ヤクザとJK?!

あさみ

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二章学校行事

授業参観② 奏斗目線~

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「優しい親戚とは思っていますが親だとは思えません」
「そ、それは」
「それに私からすれば奏斗さんと住む世界が違いすぎて時々怖いんですよ、だから学校に来られるのに抵抗があるんです、分かってくれませんか?」
「うぅ、でも・・・」
その言葉がずっしりと心にのし掛かった、確かに親ではない。住む世界が違うのも分かっている、だが愛娘のように愛でてきた桃にそんなことを言われるとは思っておらずどう言い返せばいいのかわからない
「とにかく来ないでくださいね、もし来ても一人二人、豪華な送迎も要りません」
そういって桃は自分の部屋に戻っていった、取り残された奏斗は顔を抑えハァーっと大きなため息をついた
「ん?よぉ、奏斗。どした」
「桃に嫌われた、桃に嫌われた・・・」
「んぁ?どうした急に、とりあえずこれでも食え」
いきなり現れた菊一から持っていた大きなアタリメを渡された、取り敢えずそれを手に取り口に運んだ
「ん、今日のはちょっと辛いかも」
「だろうな、この前のが味薄かったから今回はイカを塩漬けにして干したんだけど辛くて一人じゃ食えんだからやる」
アタリメはいつもの姉特製だ、だからいつも味が違うし美味しい時もありゃ不味いときもある、今回のは失敗かな
「姉さんいつもアタリメこれ作ってるけど飽きないの?」
「は?お前は私が作ったアタリメに飽きたか?」
「いや、そうじゃなくてさ。作るよりも買えばいいのにって思うから」
「金欠の癖によう言うなー、んなだから阿呆なんや」
「・・・」
久し振りに菊一の変な言葉を聞いて軽く圧をかけてみた
「お?いっちょまえに文句か?ゆうてみぃや、そげんわっちには無意味やに」
「変人」
「はぁ?なんば言いよっと、どこが変人やねん、おまんこそ変人やろ、からかうんやったらいてこますぞ?」
「・・・姉さん。方言出てるよ、何て言ってんのか分かんないよ」
「はぁ?あ、ご、ゴホンあー、うん。忘れろ、今すぐ」
「分かったので殴らないでください」
「えー。でだ、なんの話だっけ?」
「桃に嫌われた」
「なんでそこから方言の話になったんだか」
「認知しょ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
認知症と言おうとしたら拳を振りかざかれたので謝るしかない
「よーし。まぁ、嫌われたっつっても単純にその横暴な性格のせいだろ、桃の立場のことも考えてやれ」
「横暴。桃の立場・・・」
「まぁ、ずっとこんな古ぼけた屋敷から出てなければ世間様なんぞ目にも止まらねぇか」
そういって菊一はぐるっと部屋を見渡した、それにつられて奏斗も見渡す
「元々大切な場所のはずなのに、今じゃこんな屋敷には戻りたくないね」
「姉さんは何を思ってここを捨てたのか知らないけど少なくとも俺は死ぬまでここで今の仲間達と続けたいって思ってるよ」
感傷に浸っている、奏斗がどれだけが好きか菊一は察している、察した上で奏斗に聞こえぬよう呟やいた
「どうせ、無くなるのに・・・」
「ん?なんか言った?」
「まぁ、つまりあれだ、桃に嫌われたくないなら桃の言う通りにしたら正解だってこと」
「言われたこと?」
「送迎はいつも通り、来るのは一人二人、まぁ、変なことしなければ大丈夫だろ」
「うーむ、仕方ないな、明日は俺と・・・」
「自分も行って良いですか?」
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