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本編
159
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ラインハルトの身体の瘴気は、浄化出来たものの今だ意識は無いままだった。
レオンくんの見立てでは、魔力と体力を極限まで使い果たした状態だから、しばらくは目を覚まさないと言われた。
ヴェインさんが
「俺がついてるから皆は休んでくれ。」
と言ってくれた。
ヴェインさんも疲れ果てた顔をして居たし、彼一人に任せてもいいものか悩んだが、彼の有無を言わせない目に大人しく引き下がることにした。
ラインハルトの部屋から出たところで俺自身も限界が来た様で、足に力が入らなくなってしまい、結局アレンに抱き上げられて部屋に送り届けられたのだった。
________
どれほど時間が経っただろうか?
目を覚ますと既に太陽が空高く登っていた。
身体が怠く重たかったが、ベットから這うようにして出る。
「………アレンは?」
寝ぼけながら回らない頭で辺りを見渡すが、彼の姿は見えなかった。
アレンの部屋に運ばれたのだが、何故か枕元の棚に俺の着替えが置かれている。
多分彼が持って来てくれたのかな。
アレンの優しさが愛おしく感じる。
皆の様子が気になり、着替えてから厨房に向かった。
廊下を歩いていると、後ろから声をかけられた。
「トオル?
もう起きて平気なのか?」
ヒューガさんが疲れを感じさせないいつもの顔で近づいてくる。
「ヒューガさん?
はい。身体は怠いですけど平気です。」
「そうか。皆無理をしたからな。
しかし、誰も命も失わなくて良かった。」
出会ってから大概、無表情なヒューガさんが心無しか笑った気がした。
彼の言葉に皆が無事だったことを悟り胸を撫で下ろす。
「ヒューガさん、あのバタバタしていて伝えられなかったですが、ありがとうございました。
ヒューガさんから貰ったお守りが無かったら、今こうして生きてられなかったと思います。
それに孤児院へも助けに来て貰ったし……。」
実際、あの御札が無かったら孤児院で襲われた時に命は無かっただろう。
「気にするな。
俺は、するべきことをしただけだ。
それよりも、執務室に行くところだが、一緒に行くか?
アレンさんもいるはずだ。」
アレンは、執務室に居るのか。
厨房に向かう前に顔だけでも見ていこう。
「はい。行きます!」
ヒューガさんは俺の返事に頷くと歩き出す。
執務室に入ると、書類の山と睨めっこをしているアレンが居た。
「トオル!目が覚めたんだな。
良かった………。」
俺に気づくと、立ち上がって駆け寄り抱きしめてくれた。
話を聞くとどうやらアレンに部屋に運ばれてから2日間も目を覚まさなかったらしい。
沢山心配をかけてしまったことに申し訳なく思ってしまう。
「アレン、心配かけてごめん…。
おかげ様で俺は元気だよ!
皆は?」
聞くとあの後のことを教えてくれた。
ラインハルトは、今だ目を覚まさないらしい。
ヴェインさんは、ずっと付きっきりで看病をしていたが、彼を心配したヒューガさんが魔法で無理矢理眠らせて交代したそうだ。
今は、ラインハルトの容態が安定しているらしくアレンに報告に来た所で丁度俺と会ったらしい。
カイルくんは、あの姿以外は特に問題は無いらしくもう壊れた隊舎の修繕を手伝っているようだ。
ライリーくんもカイルくんと一緒にいるらしい。
リオルくんとアイリーンちゃんは、まだ目が覚めて居ないが2人とも命に別状はないとヒューガさんが教えてくれた。
一通り皆の話を聞いた所でふと思い出す。
「アレン、そういえば、あのレオンくんは?」
初めて会った気がするが彼は誰だったのだろう?
「あぁ、あいつはな…。」
アレンが口を開いた時、執務室の扉にノックの音が響く。
アレンが応えるとちょうど噂をして居たレオンくんが入ってきた。
「失礼します。
ここにアレンさんが居るって聞いてきたんですけど…?
あ、トオルさん!
目を覚まされたんですね!」
彼は俺を見ると執務室に入ってきた。
「俺は、これでラインハルトの所に戻る。」
ヒューガさんがレオンくんと入れ違いで出ていく。
ヒューガさんとすれ違う時にレオンくんが少し脅えた様子だったのは気の所為だろうか…?
「レオンちょうど良かった。
今、お前の話をトオルにするところだったんだ。」
アレンの言葉にレオンくんが頷く。
すると彼は突然、俺の前に座り込み頭を下げた。
「トオルさん、お願いします。
俺の父を助けてください!」
え?土下座!?
突然の土下座に言葉を無くしてしまった。
レオンくんの見立てでは、魔力と体力を極限まで使い果たした状態だから、しばらくは目を覚まさないと言われた。
ヴェインさんが
「俺がついてるから皆は休んでくれ。」
と言ってくれた。
ヴェインさんも疲れ果てた顔をして居たし、彼一人に任せてもいいものか悩んだが、彼の有無を言わせない目に大人しく引き下がることにした。
ラインハルトの部屋から出たところで俺自身も限界が来た様で、足に力が入らなくなってしまい、結局アレンに抱き上げられて部屋に送り届けられたのだった。
________
どれほど時間が経っただろうか?
目を覚ますと既に太陽が空高く登っていた。
身体が怠く重たかったが、ベットから這うようにして出る。
「………アレンは?」
寝ぼけながら回らない頭で辺りを見渡すが、彼の姿は見えなかった。
アレンの部屋に運ばれたのだが、何故か枕元の棚に俺の着替えが置かれている。
多分彼が持って来てくれたのかな。
アレンの優しさが愛おしく感じる。
皆の様子が気になり、着替えてから厨房に向かった。
廊下を歩いていると、後ろから声をかけられた。
「トオル?
もう起きて平気なのか?」
ヒューガさんが疲れを感じさせないいつもの顔で近づいてくる。
「ヒューガさん?
はい。身体は怠いですけど平気です。」
「そうか。皆無理をしたからな。
しかし、誰も命も失わなくて良かった。」
出会ってから大概、無表情なヒューガさんが心無しか笑った気がした。
彼の言葉に皆が無事だったことを悟り胸を撫で下ろす。
「ヒューガさん、あのバタバタしていて伝えられなかったですが、ありがとうございました。
ヒューガさんから貰ったお守りが無かったら、今こうして生きてられなかったと思います。
それに孤児院へも助けに来て貰ったし……。」
実際、あの御札が無かったら孤児院で襲われた時に命は無かっただろう。
「気にするな。
俺は、するべきことをしただけだ。
それよりも、執務室に行くところだが、一緒に行くか?
アレンさんもいるはずだ。」
アレンは、執務室に居るのか。
厨房に向かう前に顔だけでも見ていこう。
「はい。行きます!」
ヒューガさんは俺の返事に頷くと歩き出す。
執務室に入ると、書類の山と睨めっこをしているアレンが居た。
「トオル!目が覚めたんだな。
良かった………。」
俺に気づくと、立ち上がって駆け寄り抱きしめてくれた。
話を聞くとどうやらアレンに部屋に運ばれてから2日間も目を覚まさなかったらしい。
沢山心配をかけてしまったことに申し訳なく思ってしまう。
「アレン、心配かけてごめん…。
おかげ様で俺は元気だよ!
皆は?」
聞くとあの後のことを教えてくれた。
ラインハルトは、今だ目を覚まさないらしい。
ヴェインさんは、ずっと付きっきりで看病をしていたが、彼を心配したヒューガさんが魔法で無理矢理眠らせて交代したそうだ。
今は、ラインハルトの容態が安定しているらしくアレンに報告に来た所で丁度俺と会ったらしい。
カイルくんは、あの姿以外は特に問題は無いらしくもう壊れた隊舎の修繕を手伝っているようだ。
ライリーくんもカイルくんと一緒にいるらしい。
リオルくんとアイリーンちゃんは、まだ目が覚めて居ないが2人とも命に別状はないとヒューガさんが教えてくれた。
一通り皆の話を聞いた所でふと思い出す。
「アレン、そういえば、あのレオンくんは?」
初めて会った気がするが彼は誰だったのだろう?
「あぁ、あいつはな…。」
アレンが口を開いた時、執務室の扉にノックの音が響く。
アレンが応えるとちょうど噂をして居たレオンくんが入ってきた。
「失礼します。
ここにアレンさんが居るって聞いてきたんですけど…?
あ、トオルさん!
目を覚まされたんですね!」
彼は俺を見ると執務室に入ってきた。
「俺は、これでラインハルトの所に戻る。」
ヒューガさんがレオンくんと入れ違いで出ていく。
ヒューガさんとすれ違う時にレオンくんが少し脅えた様子だったのは気の所為だろうか…?
「レオンちょうど良かった。
今、お前の話をトオルにするところだったんだ。」
アレンの言葉にレオンくんが頷く。
すると彼は突然、俺の前に座り込み頭を下げた。
「トオルさん、お願いします。
俺の父を助けてください!」
え?土下座!?
突然の土下座に言葉を無くしてしまった。
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