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49 ドレーン伯爵視点 パブでの密談
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タングストレスに到着したのは昼過ぎだった。馬車から降り使用人に向かって手を出す。きょとんとした使用人と目が合った。
「ステッキは?」
「失礼いたしました。すぐにご用意致します」
「ふんっ、貴族をなんだと思っているんだ」
ドタバタと品のない音を響かせて後方の荷棚へ向かうしようにため息が漏れる。最近仕立てたばかりのステッキは、ヘッド部分がリガスケラスの頭を模して掘られている。材質もこだわり、純銀だ。高くついたが、手によく馴染み気に入っている。
戻ってくる使用人の様子を見て思わず、怒鳴りそうになった。ステッキを乱暴に振り回し、危うく馬車に当たりそうになっている。しかも、必要以上にしげしげと眺めて弄りまわしている。もたもたとしてる使用人の手からステッキを奪う。汚い手でベタベタ触られて、ステッキが可哀想に思えて、ハンカチを取り出して磨く。貴族としてこんな所で声を荒らげては品格が疑われてしまう。ステッキが手におさまると、妙案が浮かんだ。
「おい、君にこのアニマルヘッドは何をモチーフにしているか分かるか?リガスケラさ。リガスケラスは魔力を吸収する魔獣でね、純銀だと尚更相性が良いのさ。シャフトは、魔木のウマエボニーで出来てる。加工は難しいんだが、硬くてツヤ立ちが良い性質を持っている最高級品さ」
神妙な顔で聞き入っていた使用人が触りたそうにステッキへと手を伸ばしかけた。それを目ざとく見つけ、にやりとほくそ笑む。
「どれ、試してやろう」
呪文を小言で諳んじて、渡す素振りを装ってステッキを振る。と、バチバチッ。ビリビリとしていそうな光がステッキから放たれ、使用人の腕を襲った。下品な笑い顔が一瞬で苦悶の表情に変わった。
「ギィャヤーーっ!」
みるみるうちに、使用人の腕が炎に包まれる。シューシュー音を立てて消えた魔法の炎。
(これで腕は爛れて使い物にならんだろう。ふんっ、貴族への無礼な行いにしては寛容な対応にせいぜい感謝して欲しいものだ)
ハハハハッ!高笑いがとまらない。ドレーンは気分がすっと晴れていくのを感じ、踵を返して、パブに向かう。
タングストレスに着き、貴族専用の扉をドアノッカーで叩く。いつもこの場に立つと、どこか懐かしい気持ちになる。古めかしくも積み重ねた年月が逆に歴史を感じさせる建物の雰囲気がそうさせるのだろうか。
音も無く開いた扉から、恭しく頭を下げた給仕に連れられて奥のテーブルへ向かう。奥はカーテンで区切られて個室になっている席で、お忍びで訪れた貴族が使用する。前後とはカーテンと薄い板でしか仕切られていないが、顔を合わせることのないよう入口が工夫されている。
カーテンを開けて中に入ると、既にポーケッタ侯爵が到着していた。約束の時間より少し前のはずだが、彼のコーヒーカップは空だった。相変わらずきっちりしている男だ。ハットを脱いで会釈する彼に軽くお辞儀をして応じる。
「お早いお着きですね」
「えぇ、教会にも顔を出したのですが、早く終わってしまったので」
紅茶を頼んで、チェスターフィールドソファに腰を下ろす。向かい側にいるポーケッタ侯爵は、ステッキを磨いていた手を止めた。かと思えば、今度は別の拭き物を取り出してテーブルを磨き始めた。
(この神経質さが無ければいいんだが)
指紋を熱心に擦っている手から目を逸らす。今考えねばならんことは、シエルとサバランのことだろう。あの王子をどう追い出すかが、肝となってくる。
カーテンの開く音に顔をあげると、ビオレソリネス公爵だった。
「待たせたな」
「これはこれは、閣下。いえいえ今来たところでございます」
「どうぞ、こちらへおかけください」
簡単に挨拶をすませ、二人の飲み物が届いた所で本題に入った。
「さて、我が甥の様子はどうかね」
「えぇ、元気に動き回っておられますよ。予想と違い、直接的に動きは見られませんが」
「そうか。それで、今後はどうするつもりだ?準備は?」
ギロりと睨むように見つめられたポーケッタ侯爵が声を潜めて話し始めた。
