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やっぱり変態でした

お礼なんて嘘だった

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「えっ、気持ちいい?」
「ちがっ、しなくていっ、ぁあっ」

 もう一度、訴えようとしたのに竜也君が狙い澄ましたようにある場所を触ったせいで最後まで言えなかった。
 強烈な刺激が電流のように流れる。
 あの怖い感覚が近付いてきてる気がする。
 この前吸われて、変になった場所だと思う。

「そこっ、だめぇっ!」
「もうびしょびしょにしてるくせに」
「やぁっ、やめてっ」

 ダメだって言ってるのに、やめてって言ってるのに、竜也君はやめてくれなかった。
 また奥からとろりと液体が出てくるような感覚があって、そこが濡れてしまってるのはわかる。
 私の意思と体の反応は違う。気持ち良くないのに、怖いのに、恐怖とか嫌悪とかはどこかに行ってる。

「やめていいの? 中途半端に終わらせて辛いの、りりちゃんなんだけど」

 竜也君は聞く耳を持ってるかのように私を見てくる。
 でも、竜也君は本当に意地悪だった。ヤリチンモード入ってなくても、やっぱりドSだった。
 やめる気なんか微塵もなくて、やめない理由を私のためにしている。ひどい。

「イきたいって言ってみなよ」

 言えなくて、ふるふる首を横に振ったら竜也君が「強情だね」って肩を竦めて笑った。
 無理なものは無理。イきたくないんだから、イきたいなんて言えるはずがない。

「じゃあ、りりちゃんのためを思って俺が勝手にするね」

 何たるご都合主義……!
 私のためだって言えば、何をしてもいいと思ってる。許されると思ってる。
 でも、私は望んでない。
 どんどん状況がまずい方に転がって、どうにか軌道修正をしなきゃと思った時だった。

「ひゃっ!」

 竜也君が私の足を掴んで持ち上げたかと思えば、頭の方に持ってくる。
 足首が顔の脇にあって、何これ恥ずかしい。

「これが所謂まんぐり返しってやつだよ」
「や、やだ!」

 ストッキングとパンツを履いててもそこが竜也君の目の前に晒されてる。
 履いてなかったら丸見えで恥ずかしすぎる。
 そこを隠したらいいのか、真っ赤になってるだろう顔を隠したらいいかわからない。
 それなのに、竜也君は私の手を掴んだ。

「りりちゃん、自分でここ持って」
「やっ!」

 自分の膝裏を押さえさせられて余計に恥ずかしい。
 嫌なんだけど、凄く嫌なんだけど!

「勝手に離したらお仕置きするから」
「ひっ……」

 この状況でのお仕置きが怖すぎて大人しく足を押さえる。
 もうこんなのお礼じゃない。辱めでしかない。

「ごめんね、破くよ」

 何をって聞く前に、呆気なくストッキングの恥ずかしい部分がビリビリされた。
 縞パンがこんにちは……辛い。
 お仕置きと今されてることの何が違うのかわからない。恥ずかしすぎて死ぬ。
 自分のストッキングじゃないけど、ショックはある。精神的に結構きつい。じわっと涙が滲んだ。
 先に謝られたって困る。

「うわっ、凄い……エロい……」

 それこそ、私はレイプされるみたいで怖いのに、竜也君は楽しそうだった。
 勝手にするって言った時点で同意の上じゃないと思う。私は竜也君に脅されてる。

「大丈夫。ずらしてハメるのはまた今度にするから」

 私が不安そうに見えたのか竜也君が笑いかけてくる。大丈夫って言われても安心できない。
 最初の時に脅された気がする。
 それやっぱりやりたかったんだ……辛い。

「やっぱり染みになっちゃってるね」

 自分のじゃなくてもパンツはパンツだし、そんなところ見られたくないのに竜也君はまじまじと見てる。
 恥ずかしい部分を指摘されるのマジ辛い。
 染みになってるのだって竜也君が触ったせいなのに。

「ここ、何されたか覚えてるよね?」

 パンツの上からそこに触られて、頷く。
 拷問されたことなら覚えてる。忘れられるはずがない。
 竜也君は「怖い?」って聞いてきて、また頷けば頭を撫でられた。

「怖い怖いと思ってるから怖いんだよ。二回目はやってみたら案外平気だから大丈夫」

 やめてくれるなんて期待したわけじゃなかったけど、慰めにはならなかった。
 私の心は全然平気じゃない。

「俺の童貞喪失は不本意だったけど、新しい世界が見えたから、りりちゃんにも見せてあげたい」
「見たくない……」

 私の処女喪失も不本意なものになりそうなのに、どうして竜也君にはわからないのか。
 どうして、自分が不本意だと思ったことを私にもしようとするのか。
 やっぱり竜也君には私の気持ちなんてわからない。

「好きな人と好きな物を共有して、共感したいって思うのは変なことじゃないでしょ?」

 真面目な様子で聞かれて返答に困った。
 肯定してしまえば竜也君がしようとしてることを認めたことになってしまうはず。
 変なことじゃない。竜也君が言ってることは間違ってないと思う。今、この発言だけを切り取れば。
 恋人と一緒の物を楽しめたらいいと思う。
 でも、竜也君は強引すぎる。それは押し付けとしか言えない。こんな風に無理矢理することじゃない。

「だから、俺はりりちゃんに快楽を知ってほしい。りりちゃんが知らないことを教えてあげたい。俺がりりちゃんにいっぱい教え込んであげるから」
「知りたくない……」

 知ってはいけない世界な気がする。まだ早いと思う。
 後戻りできなそうで怖いのに、引きずり込まれる。
 帰り道なんてもうどこにもないのかもしれないけど。

「この前は急ぎすぎたから今日はじっくりして、りりちゃんの口からイきたい、イかせて、イく、イっちゃうって言わせてあげる」

 竜也君は勝手なことを言い続けて、無情にもパンツがずらされた。
 初めて見られるわけじゃなくても、ここだけは本当に見られたくなかった。

「入り口触っただけで、凄いクチュクチュって音がする……もう洪水になっちゃうね」

 私の許可を求めもせず、竜也君はそこに触る。
 そこから響く音は私にも聞こえた。粘着質な水音に耳を犯されるみたい。

「ほら、見て。りりちゃん。糸引いてる」
「やだぁっ!」

 竜也君は綺麗な指を何度も付けたり離したりして、そこが透明な糸で繋がってるのがわかる。
 この体勢だと自分のそこが見えて辛いのに、竜也君は見せ付けてくる。辛い。

「りりちゃんのちっちゃいクリが膨らんでる」
「ひぃ、んっ!」
「これがクリトリスだよ。りりちゃんが一番感じるとこ」
「触っちゃ、やあっ!」

 竜也君の指が少し上に移動して触れるのは、多分私が一番触られたくない場所。
 そこに触られるのは刺激が強すぎるのに、竜也君はやめてくれない。
 触り方は優しいと思う。でも、生まれる快感が大きすぎるのかもしれない。
 そこをずっと触られたら陥落するのも時間の問題だって自分でわかる。

「凄い溢れて……このまま垂れちゃうんじゃない?」
「やっ、ゆびっ」

 また指が動いたかと思ったら、指が沈められた。
 そこが男の人のそれを受け入れる場所だって言うのはわかる。でも、怖い。
 この前は挿れられなかったのに、竜也君の中指の先が埋まった。

「挿れちゃやぁっ」
「大丈夫、入るよ。それとも痛い?」

 怖いのに、竜也君は浅く指を出し入れしてちゅぷちゅぷと音を立てる。
 痛くはないけど、怖い。

「やぁっ、挿れないでぇっ」
「りりちゃん、それやばい……ちんぽ挿れたくなっちゃう」

 竜也君が恐ろしいことを言い出して、首を振って必死に訴える。
 処女を奪ったりしないって言ったけど、竜也君はわからない。
 こういう時の竜也君は信用できない。現に触るだけのはずがこの様なわけで。

「りりちゃんはクリの方がいいのかな? 一回イかせてあげるね」

 それはもう独り言だったのかもしれない。
 いいっていいって言ってないのに竜也君はまたそこに口を付けてきた。

 竜也君はそこを舐めたり、舌を挿れてきたりしながら、クリ(って言ってた)を指でいじってきたりする。
 そうやってるところが体勢のせいでよく見えて、いやらしすぎて辛い。
 でも、さっきから刺激を与えられた体は既に限界に近付いているのか、すぐに頭がぼーっとしてくる。
 またあの感覚が近付いてきて、急激に風船が膨らむみたいで、今にも割れそうな感じがしてる。怖い。

「いやっ、おねがっ、あっ、んっ!」
「うん。すぐイかせてあげるからね」

 必死の訴えも虚しく、お願いを別の意味でとられた気がする。

「こわい……怖いのやだぁっ! ひぁ、あぁんっ!」

 その時が来るのは早かった。
 目の前が真っ白になって、何も考えられなくなって、体がびくびく跳ねて止められない。
 運動したわけでもないのに、体は汗ばんで息も荒くなってる。竜也君にとっては運動くらいの感覚なのかもしれないけど。
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