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三章ヤクザさん
返してもらおうか伍
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「い、イチ様・・・!」
変な仮面をつけた背の高い人が庇っていた、目がかすみ意識が朦朧としていたためそれ以上の情報は読み取れない。
「私は殺せなんて命令していないぞ」
とても冷たく威圧的、水無は自分が言われている訳では無いのに背筋がゾッとした
「申し訳ございません」
敵はその人にひざまづき、怯えた声で謝っている、さっきまでの狂った話し方、佇まいの敵とは別人のようだ
「水無と言ったか、木ノ葉組に電話しろ」
その言葉にハッとし意識が朦朧とする中組に自分の状況、桃が行方不明だということを伝えた、電話が終わった頃には二人の気配は消えていた、水無は安心したと言わんばかりに仰向けに地面に寝転がり随分と暗く月が浮かぶ空を仰いだ
「神無もいなかった、連れ去られた。早く・・・早く助けないと。チッ体が言う事聞かねぇ、こんな所で伸びてる暇なんてないのに」
そんな時、奏斗に日頃から言われていた言葉を思い出した
「根性見せろや!!」
いつもガサ入れする時に言われていた、疲れを見せるとすぐに怒鳴られるから疲れを見せまいとしているうちにいつの間にか体力がついた、昔の自分に今の自分を見せたらなんて言うかな
『お前水が無いって名前に書いてるじゃん?だから水かけてやるよ』
『なんで学校来てんの?ていうか邪魔なんだから休めよ』
『お前なんていてもいなくても変わんねーんだよ』
『あーあ、なんでお前と同じ班なの?キモイからどっか行けよ』
『弱っちいチビが、幼稚園からやり直したら?』
『つえーやつになりたいなら俺に着いてこい!』
「強く・・・なれたのかなぁ」
昔の事を思い出すと自然と涙が出てくる、目を拭っても歪んだ世界はそのままだった。
夜道を歩く二つの影、イチ様と言われた人と水無が相手にしていた人物だ。
「イチ様!申し訳ございませんでした、先の戦いで取り乱しておりつい・・・」
「お前の行動力は知っている、事前に止めなかった私の責任だ、それよりどうだった?」
「どう、とは?」
「水無だよ。強かったか?」
「はい!それはもう、でも体力が無さすぎて途中から飽きてきました」
「なるほど、つまらなくなったから殺そうとしたと」
「その事は誠に申し訳ございません!」
「よいよい、別に気にしとらん、ただ、次はないと思え」
「はい!」
「体力が課題か・・・ふむ」
顎に手を当て真剣に考えるようにポツリと呟いた
「イチ様?何か仰りましたか?」
「いや、なんでもないよ、ただの戯言さ」
変な仮面をつけた背の高い人が庇っていた、目がかすみ意識が朦朧としていたためそれ以上の情報は読み取れない。
「私は殺せなんて命令していないぞ」
とても冷たく威圧的、水無は自分が言われている訳では無いのに背筋がゾッとした
「申し訳ございません」
敵はその人にひざまづき、怯えた声で謝っている、さっきまでの狂った話し方、佇まいの敵とは別人のようだ
「水無と言ったか、木ノ葉組に電話しろ」
その言葉にハッとし意識が朦朧とする中組に自分の状況、桃が行方不明だということを伝えた、電話が終わった頃には二人の気配は消えていた、水無は安心したと言わんばかりに仰向けに地面に寝転がり随分と暗く月が浮かぶ空を仰いだ
「神無もいなかった、連れ去られた。早く・・・早く助けないと。チッ体が言う事聞かねぇ、こんな所で伸びてる暇なんてないのに」
そんな時、奏斗に日頃から言われていた言葉を思い出した
「根性見せろや!!」
いつもガサ入れする時に言われていた、疲れを見せるとすぐに怒鳴られるから疲れを見せまいとしているうちにいつの間にか体力がついた、昔の自分に今の自分を見せたらなんて言うかな
『お前水が無いって名前に書いてるじゃん?だから水かけてやるよ』
『なんで学校来てんの?ていうか邪魔なんだから休めよ』
『お前なんていてもいなくても変わんねーんだよ』
『あーあ、なんでお前と同じ班なの?キモイからどっか行けよ』
『弱っちいチビが、幼稚園からやり直したら?』
『つえーやつになりたいなら俺に着いてこい!』
「強く・・・なれたのかなぁ」
昔の事を思い出すと自然と涙が出てくる、目を拭っても歪んだ世界はそのままだった。
夜道を歩く二つの影、イチ様と言われた人と水無が相手にしていた人物だ。
「イチ様!申し訳ございませんでした、先の戦いで取り乱しておりつい・・・」
「お前の行動力は知っている、事前に止めなかった私の責任だ、それよりどうだった?」
「どう、とは?」
「水無だよ。強かったか?」
「はい!それはもう、でも体力が無さすぎて途中から飽きてきました」
「なるほど、つまらなくなったから殺そうとしたと」
「その事は誠に申し訳ございません!」
「よいよい、別に気にしとらん、ただ、次はないと思え」
「はい!」
「体力が課題か・・・ふむ」
顎に手を当て真剣に考えるようにポツリと呟いた
「イチ様?何か仰りましたか?」
「いや、なんでもないよ、ただの戯言さ」
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