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四章ヤクザさん2
治療
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「さて、どこ怪我したんだい?」
少し広めの個室に3人で入り菊一は扉を閉めそういった
「えっと、足と背中が少し」
「分かった、救急箱は確かァ・・・」
菊一が部屋にある棚を調べてている間に私は神無と一緒に椅子に座り色々聞くことにした
「神無大丈夫だった?何かされた?どうして怪我したの?」
「えっとね、連れてかれ後は『コイツは木葉と無関係だ』って同い年ぐらいの子が言って、その後はなんでか普通の生活みたいに部屋でなら自由に過ごしていいって言われて・・・」
「同い年ぐらいの子?」
「うん、あの私と桃が一緒に居た時に扉蹴破った人」
「あ、あの女の子みたいな!」
「うん、あの人のおかげで帰ってこれたみたいなものだから」
「うーん、どうして返して貰えたんだろ・・・というかそれならなんで怪我なんか?」
「分かんない、源田さんが来たら急に態度が変わって・・・」
「とりあえず今は治療ね、足と背中だっけ?足から見ていこうかちょっと失礼」
菊一さんは救急箱を持って床に膝を付き神無の黒いソックスを脱がせてじっとみた
「うーん、どこが痛い?」
「足首の方が少し」
神無がそういうと菊一は少し足首を動かしてみた
「いたたた・・・」
「ごめんね、病院には連れて行って貰えなかったの?」
「はい、あのおじさんは早く帰った方がいいって言って」
「ふーん、とりあえず湿布と包帯で固定しておこうか、捻挫ならいいんだけど一応ね、背中は?」
「強く打ってジンジンしてます」
「背中か、どこが麻痺してたり視界がボヤけたりしているか?」
「いえ、大丈夫です」
「なら背中も湿布だけでいいかな、悪いけど上脱いでもらってもいいかな?」
「えっと、はい・・・」
「それか、桃がやってあげてくれ、私とこの子は女同士とはいえ今日知り合ったばっかりだしな」
「私が?!」
「大丈夫だ、背中を触って少し痛いところに貼ればいいだけだから!四、六枚で大丈夫だろうから、すぐ戻るけどちゃんと私が出たら鍵かけてな」
「は、はい」
そう言って菊一は立ち上がり出ていった、私は扉の鍵を閉めてからもう一度神無の元へ向かった
「ごめんね桃」
「神無が謝ることないよ、それに悪いのは私だし・・・」
そう言いながら服を脱いだ神無の背中に湿布を貼り始めた
「桃・・・」
「ごめんね神無、私がこんな所にいるから狙われて、神無も巻き込んじゃって」
「私は平気だよ、でもここは桃の居場所でしょ?」
「どうなんだろ、私がいたら周りに迷惑しかかけないし、ここに私がいる意味はないと思うんだ・・・」
桃の手が少し止まり時間が止まったように静かになる、桃を心配し神無は振り返った
「桃、私の前で嘘つかなくていいよ、親が生きてはいるけど私に無関心でほとんど話した事も無いんだから、誰かと一緒に笑える場所があるって、自分の居場所があるって凄くいい事だと思うんだ」
「神無・・・けど、ここは私の居場所じゃないと思うよ、親戚は奏斗さん以外にもいるし、前まで一人暮らしだったし、私は・・・」
「・・・」
再び時間が止まったように静かになった
少し広めの個室に3人で入り菊一は扉を閉めそういった
「えっと、足と背中が少し」
「分かった、救急箱は確かァ・・・」
菊一が部屋にある棚を調べてている間に私は神無と一緒に椅子に座り色々聞くことにした
「神無大丈夫だった?何かされた?どうして怪我したの?」
「えっとね、連れてかれ後は『コイツは木葉と無関係だ』って同い年ぐらいの子が言って、その後はなんでか普通の生活みたいに部屋でなら自由に過ごしていいって言われて・・・」
「同い年ぐらいの子?」
「うん、あの私と桃が一緒に居た時に扉蹴破った人」
「あ、あの女の子みたいな!」
「うん、あの人のおかげで帰ってこれたみたいなものだから」
「うーん、どうして返して貰えたんだろ・・・というかそれならなんで怪我なんか?」
「分かんない、源田さんが来たら急に態度が変わって・・・」
「とりあえず今は治療ね、足と背中だっけ?足から見ていこうかちょっと失礼」
菊一さんは救急箱を持って床に膝を付き神無の黒いソックスを脱がせてじっとみた
「うーん、どこが痛い?」
「足首の方が少し」
神無がそういうと菊一は少し足首を動かしてみた
「いたたた・・・」
「ごめんね、病院には連れて行って貰えなかったの?」
「はい、あのおじさんは早く帰った方がいいって言って」
「ふーん、とりあえず湿布と包帯で固定しておこうか、捻挫ならいいんだけど一応ね、背中は?」
「強く打ってジンジンしてます」
「背中か、どこが麻痺してたり視界がボヤけたりしているか?」
「いえ、大丈夫です」
「なら背中も湿布だけでいいかな、悪いけど上脱いでもらってもいいかな?」
「えっと、はい・・・」
「それか、桃がやってあげてくれ、私とこの子は女同士とはいえ今日知り合ったばっかりだしな」
「私が?!」
「大丈夫だ、背中を触って少し痛いところに貼ればいいだけだから!四、六枚で大丈夫だろうから、すぐ戻るけどちゃんと私が出たら鍵かけてな」
「は、はい」
そう言って菊一は立ち上がり出ていった、私は扉の鍵を閉めてからもう一度神無の元へ向かった
「ごめんね桃」
「神無が謝ることないよ、それに悪いのは私だし・・・」
そう言いながら服を脱いだ神無の背中に湿布を貼り始めた
「桃・・・」
「ごめんね神無、私がこんな所にいるから狙われて、神無も巻き込んじゃって」
「私は平気だよ、でもここは桃の居場所でしょ?」
「どうなんだろ、私がいたら周りに迷惑しかかけないし、ここに私がいる意味はないと思うんだ・・・」
桃の手が少し止まり時間が止まったように静かになる、桃を心配し神無は振り返った
「桃、私の前で嘘つかなくていいよ、親が生きてはいるけど私に無関心でほとんど話した事も無いんだから、誰かと一緒に笑える場所があるって、自分の居場所があるって凄くいい事だと思うんだ」
「神無・・・けど、ここは私の居場所じゃないと思うよ、親戚は奏斗さん以外にもいるし、前まで一人暮らしだったし、私は・・・」
「・・・」
再び時間が止まったように静かになった
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