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【異世界召喚ですか?】その7
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(あ~、久しぶりに回想だけで脳みそフル回転したわ)
「私って本当に・・・仕事中毒だったなあ・・・」
涙が溢れちゃったヲ。
「どうした! ヒロコ?」
超渋メンボイスが、バラ園のアーチの向こう側から聞こえた。
庭師自慢の素敵なバラが咲き乱れるアーチの向こう側は、城の本館と騎士寮をつなぐ長い渡り廊下があると先ほど教えてもらったばかりだ。
ふと声がした方向に顔を向けた。
心配そうに私を見つめる、夕刻の深い青空色の瞳がすぐ私の目の前にあった。
剣だこができているゴツゴツした指が、私の頬を拭っていた。
「どうして泣いているんだ? どこか痛いのか?」
飛んで火にいる夏の虫&据え膳食わぬは――――っ!
ソラルさまゲーッツ!
もちろん思いっ切り抱きつく。
私とソラルさまの身長差を考えると、ソラルさまはユーカリの木で、私はそれにはり付くコアラ状態だ。
(スーハースーハー・・・ええオスの匂い・・・ぐはっ、幸せ最上級!)
「ヒロコ・・・勇気を出して外に出たんだな? がんばったな」
ソラルさまに抱きつけた上に、頭をなでなでして貰った。
(これでご飯三杯イケます!)
しかも、左手は腰に回してもらうというスペシャルご褒美!
(誰かぁ! このシーンを写メに撮ってぇ! 一生モノのお宝にしますから!)
でもちょっと視線が痛かった。
(サーセン、調子に乗りました・・・)
「ひぃろぉこぉぉぉっ! 俺という婚約者がいながら何故、他の男の腕の中に飛び込むぅ!!」
ユラリと、さっきまで両膝を抱えていたマクシムが立ち上がった気配がした。
「あ、マクシムが立った!」
ナトンがなんか言ってる。
「お、復活したか? マクシム?」
イスマエルもマクシムが立ち上がった方に意識が向いてるね? よしよし。
もう少し、もう少しで、ソラルさまのフェロモン発生源の脇下に鼻が届く!
「ヒロコ、ちょっとくすぐったい」
あ、正気に返った・・・主に私が。
「ご・・・ごめんなさ~い」
今後の為に、反省したフリだけしておくよ。
最終的にソラルさまから私を引きはがしたのは、イスマエルだった。
「はいはい」という感じで、濡れた冷たいおしぼりを手渡してくれた。
やっぱできる男は違うね!
「では名残惜しいが、私は騎士の訓練指導がまだ残っているから退散するよ。イスマエル、ヒロコを頼むぞ」
「なんだその自分の所有物的な発言は?」
(おっ!イスマエルさん、“お父さんかまって”モードですか?)
薄いマントを翻して美しい姿勢で、騎士団長ソラルさまはバラのアーチの向こう側に去って行った。
「チッ・・・あの渡り廊下から、どうやったらここが見えるんだよ! 絶対あれ猛禽類レベルの視力だぞ?」
上品なはず(?)のマクシムが悪態をついている。
といか、今まで猫かぶってたな? こいつ。
その横で、眼鏡の中心を押し上げながらイスマエルがつぶやいた。
「いや、ヒロコの体液の匂いに反応したんじゃないか?」
「うっわ! その方がかなり怖いよ?」
イスマエルさんや? さすがのナトンも私もその表現にはドン引きだぁ。
マクシムはちょっと拗ねているけど、落ち込んだ気分は浮上したらしい。
侍女さんは飲み物の供給だけで、敷石の上でワゴンと共に控えてくれている。
「はあ~、目の前に自然があると落ち着くねえ~」
サンドウィッチを頬張りながら、私はお気に入りのフルーツティーを美味しく頂いている。
「ふむ、質素な食事でも外で食べるとなかなかに・・・いいな」
「イスマエル、このサンドウィッチのどこが質素なんだよう!」
豪勢なローストビーフ入りのサンドウィッチをナトンは指さしながら言う。
「マクシム? ちゃんと食べてる?」
「はい・・・ちゃんと、頂いてます」
私も、みんなもクスクスと笑う。
「マクシム?」
「なんですか? ヒロコ・・・さま」
「もう猫かぶらなくていいよ、“様”なんていらないよ」
「ばれてたか・・・ちえ・・・」
「私は全然上品じゃないから、畏まられると返って恥ずかしいよ」
「う~ん、そうかな? ヒロコは結構いい感じだよ?」
「いやぁ? 締めるとこは締めるけど、私、基本は口が悪いからね?」
私と接する時間が多かったイスマエルが肩を震わせている・・・そうか、そんなにおかしいか!
表情豊かに私は眉を少々ひくつかせてしまった。
鬱が酷かった時は、表情筋がまったく動かせなかった。
口と顎が重だるくて、上手く口が回らないのが怖くて、会話もままならなかった。
食べ物の味もほとんど感じなくなっていた。
でも、今はちゃんと食べられている、会話も楽しくできる、他人と一緒にいて笑うことも、涙を流して泣くこともできてる。
私は半年ぐらい感情によって涙を流す事さえなかった時期がある。
休日は布団から出られず、這ってトイレにいく、唯一私の命をつなぐものは熱湯と冷水をボタン一つで供給してくれて、水のボトル配送も玄関置きで済む、ウォーターサーバーだった。
あれはありがたい、めっちゃありがたい! 震災でガスが一時止まった時も、あのサーバーで安心感が全然違った。
「ヒロコ・・・ごめんなさい」
「ん? マクシム、なにが?」
「勝手に婚約者の証を付けちゃって」
「本当にそうね、いい迷惑だったわ」
「ううう・・・」
「でも、もういいわ。びっくりしたけど怒ってないよ?」
「ほら、マクシム! ちゃんと自分から話すってさっき言ったじゃん」
ナトンにマクシムが背中を叩かれている。
(おいおい、どっちが年上だか、お姉さんわかんないよ!)
そして、マクシム・ナトン・イスマエルは、異世界の私にも判りやすくゆっくり話しはじめた。
聖女の召喚についての説明と、何故、マクシムがあんな事をしてまで、もう一人の聖女の世話係になりたくなかったか。
この世界に召喚されたのは、私の方が先だったのだ。
あの“星霜希水の間”・・・すごく明るかったが、とても長い年月をかけてこの星を循環した“生命の水”が湧き出る、この国の最上級の神聖な場所で、かなり地下にあるらしい。
その生命の水を盗もうとする悪党もいるので、正確な場所は一部の人間しか知らないのである。
生命の水はとても些細な事でもすぐに反応するらしく、水の様で水でないもの、この星の血液と呼ばれているという。
だから、私が濡れているようで、濡れていなかったのだ。
要するにこの星の血液が、貧血と汚染された状態だったという。
私があそこに召喚される寸前まで、生命の水は濁っていたらしい。
こちら側に私が辿り着いた途端、あの状態・・・キラキラし始めたという。
というか、水が金ラメっぽく光っていたのを見たのは、マテオ宰相・4人の世話係候補・東西南北の扉に立っていた4人の騎士だけで、その金ラメっぽく光った事実はマテオ宰相が、かん口令を引いた。
あ、この部分は侍女さんには席を外してもらっていたので大丈夫。
どうやら、それがバレると私が一生城から出られなくなる恐れがあるのと、皇帝陛下に知られてしまうともっとヤバイらしい。
なんか、今後の研究の為に生きいていても、死んでいても・・・研究材料とかに・・・あ、これ15R引っかかるレベルなので伏せておく。
下手したら私、軍事兵器?みたいな? 望まない感じで子供産まなきゃなんない・・・て・・・怖いわっ! そこは18禁だわ!
私が倒れて運び出された後に、召喚士の選手交代をして、聖女召喚の第二弾が始まったのだけれど、それで金ラメが出たかどうかは、4人の騎士と4人の世話係候補と、もう一人の宰相しかわからないんだって。
(まだ他に世話係候補っていたんだ!)
でも、濁った水はもう私が浄化しちゃったから、もう1人の聖女の実力ちょっとわかんないって、言ってた。
マクシムとナトンは金ラメ状態は目撃してないとの事です。
秘匿事項か・・・「え? じゃあソラルさまは大事な目撃者なんじゃない?」って言ったら、イスマエルは「その話はまた今度」って、私の質問が長くなりそうだから受け付けないって、バッサリ切られた・・・ぐすん。
二人目の聖女は真っ黒ショートボブの私と違って、明るい茶色で長髪のボンキュッボンのかわい子ちゃん・・・どうせ私は童顔の関東平野ですよ! ええ、化石も産出しないような関東ローム層で、特徴的な魅力もないですよ!
けど、マクシムが言うには、召喚した時の感じた温度が違ったんだって。
「温度? え? 部屋が寒かったとか?」
「ちがう、なあ? ナトン」
マクシムがナトンに同意を求め、ナトンが頷いた。
「ブリザードを吹かせるイスマエルは、もうヒロコの世話係に決定していたから、その場にはいなかったし」
「は? ブリザード?」
「まあ、できてもあの場ではやらんがな?」
「イスマエルは風と水属性魔法士だから、氷が作れるんだよ。ゴメン、ちょっと脱線したから忘れて?」
(いや、ナトンさんや?「忘れて」って言われても・・・今、なに気にすごいファンタジーな事言わなかった?)
私は先ほどイスマエルから渡された冷え冷えのおしぼりを見つめた。
なんて地味に便利!?
「私って本当に・・・仕事中毒だったなあ・・・」
涙が溢れちゃったヲ。
「どうした! ヒロコ?」
超渋メンボイスが、バラ園のアーチの向こう側から聞こえた。
庭師自慢の素敵なバラが咲き乱れるアーチの向こう側は、城の本館と騎士寮をつなぐ長い渡り廊下があると先ほど教えてもらったばかりだ。
ふと声がした方向に顔を向けた。
心配そうに私を見つめる、夕刻の深い青空色の瞳がすぐ私の目の前にあった。
剣だこができているゴツゴツした指が、私の頬を拭っていた。
「どうして泣いているんだ? どこか痛いのか?」
飛んで火にいる夏の虫&据え膳食わぬは――――っ!
ソラルさまゲーッツ!
もちろん思いっ切り抱きつく。
私とソラルさまの身長差を考えると、ソラルさまはユーカリの木で、私はそれにはり付くコアラ状態だ。
(スーハースーハー・・・ええオスの匂い・・・ぐはっ、幸せ最上級!)
「ヒロコ・・・勇気を出して外に出たんだな? がんばったな」
ソラルさまに抱きつけた上に、頭をなでなでして貰った。
(これでご飯三杯イケます!)
しかも、左手は腰に回してもらうというスペシャルご褒美!
(誰かぁ! このシーンを写メに撮ってぇ! 一生モノのお宝にしますから!)
でもちょっと視線が痛かった。
(サーセン、調子に乗りました・・・)
「ひぃろぉこぉぉぉっ! 俺という婚約者がいながら何故、他の男の腕の中に飛び込むぅ!!」
ユラリと、さっきまで両膝を抱えていたマクシムが立ち上がった気配がした。
「あ、マクシムが立った!」
ナトンがなんか言ってる。
「お、復活したか? マクシム?」
イスマエルもマクシムが立ち上がった方に意識が向いてるね? よしよし。
もう少し、もう少しで、ソラルさまのフェロモン発生源の脇下に鼻が届く!
「ヒロコ、ちょっとくすぐったい」
あ、正気に返った・・・主に私が。
「ご・・・ごめんなさ~い」
今後の為に、反省したフリだけしておくよ。
最終的にソラルさまから私を引きはがしたのは、イスマエルだった。
「はいはい」という感じで、濡れた冷たいおしぼりを手渡してくれた。
やっぱできる男は違うね!
「では名残惜しいが、私は騎士の訓練指導がまだ残っているから退散するよ。イスマエル、ヒロコを頼むぞ」
「なんだその自分の所有物的な発言は?」
(おっ!イスマエルさん、“お父さんかまって”モードですか?)
薄いマントを翻して美しい姿勢で、騎士団長ソラルさまはバラのアーチの向こう側に去って行った。
「チッ・・・あの渡り廊下から、どうやったらここが見えるんだよ! 絶対あれ猛禽類レベルの視力だぞ?」
上品なはず(?)のマクシムが悪態をついている。
といか、今まで猫かぶってたな? こいつ。
その横で、眼鏡の中心を押し上げながらイスマエルがつぶやいた。
「いや、ヒロコの体液の匂いに反応したんじゃないか?」
「うっわ! その方がかなり怖いよ?」
イスマエルさんや? さすがのナトンも私もその表現にはドン引きだぁ。
マクシムはちょっと拗ねているけど、落ち込んだ気分は浮上したらしい。
侍女さんは飲み物の供給だけで、敷石の上でワゴンと共に控えてくれている。
「はあ~、目の前に自然があると落ち着くねえ~」
サンドウィッチを頬張りながら、私はお気に入りのフルーツティーを美味しく頂いている。
「ふむ、質素な食事でも外で食べるとなかなかに・・・いいな」
「イスマエル、このサンドウィッチのどこが質素なんだよう!」
豪勢なローストビーフ入りのサンドウィッチをナトンは指さしながら言う。
「マクシム? ちゃんと食べてる?」
「はい・・・ちゃんと、頂いてます」
私も、みんなもクスクスと笑う。
「マクシム?」
「なんですか? ヒロコ・・・さま」
「もう猫かぶらなくていいよ、“様”なんていらないよ」
「ばれてたか・・・ちえ・・・」
「私は全然上品じゃないから、畏まられると返って恥ずかしいよ」
「う~ん、そうかな? ヒロコは結構いい感じだよ?」
「いやぁ? 締めるとこは締めるけど、私、基本は口が悪いからね?」
私と接する時間が多かったイスマエルが肩を震わせている・・・そうか、そんなにおかしいか!
表情豊かに私は眉を少々ひくつかせてしまった。
鬱が酷かった時は、表情筋がまったく動かせなかった。
口と顎が重だるくて、上手く口が回らないのが怖くて、会話もままならなかった。
食べ物の味もほとんど感じなくなっていた。
でも、今はちゃんと食べられている、会話も楽しくできる、他人と一緒にいて笑うことも、涙を流して泣くこともできてる。
私は半年ぐらい感情によって涙を流す事さえなかった時期がある。
休日は布団から出られず、這ってトイレにいく、唯一私の命をつなぐものは熱湯と冷水をボタン一つで供給してくれて、水のボトル配送も玄関置きで済む、ウォーターサーバーだった。
あれはありがたい、めっちゃありがたい! 震災でガスが一時止まった時も、あのサーバーで安心感が全然違った。
「ヒロコ・・・ごめんなさい」
「ん? マクシム、なにが?」
「勝手に婚約者の証を付けちゃって」
「本当にそうね、いい迷惑だったわ」
「ううう・・・」
「でも、もういいわ。びっくりしたけど怒ってないよ?」
「ほら、マクシム! ちゃんと自分から話すってさっき言ったじゃん」
ナトンにマクシムが背中を叩かれている。
(おいおい、どっちが年上だか、お姉さんわかんないよ!)
そして、マクシム・ナトン・イスマエルは、異世界の私にも判りやすくゆっくり話しはじめた。
聖女の召喚についての説明と、何故、マクシムがあんな事をしてまで、もう一人の聖女の世話係になりたくなかったか。
この世界に召喚されたのは、私の方が先だったのだ。
あの“星霜希水の間”・・・すごく明るかったが、とても長い年月をかけてこの星を循環した“生命の水”が湧き出る、この国の最上級の神聖な場所で、かなり地下にあるらしい。
その生命の水を盗もうとする悪党もいるので、正確な場所は一部の人間しか知らないのである。
生命の水はとても些細な事でもすぐに反応するらしく、水の様で水でないもの、この星の血液と呼ばれているという。
だから、私が濡れているようで、濡れていなかったのだ。
要するにこの星の血液が、貧血と汚染された状態だったという。
私があそこに召喚される寸前まで、生命の水は濁っていたらしい。
こちら側に私が辿り着いた途端、あの状態・・・キラキラし始めたという。
というか、水が金ラメっぽく光っていたのを見たのは、マテオ宰相・4人の世話係候補・東西南北の扉に立っていた4人の騎士だけで、その金ラメっぽく光った事実はマテオ宰相が、かん口令を引いた。
あ、この部分は侍女さんには席を外してもらっていたので大丈夫。
どうやら、それがバレると私が一生城から出られなくなる恐れがあるのと、皇帝陛下に知られてしまうともっとヤバイらしい。
なんか、今後の研究の為に生きいていても、死んでいても・・・研究材料とかに・・・あ、これ15R引っかかるレベルなので伏せておく。
下手したら私、軍事兵器?みたいな? 望まない感じで子供産まなきゃなんない・・・て・・・怖いわっ! そこは18禁だわ!
私が倒れて運び出された後に、召喚士の選手交代をして、聖女召喚の第二弾が始まったのだけれど、それで金ラメが出たかどうかは、4人の騎士と4人の世話係候補と、もう一人の宰相しかわからないんだって。
(まだ他に世話係候補っていたんだ!)
でも、濁った水はもう私が浄化しちゃったから、もう1人の聖女の実力ちょっとわかんないって、言ってた。
マクシムとナトンは金ラメ状態は目撃してないとの事です。
秘匿事項か・・・「え? じゃあソラルさまは大事な目撃者なんじゃない?」って言ったら、イスマエルは「その話はまた今度」って、私の質問が長くなりそうだから受け付けないって、バッサリ切られた・・・ぐすん。
二人目の聖女は真っ黒ショートボブの私と違って、明るい茶色で長髪のボンキュッボンのかわい子ちゃん・・・どうせ私は童顔の関東平野ですよ! ええ、化石も産出しないような関東ローム層で、特徴的な魅力もないですよ!
けど、マクシムが言うには、召喚した時の感じた温度が違ったんだって。
「温度? え? 部屋が寒かったとか?」
「ちがう、なあ? ナトン」
マクシムがナトンに同意を求め、ナトンが頷いた。
「ブリザードを吹かせるイスマエルは、もうヒロコの世話係に決定していたから、その場にはいなかったし」
「は? ブリザード?」
「まあ、できてもあの場ではやらんがな?」
「イスマエルは風と水属性魔法士だから、氷が作れるんだよ。ゴメン、ちょっと脱線したから忘れて?」
(いや、ナトンさんや?「忘れて」って言われても・・・今、なに気にすごいファンタジーな事言わなかった?)
私は先ほどイスマエルから渡された冷え冷えのおしぼりを見つめた。
なんて地味に便利!?
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