57 / 70
水無の過去編
崩壊
しおりを挟む
ずっと信じて、信じて、友達も学校も、何もかもを切って、僕はお母さんの言うように従った。それが正しいと、ずっとずっと信じていたから、それなのに
「なんでB判定に落ちてるのよ!もう残り時間は少ないのよ?!」
「で、でも今回は塾で1番で」
「そんなの周りが馬鹿なだけ!まさか友達なんて作ってないでしょうね?そんな底辺の子達とつるんでるからこんな点数になるんじゃないの?!」
「ご、ごめんなさい」
「なんでこんな点数取っちゃったのよ、これじゃあ滑り止めも受かるか怪しいじゃない!ちゃんと勉強しなさい!」
「はい」
僕は知っている。B判定でも受かる事、滑り止めは余裕で受かること、本命の学校の出題傾向も、ちゃんとした勉強方法も、友達が馬鹿じゃない事も知っている、けどお母さんが言うんだから違うんだろう、きっと。
「水無月君、そろそろ帰りなよ。もう遅いんだし」
「まだ閉まるまで時間あるでしょう、質問させてください」
「熱心なのはいい事だけどこの前は倒れたって聞くし、塾で倒れられたらこっちが迷惑にもなるから無理しないでね」
「大丈夫です、今はもう元気ですし、ちゃんと睡眠も取れてますので」
「そうかい?ならいいんだけど・・・本当に無茶だけはやめてね、心配するから」
「はい」
僕は知っている。倒れたら迷惑をかける事、心配じゃなくて邪魔だと思われている事、親に逆らえない先生の性格も、けどそれは僕がひねくれているからそう思うだけ、きっと心配してくれているのに
「あいつほんとに邪魔だなぁ」
「どうせ来年にはいねーんだし気にすんなよ」
「なんかいいとこに受験するとか」
「どーせ俺らの事下に見てんだろ?さいってーな野郎だな」
「ホントになーところで昨日のテレビでさー」
僕は知っている。馬鹿にされている事、陰口もいじめも、卒業が近くなるにつれその頻度が落ちている事、やっと小学校から、いや。親が嫌いな底辺から抜けられる
そうして、僕は親の望む学校に行くことが決まった、学力がそう変わらない人達、親もそこそこには満足したらしい。疲労感はこの頃には麻痺していた、僕はこのまま生きていくんだろうか。
「なんでB判定に落ちてるのよ!もう残り時間は少ないのよ?!」
「で、でも今回は塾で1番で」
「そんなの周りが馬鹿なだけ!まさか友達なんて作ってないでしょうね?そんな底辺の子達とつるんでるからこんな点数になるんじゃないの?!」
「ご、ごめんなさい」
「なんでこんな点数取っちゃったのよ、これじゃあ滑り止めも受かるか怪しいじゃない!ちゃんと勉強しなさい!」
「はい」
僕は知っている。B判定でも受かる事、滑り止めは余裕で受かること、本命の学校の出題傾向も、ちゃんとした勉強方法も、友達が馬鹿じゃない事も知っている、けどお母さんが言うんだから違うんだろう、きっと。
「水無月君、そろそろ帰りなよ。もう遅いんだし」
「まだ閉まるまで時間あるでしょう、質問させてください」
「熱心なのはいい事だけどこの前は倒れたって聞くし、塾で倒れられたらこっちが迷惑にもなるから無理しないでね」
「大丈夫です、今はもう元気ですし、ちゃんと睡眠も取れてますので」
「そうかい?ならいいんだけど・・・本当に無茶だけはやめてね、心配するから」
「はい」
僕は知っている。倒れたら迷惑をかける事、心配じゃなくて邪魔だと思われている事、親に逆らえない先生の性格も、けどそれは僕がひねくれているからそう思うだけ、きっと心配してくれているのに
「あいつほんとに邪魔だなぁ」
「どうせ来年にはいねーんだし気にすんなよ」
「なんかいいとこに受験するとか」
「どーせ俺らの事下に見てんだろ?さいってーな野郎だな」
「ホントになーところで昨日のテレビでさー」
僕は知っている。馬鹿にされている事、陰口もいじめも、卒業が近くなるにつれその頻度が落ちている事、やっと小学校から、いや。親が嫌いな底辺から抜けられる
そうして、僕は親の望む学校に行くことが決まった、学力がそう変わらない人達、親もそこそこには満足したらしい。疲労感はこの頃には麻痺していた、僕はこのまま生きていくんだろうか。
0
お気に入りに追加
91
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。


お隣さんはヤのつくご職業
古亜
恋愛
佐伯梓は、日々平穏に過ごしてきたOL。
残業から帰り夜食のカップ麺を食べていたら、突然壁に穴が空いた。
元々薄い壁だと思ってたけど、まさか人が飛んでくるなんて……ん?そもそも人が飛んでくるっておかしくない?それにお隣さんの顔、初めて見ましたがだいぶ強面でいらっしゃいますね。
……え、ちゃんとしたもん食え?
ちょ、冷蔵庫漁らないでくださいっ!!
ちょっとアホな社畜OLがヤクザさんとご飯を食べるラブコメ
建築基準法と物理法則なんて知りません
登場人物や団体の名称や設定は作者が適当に生み出したものであり、現実に類似のものがあったとしても一切関係ありません。
2020/5/26 完結


ヤクザと私と。~養子じゃなく嫁でした
瀬名。
恋愛
大学1年生の冬。母子家庭の私は、母に逃げられました。
家も取り押さえられ、帰る場所もない。
まず、借金返済をしてないから、私も逃げないとやばい。
…そんな時、借金取りにきた私を買ってくれたのは。
ヤクザの若頭でした。
*この話はフィクションです
現実ではあり得ませんが、物語の過程としてむちゃくちゃしてます
ツッコミたくてイラつく人はお帰りください
またこの話を鵜呑みにする読者がいたとしても私は一切の責任を負いませんのでご了承ください*


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる