51 / 96
押してもダメなら
しおりを挟む
高天原に残った俺はツグミに付いて来るように言われ街中を歩いていた。どこに行くのか聞いて見たが『会わせたい人がいる』と言ったきり深く話す事はなかった。
そして、街を抜け建物のほとんどない田舎道を30分くらいあるいたところで不意に現れた大きな建物の前で立ち止まる。
「ここは…道場?」
その大きな建物は武道場に見えた。前世の実家が古武術の道場を開いていたのでなんとなくわかったが、規模が違う。実家の小さい道場に比べてこちらは体育館4つ分はあるだろうか。前世での武道館によく似ている。看板が掲げてあり、そこには[明王館]と書いてあった。ツグミは一度こちらを見た後、中に入っていった。俺もツグミに付いていき中に入ると中央部に一人の男が座禅を組んでいた。俺達が目の前まで行くとその男はスッと目を開け、こちらへ問いかけた。
「どうした、月読。もうここへは来るなと言っただろう?」
『ナータ様、御無沙汰しております。言いつけを破ってしまい、本当に申し訳ありません。今日はどうしてもお願いしたいことがあって参りました』
ツグミは床に膝をつき、深く頭を下げた。俺はどうしていいかわからず、とりあえずツグミと同じように頭を下げる事にした。それはツグミを月讀命と知っているにも関わらず、月読と呼び捨てに出来るほど偉い人なのだと思ったからだ。ツグミの真名は高天原では一部しか知らないはずである。これでもツグミは高天原では天照に次ぐ権力があるのだから。本人はそんなものを欲してはいないようだが…
「言うだけ言ってみろ。返答は恐らく期待に添えないと思うが」
『はい。…今隣にいる者はユシルと申す者でございます。私の将来の旦那様です。今、私の旦那様は力を求めています。どうか稽古をつけてはもらえないでしょうか?』
「…」
ナータと呼ばれた男はツグミの言葉を聴いて眼を閉じる。そして数秒後
「そこの男、お前は迷える者か?」
そう言い俺を見つめ問うが、俺は目の前の男の出す空気に飲まれていた。その眼は鋭くすべてを見透かされているかのような感覚を与え、オーラというものだろうか。男の体の回りの空気が歪んで見えた。俺は理解した。目の前の男はかつて俺が目指した道の頂点に座す存在だと。
…ポツリと言葉が漏れた。
「…武神……」
「ほう。何も言っておらぬのにわかるか、迷える者よ」
「俺は、迷っているんでしょうか?」
「迷っているかわからない時点でもう迷っているのだ。お前が力を求めるのも、今何をすればいいかわからないからであろう? わからないというのは迷っているのと同じなのだ 」
「確かに何をすればいいのか、何がみんなの為にできるのかわかりません。だから俺は何かあった時にみんなを守れる力がほしいんです。改めて自分の口で言わせてください! 俺に稽古をつけてもらえないでしょうか!」
ナータはジッと俺の目を見ていたが、ふいに目を見開いた。
「断る……つもりだったのだが、お前の中にいる者と話してから判断する事にしよう」
まるで俺の中にユグドラシルがいるのをわかったような口ぶりに俺は驚いた。
「なっ!? 分かるんですか? え、でもどうやって…」
「私の目を見ろ」
そう言われもう一度ナータの目を見た瞬間に俺は意識を失った。
「月読、席をはずせ」
『…はい。どうか旦那様をよろしくお願いいたします』
「考えておこう」
ツグミは明王館の外に出た。それを確認したナータは気絶しているユシルの体に声をかける。
「もう私達以外誰もおらぬ。少し話をしないか?」
すると気絶しているはずのユシルの口が動く。
「…大和にも環外の者がいるとはな。やはり我だけではなかったか。挨拶が遅れたな、我は世界樹ユグドラシルという。魔力供給源の1本を担う者だ」
