ヤクザとJK?!

あさみ

文字の大きさ
上 下
43 / 70
三章ヤクザさん

返してもらおうか漆

しおりを挟む
「神無・・・」
「なに?」
「もしも誰も来ずにここで飢え死にしそうになったらさ、どうする?」
監視は居ずドアも破壊され開いている、外に人の気配は無いから逃げようと思えば逃げられるかもしれない、しかし
「・・・やめよ、今はおにぃちゃんが助けに来るのを信じるだけでいい」
「でも・・・」
「桃、そんなに弱気になっちゃダメだよ」
「弱気、か。そうだね、でももしもの事は考えた方がいい、けど辛いよね、私は1人で考えておくよ」
「・・・」
「・・・」
「桃、逃げてみる?」
「えっ・・・さっきも言ったけど外に誰かいたら危ないよ」
「そうかな?でも誰も居ないんだしきっと大丈夫!」
そう言って腕を縛られたまま嬉嬉として立ち上がった
「だめ!神無、本当にここはそんな優しい世界じゃないの!そんな、私達みたいなのが無茶したら殺されちゃうよ・・・」
殺される、緊迫した様子、そして涙声の桃がその言葉を言い放った途端神無は固まった
「こ、殺されちゃうって・・・そんなわけないじゃん、ここは日本だし、無茶って、別にあの人達に対抗したいわけじゃないんだし・・・」
「でも、ダメなの!多分あの人達その、や、ヤクザだと・・・思うんだ」
「ヤクザ?なんでそんな、私達別にそんな人達に関わってないじゃん、思うだけでしょ?きっと何かの間違いだって・・・」
座っていた桃はついに耐えきれなくなり涙が出てきた
「神無・・・あのね、奏斗さん、私の親戚がヤクザなの」
「えっ、で、でも」
「水無さんもヤクザなんだよ・・・私、その事を神無に伝えていいのか、分かんなくて。黙ってて、ごめんね・・・」
泣いている桃を前にして神無は何が起っているのか分からず何も言えずその場に立ち尽くした、冗談だと思いたいが今の状況が桃の言葉に真実味を与えている、酷く混乱した時に人の思考回路は停止する
「・・・」
そして湧き上がる怒りや悲しみ、強いストレスを受けた時人は豹変する、それは神無が実際に知っている、混乱した人間は・・・
「嘘よ」
「本当なんだよ・・・」
「いいや、嘘をついているわ、桃は嘘つきよ、あぁ!可哀想に!こんな酷い状況だから被害妄想が激しくなったのよね!大丈夫よ!私がついてるから!さぁ、こんなところからはさっさと逃げましょう!」
そう言って神無は外に走り出した
「かっ、神無?!やめて!止まって!」
「桃も早く!こんなところからはさっさと逃げるわよ!」
「神無!」
神無が外に出た後會攦が去っていった方向から人影が飛び出し、その勢いで桃の視界から神無は消えた
「神無!」
桃も慌てて立ち上がり神無が倒れたであろう方向を見ると
「なっ、窓?!」
窓から下を覗くと十数メートル下に人の姿と車があった、人が乗り込むとすぐに車は発車された
「三、いや四階。こんな高さから落ちるなんて・・・いや、それよりも神無がっ・・・!」
「おい!」
血の気が引いていくのを感じながら下を眺めていると不意に後ろから声がした、驚き振り向くとそこには
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

お隣さんはヤのつくご職業

古亜
恋愛
佐伯梓は、日々平穏に過ごしてきたOL。 残業から帰り夜食のカップ麺を食べていたら、突然壁に穴が空いた。 元々薄い壁だと思ってたけど、まさか人が飛んでくるなんて……ん?そもそも人が飛んでくるっておかしくない?それにお隣さんの顔、初めて見ましたがだいぶ強面でいらっしゃいますね。 ……え、ちゃんとしたもん食え? ちょ、冷蔵庫漁らないでくださいっ!! ちょっとアホな社畜OLがヤクザさんとご飯を食べるラブコメ 建築基準法と物理法則なんて知りません 登場人物や団体の名称や設定は作者が適当に生み出したものであり、現実に類似のものがあったとしても一切関係ありません。 2020/5/26 完結

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

由紀と真一

廣瀬純一
大衆娯楽
夫婦の体が入れ替わる話

ヤクザと私と。~養子じゃなく嫁でした

瀬名。
恋愛
大学1年生の冬。母子家庭の私は、母に逃げられました。 家も取り押さえられ、帰る場所もない。 まず、借金返済をしてないから、私も逃げないとやばい。 …そんな時、借金取りにきた私を買ってくれたのは。 ヤクザの若頭でした。 *この話はフィクションです 現実ではあり得ませんが、物語の過程としてむちゃくちゃしてます ツッコミたくてイラつく人はお帰りください またこの話を鵜呑みにする読者がいたとしても私は一切の責任を負いませんのでご了承ください*

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

処理中です...