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番外編
特別編~木葉奏斗の始まり
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俺は奏斗今は木葉っていう苗字を使っている。けど俺は昔は違う名前だった、変わったのには酷い親と一人の優しい老人の家族が関係していた。
俺には家族がいた、昼から酒、煙草を呑む無職のオヤジ、いつもお洒落をしてキツイ香水を付けてどこかに行く母、記憶にはもうほとんど残っていない優しく体の弱い家出した姉、そして俺、俺の役割は朝に親の酒やゴミを捨てに行きそのあとは机におかれた五百円を手にランドセルを担ぎ家を出る、ご飯を買って学校に行って。終わったらすぐに帰らないと怒鳴られ殴られ、それが当たり前だった、付き合いの悪い俺は学校にも居場所がなかった、最初は本当に悪ふざけから始まってどんどんエスカレートしていき、教師にも見捨てられた。自我の芽生えがまだだった俺はこの状態をどうすればいいかなんて分からなかった、そんなある日
「やーい、卑し子の癖に道の真ん中歩いてんじゃねーよ、てかなんで学校来てんだよ!」
一人のいじめっ子は私に石を投げてきた、それが帽子をかぶった奏斗に直撃、ちいさい石だったから良いものの物事の良し悪しがわからない子供のすることは残虐で卑劣なものばかり
「ならどうしろってんだよ・・・」
とぼとぼといつもの様に家に帰ると父と母は見当たらない。いや、それ以前に・・・
「だれ・・・?」
半開きの扉を開けると大人数の大きな男たちが一斉にこちらを向く。父親よりも逞しい体つきをしたその人達の中にひっそりと佇む老人、その異様な光景に不思議と恐怖は無かった、ただ呆然とその光景を見ているだけだった
「その、その子を売ります!!だから、俺の借金はチャラにしてください・・・」
「えっ・・・」
他の男と同じ黒い服を着た男の人に父は捕まっていた、そしてその父は懇願するように弱々しいが振り絞る声で俺を売ると言った
「ほぉ?実の息子を売るとは、どこまでも落ちぶれておるのぉ」
俺の方からゆっくりと父の方に向き直る老人は呆れたように父をバカにした
「そ、そいつは妻の不倫で出来たやつだ!俺と血の関係はない!」
「ハッハッハ、こいつはもう人として終わっておるな、連れて行け」
「や、やめてくれ!そいつを売るって!だからあと1週間だけでも!」
「駄目じゃ駄目じゃ、お前さんはもう信用ならん」
「お、お父さんを連れてかないで」
「ん?」
俺は拙い言葉を繋いだ、いくら酷い人とはいえ家族だ
「お父さん、お小遣いくれるの、悪くないよ、悪いのは僕が卑し子だから、お父さんは、わるくないよ、だから、やめて」
子供の舌足らずな言葉で伝えられるか不安になりながら1つづつ丁寧に言った
「・・・坊主小遣いはいくら貰っとる?」
父に話すとのは違う声色で老人は優しく話しかけてきてくれた
「ごひゃくえん」
「何に使っとる?」
「朝ごはんと夜ご飯」
「他には?」
「それだけ、お釣りはブタさんの中」
「ブタさん?」
「お金入れるの」
「貯金箱か、それは今ある?」
「うん」
「見せてもらえるかい?」
「うん」
「ま、待て!豚の貯金箱って!」
「お前さんは黙っとれ」
「うっ・・・」
威圧のあるその声に父はビビり黙った
「えっとね、えっと・・・あれ?ない、ないよぉ」
しばらく探しても見つからず半泣きになりながら探した、その様子を見ていた老人は未だに捕まっている父に冷たい目を向け言った
「本当の事は言わんのかい?」
「な、なんだよ、俺は何も・・・」
「はぁ、ならゴミ袋に捨てられてる・・・コレは何だ?」