「私も驚いたぞ。まさか人間の中に私に似た魂があるのだからな。私はアチャラ・ナータ、こちらでは不動明王と呼ばれている。大和を見守り、守護する者だ。ところでお主は何故この男の中にいる? 本体はどうした?」
「大した理由はない、ただの気まぐれよ。押してもダメなら引いてみろと言うであろう?」
「気まぐれか、だがさすがに引きすぎではないか? 人間だぞ」
「何故だか解らぬがこの男は我と魔力の波長が合うのだ。今までになかったのでな、今回はこの男につく事にした。人間だが潜在的な物は計り知れんぞ? 何も力のない生身の魂で我の結界を破壊したのだからな」
「ほぅ。それは興味深いな。だが、今回は前回に引き続き相手が悪いぞ? そろそろ始まる頃だしな」
「わかっている。だが、今回はこの男に世界の鍵も預けている」
「…世界の鍵だと?」
「我しか所持が許されなかった鍵だ。これで今回は2つも想定外があるのだ。期待はせずとも興味は涌くであろう?」
「ふふっ、確かに期待はしないが興味は涌く。ならば私も今回はお主と同じ道に賭けよう」
「ほほう? これはまた更に想定外か。だが、これでも五分に届きはしないだろうがな」
「だが、今回もバルドルに勝たれては前回と同じく世界が終わってしまう」
「見守るこちらの気持ちも考えて欲しいものだな。嫌な役を押し付けられたものだ」
「お互い苦労するな。今回は話し合いに応じてもらい感謝する」
「気にするな。我も環外の者と話せてよかったぞ。我はこの男の中にいるが…構わん。殺す気で鍛えてやってくれ」
「そのつもりだ。ではまた」
パンッ!
ナータが1つ手を叩いた。
『失礼します』
ツグミが明王館に入ってきた。そしてナータの目の前来るとナータは口を開く。
「この男の稽古、引き受けよう。離れが空いている。そこで寝かせてやれ」
それを聴いたツグミの表情が明るくなり、ナータに何度も礼を言った。
「ところで月読、お前は何故そこまでその男が好きなのだ? お前より弱い存在であろう?」
『ナータ様、意地悪な質問です。確かに今は私の方が実力だけなら上でしょう。ですが、旦那様は私を越え将来必ず大物になります。女の勘です!』
そう言って微笑んだ。それを見たナータはツグミに聴こえないくらいの声で
「…女の勘は私達の領域まで届くようだぞ、世界樹よ」
独り言を呟いた。
そして、街を抜け建物のほとんどない田舎道を30分くらいあるいたところで不意に現れた大きな建物の前で立ち止まる。
「ここは…道場?」
その大きな建物は武道場に見えた。前世の実家が古武術の道場を開いていたのでなんとなくわかったが、規模が違う。実家の小さい道場に比べてこちらは体育館4つ分はあるだろうか。前世での武道館によく似ている。看板が掲げてあり、そこには[明王館]と書いてあった。ツグミは一度こちらを見た後、中に入っていった。俺もツグミに付いていき中に入ると中央部に一人の男が座禅を組んでいた。俺達が目の前まで行くとその男はスッと目を開け、こちらへ問いかけた。
「どうした、月読。もうここへは来るなと言っただろう?」
『ナータ様、御無沙汰しております。言いつけを破ってしまい、本当に申し訳ありません。今日はどうしてもお願いしたいことがあって参りました』
ツグミは床に膝をつき、深く頭を下げた。俺はどうしていいかわからず、とりあえずツグミと同じように頭を下げる事にした。それはツグミを月讀命と知っているにも関わらず、月読と呼び捨てに出来るほど偉い人なのだと思ったからだ。ツグミの真名は高天原では一部しか知らないはずである。これでもツグミは高天原では天照に次ぐ権力があるのだから。本人はそんなものを欲してはいないようだが…
「言うだけ言ってみろ。返答は恐らく期待に添えないと思うが」
