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三章ヤクザさん
返してもらおうか漆
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「神無・・・」
「なに?」
「もしも誰も来ずにここで飢え死にしそうになったらさ、どうする?」
監視は居ずドアも破壊され開いている、外に人の気配は無いから逃げようと思えば逃げられるかもしれない、しかし
「・・・やめよ、今はおにぃちゃんが助けに来るのを信じるだけでいい」
「でも・・・」
「桃、そんなに弱気になっちゃダメだよ」
「弱気、か。そうだね、でももしもの事は考えた方がいい、けど辛いよね、私は1人で考えておくよ」
「・・・」
「・・・」
「桃、逃げてみる?」
「えっ・・・さっきも言ったけど外に誰かいたら危ないよ」
「そうかな?でも誰も居ないんだしきっと大丈夫!」
そう言って腕を縛られたまま嬉嬉として立ち上がった
「だめ!神無、本当にここはそんな優しい世界じゃないの!そんな、私達みたいなのが無茶したら殺されちゃうよ・・・」
殺される、緊迫した様子、そして涙声の桃がその言葉を言い放った途端神無は固まった
「こ、殺されちゃうって・・・そんなわけないじゃん、ここは日本だし、無茶って、別にあの人達に対抗したいわけじゃないんだし・・・」
「でも、ダメなの!多分あの人達その、や、ヤクザだと・・・思うんだ」
「ヤクザ?なんでそんな、私達別にそんな人達に関わってないじゃん、思うだけでしょ?きっと何かの間違いだって・・・」
座っていた桃はついに耐えきれなくなり涙が出てきた
「神無・・・あのね、奏斗さん、私の親戚がヤクザなの」
「えっ、で、でも」
「水無さんもヤクザなんだよ・・・私、その事を神無に伝えていいのか、分かんなくて。黙ってて、ごめんね・・・」
泣いている桃を前にして神無は何が起っているのか分からず何も言えずその場に立ち尽くした、冗談だと思いたいが今の状況が桃の言葉に真実味を与えている、酷く混乱した時に人の思考回路は停止する
「・・・」
そして湧き上がる怒りや悲しみ、強いストレスを受けた時人は豹変する、それは神無が実際に身をもって知っている、混乱した人間は・・・
「嘘よ」
「本当なんだよ・・・」
「いいや、嘘をついているわ、桃は嘘つきよ、あぁ!可哀想に!こんな酷い状況だから被害妄想が激しくなったのよね!大丈夫よ!私がついてるから!さぁ、こんなところからはさっさと逃げましょう!」
そう言って神無は外に走り出した
「かっ、神無?!やめて!止まって!」
「桃も早く!こんなところからはさっさと逃げるわよ!」
「神無!」
神無が外に出た後會攦が去っていった方向から人影が飛び出し、その勢いで桃の視界から神無は消えた
「神無!」
桃も慌てて立ち上がり神無が倒れたであろう方向を見ると
「なっ、窓?!」
窓から下を覗くと十数メートル下に人の姿と車があった、人が乗り込むとすぐに車は発車された
「三、いや四階。こんな高さから落ちるなんて・・・いや、それよりも神無がっ・・・!」
「おい!」
血の気が引いていくのを感じながら下を眺めていると不意に後ろから声がした、驚き振り向くとそこには
「なに?」
「もしも誰も来ずにここで飢え死にしそうになったらさ、どうする?」
監視は居ずドアも破壊され開いている、外に人の気配は無いから逃げようと思えば逃げられるかもしれない、しかし
「・・・やめよ、今はおにぃちゃんが助けに来るのを信じるだけでいい」
「でも・・・」
「桃、そんなに弱気になっちゃダメだよ」
「弱気、か。そうだね、でももしもの事は考えた方がいい、けど辛いよね、私は1人で考えておくよ」
「・・・」
「・・・」
「桃、逃げてみる?」
「えっ・・・さっきも言ったけど外に誰かいたら危ないよ」
「そうかな?でも誰も居ないんだしきっと大丈夫!」
そう言って腕を縛られたまま嬉嬉として立ち上がった
「だめ!神無、本当にここはそんな優しい世界じゃないの!そんな、私達みたいなのが無茶したら殺されちゃうよ・・・」
殺される、緊迫した様子、そして涙声の桃がその言葉を言い放った途端神無は固まった
「こ、殺されちゃうって・・・そんなわけないじゃん、ここは日本だし、無茶って、別にあの人達に対抗したいわけじゃないんだし・・・」
「でも、ダメなの!多分あの人達その、や、ヤクザだと・・・思うんだ」
「ヤクザ?なんでそんな、私達別にそんな人達に関わってないじゃん、思うだけでしょ?きっと何かの間違いだって・・・」
座っていた桃はついに耐えきれなくなり涙が出てきた
「神無・・・あのね、奏斗さん、私の親戚がヤクザなの」
「えっ、で、でも」
「水無さんもヤクザなんだよ・・・私、その事を神無に伝えていいのか、分かんなくて。黙ってて、ごめんね・・・」
泣いている桃を前にして神無は何が起っているのか分からず何も言えずその場に立ち尽くした、冗談だと思いたいが今の状況が桃の言葉に真実味を与えている、酷く混乱した時に人の思考回路は停止する
「・・・」
そして湧き上がる怒りや悲しみ、強いストレスを受けた時人は豹変する、それは神無が実際に身をもって知っている、混乱した人間は・・・
「嘘よ」
「本当なんだよ・・・」
「いいや、嘘をついているわ、桃は嘘つきよ、あぁ!可哀想に!こんな酷い状況だから被害妄想が激しくなったのよね!大丈夫よ!私がついてるから!さぁ、こんなところからはさっさと逃げましょう!」
そう言って神無は外に走り出した
「かっ、神無?!やめて!止まって!」
「桃も早く!こんなところからはさっさと逃げるわよ!」
「神無!」
神無が外に出た後會攦が去っていった方向から人影が飛び出し、その勢いで桃の視界から神無は消えた
「神無!」
桃も慌てて立ち上がり神無が倒れたであろう方向を見ると
「なっ、窓?!」
窓から下を覗くと十数メートル下に人の姿と車があった、人が乗り込むとすぐに車は発車された
「三、いや四階。こんな高さから落ちるなんて・・・いや、それよりも神無がっ・・・!」
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