騎士団やめたら溺愛生活

愛生

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騎士団の教え

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「おめでとう! まさか本当にうちの試験に受かるとはな。ガキの頃から面倒見た甲斐があったぜ」

「ブライアン卿! ありがとうございます!」

 リアンがブライアン卿に飛びつく。横で見ていたアイザックは、ぶすっとした表情で礼を言った。

「ありがとうございました」
 
「あははは。アイザックも相変わらずだな。だが、今後は気をつけろよ。第二騎士団では協調性を重視している。いくら強くても、周りを危険にさらすような独りよがりの人間はいらないんだ」
 
「……はい。すみませんでした。今後は自重します」

「うん。わかればいい。こっちはライオネル、おまえたちの二年先輩だ。今日は四人で街を巡回する」

「「よろしくお願いします、ライオネル卿」」
 アイザックとリアンが深く頭を下げる。

「いや、俺は騎士爵を賜ってないから、ただのライオネルでいい。よろしくな」

 騎士爵は、昇級試験に受かって上級騎士になるか、なんらかの活躍をした騎士に与えられる爵位だ。平民たちが騎士に憧れる一番の理由でもある。
 
 ブライアン卿の方が、ライオネルよりも背が高くガタイも良い。二人とも茶髪に茶色い目をしている。
 四人で街を巡回しながら、スリを捕まえたり、喧嘩の仲裁をしたりと忙しく過ごした。第二騎士団は街の人たちに人気があるので、みな気軽に声をかけてくる。

「おや、新人さんだね。がんばっとくれ」
「お、二人とも男前だなあ」

「ありがとうございます」
「がんばります」

 思わぬ歓迎を受けたアイザックとリアンは、戸惑いを隠せない。

 そんな二人にブライアン卿が言う。
「他の騎士団とは制服も違うから、俺たちが第二騎士団だということは一目見ればわかる。この制服に恥じない言動を心がけろ」

「一応言っておくが、賄賂を受け取ったらクビだからな。うちの団長はそういうの毛嫌いしてるから」
 とライオネルが念を押す。

 他にも危険な裏道や、ごろつきが集まる酒場などに連れていかれて一日が終わった。
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