『はい。…今隣にいる者はユシルと申す者でございます。私の将来の旦那様です。今、私の旦那様は力を求めています。どうか稽古をつけてはもらえないでしょうか?』
「…」
ナータと呼ばれた男はツグミの言葉を聴いて眼を閉じる。そして数秒後
「そこの男、お前は迷える者か?」
そう言い俺を見つめ問うが、俺は目の前の男の出す空気に飲まれていた。その眼は鋭くすべてを見透かされているかのような感覚を与え、オーラというものだろうか。男の体の回りの空気が歪んで見えた。俺は理解した。目の前の男はかつて俺が目指した道の頂点に座す存在だと。
…ポツリと言葉が漏れた。
「…武神……」
「ほう。何も言っておらぬのにわかるか、迷える者よ」
「俺は、迷っているんでしょうか?」
「迷っているかわからない時点でもう迷っているのだ。お前が力を求めるのも、今何をすればいいかわからないからであろう? わからないというのは迷っているのと同じなのだ 」
「確かに何をすればいいのか、何がみんなの為にできるのかわかりません。だから俺は何かあった時にみんなを守れる力がほしいんです。改めて自分の口で言わせてください! 俺に稽古をつけてもらえないでしょうか!」
ナータはジッと俺の目を見ていたが、ふいに目を見開いた。
「断る……つもりだったのだが、お前の中にいる者と話してから判断する事にしよう」
まるで俺の中にユグドラシルがいるのをわかったような口ぶりに俺は驚いた。
「なっ!? 分かるんですか? え、でもどうやって…」
「私の目を見ろ」
そう言われもう一度ナータの目を見た瞬間に俺は意識を失った。
「月読、席をはずせ」
『…はい。どうか旦那様をよろしくお願いいたします』
「考えておこう」
ツグミは明王館の外に出た。それを確認したナータは気絶しているユシルの体に声をかける。
「もう私達以外誰もおらぬ。少し話をしないか?」
すると気絶しているはずのユシルの口が動く。
「…大和にも環外の者がいるとはな。やはり我だけではなかったか。挨拶が遅れたな、我は世界樹ユグドラシルという。魔力供給源の1本を担う者だ」
「私も驚いたぞ。まさか人間の中に私に似た魂があるのだからな。私はアチャラ・ナータ、こちらでは不動明王と呼ばれている。大和を見守り、守護する者だ。ところでお主は何故この男の中にいる? 本体はどうした?」
「大した理由はない、ただの気まぐれよ。押してもダメなら引いてみろと言うであろう?」
「気まぐれか、だがさすがに引きすぎではないか? 人間だぞ」
「何故だか解らぬがこの男は我と魔力の波長が合うのだ。今までになかったのでな、今回はこの男につく事にした。人間だが潜在的な物は計り知れんぞ? 何も力のない生身の魂で我の結界を破壊したのだからな」
「ほぅ。それは興味深いな。だが、今回は前回に引き続き相手が悪いぞ? そろそろ始まる頃だしな」
「わかっている。だが、今回はこの男に世界の鍵も預けている」
「…世界の鍵だと?」
「我しか所持が許されなかった鍵だ。これで今回は2つも想定外があるのだ。期待はせずとも興味は涌くであろう?」
「ふふっ、確かに期待はしないが興味は涌く。ならば私も今回はお主と同じ道に賭けよう」
「ほほう? これはまた更に想定外か。だが、これでも五分に届きはしないだろうがな」
「だが、今回もバルドルに勝たれては前回と同じく世界が終わってしまう」
「見守るこちらの気持ちも考えて欲しいものだな。嫌な役を押し付けられたものだ」
「お互い苦労するな。今回は話し合いに応じてもらい感謝する」
「気にするな。我も環外の者と話せてよかったぞ。我はこの男の中にいるが…構わん。殺す気で鍛えてやってくれ」
「そのつもりだ。ではまた」
パンッ!
