随筆

六日町 やよい

文字の大きさ
上 下
10 / 10

10

しおりを挟む
なんでこんなにしんどいの?
自席でたんたんと仕事をしてるだけなのに。

興味がないから?
……だとしたら、それがなんだって話。

私が知っている限り、本当にやりたいことをして生活できてる人ってほとんどいない。
テレビを見ていたら勘違いしそうになるけど、実際はなんとなく、いい感じの落としどころを見つけてみんな生活している。
それを否定はしない。

恋愛や仕事は、自己承認欲求を満たしてくれる一種の要因だから、そこんところみんな理解して---いるかは知らないけど、とにかくその中に、自分の存在価値を見出してるだろう。
普段の生活の中でつもる不満ややるせなさも、それがあるから笑ったり、忘れたり、お酒に飲まれたり、たまには毒を以て毒を制してみたりしながらも、それとなくハッピーに過ごしていける。

でも、私はどうだろう。
仕事には飽き飽きしているが、言っても内容はキツくない。面白いと思う時期もあった。
恋愛に関してもそう……私より可愛い子、性格がいい子……しっかりしている子。
たくさんいるのに。

知ってしまったから、考えてしまう。
だって、そのどこにも、私じゃなきゃダメな理由なんて---


「黒木さん大丈夫?」
「え」
「深刻な顔してたよ」

ハッと机に目を落とす。大したことはない、簡単な仕事。こんなことすら。

「すみません、大丈夫です」


---しっかり、しなくちゃ。




大丈夫、大丈夫。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語

六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...