ヤクザとJK?!

あさみ

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一章 ヤクザとの出会い

奏斗の絡み

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今日も学校が終わると久しぶりにあの日本家屋に向かった、門の前にいる二人はこの前と同じだった
「こんにちは、お久しぶりです!」
「おお!お嬢さんか、こんにちは」
奥田は少し大袈裟に驚いて安心した顔になった
「あっ、こんにちは!お嬢!」
もう一人の知らない男はばっと頭を下げた、ビックリして驚いていると奥田はその場にいた彼を紹介してくれた
「お嬢さん、彼は水無みな、今週は俺らが当番でな、前の事を反省してお嬢さんに軽く会釈するように言ったんだが・・・やりすぎだ、水無、お嬢さんが引いてるぞ」
「あっすいません、自分あんまり人と話さないものでして」
「私は大丈夫だよ、それより、源さん居ますか?」
「いるぞ、今日は頭と一緒に、でも機嫌悪いし、どうかな・・・」
「源さん機嫌悪いんですか?」
「いや、源じゃなくて・・・」
「?」
屋敷に入り一つの部屋の中を覗くと殺気だっている奏斗がいた、鋭い目付きで紙を睨み神経を尖らせているのが分かる
「ひっ、何ですかあれ」
今までの見たことのない剣幕に怯えながらも冷静に小声で話した
「この前お嬢さんが遊びに来たのを水無が頭に言いやがって、そっからずっと不機嫌で俺達には手の付けようが無いんだ、お嬢さん、どうにかしてくれねぇか?」
最初に会ったときに安心した顔をしたのはこのせいだろう、「俺も桃さんって名前で呼んでたの怒られたし・・・」と疲れた顔をして愚痴っている、しかし
「怖いです・・・」
いくらなんでも怖すぎる、親戚だと分かっていても不機嫌なヤクザなんて相手に出来ない、怖くてイヤイヤと首を降っていると源が来た
「あ、桃ちゃん!助けてくだせぇ!」
と青ざめた顔でばっと肩を捕まれた、何事かと一瞬思ったが大体予想がつく
「頭が最近酷いんです、理不尽にキレるし、不機嫌で近づけないし、何より私にだけ酷く当たるんですひえーん」
嘘泣きを交えていたので実は余裕では?と思ったが可哀想なので横に振っていた首を縦に振った
「私、頑張ります・・・!」
「ありがとう!桃ちゃん!」
「ありがとな、お嬢さん」
勢いで言ったは良いものの、怖くてももう引き返せない、扉を開け後ろを向けている奏斗に近寄った、ドッドッと心拍数が上がるのが分かる、深呼吸した後に声を出した
「あのっ、奏斗さん・・・」
振り向いた瞬間は鋭い目付きだったがすぐにビックリした顔になりその後デレッと笑った
「桃ー、きてたのかぁ、よくきたなぁ、おいで」
いかにも甘やかす声を出しながら紙を置き手招きした、仕方なく近寄ると手を引かれ奏斗の上に座る形になった
「あの、」
「ん?嫌だったか?」
犬のようにシュンと見つめる目に嫌とは言えなかった、仕方なくそのまま前を向くとさっきまで奏斗が見ていた紙に目を落とした、そこには火器銃器や人の顔がかかれていた、ヤクザ関係の物だと一目で分かる
「仕事しなくていいの?」
「んー?あぁ、それか、源ー!」
「はい、呼びましたか?」
さっきの青ざめた顔はどこへやら、ケロッとした笑顔でやって来た
「コレかたせ、俺は桃と遊ぶ」
「はいはい、良かったですね」
「あぁ、」
ふんわりと抱きつかれて苦しいながらも少し暖かく感じる、お父さんがいたらこうだったのかな、といない人物と照らし合わせてしまい申し訳なくなったが、幸せだと久しぶりにそう思った
「あの、奏斗さん、宿題したいので離してくれませんか?早くしないと終わらない・・・」
「ん?いいぞ、手伝ってやろう!」
「いえ、自分でしたいのでいいです」
「でも、早く終わらせて桃と遊びたい・・・」
子供がねだるような声にどうも母性本能がくすぐられる、甘やかしちゃ駄目だと思いつつもつい仕方ないという考えが出てくる。いや私は何なんだ、母親か?違うだろ、ここは断らないと。チラッと奏斗を見ると子犬の目がこちらに向けられていた
「う!わ、分かりましたよ、出来るだけ早く終わらせるので待っててください」
「分かった」
少し近くにいただけなのになんとなく奏斗さん扱い方が分かってきた、犬のように忠実で番犬のように警戒心が強い、近寄ると喜んで離れると寂しがる、飼い犬を見ているようだ、ホントにヤクザか?この人・・・
「なぁ、桃、この前ここ来てたのか?」
「はい、前は単なる興味本意でしたが源さんと話して楽しかったのでまた来ました」
宿題を準備しつつ返答してハッとしたがこの答え方で良かったのだろうか
「そうか、まぁそれでまた来てくれる気になったなら源に感謝だな、桃も、ヤクザは怖いんだろ?それなのによく来てくれたな、これからも遊びに来てくれ、いつでも大歓迎だぞ!」
「あ、ありがとうございます」
ほんの少し予想外で驚いたが嬉しそうで何よりだ、これで源さんや奥田さんも平穏に過ごせるだろう、チラッと廊下を見ると奥田さんが親指を立てていた、良かったと思い宿題を始めた、今日の宿題は英語と数学、数学が苦手なので先に英語をしよう、英語の単語を見たり教科書の問題を解きをさっさと終わらせ苦手な数学に時間を回した。
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