「王子に罪を被らせるための準備は確実にできております。実行した使用人から我々の名前が出ないように買収も既に済み、後は2人が一緒にいる瞬間を証拠としておさえられれば言い逃れはできないでしょう」
「それで、2人が一緒に居る瞬間はいつ、どうおさえるおつもりかお聞きしても?」
ポーケッタ侯爵の誇らしげだった表情が途端に曇った。ビオレソリネス公爵は顔色ひとつ変えていない。それが逆に不気味だ。
「それは、その、救助するのは明白ですので、いつでもーー」
「裁判は明日でしたよね。もし助けるつもりなら動くのは裁判開始前までの間でしょう。最も大事な所でしくじられたら、我々の努力は水の泡となってしまいますぞ、ポーケッタ侯爵。そこを曖昧にされているとは、いやはや困りましたな」
「も、もちろん、そんなことには致しません。すぐに調べあげましょう。今日はこれで失礼いたします」
引き止める間もなく、ハットを乱暴に被り、そそくさと出ていったポーケッタ侯爵。出ていった方向を見つめていると、何事も無かったように公爵が話し始めた。
「さて、君は彼のように私を失望させるような真似はしないと期待しているよ」
「えぇ、勿論でございます。彼があんな愚かな失敗を犯すとは思ってもいませんでした。私の妻を危険に晒し、使用人に怪我をさせるというリスクの重みを彼は軽んじていたのでしょう。最も、私は犠牲を払ったことを誇りたい訳ではございません。閣下の望みを叶えるためには骨身を惜しまない所存ですから」
「君が私のために多大な犠牲を払ってくれているのは良く分かっておる。無論、王になった暁には、君には大事な役職を授けると約束しよう」
「まことに光栄でございます」
内心ホッと胸をなでおろした。ビオレソリネス公爵は、万が一の時には、私かポーケッタ侯爵かのどちらかに罪をなすりつけるつもりだと推測していた。今日の失態で、ポーケッタ侯爵に白羽の矢が立っただろう。
(これでもしもの場合でも私の身は安全だ。彼に感謝せねばならぬな)
「では、ポーケッタ侯爵が甥に罪を被せた後の話にうつりましょうか」
ビオレソリネス公爵の話を聞いたドレーンは、彼の狡猾さに舌を巻いた。
(私も策を修正せねばならんな)
話を聞きながら、意外と手強いことが分かったビオレソリネス公爵をどう出し抜くかで頭がいっぱいだった。
「ステッキは?」
「失礼いたしました。すぐにご用意致します」
「ふんっ、貴族をなんだと思っているんだ」
ドタバタと品のない音を響かせて後方の荷棚へ向かうしようにため息が漏れる。最近仕立てたばかりのステッキは、ヘッド部分がリガスケラスの頭を模して掘られている。材質もこだわり、純銀だ。高くついたが、手によく馴染み気に入っている。
戻ってくる使用人の様子を見て思わず、怒鳴りそうになった。ステッキを乱暴に振り回し、危うく馬車に当たりそうになっている。しかも、必要以上にしげしげと眺めて弄りまわしている。もたもたとしてる使用人の手からステッキを奪う。汚い手でベタベタ触られて、ステッキが可哀想に思えて、ハンカチを取り出して磨く。貴族としてこんな所で声を荒らげては品格が疑われてしまう。ステッキが手におさまると、妙案が浮かんだ。
「おい、君にこのアニマルヘッドは何をモチーフにしているか分かるか?リガスケラさ。リガスケラスは魔力を吸収する魔獣でね、純銀だと尚更相性が良いのさ。シャフトは、魔木のウマエボニーで出来てる。加工は難しいんだが、硬くてツヤ立ちが良い性質を持っている最高級品さ」
神妙な顔で聞き入っていた使用人が触りたそうにステッキへと手を伸ばしかけた。それを目ざとく見つけ、にやりとほくそ笑む。
「どれ、試してやろう」
呪文を小言で諳んじて、渡す素振りを装ってステッキを振る。と、バチバチッ。ビリビリとしていそうな光がステッキから放たれ、使用人の腕を襲った。下品な笑い顔が一瞬で苦悶の表情に変わった。
「ギィャヤーーっ!」
みるみるうちに、使用人の腕が炎に包まれる。シューシュー音を立てて消えた魔法の炎。
(これで腕は爛れて使い物にならんだろう。ふんっ、貴族への無礼な行いにしては寛容な対応にせいぜい感謝して欲しいものだ)
ハハハハッ!高笑いがとまらない。ドレーンは気分がすっと晴れていくのを感じ、踵を返して、パブに向かう。