ナータが1つ手を叩いた。
『失礼します』
ツグミが明王館に入ってきた。そしてナータの目の前来るとナータは口を開く。
「この男の稽古、引き受けよう。離れが空いている。そこで寝かせてやれ」
それを聴いたツグミの表情が明るくなり、ナータに何度も礼を言った。
「ところで月読、お前は何故そこまでその男が好きなのだ? お前より弱い存在であろう?」
『ナータ様、意地悪な質問です。確かに今は私の方が実力だけなら上でしょう。ですが、旦那様は私を越え将来必ず大物になります。女の勘です!』
そう言って微笑んだ。それを見たナータはツグミに聴こえないくらいの声で
「…女の勘は私達の領域まで届くようだぞ、世界樹よ」
独り言を呟いた。
0
お気に入りに追加
77
あなたにおすすめの小説
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

《後日談追加》辺境伯一家の領地繁栄記~辺境伯末っ子令嬢はしょぼしょぼ【魔法スキル?】で努力を忘れない~
しのみやあろん
ファンタジー
メリル・アクアオッジは北の辺境伯の末っ子として生まれた。
かつてのアクアオッジ領は領土面積こそ広大だったが、豊かな土地とは言い難かった。
だが今のアクアオッジは寒い土地ながらも美味しい食べ物で有名になりつつある。近隣諸国からもわざわざ観光で人々が訪れるほどになっていた。
けれどまだまだ面倒な土地をひとまとめにして厄介払いしたような領土を、アクアオッジ辺境伯が頑張って治めている。
平らな土地が少ない・山が多い・海に面した土地は漁獲量が増えてきた・人がまだまだ少ない・魔物の森と面しちゃってる・魔王の国と面しちゃってる・東の隣国がキナ臭い・勇者に目を付けられている(New!)・国土の北部なので寒い・王都からちょっぴり遠い, etc.…
アクアオッジ領のあるこの国はラザナキア王国という。
一柱たる女神ユニティと四大|精霊《エレメント》たる地・水・風・火、それぞれの精霊王が興した国なのである。
ラザナキア国民には【スキルツリー】という女神の加護が与えられる。
十歳になると国民は教会に行き、スキルツリーの鑑定をしてもらえるのだ。
ただスキルツリーの鑑定をしてもらうのにお布施が必要だった。
しかも銀貨七枚もする。十年前のアーサーの時代は五枚だったが値上がりしていた。世知辛い。
銀貨四枚はだいたいセバスチャンの一日分の給与相当である。セバスチャンって誰?執事長。
執事一人しかいないけれど、執事長。セバスチャンの御眼鏡にかなう後継者がなかなか現れないからである。
メリルが十歳になったとき両親から鑑定代をもらったが、欲しいものがあったのでこっそりと懐にしまった。
両親には自分のスキルのことを【魔法スキル?】と伝えてある。きちんと鑑定したわけじゃないので、疑問形なのは仕方ない。
メリルの家族は全員の【スキルツリー】がとんでもなくて、今やアクアオッジ辺境伯一家は超、のつく有名人だらけだ。
そんな中にあってメリルのスキルはとんでもないみそっかすだった。【魔法スキル?】と言えばカッコいいけれど、メリルが放つ魔法は誰がどう見ても……しょっぱい威力でしかないのだ。
メリルは今日も『三枚の銀貨』に向かって深々とおじぎをする。
「わたしの魔法がしょぼしょぼじゃなくなりますように」
このお話は執筆中の長編『辺境伯一家の領地繁栄記』から、アクアオッジ一家を知って頂くための中編シリーズです。

魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜
西園寺おとば🌱
ファンタジー
公爵家に生まれたエリクは転生者である。
4歳の頃、前世の記憶が戻って以降、知識無双していた彼は気づいたら不自由極まりない生活を送るようになっていた。
そんな彼はある日、追放される。
「よっし。やっと追放だ。」
自由を手に入れたぶっ飛んび少年エリクが、ドラゴンやフェンリルたちと気ままに旅先を決めるという物語。
- この話はフィクションです。
- カクヨム様でも連載しています。
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる