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本編
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騎士団に向かって皆で引き返しながら、ヒューガさんとカイルくんにラインハルトから聞いた話をする。
ちなみに、俺はまたアレンに抱き上げられている…。
俺が走って居ては皆より遅くなってしまうから仕方ない…。
一通り話を聞いたヒューガさんが頷いた。
「トオルの推測は間違って無いかもしれない…。」
え?あってるの?
彼の言葉に俺だけじゃなく、アレンとヴェインさんまで驚いた顔をした。
「でも、なら、どうして王宮じゃなくて騎士団なんでしょう?」
カイルくんが首を傾げながら呟く。
「……もしかして…狙いはライリーか?」
アレンの言葉にヴェインさんが思い出した様に声を上げた。
「あ!?そう言えば、ライリー殿下が雷の固有魔法を発現した時に、初代国王の再来だ!って貴族達が騒いでなかったか?」
彼の言葉に、アレンが「そうだったか?」と首を傾げる。
……アレン。ライリーくんにもっと興味を持ってあげようよ…?
どうやら、ヴェインさんの話では、初代国王も雷の固有魔法を使っていたらしい。
その為、次代の国王をライリーくんにとする貴族が何人も居るそうだ。
本人は、婚約者を無くしてからと言うもの塞ぎ込んでしまい、それどころでは無かったようだが…。
「固有魔法は、遺伝するものじゃなく魂の色みたいな物だ。
初代国王が雷の固有魔法を持って居たならあの呪いがライリー殿下を狙うのも頷ける…。」
ヒューガさんがヴェインさんの話に更に続けた。
彼の言葉に反応したのは意外な人物だった。
「え?ライリーく…殿下が!?」
カイルくんが焦った様に呟く。
あれ?今カイルくん、ライリーくんって言おうとしなかった?
いつの間にそんなに仲良くなったんだろうか?
まぁ、14歳と16歳で歳も近いし同じ騎士団に居るのだから接点があっても可笑しくは無いかもしれないが…。
「すみません、皆さん、僕も先に行きます!」
彼は焦りながら俺達に声を掛けると思いっきり地面を蹴って近くの建物の屋根に飛び乗り、魔法を使い、さらに速度を上げながら騎士団の方へ一直線に飛び出して行った。
俺達は、その様子を唖然としながら見送る。
「カイルのやつ、いつの間にライリーと仲良くなったんだ?
あいつらに接点あったか?」
アレンがヴェインさんに問いかける。
「いや、知らなかった…。
カイルとライリー殿下じゃ所属の隊も違うし、部屋も近くは無かったと思うが…?」
ヴェインさんも何がなんやら、わからない様子だ。
でも、そっか…。
ライリーくん、あの王宮での一件以来会って無かったけど、ちゃんと騎士団に友達が出来たのか…。
よかった…。
彼の性格と身分では、騎士団に馴染めていないんじゃないかって心配だったのだが、少しだけ安心した。
「でも、ライリーくんが狙われてるなら俺達も急がないと!」
俺の言葉に皆が頷く。
「あぁ、トオル、しっかり捕まってろよ?」
アレンは俺に声を掛けると速度を更に上げた。
-———
騎士団の宿舎の近くに着くと辺りが何やら騒がしかった。
空が孤児院の時のように暗闇に覆われている。
やっぱり、奴がここに?
不意に雷の音が響く。
孤児院で見た銀色の稲妻では無く、紫がかった雷が鍛錬場に落ちるのが見えた。
「!?ライリー殿下の魔法だ!」
ヴェインさんが雷を見て叫ぶ。
もう既に戦闘になって居るのか……。
「アレンさん、ヴェインさんと先に行って時間を稼いでくれ。
トオルは、俺と奴を浄化する準備をしながら向かう。」
ヒューガさんがヴェインさんの言葉に反応して叫んだ。
「あぁ、トオル…。」
彼の言葉にアレンが俺を降ろしてキスをして来た。
彼の舌が俺の中に入って来る。
彼から暖かい魔力が流れ混んできた。
しばらくの間、彼から魔力を受け取る。
ずっとアレンに触れていて、魔力を貰って居たかいもあり、体感的には半分は魔力が回復した気がする。
これなら白魔法も1回くらいなら使えるだろう。
アレンが俺から離れ心配そうに顔を見つめた。
「トオル、大丈夫か?」
「うん…。アレンのお陰で白魔法が使えそうだよ…。
ありがとう…。」
彼は、俺の言葉に少し不安そうにしながら、俺の身体を1度強く抱きしめると、ヴェインさんと共に鍛錬場に向かって走り出した。
「トオル、やって貰いたいことを話す。」
アレン達の後ろを眺めていた俺にヒューガさんが声をかけてくる。
「うん。俺は何をすればいい?」
ラインハルトの妹を絶対に無事に助けるんだ…。
「俺がやつを閉じ込める結界を張る。
トオルには、あいつの本体である指輪を浄化して貰いたい。」
孤児院を襲撃して来た令嬢の指にあった指輪を思い浮かべる。
封印されていた怨念には、力が及ばなかった…。
俺で出来るだろうか…。
「大丈夫だ。俺も奴の穢れを抑えるのに協力する。
それにあれだけの穢れを祓うのは、お前の白魔法にしか出来ない。
ラインハルトの妹を無事に救うのもだ…。」
不安がる俺を奮い立たせる様にヒューガさんが声をかけてくれた。
そうだ…。
俺にしか出来ないことなんだ…。
ラインハルトは、この世界で初めて出来た大切な親友だ。
彼には、いつも助けて貰ってばっかりで、お世話になりっぱなしだ。
今度は、俺がラインハルトを助けるんだ……。
俺は意を決してヒューガさんに頷く。
「よし、行くぞ!」
「うん!」
彼の掛け声と共に雷が鳴り響く鍛錬場に向かって走り出した。
ちなみに、俺はまたアレンに抱き上げられている…。
俺が走って居ては皆より遅くなってしまうから仕方ない…。
一通り話を聞いたヒューガさんが頷いた。
「トオルの推測は間違って無いかもしれない…。」
え?あってるの?
彼の言葉に俺だけじゃなく、アレンとヴェインさんまで驚いた顔をした。
「でも、なら、どうして王宮じゃなくて騎士団なんでしょう?」
カイルくんが首を傾げながら呟く。
「……もしかして…狙いはライリーか?」
アレンの言葉にヴェインさんが思い出した様に声を上げた。
「あ!?そう言えば、ライリー殿下が雷の固有魔法を発現した時に、初代国王の再来だ!って貴族達が騒いでなかったか?」
彼の言葉に、アレンが「そうだったか?」と首を傾げる。
……アレン。ライリーくんにもっと興味を持ってあげようよ…?
どうやら、ヴェインさんの話では、初代国王も雷の固有魔法を使っていたらしい。
その為、次代の国王をライリーくんにとする貴族が何人も居るそうだ。
本人は、婚約者を無くしてからと言うもの塞ぎ込んでしまい、それどころでは無かったようだが…。
「固有魔法は、遺伝するものじゃなく魂の色みたいな物だ。
初代国王が雷の固有魔法を持って居たならあの呪いがライリー殿下を狙うのも頷ける…。」
ヒューガさんがヴェインさんの話に更に続けた。
彼の言葉に反応したのは意外な人物だった。
「え?ライリーく…殿下が!?」
カイルくんが焦った様に呟く。
あれ?今カイルくん、ライリーくんって言おうとしなかった?
いつの間にそんなに仲良くなったんだろうか?
