ヤクザとJK?!

あさみ

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二章学校行事

友達

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「ももちー!一緒に帰ろ!」
声をかけてきたのは学校で一番仲の良い瀬良せらだ、明るい性格でハキハキした物言いに惹かれる人は少なくない、初めて会ったときは苦手なタイプかと思ったが話しているうちに親友と呼べる人になった
「瀬良・・・ごめんね今日ちょっと用事あるから先帰るねー!」
「えぇー!まぁ、しゃあないか、なんか知らんけど頑張れー」
「ありがとー!」
そう言ってダッシュで下足ロッカーまで降り校門前で車があるか確認した、黒塗りの大きな車が今日もそこにある、周りを伺い人が見ていないところでバッと飛び乗った、車が出るまで外に顔向け出来ない、そんな日々に疲れきっているのにまた疲れの種が増えそうです
「それじゃあ、プリント配ったら終わりなー」
そう言って担任がプリントを何枚か配った、その中の一枚に「授業参観のご案内」と書いてあった、周りは高校生にもなって恥ずかしいだろうが私にとってはそんなことを言えるのが羨ましいと前まではそう思っていた、しかし今となっては違う、授業参観なんて奏斗さんに伝わったらどんなになるか。
「はあぁー」
「桃どうしたの?授業参観の事?」
「神無・・・うーん、そんなとこ」
「そっかぁ、でも大丈夫だよ私のところも今回は来れないかもだから」
「そっか、お互い大変だね」
この子は神無かんな、家族が両働きで家に帰ってもほとんど一人きりらしい、昔は兄がいたが成人してからの行方を聞いていないようだ、親と話すよ機会がただでさえ少ないので聞けていない状況が続き今に至る。お父さんは無口で誠実な人、だがお母さんには頭が上がらない様子。一方のお母さんはおおらかで滅多に怒らない優しい人。そして神無の記憶に残っているお兄さんは父親に似て真面目で誰にも分け隔てが無い優しい人だったと、ただ何でも形から入ろうとするのでそれで失敗したこともあるらしい、聞けば聞くほど羨ましい、神無もとはちょっと違うがどうにかすれば会えるのでやっぱりいいなと思う、他人を羨ましく思うのは完全に癖のようなものだろう、羨んだって手にはいらないのを理解しているのに
「神無や桃はいいなー、私なんて親二人とも来るとか言い出すんだよ!うっとおしいったらありゃしない!」
ふと後から入ってきた瀬良の意見に神無は食い付く
「私は瀬良が羨ましいよ、だって会いたいときに会えるしご飯だって作って貰えるんでしょ?」
「そりゃそうだけど・・・」
「人は誰しも無い物ねだりするから仕方無いよ」
「そうは言っても・・・桃は?言われっぱなしで良いの?」
「私から見たら神無も羨ましいよー?ま、授業参観とかで怒られることは無いからその辺は得かもしれないけど」
「そーだよー、怒ることは成長の妨げだってネットに書いてたよ!本当に親は分かってないなー」
「またネットに流されて、そういうの好きだねぇ」
「良いじゃん!」
今日もいつものように他愛のない会話、親がどうこうよりも今は一生の友達がいたほうが良いのかもしれない、学校ここでは私も誰とも違わぬ普通の女の子になれるから。
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