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本編
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朝食の準備は3人に任せて、アレン達のご飯を用意して談話室に向かう。
パスタを茹でてる間にパンも焼き上がった。
綺麗なキツネ色に焼けたパンからいい香りが漂っている。
冷めないとサンドイッチには出来ないから試食には焼きたてのパンを持って行こう。
途中で、ラインハルトが顔を出してくれたからスープもフリーズドライにして貰った。
「スープの水分を抜いて持ち運ぶのか!
確かにこれなら大量に運べるから楽でいいな!」
先を歩くラインハルトが感心したように言う。
「うん!向こうの世界では、お店とかで普通に売ってたんだよね。
軽いし、劣化も少ないし、お湯を入れるだけで飲めるから便利だったんだよね!」
「聞けば聞くほど、トオルの世界は、豊かで文明が発達した世界だったんだなって感じるよ。」
ラインハルトが少し元気無さげに言う。
「どうしたの?」
「帰りたいって思わないのか?」
ラインハルトが恐る恐る聞いてきた。
「思わないよ。
と言うか、この世界に大切な人が沢山出来たからね。
この世界に来られて本当に良かったって思ってる。」
師匠が自分の未来を捨てて呼んでくれたこの世界で、アレンというかけがえのない人と出会えた。
兄弟みたいな人や、親友、料理仲間にも出会えた。
向こうの世界な未練がないと言えば嘘になるけど、特に帰りたい理由も無い。
強いて言うなら向こうの世界の様々な料理の知識の書いてある本とかを戻って来たかったけど…。
スーパーに行けば買えるような物を1から作らないといけないこの世界では作り方の知識を知らないものは作れないから…。
まぁ、師匠が早く目覚めてくれれば聞ける内容かもしれないけどね。
俺の言葉にラインハルトが嬉しそうに笑う。
彼も俺のことを真剣に考えてくれているのが嬉しく思った。
「そうか!俺たちはトオルの料理が無いと生きていけないくらい餌付けされてるから安心したよ。」
彼は、照れ隠しのなのか、俯きながら冗談っぽく呟いた。
「これからも沢山美味しい物作るからね!」
談話室に着くとアレンとヴェインさんが先に着いていた。
「トオル!」
中に入ると、アレンが俺に抱きついて来ようとする。
「うわぁ、ちょっと待って…。」
ヴェインさんが気を利かせて俺から料理を奪ってくれたおかげで落とさずに済んだ。
ヴェインさんは、呆れた顔をしたが今日は許してあげるみたいで何も言わなかった。
抱きついて来たアレンを俺も抱き締め返すと、彼は満足気に笑った。
「アレン、先にご飯食べちゃおうよ?
お腹空いたでしょ?
あと、アレンに持って言って貰う料理も用意したから試食して感想聞かせてよ。」
クレープのラップサンドに、パンケーキサンド、ハンバーガー(パンケーキに挟んだ。)、あとは、フリーズドライにしたスープだ。
それを見たアレンが目を輝かやかせて居るのが可愛かった。
彼は名残惜しそうに俺を離して席に着く。
俺も彼の隣に座った。
「とりあえず食べながら話をしよう。」
ヴェインさんの言葉で皆で「いただきます。」をした。
まずは、試食からだ。
一つ一つアレンに説明しながら皆で試食をする。
焼きたてのパンを食べたヴェインさんが驚いた顔をしていた。
「これがパンなのか!?
中はモチモチふわふわで、外はカリカリしててこんなパン食べたことないぞ!」
ラインハルトもアレンも同じ感想だったらしく驚いていた。
「それにこのパン、オレンジの香りがするな?
凄く美味しい!これとスープだけでも1ヶ月は過ごせそうだ!」
やはりアレンは、オレンジの天然酵母のパンが気に入ったらしく、直ぐに試食分を食べ終えておかわりを要求してきた。
「いや、アレン、これお前が持って行くやつだからな?
出発する前に食い尽くす気かよ……?
それにしても話には聞いてたがこのパンは美味しいな!
こっちは、葡萄の香りがして酒にも合いそうだ。」
ラインハルトがアレンに苦笑しながら葡萄の天然酵母で作ったパンを頬張っていた。
「アレン、このパンにローストビーフとかを挟んでサンドイッチにしようと思うんだけどいいかな?」
「あぁ!頼む。これならいくらでも食べれるぞ!」
パンを気に入って貰えた様でよかった。
ラップサンドと、パンケーキサンドつく、ハンバーガーも気に入ったみたいでこのまま作り進めて良さそうだ。
1番お気に入りは、やっぱりハンバーガーだった。
ハンバーガーを1番増やすつもりだったからそう伝えるとアレンに思いっきり抱きしめられた。
スープに関しては、アレンとヴェインさんに今後の遠征の食事が変わる程の発明だ!とべた褒めされた。
俺が考えた訳じゃないからちょっと申し訳なく思ってしまう。
一通り試食を終えたあと、ラインハルトが何とも言えない顔をしていたのが気になり声をかけた。
「ラインハルト?どれか気になる料理あった?」
なにか良くない事があっただろうか?