老人はお酒の缶ばかりが入ったゴミ袋に手を突っ込みピンクと白の破片を取り出した
「そ、それは」
「お前さんには心底呆れさせられる、連れて行け」
「待っ、待ってくれ!必ず!必ず来週には返す!」
そんな叫び声は聞こえんとでも言うかのように無視し子供に近寄った
「坊主、もう大丈夫だよ、探さなくて」
「でも、お父さんが」
「腹に顔に頭に、あぁ、辛かったろう、痣がこんなに」
「えっと、これはね、僕がドジだから転んだだけで」
「転んで腹に痣が着くのか?顔に痣が出来るほど強く打ったのか?」
「えっと、えっと」
学校でいつも言う言葉、反論されたことがないのでなんと言えばいいか分からない
「親に殴られたんだね?大丈夫だよ、私は君を怒らない、言うことは悪くないんだよ」
「お父さんに、怒られる、僕は、転んだんだよ・・・」
本当は自分を助けて欲しいとは思う、しかし父がいる限り自由に発言することすら出来ない
「弦様、そろそろお帰りの時間ですが・・・その子どうしますか?」
「組にしばらく置こう、中学を出るまでは世話してやってくれ」
「はい」
「あと、メンタルケアも」
「はいお坊ちゃん、こっちにおいで」
「僕、どうなるの?」
「中学出るまでは俺らと家族になるんだよ」
手を引かれ歩きながら教えてくれた、わざわざ中腰になってこっちを見ながら優しい声で
「家族?」
「そう、家族。そこは誰も君を殴らないし怒鳴らない」
「本当?」
「うん、本当、ご飯もちゃんと食べられるし暖かいお風呂も入れる、怪我の手当もして貰えるしおやつだって食べられる」
「本当?」
「本当」
「ふぅん、でもお父さんが」
「大丈夫、君とお父さんはしばらく会わないよ、君が恐がってるものは無くなる」
「僕は、じゆう?」
「そう、自由だよ」
とても信じられない、そんなのまるで、まるで今までと真逆じゃないか。
そして木ノ葉組に迎え入れられるようになった、木ノ葉組は奏斗のように借金をした親の子供や家出した子を保護しているそんな子が将来組員になる事も数少ないがいる。
俺には家族がいた、昼から酒、煙草を呑む無職のオヤジ、いつもお洒落をしてキツイ香水を付けてどこかに行く母、記憶にはもうほとんど残っていない優しく体の弱い家出した姉、そして俺、俺の役割は朝に親の酒やゴミを捨てに行きそのあとは机におかれた五百円を手にランドセルを担ぎ家を出る、ご飯を買って学校に行って。終わったらすぐに帰らないと怒鳴られ殴られ、それが当たり前だった、付き合いの悪い俺は学校にも居場所がなかった、最初は本当に悪ふざけから始まってどんどんエスカレートしていき、教師にも見捨てられた。自我の芽生えがまだだった俺はこの状態をどうすればいいかなんて分からなかった、そんなある日
「やーい、卑し子の癖に道の真ん中歩いてんじゃねーよ、てかなんで学校来てんだよ!」
一人のいじめっ子は私に石を投げてきた、それが帽子をかぶった奏斗に直撃、ちいさい石だったから良いものの物事の良し悪しがわからない子供のすることは残虐で卑劣なものばかり
「ならどうしろってんだよ・・・」
とぼとぼといつもの様に家に帰ると父と母は見当たらない。いや、それ以前に・・・
「だれ・・・?」
半開きの扉を開けると大人数の大きな男たちが一斉にこちらを向く。父親よりも逞しい体つきをしたその人達の中にひっそりと佇む老人、その異様な光景に不思議と恐怖は無かった、ただ呆然とその光景を見ているだけだった
「その、その子を売ります!!だから、俺の借金はチャラにしてください・・・」
「えっ・・・」
他の男と同じ黒い服を着た男の人に父は捕まっていた、そしてその父は懇願するように弱々しいが振り絞る声で俺を売ると言った
「ほぉ?実の息子を売るとは、どこまでも落ちぶれておるのぉ」
俺の方からゆっくりと父の方に向き直る老人は呆れたように父をバカにした
「そ、そいつは妻の不倫で出来たやつだ!俺と血の関係はない!」
「ハッハッハ、こいつはもう人として終わっておるな、連れて行け」
「や、やめてくれ!そいつを売るって!だからあと1週間だけでも!」
「駄目じゃ駄目じゃ、お前さんはもう信用ならん」
「お、お父さんを連れてかないで」
「ん?」
俺は拙い言葉を繋いだ、いくら酷い人とはいえ家族だ
「お父さん、お小遣いくれるの、悪くないよ、悪いのは僕が卑し子だから、お父さんは、わるくないよ、だから、やめて」
子供の舌足らずな言葉で伝えられるか不安になりながら1つづつ丁寧に言った
「・・・坊主小遣いはいくら貰っとる?」
父に話すとのは違う声色で老人は優しく話しかけてきてくれた
「ごひゃくえん」
「何に使っとる?」
「朝ごはんと夜ご飯」
「他には?」
「それだけ、お釣りはブタさんの中」
「ブタさん?」
「お金入れるの」
「貯金箱か、それは今ある?」
「うん」
「見せてもらえるかい?」
「うん」
「ま、待て!豚の貯金箱って!」
「お前さんは黙っとれ」
「うっ・・・」
威圧のあるその声に父はビビり黙った
「えっとね、えっと・・・あれ?ない、ないよぉ」
しばらく探しても見つからず半泣きになりながら探した、その様子を見ていた老人は未だに捕まっている父に冷たい目を向け言った
「本当の事は言わんのかい?」
「な、なんだよ、俺は何も・・・」
「はぁ、ならゴミ袋に捨てられてる・・・コレは何だ?」
老人はお酒の缶ばかりが入ったゴミ袋に手を突っ込みピンクと白の破片を取り出した
「そ、それは」
「お前さんには心底呆れさせられる、連れて行け」
「待っ、待ってくれ!必ず!必ず来週には返す!」
そんな叫び声は聞こえんとでも言うかのように無視し子供に近寄った
「坊主、もう大丈夫だよ、探さなくて」
「でも、お父さんが」
「腹に顔に頭に、あぁ、辛かったろう、痣がこんなに」
「えっと、これはね、僕がドジだから転んだだけで」
「転んで腹に痣が着くのか?顔に痣が出来るほど強く打ったのか?」
「えっと、えっと」
学校でいつも言う言葉、反論されたことがないのでなんと言えばいいか分からない
「親に殴られたんだね?大丈夫だよ、私は君を怒らない、言うことは悪くないんだよ」
「お父さんに、怒られる、僕は、転んだんだよ・・・」
本当は自分を助けて欲しいとは思う、しかし父がいる限り自由に発言することすら出来ない
「弦様、そろそろお帰りの時間ですが・・・その子どうしますか?」
「組にしばらく置こう、中学を出るまでは世話してやってくれ」
「はい」
「あと、メンタルケアも」
「はいお坊ちゃん、こっちにおいで」
「僕、どうなるの?」
「中学出るまでは俺らと家族になるんだよ」
手を引かれ歩きながら教えてくれた、わざわざ中腰になってこっちを見ながら優しい声で
「家族?」
「そう、家族。そこは誰も君を殴らないし怒鳴らない」
「本当?」
「うん、本当、ご飯もちゃんと食べられるし暖かいお風呂も入れる、怪我の手当もして貰えるしおやつだって食べられる」
「本当?」
「本当」
「ふぅん、でもお父さんが」
「大丈夫、君とお父さんはしばらく会わないよ、君が恐がってるものは無くなる」
「僕は、じゆう?」
「そう、自由だよ」
とても信じられない、そんなのまるで、まるで今までと真逆じゃないか。
そして木ノ葉組に迎え入れられるようになった、木ノ葉組は奏斗のように借金をした親の子供や家出した子を保護しているそんな子が将来組員になる事も数少ないがいる。
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