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先生の寝癖
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翌朝。
「「あ」」
通学路を歩いている最中、吉村先生に遭遇した。
たまに見かけることはあったが、昨日の今日で会うと変な感じだ。
「おはよう。いつもこんなに早いの?」
そう言う吉村先生の頭にはぴょこっと寝癖がついていてかわいい。
「今日は昨日より電車一本早く来ました。先生はいつもこの時間ですか?」
「いや、いつもはもうちょっと遅いよ。早起きだな、樋口さん」
先生の目線は私から少し見上げるくらいだ。身長は平均ぐらいだろうか。
私に歩幅を合わせてくれているようで、先生の歩く速度が少し落ちた。
そんなことに嬉しさを覚える私はきっとおかしい。
顔が赤くなってるかもしれないけど、マスクしててよかった。
ひとりで機嫌よくしていたら、先生がこんなことを言った。
「この道、早朝不審者が出たらしいから、ちょっと気をつけたほうがいいかもね」
「え……」
怖い。でも駅からの通学路はここしかないし、一体どうすれば。
「大丈夫だとは思うけど――……何かあったら怖いしね」
「で、でも、気を付けようがないです。道ここしかないし……時間は変えたくないので」
早く来ないと、また何かされてたらって考えちゃうのがいや。
先生は、うーんと少し考えて言った。
「俺、明日からこの時間にするから、樋口さんもそうしたら? 女の子一人だと危ないけど、俺がいたら大丈夫じゃない?」
「い、いいんですか?」
「うん」
わあ。
わあ……。
変な意味なんて絶対ないのに、顔がにやけてしまう。
毎朝、先生に会えるんだ。
「「あ」」
通学路を歩いている最中、吉村先生に遭遇した。
たまに見かけることはあったが、昨日の今日で会うと変な感じだ。
「おはよう。いつもこんなに早いの?」
そう言う吉村先生の頭にはぴょこっと寝癖がついていてかわいい。
「今日は昨日より電車一本早く来ました。先生はいつもこの時間ですか?」
「いや、いつもはもうちょっと遅いよ。早起きだな、樋口さん」
先生の目線は私から少し見上げるくらいだ。身長は平均ぐらいだろうか。
私に歩幅を合わせてくれているようで、先生の歩く速度が少し落ちた。
そんなことに嬉しさを覚える私はきっとおかしい。
顔が赤くなってるかもしれないけど、マスクしててよかった。
ひとりで機嫌よくしていたら、先生がこんなことを言った。
「この道、早朝不審者が出たらしいから、ちょっと気をつけたほうがいいかもね」
「え……」
怖い。でも駅からの通学路はここしかないし、一体どうすれば。
「大丈夫だとは思うけど――……何かあったら怖いしね」
「で、でも、気を付けようがないです。道ここしかないし……時間は変えたくないので」
早く来ないと、また何かされてたらって考えちゃうのがいや。
先生は、うーんと少し考えて言った。
「俺、明日からこの時間にするから、樋口さんもそうしたら? 女の子一人だと危ないけど、俺がいたら大丈夫じゃない?」
「い、いいんですか?」
「うん」
わあ。
わあ……。
変な意味なんて絶対ないのに、顔がにやけてしまう。
毎朝、先生に会えるんだ。
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