169 / 196
本編
139
しおりを挟む
「あれ?熱く…ない?」
目を閉じ、歯を食いしばって備えたのに、熱は来なかった。
目を開けてみる。
目の前には炎が広がっていた。
それなのにも関わらず、熱さは無い。
「え?なんで?」
目の前の女は、少し焦ったように何度も火の魔法を放つが、何度放っても俺の周囲に攻撃が届くことは無かった。
「なんでよ!お前、一体何をした!?」
彼女は、ヒステリックに叫ぶ。
何をって言われても…。
不意に下を向くと、上着のポケットから微かに光を感じた。
そこを探ると、中から2枚の紙切れが出てくる。
あ、ヴェインさんがくれたヒューガさんの魔道具……。
2枚の長方形の紙は、淡く光を放っている。
どうやら、その2枚の紙が俺の周囲に円形の結界を創り出してくれているようだった。
確か、ヴェインさんは「危険があったら護ってくれる。」と言ってた気がする。
それこそ、おまじないのような物だと思ってすっかり忘れていた。
神社で貰える御札とか、あんまり目に見えて効果がわからないから……。
だが、この御札?で良いのだろうか?は現に今、俺の身を護ってくれている。
心の底からヒューガさんに感謝した。
何度魔法を放っても俺を傷つけることが出来なくて、彼女はイライラを募らせていく。
突然、火の魔法が消えた。
「小賢しい真似を…。
もう良いわ。
いたぶって、殺して下さいって言わせてから惨めに殺してあげるつもりだったけど……。」
どうやら彼女は、諦めてくれた訳では無いようだ。
彼女は、そんな恐ろしいことを言いながら、自らの指にはまっている指輪を無表情に撫でる。
「せっかくずっとくっついて居た、邪魔なソランジール家の奴も引き離したのに……。
こんなに時間がかかるとは思わなかった…。
もっと手っ取り早く呪い殺してやればよかった……。
お願い、私のアレンを奪ったこいつに天罰を……。」
ラインハルトを引き離した?
俺からラインハルトを引き離す為に彼の妹を襲ったのか?
それに私のアレン…だと?
結界のおかげで少しだけ出来た心の余裕のせいか、彼女の言葉に無性に腹が立った。
「ふざけるな!」
口から言葉が、怒りの感情が溢れていた。
「ラインハルトの妹を襲ったのもお前か?
それに私のアレンだと?
アレンは、お前のじゃない!
俺の大切な人だ!
自分勝手な妄想で襲ってきて、関係ない皆まで巻き込んで……。」
「うるさい、うるさい、うるさい!死ね!」
彼女が駄々を捏ねる子供のように喚き散らしながら、指輪をはめた手を振りかざす。
指輪から追いかけられていた時の比じゃない程の黒い靄が溢れ出し、結界に纏わりついてきた。
視界が真っ暗になる。
黒い靄は、少しずつ結界を侵食しているようだった。
御札が端からだんだんと黒く変色していく。
結界越しでも、靄の禍々しさがわかった。
負の感情が流れ込んでくる。
妬ましい。辛い。悲しい。寂しい。痛い。
様々な感情が押し寄せてくる。
負の感情に取り込まれそうになりながらも、彼女に対する怒りだけは自分の芯にあった。
ふざけるな…。
こんなとこで、こんな奴に殺られてたまるか。
こいつだけは…。
こいつだけは絶対に許せない。
御札が全て黒く変色し、結界が破られ黒い靄が押し寄せてくる。
「お前だけは、絶対に許さない!」
覚悟を決めて立ち上がり、黒い靄を迎えうつ。
無意識に魔力を練り上げていた。
頼む、この禍々しいものを討ち祓う力を……。
両手を黒い靄に向け魔力を放った。
その魔力は、輝く光へと変わり靄を押し返しながら消していく。
「何を……!?」
輝く光は、押し寄せていた靄を全てかき消してそのまま彼女へと届く。
「何よこの光!呪詛の指輪、もっともっと私に呪いの力を!」
彼女は、指輪を撫でながら更に黒い靄を放ったが、靄は直ぐに光にかき消される。
「お前だけは絶対に許さない…。」
光は俺の意思を汲み取ったかのように彼女を包み込む。
「嫌だ、来るな、辞めろぉぉ!」
彼女は、押し寄せてくる光に為す術もなくもがき苦しみだす。
効いてる?
魔法が効いている事に安堵したのも束の間。
突然、彼女の纏う雰囲気が変化した。
苦しそうではあるが、ニタニタと笑いだしたのだ。
さっきまで、わがままではあるものの、貴族の令嬢らしい優雅さがあった。
しかし、今の彼女は、下品な笑みを浮かべ、恐怖すら感じる程の禍々しい威圧感を漂わせている。
「ちっ……。
せっかく力を貸してやったのにこの程度か…。」
彼女から発せられる声は、今までの物とは明らかに違った。
「まぁ、いい。おかげで久しぶり身体が手に入った。
まずはこの忌々しい光を……。」
得体のしれない何かは、俺に右手をかざす。
そこから放たれた禍々しい魔力は、闇となって光を侵食し始めた。
「な…!?なんで……。」
突然の彼女の変化に頭が追いつかなかった。
「お前がこいつの意志を砕いてくれたおかげで身体を乗っ取れたんだ。
冥土の土産に教えてやるよ。」
それは、指輪を掲げながら言葉を続けた。
「俺は、この指輪に封じられていた呪いさ。」
「……呪い?」
「あぁ、まさか、忌まわしい白魔法の使い手のおかげで封印が解けるとは思わなかったがな。」
忌まわしい白魔法?
なんでこいつは白魔法を知ってる?
まるで前にも白魔法をその身に受けたような言い回しだった。
こうして話している間も、どんどん光は闇に飲み込まれていく。
やばい……。
もう、魔力が……。
どんどん魔力が無くなり、光が弱くなっていく。
「ふはははは!
この時代の白魔法の使い手はこんなもんかよ!」
彼は楽しそうに笑う。
意識が朦朧として立ってるのすらやっとだった。
やっとの思いで得た希望は、絶望に変わった。
弱々しかった光が遂には消え、闇がこの身に迫る。
意識が飛びそうになる中、自分の身体が前に倒れていくのをまるで他人事のように感じていた。
「トオル!」
愛しい人が俺を呼ぶ声が響く。
倒れていく身体を愛しい人に支えられる。
よかった…。
夢でも、最後はちゃんとアレンの腕の中で向かえられる……。
「アレン…ごめん……。」
無意識に呟く。
「なんでトオルが謝るんだ。
俺こそ…遅くなってすまなかった。」
夢でも会話出来るのか…。
そんなことを考えていた。
魔力が尽きた影響か、身体が氷のように冷たくなっていく。
あぁ、これが死か……。
「アレン…大好き……。」
動かない口を無理矢理動かして呟くようにもらす。
すると、唇に何かが触れた気がした。
目を閉じ、歯を食いしばって備えたのに、熱は来なかった。
目を開けてみる。
目の前には炎が広がっていた。
それなのにも関わらず、熱さは無い。
「え?なんで?」
目の前の女は、少し焦ったように何度も火の魔法を放つが、何度放っても俺の周囲に攻撃が届くことは無かった。
「なんでよ!お前、一体何をした!?」
彼女は、ヒステリックに叫ぶ。
何をって言われても…。
不意に下を向くと、上着のポケットから微かに光を感じた。
そこを探ると、中から2枚の紙切れが出てくる。
あ、ヴェインさんがくれたヒューガさんの魔道具……。
2枚の長方形の紙は、淡く光を放っている。
どうやら、その2枚の紙が俺の周囲に円形の結界を創り出してくれているようだった。
確か、ヴェインさんは「危険があったら護ってくれる。」と言ってた気がする。
それこそ、おまじないのような物だと思ってすっかり忘れていた。
神社で貰える御札とか、あんまり目に見えて効果がわからないから……。
だが、この御札?で良いのだろうか?は現に今、俺の身を護ってくれている。
心の底からヒューガさんに感謝した。
何度魔法を放っても俺を傷つけることが出来なくて、彼女はイライラを募らせていく。
突然、火の魔法が消えた。
「小賢しい真似を…。
もう良いわ。
いたぶって、殺して下さいって言わせてから惨めに殺してあげるつもりだったけど……。」
どうやら彼女は、諦めてくれた訳では無いようだ。
彼女は、そんな恐ろしいことを言いながら、自らの指にはまっている指輪を無表情に撫でる。
「せっかくずっとくっついて居た、邪魔なソランジール家の奴も引き離したのに……。
こんなに時間がかかるとは思わなかった…。
もっと手っ取り早く呪い殺してやればよかった……。
お願い、私のアレンを奪ったこいつに天罰を……。」
ラインハルトを引き離した?
俺からラインハルトを引き離す為に彼の妹を襲ったのか?
それに私のアレン…だと?
結界のおかげで少しだけ出来た心の余裕のせいか、彼女の言葉に無性に腹が立った。
「ふざけるな!」
口から言葉が、怒りの感情が溢れていた。
「ラインハルトの妹を襲ったのもお前か?
それに私のアレンだと?
アレンは、お前のじゃない!
俺の大切な人だ!
自分勝手な妄想で襲ってきて、関係ない皆まで巻き込んで……。」
「うるさい、うるさい、うるさい!死ね!」
彼女が駄々を捏ねる子供のように喚き散らしながら、指輪をはめた手を振りかざす。
指輪から追いかけられていた時の比じゃない程の黒い靄が溢れ出し、結界に纏わりついてきた。
視界が真っ暗になる。
黒い靄は、少しずつ結界を侵食しているようだった。
御札が端からだんだんと黒く変色していく。
結界越しでも、靄の禍々しさがわかった。
負の感情が流れ込んでくる。
妬ましい。辛い。悲しい。寂しい。痛い。
様々な感情が押し寄せてくる。
負の感情に取り込まれそうになりながらも、彼女に対する怒りだけは自分の芯にあった。
ふざけるな…。
こんなとこで、こんな奴に殺られてたまるか。
こいつだけは…。
こいつだけは絶対に許せない。
御札が全て黒く変色し、結界が破られ黒い靄が押し寄せてくる。
「お前だけは、絶対に許さない!」
覚悟を決めて立ち上がり、黒い靄を迎えうつ。
無意識に魔力を練り上げていた。
頼む、この禍々しいものを討ち祓う力を……。
両手を黒い靄に向け魔力を放った。
その魔力は、輝く光へと変わり靄を押し返しながら消していく。
「何を……!?」
輝く光は、押し寄せていた靄を全てかき消してそのまま彼女へと届く。
「何よこの光!呪詛の指輪、もっともっと私に呪いの力を!」
彼女は、指輪を撫でながら更に黒い靄を放ったが、靄は直ぐに光にかき消される。
「お前だけは絶対に許さない…。」
光は俺の意思を汲み取ったかのように彼女を包み込む。
「嫌だ、来るな、辞めろぉぉ!」
彼女は、押し寄せてくる光に為す術もなくもがき苦しみだす。
効いてる?
魔法が効いている事に安堵したのも束の間。
突然、彼女の纏う雰囲気が変化した。
苦しそうではあるが、ニタニタと笑いだしたのだ。
さっきまで、わがままではあるものの、貴族の令嬢らしい優雅さがあった。
しかし、今の彼女は、下品な笑みを浮かべ、恐怖すら感じる程の禍々しい威圧感を漂わせている。
「ちっ……。
せっかく力を貸してやったのにこの程度か…。」
彼女から発せられる声は、今までの物とは明らかに違った。
「まぁ、いい。おかげで久しぶり身体が手に入った。
まずはこの忌々しい光を……。」
得体のしれない何かは、俺に右手をかざす。
そこから放たれた禍々しい魔力は、闇となって光を侵食し始めた。
「な…!?なんで……。」
突然の彼女の変化に頭が追いつかなかった。
「お前がこいつの意志を砕いてくれたおかげで身体を乗っ取れたんだ。
冥土の土産に教えてやるよ。」
それは、指輪を掲げながら言葉を続けた。
「俺は、この指輪に封じられていた呪いさ。」
「……呪い?」
「あぁ、まさか、忌まわしい白魔法の使い手のおかげで封印が解けるとは思わなかったがな。」
忌まわしい白魔法?
なんでこいつは白魔法を知ってる?
まるで前にも白魔法をその身に受けたような言い回しだった。
こうして話している間も、どんどん光は闇に飲み込まれていく。
やばい……。
もう、魔力が……。
どんどん魔力が無くなり、光が弱くなっていく。
「ふはははは!
この時代の白魔法の使い手はこんなもんかよ!」
彼は楽しそうに笑う。
意識が朦朧として立ってるのすらやっとだった。
やっとの思いで得た希望は、絶望に変わった。
弱々しかった光が遂には消え、闇がこの身に迫る。
意識が飛びそうになる中、自分の身体が前に倒れていくのをまるで他人事のように感じていた。
「トオル!」
愛しい人が俺を呼ぶ声が響く。
倒れていく身体を愛しい人に支えられる。
よかった…。
夢でも、最後はちゃんとアレンの腕の中で向かえられる……。
「アレン…ごめん……。」
無意識に呟く。
「なんでトオルが謝るんだ。
俺こそ…遅くなってすまなかった。」
夢でも会話出来るのか…。
そんなことを考えていた。
魔力が尽きた影響か、身体が氷のように冷たくなっていく。
あぁ、これが死か……。
「アレン…大好き……。」
動かない口を無理矢理動かして呟くようにもらす。
すると、唇に何かが触れた気がした。
13
Twitterをはじめました!よろしければフォローをお願い致します。https://twitter.com/arrow677995771
お気に入りに追加
5,583
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~
鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!
詳細は近況ボードに載せていきます!
「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」
特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。
しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。
バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて――
こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?
異世界で騎士団寮長になりまして
円山ゆに
BL
⭐︎ 書籍発売‼︎2023年1月16日頃から順次出荷予定⭐︎溺愛系異世界ファンタジーB L⭐︎
天涯孤独の20歳、蒼太(そうた)は大の貧乏で節約の鬼。ある日、転がる500円玉を追いかけて迷い込んだ先は異世界・ライン王国だった。
王立第二騎士団団長レオナードと副団長のリアに助けられた蒼太は、彼らの提案で騎士団寮の寮長として雇われることに。
異世界で一から節約生活をしようと意気込む蒼太だったが、なんと寮長は騎士団団長と婚姻関係を結ぶ決まりがあるという。さらにレオナードとリアは同じ一人を生涯の伴侶とする契りを結んでいた。
「つ、つまり僕は二人と結婚するってこと?」
「「そういうこと」」
グイグイ迫ってくる二人のイケメン騎士に振り回されながらも寮長の仕事をこなす蒼太だったが、次第に二人に惹かれていく。
一方、王国の首都では不穏な空気が流れていた。
やがて明かされる寮長のもう一つの役割と、蒼太が異世界にきた理由とは。
二人の騎士に溺愛される節約男子の異世界ファンタジーB Lです!
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる