運命のレヴル~友達増やして神様に喧嘩売りました~

黒雪ささめ

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ローちゃん

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 リーシュとトールが激しい闘いをしていると2人の男女が現れた。 


「待てっ!」

『待ちなさいっ!』


 男は白い髪に白い肌、白いローブで輝くような神々しさを発している。女は…あのロザリーだった。

「トールッ!!この騒ぎは何だ!?」


『リーシュッ!お願いっ、待って!私が悪いの!』


 二人の一声で激しい闘いが止まった。


『ローちゃん…どうゆう事?』


(!?…ローちゃん!?ロザリーが!?…男じゃなかったのか?)


『…ごめん、リーシュ。リーシュがアースガルドに来たって門番が話してるのを聞いて、探してみたら大和人っぽい男と二人だったから、リーシュが騙されてると思って……私の服着てたし、だから…私がそいつを城内に放り込んだの』

 白いローブの男がロザリーの発言に反応した。

「またお前の仕業かっ!!城の結界を破壊したのもか!? いつもいつもタチの悪いイタズラばかりして! いや…今日ばかりはイタズラではすまんぞ!この城の被害、どうしてくれる!!|ロキ!!」


(ロキ!?ロザリーは偽名だったのか!ていうか…ロキ!?まさかあの…)


『うっさいっ!私は今、リーシュと話してんの!城なんて、アンタが直せばいいじゃない。七魔導筆頭でしょ?すべてに愛された光明神バルドル様でしょ?話しかけてくんな!…殺すわよ?』


「くっ、貴様…仮にも七魔導の地位に就きながら、オーディン様に庇われ…」

『二人とも、黙りなさいっ!!』


 リーシュの大声が響く。


『勘違いしてユシルをヴァルハラ城に連れ込んだローちゃんも悪いし、何も考えずユシルを殺そうとしたトールはもっと悪いっ!まだユシルを傷つけるなら、あたしが本気で相手になるわ』


「その事に関してはこちらに非がある! もうこちらに争う気はない。トールの代わりに私が謝ろう。すまなかった、風天…なんとか矛を収めてはもらえないだろうか?」

 バルドルがそう言い頭を下げた。

「バ、バルドル様!?お止めください!我が勝手にやった事なのです!貴方様が謝る必要はございません!」


『ずっと頭下げとけ、バーカ…』


『ローちゃんっ!!あなたもユシルに謝って!』


『えぇ~、何で私がこんな奴に?ないわー』


(…こいつ…全然反省してねぇ!やっぱりこいつ…ゲームとかで悪役でよく出てくるロキだ!)


『ローちゃんっ!!!』


『ヒッ!!わかったぁ~、わかったからもう怒らないでリーシュ…でも、とりあえずこんなとこだとアレだから私んちに行こう?ね?ね?』


『もう!後でちゃんと謝ってね?…バルドルさん、今日のところはとりあえず帰ります。ですが…もし、またユシルにちょっかい出したら、次はこれだけじゃ済みませんから。…ローちゃん、ユシルはまだ動けないから転移して』


『そんな軟弱野郎、置いてけばいいじゃん?』


『ローちゃん…?』ゴゴゴ…


『へ!?あ…はいは~い、喜んで~…[テレポート]』


 ヒュッ!


 体の痛みとテレポートした時の視界が回るような目眩に、俺は意識を失った。
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