君は的外れなことを言っている。
 確かに竜也君はわたしがしてほしいことだけは絶対にしてくれない。
 竜也君にとっては、その発想はないっていうか、聞くに値しない物なんだと思う。
 ここでやめるなんて竜也君にとってはありえないこと。だから、私が言うことは本心じゃないと思ってる。嫌よ嫌よも好きのうち的な。

「りりちゃんが怖くなくなるように、今日は何回でもイかせてあげる」

 ぎゅって抱き締められて、すぐにキスをされて、竜也君はより集中的に確実に私が感じるところを攻め始めたらしい。
 私が今まで知らなかった感覚が容赦なく引きずり出されていくみたいで怖くてシーツを掴んで握り締める。
 恐怖が克服できないことだけが拒む理由じゃないのに、竜也君はわかってくれない。

「当たって……ぁあんっ」

 ふと、熱い物が当たってる気がして、何だろうとぼんやり考える。最早、現実逃避だった。

「俺のちんぽがほしくなってきちゃった?」

 竜也君が耳元で笑ってくすぐったくて、その言葉の意味に遅れて気付く。
 全裸の竜也君のあれが当たってるんだ……
 怖くなって逃げようと身を捩っても無駄だった。竜也君に刺激を与えただけだった。
 足でしたことなんて、竜也君にとってはほんのお遊びだったような気がする。

「でも、りりちゃんの中、まだきついからもっと慣らしてからじゃないと挿れてあげられないよ。ごめんね」
「や、あっ、あぁんっ! いっ……ぁ、ああ!」

 違う。そうじゃないのに、もう意味のない音しか口から出てこない。
 多分、気持ち良くなってるんだと思う。辛いくらいに体の中が疼いてる。
 イきたい。そう思うと同時に声に出しそうになって、でも、堪えるくらいの理性はまだ残ってる。

「りりちゃん、イク? イッちゃう?」

 言うまいとしたのに、竜也君は私の心を見透かしたように笑う。
 楽になりたいのに、イきたいと言ってしまえば何かが壊れてしまうだろう。それは私のプライドなのかもしれない。あるいは、危うくも踏みとどまってる私の足場なのかもしれない。

「強情だね。でも、我慢すると辛くなるから思いっきりイかせてあげる」
「っひ、ぁ、あ、あ、やっ、いっ……あぁぁっ!」

 竜也君がまるで本気を出すかのように感じるところを同時に攻めてきて、一気に白い世界に突入するようだった。
 体を吸われる音とぐちゅぐちゅ掻き回される音をBGMに急激に高度を上げていくみたい。
 そして、全て白に飲まれていくのに大して時間はかからなかった。
 体がビクンビクンって跳ねて、何か別の生き物に体を乗っ取られたみたいに感じた。

「はっ……はー……」

 荒く呼吸を繰り返す間、その短い時間は自分の世界だった。
 竜也君のことは意識の外だった。
 本日二度目の波はもっと大きくて、やっぱり慣れたり楽しんだりするのは無理だって思う。

「はい、りりちゃん。お水どうぞ」

 そう声をかけられたかと思えば体を支えながら起こされて、いつ持ってきたのかペットボトルを口元に寄せられた。
 まるで砂漠で行き倒れる寸前みたいに、何の疑いもなく、口を開いたけど、上手く飲めなくて、ダラダラと垂れて、ちゃんと飲めたのはほんの一口だった。
 そして、口から胸元にかけてをビチョビチョにして、シーツにまで零した私を竜也君は怒るわけでもなく、口移しで飲ませてきた。
 何度も口づけられて受け入れたのは純粋に水が飲みたかっただけだった。
 でも、濡れた胸を舐められた時にわざと零されたって悟った。

「りりちゃん、顔真っ赤でなってて可愛い。っていうか、全身ピンクで可愛い。もっともっと気持ち良くしてあげるね!」

 竜也君は私を休ませてくれないらしい。鬼だ。鬼がいる。
 もう何も考えたくない。


 そうして、散々竜也君に泣かされて解放された時にはもう何もする気になれなかった。
 完全に消耗して補給って言うか、精気を吸い取られて完全に絞りカスになった気分だった。
 あの後も体に精液をかけられて、本当にグチャグチャのドロドロになるし、シャワーで綺麗にしてもらえたけど、磨り減った。
 最終的に指も増やされてたし、竜也君に体を作り替えられていく気がする。

 そして、私は一体いつになったらライブを観れるのかがわからない。
 竜也君は最後まで見せる気はないのかもしれない。
 本当に見せる気があるのか。本人に聞く勇気はなかった。
 それに、当然のように取り付けられる来週の約束が怖い。今日以上のことをされたらどうしよう。
 お姉様に告げ口する? だめだ、報復が怖い。
 結局、来るしかないんだ……辛い。
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