ヤクザとJK?!

あさみ

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二章学校行事

授業参観⑤

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授業がようやく始まった、後ろにはクラスメイトのご家族、わざわざ化粧やらスーツやらで格好良くなっている、それと同じように先生もスーツ、普段は毎日同じ服を着ている教師もこの日だけはピシッとしている、そしてそのキッチリとした大人たちの様子に高校だから慣れてきたとは言え緊張する生徒たち、これこそ授業参観の醍醐味だ、帰ってから偉いねと誉められる人もいればもっとハキハキしろと怒られたり教師、他の親御さんの話をする家もあるだろう、それこそ家族だ。だが・・・。



「このthatは何の用法でしょうか・・・す、凉華すずか君」
「関係代名詞のthatです」
「正解・・・」
親御さんから見れば緊張している先生だが私から見た先生は緊張どころか怯えているように見える、勿論理由は分かっている・・・
「桃当てられないのかな」
小声でそう呟く人のスーツにはキラキラ光る繊維が織り込まれておりタイピンは蛇のモチーフ、そして極めつけはのマークが入っているボタン、尋常じゃないのは一般人から見ても分かるが地元の人からしたらそんなことはどうでもいい、たとえ地味なスーツでもあれと同じボタンがついていれば誰でも分かる、凶悪なヤクザの中でも無名ではあるがどこにも見劣りしない組織、『木ノ葉』の者であると。
「(奏斗さんなんで木ノ葉マークのスーツ着てきたあぁぁぁぁ!!!!!)」
さっき呼ばれたときには気づかなかったが水無さんも奏斗さんも同じボタンを付けている、先生だけではない、親御さん達もちらほらと気付いている人がいるようだ、こんな調子で授業が進んで大丈夫だろうか、ちなみに木ノ葉組を知っているのは地元民だけが昔騒動を起こしてその名を轟かせたらしい、しかし元々無名にひとしかったためそこまで大層な話にはならなかったそうな、奏斗さんにその事を聞くと
 

『うちの島に粗末なヤク流しやがったからちょっとヤキ入れただけだ、それにうちみてーな正統派は名前知られる方が色々と便利だったりするんでな何するにしてもツテは大切だからな』


だ、そうで。ちなみにこの話を聞く限りでは木ノ葉の存在を認識したのは家族または友達、恋人、知り合いのどこかにそのに関わった人物がいる人だけだ、だから先生の反応には驚いた、いや意外と当たり前なのかもしれない『関わった人物がいる人』だけと言ったが『関わった人物がいる人』の知り合いだって知っている、田舎じゃ噂話はすぐに広まるから。
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