騎士団やめたら溺愛生活

愛生

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二人の関係

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 アイザックは独占欲が強い。
 子どもの頃からリアンが誰かと仲良くなると必ずヤキモチを焼いた。

(だいぶ落ち着いてきたと思ったんだけど、まだまだ甘えん坊だな)

 注意はするものの、リアンはヤキモチを焼かれるのが嫌いじゃない。
 愛されていると実感できるからだ。

 リアンにとってアイザックは、この世でたった一人の家族のような存在。それはアイザックも同じだ。
 たとえ意味が違ったとしても、愛し、愛され、必要とされることを互いに望んでいた。
 

 ***

 今夜もリアンがシャワーを浴びて部屋に戻ると、アイザックが待っていた。

「薬、塗るぞ」
「うん」

 タオルで水滴を拭き取りながらベッドに腰掛けると、アイザックが背中に薬を塗っていく。
 
「そんなに丁寧に塗らなくていいよ」
 
「俺が嫌なんだ。少しでもリアンに痛みを感じさせたくない。本当ならあのとき……リアンはあのとき、俺を助けようとしたんだよね。俺がもっと早く気づいてれば、こんな傷を負わずに済んだのに――」

「おまえのせいじゃないよ。俺が隙を見せたのがいけなかったんだ。盗賊がおまえに斬りかかっているのを見て、正常な判断ができなくなった。戦闘の最中なのに……騎士失格だな」

 ――違うよ、リアン。おまえの夢を壊したのは俺なんだ。どんな言葉でも受け止めるから、苛立ちも悲しみも絶望も一緒に背負わせてくれ。

 これからは誰にもリアンを傷つけさせない。俺が必ず守るんだと、アイザックは決意を新たにした。
 

 包帯を巻き終わるとリアンに部屋着を着せ、腕の中に抱えたままベッドに横になった。

「よいしょっと」
「おい、俺は抱き枕じゃないんだぞ」
「はは……ねえ、リアン」
「ん?」
「リアンのおかげで、俺はこうして生きている。新しい家に住んで、大好きなリアンと暮らせて、俺は今までで一番幸せなんだ。……ありがとう、リアン。俺を助けてくれて」
「……うん」

 アイザックがリアンの髪を撫でると、リアンは気持ち良さそうに目を閉じた。

「リアン」
「……なに?」
「キスしてもいい?」
「……うん、いいよ」

 アイザックは、リアンの薄紅色の柔らかな唇に、そっとキスをした。





 



 

 
 

 

 
 
 


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