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七魔導キラー
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「…ぅ…うぅ…」
(…頭痛い。何だ?)
俺は頭の痛みで目が覚めた。少しして、先程のフレイとの一戦を思い出した。
(…あれ、えげつない攻撃だったな)
フレイの性根はロキより黒いんではないかと思った。
『…起きた?』
そう声をかけられ目を開けると、心配そうなリーシュの顔がすごく近い距離に、何故か逆さに見えた。
・・・
「え!?…いっつ…」
膝枕されていたのだ。それに気付き慌てて頭を上げようとしたが痛みで、結局リーシュの膝に戻ってしまう。
『いいから、寝てて?』
リーシュの優しい掌で額を抑えられてしまう。
俺が頭を上げようとしたのは、膝枕が恥ずかしいからという理由だけではない。
リーシュはホットパンツにキャミソールを着てる事が多い。本人曰く、『楽だから』らしいが、その格好で膝枕されてしまうと首筋に当たるのだ。
(な、生?)
そう、生足が。前世で彼女がいた事がない俺には刺激が強すぎた。
(なんか他の…意識逸らさないと)
そう思い見回すとリーシュの胸の膨らみが間近に見える。もう頭の痛みも関係なしにクラクラした。
『起きたの?シャウ』
この人生でも何度あるかわからない幸せな時間に、俺を無駄に『シャウ』と呼ぶ奴は一人しかいない。
「シャウって呼ぶな…」
『あんた今、めっちゃ無様よ?結局フレイにボッコボコじゃないの』
『ローちゃんっ!七魔導相手なんだから、しょうがないよ!』
リーシュが庇ってくれる。きっとまた心配をかけてしまったのだろう。
リーシュはいつも俺の味方をしてくれる。今はまだ無理そうだが、いずれは俺もリーシュを守れるくらいにはなりたい。まぁ、それは七魔導と互角に戦えないと無理なのだが
「ありがとう、リーシュ。でも、今回はロキの言う通りだ。猪まではよかったんだけどなぁ」
少しヘコむ。グリンブルスティを倒すところまでは本当に思った通りに運べたと思う。
『あんた、その格好で反省しても説得力ないわよ?まぁ…でもグリンブルスティまでは正直よかったと思うわよ?』
珍しくロキが褒めてきた。
「珍しいな。お前に褒められるなんて。でも、フレイには手も足も出なかった」
『…あんた、フレイフレイって言ってるけどグリンブルスティの事何も知らないでしょ?あんたは魔獣とか聖獣くらいにしか考えてないかもしれないけど、グリンブルスティは特別なのよ?』
『そうだね!ユシルはよくグリンブルスティやっつけたね!偉いっ♪ 』
そう言ってリーシュが頭を撫でてくる。
(もしかして、母性本能に目覚めてないか?)
『あれには参ったわぁ。まさかグリちゃん倒されるなんて思ってなかったもん!』
フレイも近くにいたようで、会話に入ってきた。
「そんなにそのグリンブルスティ?ってのはすごいのか?」
ロキが胸を張り言う。
『あんたバカだから教えてあげるわ!グリンブルスティはブロックとエイトリの作ったものなのよ!どう?』
(いや、どうって言われたって)
「どうって…何が?」
・・・・・
『えぇ~、1から説明?めんどいからやめとくわ』
目を瞑り首を横に振るロキ。本気で面倒そうだった。
「いや、気になるから説明しろよっ!お前の唯一の活躍の場だろうがっ!」
『まぁまぁ、落ち着いて…ローちゃん?私もグリンブルスティの存在しか知らないから、その話聞きたいんだけどダメ?』
思わず起き上がりそうになるのをリーシュの手でまた膝に戻される。
(この子、膝枕したいだけなんじゃ?まぁ、してくれるというならいつまでもしてもらいたいくらいだけど)
『あんたに言われたくないわよっ!私の活躍の場が説明だけなら、あんたはゼロじゃない!私に文句言いたきゃ、その負け癖直してから来なさいっ!でも…リーシュが知りたいっていうなら説明するわ、私!』
「最初からしろよ、バーカ」(ボソッ)
ドンッ!「うっ!!」
物凄く小さい声で言ったはずなのに、ロキには聞こえていたようで、その腹いせに寝ている俺の腹を踏んだのだ。
その時俺は目を見開いた。
『聞こえてるっつぅの。死にたいの?あぁん?』
そんなヤンキーのような事を言いながら、踏みつけている足をグリグリするロキ…リーシュが止めに入る前に俺はロキへ反撃する事にした。
「ケホッ!…おいおい、そんなこと言っていいのかよ?俺は今、お前の弱味を握ってんだぞ?」
『…弱味?あんたなんかに弱味なんて見せるわけないじゃな…』
「今日のパンツ」
ビタッ!
俺の腹を踏みつける足が止まる。
そして…
『イヤぁ~~~!!!…見られた!私のパンツ…しかも今日のは…あぁぁ~!!』
俺を踏みつけている時、黒いローブの下から丸見えだったのだ。見られた事を知り、半壊したロキ…
「とりあえず、説明を」
『…何で私がっ!』
「パンツ」
『ひゃうっ!…説明するわ』
一度項垂れたロキにいつもの威勢はなく、説明をし始めた。
『ブロックとエイトリはアースガルド領の中で最高の鍛冶師で、グリンブルスティはそのブロックとエイトリが作ったのよ。ちなみにあんたが知って…』
「あんた?」
『うぅ…ユシルが知ってるので言うと、トールの雷鎚ミョルニルも今乗ってるスキーズブラズニルもブロックとエイトリに私が作らせたのよ。あと、オーディンのグングニルとドラウプニルもよ』
ものすごい鍛冶師もいたものだ…七魔導の武器に主神の宝具とか
「すごいな…そのブロックとエイトリが作ったグリンブルスティを倒したのか。それはそんな反応になるよな…」
『うんっ!ユシルはスゴいよっ!ローちゃんに対してはちょっとやり過ぎな気もするけど』
リーシュがそう言い、頭をまた撫で始める。
『でも、それがおかしいのよ。グリンブルスティは堅い事で有名なのよ。あん…ユシルだとキズすら付けられないと思ってたけど。何だったの?あれ』
『ハイハ~イ!私もそれは思った!何で?ユー君、何が隠してる?』
今まで黙っていたフレイが手を上げピョンピョンしている。
「そう言われてもな。やろうと思ったらできたから、俺的には何の問題もないっていうか」
『ユシルがスゴいでいいじゃない♪本人も不思議がってるみたいだしさ』
『それじゃ、納得できないのよ。この弱っちいのが』
「ロキ、ん…」
ピッ?
俺は目線をリーシュの肩に乗っているフェニを見る。俺のその動作を見たロキが…
『う…ごめんなさい~』
『『謝った!?』』
『リーちゃん!今、ローちゃんが謝ったよ!?しかも、ふざけもせずに!そんなにヤバイ系のパンツだったの??ねぇねぇ!』
『だね…ローちゃん』
驚く二人を他所に俯くロキ。さすがに可哀想になってきた。
「まぁ、次からは俺にも優しくしろよな?今日の事は言わないから」
俯くロキが小さな声で呟いた。
『風刃脚…』
「うっ!?」
『爆炎撃…』
「はぅっ!!」
(ま、まさか…気付いたのか!?ロキの奴…あの秘密に)
『ん?どうしたの?ローちゃん、ユシルの技使えるの?』
『リーシュ、フレイッ!よく聞きなさい!こいつのさっきの[風刃脚]と[爆炎撃]はね…こいつが勝手に付けた技名なのよっ!』
「あぁ~、言うなぁ~!」
『こいつは今まで魔力を纏った戦闘しかしてないわ。確かにグリンブルスティの時は形状を変えてたみたいだけど、纏った魔力に変わりはないのよ。という事は…言う必要が全くと言っていい程ないのよ、あの技名』
「あぁ~…」
(言われてしまった。バレないと思ったのに…)
『きっと夜な夜な鏡の前でやってたはずよ!風刃脚~!爆炎撃~!ってね…あぁ、想像しただけで気持ち悪いわ。ミドガルドで言う中二病だったかしら』
「言うなぁ~~!」
思わずリーシュの膝から飛び起きた。
「技名あった方が魔力が込めやすかったんだよっ!ロキたちだって技名言うじゃん!?」
『あんたと一緒にするんじゃないわよ。技名?違うわ、アレは呪文よ。長ったらしい呪文を短くした結果が最後の発動キーになったのよ。あんたが夜な夜な悶々として考えた自称カッコ良さげな技と一緒にするんじゃないわよっ!』
ザッ…
俺は膝から崩れ落ちた。
「もうやめてくれ。パンツの事は永遠に記憶の奥にしまうから…」
『それはそれで嫌よ。何で私のパンツの記憶を奥にしまうのよ。しまわず忘れなさい。それなら許してあげるわ』
「それは無理だ。結構長い時間見てたから…」
『見んなっ!あんたバカじゃないの!?普通、ちょっと見えたら目線逸らすとかするでしょ!?何、心置き無く凝視してんのよ!変態っ!』
「そんなこと言ったってしょうがねぇだろうがっ!どっか見てなきゃリーシュの膝枕が気になってしょうがなかったんだよっ!それにたとえどんなパンツだろうが、可愛い女の子のパンツが偶然見放題なら見るだろ!」
俺は包み隠さず心の叫びを口にした。その結果…
『そんなにあたしの膝、意識してたんだ?へへ…』
『…可愛いとか可愛いとか可愛いとか…』
赤く染めた頬を手で抑えニヤニヤする美少女と顔を真っ赤にして下を見つめブツブツ一人言を言い続ける美少女が完成したようだ。俺はここでロキに畳み込む。
「だから、しょうがないだろ?ロキ、ここは手打ちにしないか?お前がもう技名には触れない代わりに俺も今日の美少女のパンツの事はもう言わないから」
『ひぅっ!…美少女…あ、あんたがそうお願いするなら…しょうがないわね…』
案外あっさり丸め込めたようだ。
ここで今まで黙ってみていたフレイが…
『ユー君ちょっとロキに似てるよね。ちょっとズル賢いとことか…てか、何?二人とも攻略済み?七魔導キラー?…なんか仲間外れ感ハンパないんですけど?ユー君~、私も攻略して~!』
後ろからフレイが抱きついてくる。
「フレイも抱きつくなよ。なんかフラフラする…あぁフラフラする」
(なんかバトルよりこっちの方が疲れた)
スッ
俺が倒れかけた瞬間、両脇から立ち直ったリーシュとロキが支えてくれた。
『ユシルは今日頑張ったからね!休んだ方がいいよ』
『ま、まぁ、グリンブルスティを倒すまではよかったわ。そのご褒美よ』
『私も攻略してよ~、ねぇ~』
美少女に囲まれるのは嬉しいが…今はただ寝かせてほしいと思うのであった。
(…頭痛い。何だ?)
俺は頭の痛みで目が覚めた。少しして、先程のフレイとの一戦を思い出した。
(…あれ、えげつない攻撃だったな)
フレイの性根はロキより黒いんではないかと思った。
『…起きた?』
そう声をかけられ目を開けると、心配そうなリーシュの顔がすごく近い距離に、何故か逆さに見えた。
・・・
「え!?…いっつ…」
膝枕されていたのだ。それに気付き慌てて頭を上げようとしたが痛みで、結局リーシュの膝に戻ってしまう。
『いいから、寝てて?』
リーシュの優しい掌で額を抑えられてしまう。
俺が頭を上げようとしたのは、膝枕が恥ずかしいからという理由だけではない。
リーシュはホットパンツにキャミソールを着てる事が多い。本人曰く、『楽だから』らしいが、その格好で膝枕されてしまうと首筋に当たるのだ。
(な、生?)
そう、生足が。前世で彼女がいた事がない俺には刺激が強すぎた。
(なんか他の…意識逸らさないと)
そう思い見回すとリーシュの胸の膨らみが間近に見える。もう頭の痛みも関係なしにクラクラした。
『起きたの?シャウ』
この人生でも何度あるかわからない幸せな時間に、俺を無駄に『シャウ』と呼ぶ奴は一人しかいない。
「シャウって呼ぶな…」
『あんた今、めっちゃ無様よ?結局フレイにボッコボコじゃないの』
『ローちゃんっ!七魔導相手なんだから、しょうがないよ!』
リーシュが庇ってくれる。きっとまた心配をかけてしまったのだろう。
リーシュはいつも俺の味方をしてくれる。今はまだ無理そうだが、いずれは俺もリーシュを守れるくらいにはなりたい。まぁ、それは七魔導と互角に戦えないと無理なのだが
「ありがとう、リーシュ。でも、今回はロキの言う通りだ。猪まではよかったんだけどなぁ」
少しヘコむ。グリンブルスティを倒すところまでは本当に思った通りに運べたと思う。
『あんた、その格好で反省しても説得力ないわよ?まぁ…でもグリンブルスティまでは正直よかったと思うわよ?』
珍しくロキが褒めてきた。
「珍しいな。お前に褒められるなんて。でも、フレイには手も足も出なかった」
『…あんた、フレイフレイって言ってるけどグリンブルスティの事何も知らないでしょ?あんたは魔獣とか聖獣くらいにしか考えてないかもしれないけど、グリンブルスティは特別なのよ?』
『そうだね!ユシルはよくグリンブルスティやっつけたね!偉いっ♪ 』
そう言ってリーシュが頭を撫でてくる。
(もしかして、母性本能に目覚めてないか?)
『あれには参ったわぁ。まさかグリちゃん倒されるなんて思ってなかったもん!』
フレイも近くにいたようで、会話に入ってきた。
「そんなにそのグリンブルスティ?ってのはすごいのか?」
ロキが胸を張り言う。
『あんたバカだから教えてあげるわ!グリンブルスティはブロックとエイトリの作ったものなのよ!どう?』
(いや、どうって言われたって)
「どうって…何が?」
・・・・・
『えぇ~、1から説明?めんどいからやめとくわ』
目を瞑り首を横に振るロキ。本気で面倒そうだった。
「いや、気になるから説明しろよっ!お前の唯一の活躍の場だろうがっ!」
『まぁまぁ、落ち着いて…ローちゃん?私もグリンブルスティの存在しか知らないから、その話聞きたいんだけどダメ?』
思わず起き上がりそうになるのをリーシュの手でまた膝に戻される。
(この子、膝枕したいだけなんじゃ?まぁ、してくれるというならいつまでもしてもらいたいくらいだけど)
『あんたに言われたくないわよっ!私の活躍の場が説明だけなら、あんたはゼロじゃない!私に文句言いたきゃ、その負け癖直してから来なさいっ!でも…リーシュが知りたいっていうなら説明するわ、私!』
「最初からしろよ、バーカ」(ボソッ)
ドンッ!「うっ!!」
物凄く小さい声で言ったはずなのに、ロキには聞こえていたようで、その腹いせに寝ている俺の腹を踏んだのだ。
その時俺は目を見開いた。
『聞こえてるっつぅの。死にたいの?あぁん?』
そんなヤンキーのような事を言いながら、踏みつけている足をグリグリするロキ…リーシュが止めに入る前に俺はロキへ反撃する事にした。
「ケホッ!…おいおい、そんなこと言っていいのかよ?俺は今、お前の弱味を握ってんだぞ?」
『…弱味?あんたなんかに弱味なんて見せるわけないじゃな…』
「今日のパンツ」
ビタッ!
俺の腹を踏みつける足が止まる。
そして…
『イヤぁ~~~!!!…見られた!私のパンツ…しかも今日のは…あぁぁ~!!』
俺を踏みつけている時、黒いローブの下から丸見えだったのだ。見られた事を知り、半壊したロキ…
「とりあえず、説明を」
『…何で私がっ!』
「パンツ」
『ひゃうっ!…説明するわ』
一度項垂れたロキにいつもの威勢はなく、説明をし始めた。
『ブロックとエイトリはアースガルド領の中で最高の鍛冶師で、グリンブルスティはそのブロックとエイトリが作ったのよ。ちなみにあんたが知って…』
「あんた?」
『うぅ…ユシルが知ってるので言うと、トールの雷鎚ミョルニルも今乗ってるスキーズブラズニルもブロックとエイトリに私が作らせたのよ。あと、オーディンのグングニルとドラウプニルもよ』
ものすごい鍛冶師もいたものだ…七魔導の武器に主神の宝具とか
「すごいな…そのブロックとエイトリが作ったグリンブルスティを倒したのか。それはそんな反応になるよな…」
『うんっ!ユシルはスゴいよっ!ローちゃんに対してはちょっとやり過ぎな気もするけど』
リーシュがそう言い、頭をまた撫で始める。
『でも、それがおかしいのよ。グリンブルスティは堅い事で有名なのよ。あん…ユシルだとキズすら付けられないと思ってたけど。何だったの?あれ』
『ハイハ~イ!私もそれは思った!何で?ユー君、何が隠してる?』
今まで黙っていたフレイが手を上げピョンピョンしている。
「そう言われてもな。やろうと思ったらできたから、俺的には何の問題もないっていうか」
『ユシルがスゴいでいいじゃない♪本人も不思議がってるみたいだしさ』
『それじゃ、納得できないのよ。この弱っちいのが』
「ロキ、ん…」
ピッ?
俺は目線をリーシュの肩に乗っているフェニを見る。俺のその動作を見たロキが…
『う…ごめんなさい~』
『『謝った!?』』
『リーちゃん!今、ローちゃんが謝ったよ!?しかも、ふざけもせずに!そんなにヤバイ系のパンツだったの??ねぇねぇ!』
『だね…ローちゃん』
驚く二人を他所に俯くロキ。さすがに可哀想になってきた。
「まぁ、次からは俺にも優しくしろよな?今日の事は言わないから」
俯くロキが小さな声で呟いた。
『風刃脚…』
「うっ!?」
『爆炎撃…』
「はぅっ!!」
(ま、まさか…気付いたのか!?ロキの奴…あの秘密に)
『ん?どうしたの?ローちゃん、ユシルの技使えるの?』
『リーシュ、フレイッ!よく聞きなさい!こいつのさっきの[風刃脚]と[爆炎撃]はね…こいつが勝手に付けた技名なのよっ!』
「あぁ~、言うなぁ~!」
『こいつは今まで魔力を纏った戦闘しかしてないわ。確かにグリンブルスティの時は形状を変えてたみたいだけど、纏った魔力に変わりはないのよ。という事は…言う必要が全くと言っていい程ないのよ、あの技名』
「あぁ~…」
(言われてしまった。バレないと思ったのに…)
『きっと夜な夜な鏡の前でやってたはずよ!風刃脚~!爆炎撃~!ってね…あぁ、想像しただけで気持ち悪いわ。ミドガルドで言う中二病だったかしら』
「言うなぁ~~!」
思わずリーシュの膝から飛び起きた。
「技名あった方が魔力が込めやすかったんだよっ!ロキたちだって技名言うじゃん!?」
『あんたと一緒にするんじゃないわよ。技名?違うわ、アレは呪文よ。長ったらしい呪文を短くした結果が最後の発動キーになったのよ。あんたが夜な夜な悶々として考えた自称カッコ良さげな技と一緒にするんじゃないわよっ!』
ザッ…
俺は膝から崩れ落ちた。
「もうやめてくれ。パンツの事は永遠に記憶の奥にしまうから…」
『それはそれで嫌よ。何で私のパンツの記憶を奥にしまうのよ。しまわず忘れなさい。それなら許してあげるわ』
「それは無理だ。結構長い時間見てたから…」
『見んなっ!あんたバカじゃないの!?普通、ちょっと見えたら目線逸らすとかするでしょ!?何、心置き無く凝視してんのよ!変態っ!』
「そんなこと言ったってしょうがねぇだろうがっ!どっか見てなきゃリーシュの膝枕が気になってしょうがなかったんだよっ!それにたとえどんなパンツだろうが、可愛い女の子のパンツが偶然見放題なら見るだろ!」
俺は包み隠さず心の叫びを口にした。その結果…
『そんなにあたしの膝、意識してたんだ?へへ…』
『…可愛いとか可愛いとか可愛いとか…』
赤く染めた頬を手で抑えニヤニヤする美少女と顔を真っ赤にして下を見つめブツブツ一人言を言い続ける美少女が完成したようだ。俺はここでロキに畳み込む。
「だから、しょうがないだろ?ロキ、ここは手打ちにしないか?お前がもう技名には触れない代わりに俺も今日の美少女のパンツの事はもう言わないから」
『ひぅっ!…美少女…あ、あんたがそうお願いするなら…しょうがないわね…』
案外あっさり丸め込めたようだ。
ここで今まで黙ってみていたフレイが…
『ユー君ちょっとロキに似てるよね。ちょっとズル賢いとことか…てか、何?二人とも攻略済み?七魔導キラー?…なんか仲間外れ感ハンパないんですけど?ユー君~、私も攻略して~!』
後ろからフレイが抱きついてくる。
「フレイも抱きつくなよ。なんかフラフラする…あぁフラフラする」
(なんかバトルよりこっちの方が疲れた)
スッ
俺が倒れかけた瞬間、両脇から立ち直ったリーシュとロキが支えてくれた。
『ユシルは今日頑張ったからね!休んだ方がいいよ』
『ま、まぁ、グリンブルスティを倒すまではよかったわ。そのご褒美よ』
『私も攻略してよ~、ねぇ~』
美少女に囲まれるのは嬉しいが…今はただ寝かせてほしいと思うのであった。
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