ヤクザとJK?!

あさみ

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一章 ヤクザとの出会い

家族は大切に

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数学に手をつけて半分ほどが終わるとピタッと手が止まった、分からない、どうするのだろうか?うーん、と考えていると奏斗が気付き覗いてきた
「どうした?桃、分からないのか?教えてやろう!」
いつものように調子のいい声で言っていたが問題を見せてしばらく考えていたが分からないようだ
「あの、分からない問題は一旦飛ばして明日先生に聞きます、宿題を早く終わらせますので返してください」
「いや、もう少しだけ待ってくれ、やったことはあるはずなんだけどなぁ」
悩みだして全く動かない、悩みだしたら止まらないタチなんだろう、仕方なく隙間から見える問題を解いてみようとしたが見えても情報が不十分すぎて分からない、返してと言ってももう少し、あとちょっと。と言われる、諦めていると源がお茶をもってやって来た
「おや、お嬢宿題中ですか?」
「あ、源さん・・・、奏斗さんが問題集を返してくれないんですよ、私が分からないから教えようとずっとにらめっこ状態です」
「あらら、それは大変ですね、頭、桃ちゃんが宿題出来なくて困ってますよ」
「んあ?桃困ってるのか?すまんな、つい夢中になっちまって」
「いえ、大丈夫です、奏斗さんこそわざわざ考えていただいてすいません」
「俺はいいんだ、力になれず申し訳ない」
「私でよかったら教えましょうか?」
「え?源さん出来るんですか?」
予想外の助け船に驚いた
「分かりませんが見たところ基本問題のようですし多分大丈夫かと」
「なら教えて欲しいです」
「良いですよ、少しだけ考えさせて下さいね・・・」
そう言うと源はじっと問題を見つめ何かをサラサラと書いていった、数分もかからずに手を止めた、そして得意気にこっちを向き分かりましたよ、と言った
「本当?!教えて!」
「良いですよ、コレは例題と同じようにこの公式に当てはめて・・・そしたらここがでてくるでしょ?」
確認しながら、ペンで指しながら解説してくれるので分かりやすい
「はい」
「そしたらこれからこことここに別けて、こっちも公式使えるよね?」
「あっほんとだ!」
問題がぐちゃぐちゃで分かりにくかったが言われてみると数学が苦手な私でもあっさりと理解できる、書いてあることを後から忘れぬように解説も書いてくれた
「うん、それで解くと、はい終わり。これでよかったはずです」
「わぁ、源さん教え方上手いですね!」
「そんなこと無いんだけどなぁ、ただ数学だけなら昔少し好きだったからこのぐらいならまだ解けるかな」
「数学出来るんですか?!私出来ないのでまた教えてください」
「えっと、ま、まぁ、時間があれば」
チラッと放置されていた奏斗を見ると凄い形相で睨まれていた、自分ではなく源が桃の役にたったからだろう、源は後で逃げようと思った上で桃に返事した、その後は宿題をコツコツと終わらせ背中を伸ばした 
「んー、終わった!」
「お疲れ様です、頭呼んできましょうか?」
「うーん・・・もう少し後でも良い?」
「分かりました、お茶飲みますか?」
「いいえ、遠慮しておきます」
「ん?」
「え?」
「何故今さら敬語で?」
「あ、いえ、ふと思ったんですが皆さん当たり前ですが私より年上だし仕事?もしてるんだから敬うべきなのかなぁって」
「ふふ、変な気遣いは要りませんよ、ここは『家族は大切に』を目標としているんです、この組の人は皆、だから皆上の名前では呼ばない、皆姓名を持たない家族を大切にしてるんです、勿論貴方ももう一人の家族ですよ」
「私が?そんな・・・おこがましいですよ、私はただの学生で皆さんはヤクザ、私がそんな人達と家族なんて、」
「やっぱり嫌ですよね、ヤクザと家族なんか、女子高生からしたらヤクザなんて程遠い存在だし凶悪で恐れる対象ですもんね」
源の自分を卑下するような言葉に少し苛立った
「そんな事、言わないで下さい、私はヤクザが嫌いだから嫌と言ったのではなく私が未熟過ぎるからです」
「ふーん、でも実際はどうだか、本当は心のどこかで恐怖して怯えてない?」
流石にそこまで言われると頭に来て叫んだ
「何故そこまで自分を卑下するんですか!奏斗さんや奥田さん、勿論貴方も本当は優しいの知ってます!自分を卑下していては家族なんか大切に出来ません!」
そこまで叫んで源はポカンとした顔で桃を見ていた、桃自身は顔が興奮で赤くなっているのを悟り後ろを向いた、目元も熱いと思い手を顔に当てると目から水が垂れていた、いつのまにやら泣いていた、声を殺していたが体が揺れるため源に心配された
「お・・・も、桃ちゃん、その、ごめんね、昔みたいに小さくて無知な子供じゃないから、私達が怖くていつか離れていくって考えると・・・少しゾッとして、ごめんね、試すような真似して、も、もう何も言わないから」
ハッキリとした声で告げる言葉は優しかった、それと同時に自分はこの人達の知っていたでな無いのだと思った、これから私は皆に学生の私をアピールしようと決意した、しかし、私は自分の事で手一杯だったことを、源のかける優しい言葉の裏に何があるのかを知るのはまだ先の話
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