タングストレスに着き、貴族専用の扉をドアノッカーで叩く。いつもこの場に立つと、どこか懐かしい気持ちになる。古めかしくも積み重ねた年月が逆に歴史を感じさせる建物の雰囲気がそうさせるのだろうか。
音も無く開いた扉から、恭しく頭を下げた給仕に連れられて奥のテーブルへ向かう。奥はカーテンで区切られて個室になっている席で、お忍びで訪れた貴族が使用する。前後とはカーテンと薄い板でしか仕切られていないが、顔を合わせることのないよう入口が工夫されている。
カーテンを開けて中に入ると、既にポーケッタ侯爵が到着していた。約束の時間より少し前のはずだが、彼のコーヒーカップは空だった。相変わらずきっちりしている男だ。ハットを脱いで会釈する彼に軽くお辞儀をして応じる。
「お早いお着きですね」
「えぇ、教会にも顔を出したのですが、早く終わってしまったので」
紅茶を頼んで、チェスターフィールドソファに腰を下ろす。向かい側にいるポーケッタ侯爵は、ステッキを磨いていた手を止めた。かと思えば、今度は別の拭き物を取り出してテーブルを磨き始めた。
(この神経質さが無ければいいんだが)
指紋を熱心に擦っている手から目を逸らす。今考えねばならんことは、シエルとサバランのことだろう。あの王子をどう追い出すかが、肝となってくる。
カーテンの開く音に顔をあげると、ビオレソリネス公爵だった。
「待たせたな」
「これはこれは、閣下。いえいえ今来たところでございます」
「どうぞ、こちらへおかけください」
簡単に挨拶をすませ、二人の飲み物が届いた所で本題に入った。
「さて、我が甥の様子はどうかね」
「えぇ、元気に動き回っておられますよ。予想と違い、直接的に動きは見られませんが」
「そうか。それで、今後はどうするつもりだ?準備は?」
ギロりと睨むように見つめられたポーケッタ侯爵が声を潜めて話し始めた。
「王子に罪を被らせるための準備は確実にできております。実行した使用人から我々の名前が出ないように買収も既に済み、後は2人が一緒にいる瞬間を証拠としておさえられれば言い逃れはできないでしょう」
「それで、2人が一緒に居る瞬間はいつ、どうおさえるおつもりかお聞きしても?」
ポーケッタ侯爵の誇らしげだった表情が途端に曇った。ビオレソリネス公爵は顔色ひとつ変えていない。それが逆に不気味だ。
「それは、その、救助するのは明白ですので、いつでもーー」
「裁判は明日でしたよね。もし助けるつもりなら動くのは裁判開始前までの間でしょう。最も大事な所でしくじられたら、我々の努力は水の泡となってしまいますぞ、ポーケッタ侯爵。そこを曖昧にされているとは、いやはや困りましたな」
「も、もちろん、そんなことには致しません。すぐに調べあげましょう。今日はこれで失礼いたします」
引き止める間もなく、ハットを乱暴に被り、そそくさと出ていったポーケッタ侯爵。出ていった方向を見つめていると、何事も無かったように公爵が話し始めた。
「さて、君は彼のように私を失望させるような真似はしないと期待しているよ」
「えぇ、勿論でございます。彼があんな愚かな失敗を犯すとは思ってもいませんでした。私の妻を危険に晒し、使用人に怪我をさせるというリスクの重みを彼は軽んじていたのでしょう。最も、私は犠牲を払ったことを誇りたい訳ではございません。閣下の望みを叶えるためには骨身を惜しまない所存ですから」
「君が私のために多大な犠牲を払ってくれているのは良く分かっておる。無論、王になった暁には、君には大事な役職を授けると約束しよう」
「まことに光栄でございます」
内心ホッと胸をなでおろした。ビオレソリネス公爵は、万が一の時には、私かポーケッタ侯爵かのどちらかに罪をなすりつけるつもりだと推測していた。今日の失態で、ポーケッタ侯爵に白羽の矢が立っただろう。
(これでもしもの場合でも私の身は安全だ。彼に感謝せねばならぬな)
「では、ポーケッタ侯爵が甥に罪を被せた後の話にうつりましょうか」
ビオレソリネス公爵の話を聞いたドレーンは、彼の狡猾さに舌を巻いた。
(私も策を修正せねばならんな)
話を聞きながら、意外と手強いことが分かったビオレソリネス公爵をどう出し抜くかで頭がいっぱいだった。
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