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一章 ヤクザとの出会い
退屈な日常
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その日、夕焼けに染まった空を見ながら家に帰る途中、怪我をしている人がいた、流石に無視するわけにいかず、声を掛けたが少し苦しそうだった。
「大丈夫ですか?絆創膏良ければどうぞ」
「あ、ありがとう、急いでて、転んだだけです、それでは」
よろっと立ち上がった男の人は走ってその場から去っていった、渡した絆創膏は持っていってくれたので大丈夫だろうと思い自分も帰ろうと立ち上がった。
家に着くと鍵を開け、扉を開き、電気をつけ誰も居ない部屋に向かってただいま、と言う。いつもと変わらない日常、何か変わって欲しいとも思わないし、一人は慣れっこだ、今日も明日も何も変わらない、いや久し振りに知らない人と喋ったかな、怪我をしていてスーツをしっかりと着ていた、
「不思議な事もあるんだなぁ」
私、蒼井桃は今日を振り返り夕食を作っていると電話が鳴った、その電話は祖母からだった
「なぁに?おばあちゃん」
「あぁ、桃ちゃんかい?あのねぇ、親戚の和田さん、覚えてるかい?あのひとねぇ、結婚するってさぁ」
ゆっくりと、でもしっかりとした声で話している、祖母も八十を迎えると言うのに元気そうで何よりだ
「和田さんが?おめでとう!あの人昔よく遊んでくれてたよね」
「えぇ、懐かしぃわぁ、それでね、その結婚式出ないかって言われたのよぉ、でも年だから代わりに孫を行かせても良いかって言ったらいいって、だからお願い出来るかしかぁ?」
「なんだ、いいよ!明日休みだしおばあちゃん家に行くからまた話してね」
「はいはい、まってるわねぇ、」
そして受話器を置き夕食作りに戻った、両親は中学に入ってすぐ事故で亡くなってしまい今は独り暮らし、おばあちゃんは一緒に住もうか?と言ってくれたが高校生だから大丈夫と断った、慣れればどうってことないがたまに人肌が恋しくなる
「いただきます」
変わらない日常、起きて食べて学校に行って、帰ってきて食べて寝る。何も変わらない、どこか心の拠り所があれば良いのに、といつもと同じことを考えながら食事を済ませる。
翌日、定期とお財布を持って出掛けた、途中おばあちゃんが好きなおはぎでも買って行こうかな、そんなことを考えているとあっという間に着いてしまった、駅を出ると電話が鳴った、友達の瀬良からだ
「もしもし?どうしたの瀬良」
「あっ、ももー?あのね今日一緒に買い物に行かない?」
「ごめんね、今日はおばあちゃん家に行くんだ、また今度誘って」
「そっかぁ、残念ならまたねー」
ぶっと切られた、瀬良は良い友達ではあるがちょっと突っ掛かりにくい、でも明るくて皆に好かれているから私も好きだ。
「って、ここじゃ邪魔になっちゃう、和菓子屋、どこだっけ」
結局携帯を見ながら祖母の好きなおはぎが売っているいつもの店に着いた
「おばさん、久しぶりです」
「ん?まぁ、桃ちゃん大きくなってぇ今日はよもぎ饅頭かい?それともおはぎ?」
小さい頃からここの饅頭が大好きだった私だが今欲しいのは祖母の分だけなので
「あ、これからおばあちゃん家に行くのでおはぎ三つ入り下さい」
「はいよ、三つで二百五十円ね」
「はい、いつもありがとうございます」
「良いのよ、また来てねー!」
「はーい」
そしておはぎ片手に祖母の家に向かった。
「大丈夫ですか?絆創膏良ければどうぞ」
「あ、ありがとう、急いでて、転んだだけです、それでは」
よろっと立ち上がった男の人は走ってその場から去っていった、渡した絆創膏は持っていってくれたので大丈夫だろうと思い自分も帰ろうと立ち上がった。
家に着くと鍵を開け、扉を開き、電気をつけ誰も居ない部屋に向かってただいま、と言う。いつもと変わらない日常、何か変わって欲しいとも思わないし、一人は慣れっこだ、今日も明日も何も変わらない、いや久し振りに知らない人と喋ったかな、怪我をしていてスーツをしっかりと着ていた、
「不思議な事もあるんだなぁ」
私、蒼井桃は今日を振り返り夕食を作っていると電話が鳴った、その電話は祖母からだった
「なぁに?おばあちゃん」
「あぁ、桃ちゃんかい?あのねぇ、親戚の和田さん、覚えてるかい?あのひとねぇ、結婚するってさぁ」
ゆっくりと、でもしっかりとした声で話している、祖母も八十を迎えると言うのに元気そうで何よりだ
「和田さんが?おめでとう!あの人昔よく遊んでくれてたよね」
「えぇ、懐かしぃわぁ、それでね、その結婚式出ないかって言われたのよぉ、でも年だから代わりに孫を行かせても良いかって言ったらいいって、だからお願い出来るかしかぁ?」
「なんだ、いいよ!明日休みだしおばあちゃん家に行くからまた話してね」
「はいはい、まってるわねぇ、」
そして受話器を置き夕食作りに戻った、両親は中学に入ってすぐ事故で亡くなってしまい今は独り暮らし、おばあちゃんは一緒に住もうか?と言ってくれたが高校生だから大丈夫と断った、慣れればどうってことないがたまに人肌が恋しくなる
「いただきます」
変わらない日常、起きて食べて学校に行って、帰ってきて食べて寝る。何も変わらない、どこか心の拠り所があれば良いのに、といつもと同じことを考えながら食事を済ませる。
翌日、定期とお財布を持って出掛けた、途中おばあちゃんが好きなおはぎでも買って行こうかな、そんなことを考えているとあっという間に着いてしまった、駅を出ると電話が鳴った、友達の瀬良からだ
「もしもし?どうしたの瀬良」
「あっ、ももー?あのね今日一緒に買い物に行かない?」
「ごめんね、今日はおばあちゃん家に行くんだ、また今度誘って」
「そっかぁ、残念ならまたねー」
ぶっと切られた、瀬良は良い友達ではあるがちょっと突っ掛かりにくい、でも明るくて皆に好かれているから私も好きだ。
「って、ここじゃ邪魔になっちゃう、和菓子屋、どこだっけ」
結局携帯を見ながら祖母の好きなおはぎが売っているいつもの店に着いた
「おばさん、久しぶりです」
「ん?まぁ、桃ちゃん大きくなってぇ今日はよもぎ饅頭かい?それともおはぎ?」
小さい頃からここの饅頭が大好きだった私だが今欲しいのは祖母の分だけなので
「あ、これからおばあちゃん家に行くのでおはぎ三つ入り下さい」
「はいよ、三つで二百五十円ね」
「はい、いつもありがとうございます」
「良いのよ、また来てねー!」
「はーい」
そしておはぎ片手に祖母の家に向かった。
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