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水無の過去編
水無という人
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「はぁ・・・」
奏斗は住宅地から少し離れた場所でタバコを吸っていた、水無のヒステリック家族は昔からこうだ、水無がいじめられていたのに教師も、そして親も助けなかった、理由は沢山あるだろうが結局は一つに絞られる
ただ頭が良くなかったから
本当にただそれだけ。
普通の家なら考えられないだろう、頭が良くないからといじめられて当然なんて、そもそもとしてあの家の教育環境は良くなかった、水無に聞いた話だけだが小学校に入る前から子供塾に英会話教室、勉強の類だけでなくピアノや水泳テニスなどありとあらゆる教育に力を入れていた、昔は頑張って結果を出せば褒めてくれたからと沢山努力していた、しかしとある暑い日を境に少しづつ歯車が狂い始めた
「あっつ…」
「お疲れ様、けど私だって暑いんだからね、それにクーラーつけてあるでしょ」
母親は水泳が終わる頃に車で迎えに来ていた
「うん、涼しいよ、けど泳ぎ疲れたから少し寝てもいいかな?」
「車でなら寝てもいいけど帰ったら塾のお勉強よ」
「うん、分かってる…」
水無は基本的には11時に寝ていた、そして朝8時に起きて車で学校に送って貰っていた、外を知らない水無にとって車での登下校は普通のことだと思っていた、学校の友達の話しているとおかしいと言われたが車の中は貴重な睡眠時間なので無くす訳にもいかない、何より習い事に行く時間が1秒でもすくなるなるとお母さんが怒ってしまうので車での登校を辞めることはなかった。
「・・・な、みな、水無!」
「はい!」
親の起こす声が聞こえ寝ぼけるまもなく飛び起きた
「いつまで寝てるのよ!早く降りて勉強なさい!」
「は、はい・・・っ」
水無は車から降りる際に軽く目眩を覚えた、視界も定まらず歩くのも覚束なかった
「お母さん・・・目眩が」
「目眩?熱中症かしら、ちゃんと水分をとって涼しい部屋で勉強しましょうね」
「う、うん」
休む事は決して許されない、風邪をひいても薬を飲まされるだけで学校にも通い、インフルエンザの時だけ病院に行き2日ほど部屋に軟禁された後は学校に行けないので家で勉強している、少しの不調であれば言っても無駄なのでいつしか辛くても口を開かなくなった、しかし今回のように生活するのに支障をきたす程のものは言うようにしている、言ったところで勉強はしなければいけないが今日は・・・
「お、お母さん。少し休んでもいい?」
「なんて?」
「う、ううん。なんでもない、ちょっとトイレ・・・」
「行ってらっしゃい」
フラフラとおぼつかない足取りでトイレまで進んで行った、そして用を済まし扉を開けようとしたところで意識が飛んだ。
奏斗は住宅地から少し離れた場所でタバコを吸っていた、水無のヒステリック家族は昔からこうだ、水無がいじめられていたのに教師も、そして親も助けなかった、理由は沢山あるだろうが結局は一つに絞られる
ただ頭が良くなかったから
本当にただそれだけ。
普通の家なら考えられないだろう、頭が良くないからといじめられて当然なんて、そもそもとしてあの家の教育環境は良くなかった、水無に聞いた話だけだが小学校に入る前から子供塾に英会話教室、勉強の類だけでなくピアノや水泳テニスなどありとあらゆる教育に力を入れていた、昔は頑張って結果を出せば褒めてくれたからと沢山努力していた、しかしとある暑い日を境に少しづつ歯車が狂い始めた
「あっつ…」
「お疲れ様、けど私だって暑いんだからね、それにクーラーつけてあるでしょ」
母親は水泳が終わる頃に車で迎えに来ていた
「うん、涼しいよ、けど泳ぎ疲れたから少し寝てもいいかな?」
「車でなら寝てもいいけど帰ったら塾のお勉強よ」
「うん、分かってる…」
水無は基本的には11時に寝ていた、そして朝8時に起きて車で学校に送って貰っていた、外を知らない水無にとって車での登下校は普通のことだと思っていた、学校の友達の話しているとおかしいと言われたが車の中は貴重な睡眠時間なので無くす訳にもいかない、何より習い事に行く時間が1秒でもすくなるなるとお母さんが怒ってしまうので車での登校を辞めることはなかった。
「・・・な、みな、水無!」
「はい!」
親の起こす声が聞こえ寝ぼけるまもなく飛び起きた
「いつまで寝てるのよ!早く降りて勉強なさい!」
「は、はい・・・っ」
水無は車から降りる際に軽く目眩を覚えた、視界も定まらず歩くのも覚束なかった
「お母さん・・・目眩が」
「目眩?熱中症かしら、ちゃんと水分をとって涼しい部屋で勉強しましょうね」
「う、うん」
休む事は決して許されない、風邪をひいても薬を飲まされるだけで学校にも通い、インフルエンザの時だけ病院に行き2日ほど部屋に軟禁された後は学校に行けないので家で勉強している、少しの不調であれば言っても無駄なのでいつしか辛くても口を開かなくなった、しかし今回のように生活するのに支障をきたす程のものは言うようにしている、言ったところで勉強はしなければいけないが今日は・・・
「お、お母さん。少し休んでもいい?」
「なんて?」
「う、ううん。なんでもない、ちょっとトイレ・・・」
「行ってらっしゃい」
フラフラとおぼつかない足取りでトイレまで進んで行った、そして用を済まし扉を開けようとしたところで意識が飛んだ。
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