まぁ、14歳と16歳で歳も近いし同じ騎士団に居るのだから接点があっても可笑しくは無いかもしれないが…。
「すみません、皆さん、僕も先に行きます!」
彼は焦りながら俺達に声を掛けると思いっきり地面を蹴って近くの建物の屋根に飛び乗り、魔法を使い、さらに速度を上げながら騎士団の方へ一直線に飛び出して行った。
俺達は、その様子を唖然としながら見送る。
「カイルのやつ、いつの間にライリーと仲良くなったんだ?
あいつらに接点あったか?」
アレンがヴェインさんに問いかける。
「いや、知らなかった…。
カイルとライリー殿下じゃ所属の隊も違うし、部屋も近くは無かったと思うが…?」
ヴェインさんも何がなんやら、わからない様子だ。
でも、そっか…。
ライリーくん、あの王宮での一件以来会って無かったけど、ちゃんと騎士団に友達が出来たのか…。
よかった…。
彼の性格と身分では、騎士団に馴染めていないんじゃないかって心配だったのだが、少しだけ安心した。
「でも、ライリーくんが狙われてるなら俺達も急がないと!」
俺の言葉に皆が頷く。
「あぁ、トオル、しっかり捕まってろよ?」
アレンは俺に声を掛けると速度を更に上げた。
-———
騎士団の宿舎の近くに着くと辺りが何やら騒がしかった。
空が孤児院の時のように暗闇に覆われている。
やっぱり、奴がここに?
不意に雷の音が響く。
孤児院で見た銀色の稲妻では無く、紫がかった雷が鍛錬場に落ちるのが見えた。
「!?ライリー殿下の魔法だ!」
ヴェインさんが雷を見て叫ぶ。
もう既に戦闘になって居るのか……。
「アレンさん、ヴェインさんと先に行って時間を稼いでくれ。
トオルは、俺と奴を浄化する準備をしながら向かう。」
ヒューガさんがヴェインさんの言葉に反応して叫んだ。
「あぁ、トオル…。」
彼の言葉にアレンが俺を降ろしてキスをして来た。
彼の舌が俺の中に入って来る。
彼から暖かい魔力が流れ混んできた。
しばらくの間、彼から魔力を受け取る。
ずっとアレンに触れていて、魔力を貰って居たかいもあり、体感的には半分は魔力が回復した気がする。
これなら白魔法も1回くらいなら使えるだろう。
アレンが俺から離れ心配そうに顔を見つめた。
「トオル、大丈夫か?」
「うん…。アレンのお陰で白魔法が使えそうだよ…。
ありがとう…。」
彼は、俺の言葉に少し不安そうにしながら、俺の身体を1度強く抱きしめると、ヴェインさんと共に鍛錬場に向かって走り出した。
「トオル、やって貰いたいことを話す。」
アレン達の後ろを眺めていた俺にヒューガさんが声をかけてくる。
「うん。俺は何をすればいい?」
ラインハルトの妹を絶対に無事に助けるんだ…。
「俺がやつを閉じ込める結界を張る。
トオルには、あいつの本体である指輪を浄化して貰いたい。」
孤児院を襲撃して来た令嬢の指にあった指輪を思い浮かべる。
封印されていた怨念には、力が及ばなかった…。
俺で出来るだろうか…。
「大丈夫だ。俺も奴の穢れを抑えるのに協力する。
それにあれだけの穢れを祓うのは、お前の白魔法にしか出来ない。
ラインハルトの妹を無事に救うのもだ…。」
不安がる俺を奮い立たせる様にヒューガさんが声をかけてくれた。
そうだ…。
俺にしか出来ないことなんだ…。
ラインハルトは、この世界で初めて出来た大切な親友だ。
彼には、いつも助けて貰ってばっかりで、お世話になりっぱなしだ。
今度は、俺がラインハルトを助けるんだ……。
俺は意を決してヒューガさんに頷く。
「よし、行くぞ!」
「うん!」
彼の掛け声と共に雷が鳴り響く鍛錬場に向かって走り出した。
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