「いや、アレンが危険な所に行かないといけないから言うのもなんなんだけどな……。」
ヴェインさんはその言葉だけで彼が何が言いたいかわかったらしくてラインハルトと同じ表情をしながら言う。
「ラインハルト、言いたいことはわかる。
遠征に行くはずなのに……。
普段の食事より豪華じゃないか…?
正直、食事に関してだけは羨ましいくらいだぞ?」
アレンは2人の言葉に納得したようだ。
「まぁ、トオルの俺への愛情だな。」
なんて2人にドヤ顔で言っていた。
その顔にラインハルトがイラっとしたようで
「お前なんて、太ってトオルに嫌われちまえ!」
って叫んでいた。
いや、別にアレンが太っても嫌わないから?
ただ、ちょっと毎日のご飯に野菜が増えてカロリーの高いものが減るだけだから……。
試食のあとは、夕食のパスタをたべる。
俺とラインハルト、ヴェインさんの分は少なくして置いたけどアレンの分はいつもと同じ2人前だ。
それを軽く平らげているアレンを見てやっぱり野菜増やしたほうがいいかと迷ってしまったのはここだけの話だ。
パスタを食べながらラインハルトが得た情報を話してくれた。
サザンカンフォード国内の状況だ。
守護竜の加護が失われたことによって国中で魔物が発生して混乱を極めているようだ。
今のところは騎士団が魔物の侵攻を食い止めているらしく大きな被害は無いようだ。
でも、いつまで持つかわからないと言うことだった。
「それと、守護竜様が闇に飲まれた原因だが……。」
「何かわかったのか!?」
ラインハルトの言葉にアレンとヴェインさんが驚いたように声をあげた。
「正確にはわからない…。
だが、この1ヶ月、守護竜様の加護を受けたサザンカンフォードの国王が公の場に姿を現してないみたいだ。
何かあったとしたらそっちなのかもしれない。
俺が聞いた話だと病に倒れたんじゃないかってことだ。」
加護は、守護竜様からの愛情の証。
前に、アレンとヴェインさんが言っていた。
愛した人が病に倒れたら闇に飲まれてしまうのはわかる気がした。
俺だってアレンがもしそうなってしまったら世界を憎むかもしれない……。
でも、もし治らない病だったらサザンカンフォードの守護竜様はもう……。
でも、アレンとヴェインさんの反応は俺とは少し違った。
「は?それが理由なのか?
そんなことで守護竜が闇に堕ちるのか!?」
アレンが言う。
「そうだ。それは少し考えにくいぞ?」
ヴェインさんもそう言った。
「あぁ、俺もそう思ってる。」
ラインハルトまでそんなことを言い出した。
え?俺だけ話に置いてかれてる?
「ちょっと待ってよ?
どういうこと?」
3人の視線が俺に集まる。
俺の言葉にラインハルトが呆れた顔をした……。
パスタを茹でてる間にパンも焼き上がった。
綺麗なキツネ色に焼けたパンからいい香りが漂っている。
冷めないとサンドイッチには出来ないから試食には焼きたてのパンを持って行こう。
途中で、ラインハルトが顔を出してくれたからスープもフリーズドライにして貰った。
「スープの水分を抜いて持ち運ぶのか!
確かにこれなら大量に運べるから楽でいいな!」
先を歩くラインハルトが感心したように言う。
「うん!向こうの世界では、お店とかで普通に売ってたんだよね。
軽いし、劣化も少ないし、お湯を入れるだけで飲めるから便利だったんだよね!」
「聞けば聞くほど、トオルの世界は、豊かで文明が発達した世界だったんだなって感じるよ。」
ラインハルトが少し元気無さげに言う。
「どうしたの?」
「帰りたいって思わないのか?」
ラインハルトが恐る恐る聞いてきた。
「思わないよ。
と言うか、この世界に大切な人が沢山出来たからね。
この世界に来られて本当に良かったって思ってる。」
師匠が自分の未来を捨てて呼んでくれたこの世界で、アレンというかけがえのない人と出会えた。
兄弟みたいな人や、親友、料理仲間にも出会えた。
向こうの世界な未練がないと言えば嘘になるけど、特に帰りたい理由も無い。
強いて言うなら向こうの世界の様々な料理の知識の書いてある本とかを戻って来たかったけど…。
スーパーに行けば買えるような物を1から作らないといけないこの世界では作り方の知識を知らないものは作れないから…。
まぁ、師匠が早く目覚めてくれれば聞ける内容かもしれないけどね。
俺の言葉にラインハルトが嬉しそうに笑う。
彼も俺のことを真剣に考えてくれているのが嬉しく思った。
「そうか!俺たちはトオルの料理が無いと生きていけないくらい餌付けされてるから安心したよ。」
彼は、照れ隠しのなのか、俯きながら冗談っぽく呟いた。
「これからも沢山美味しい物作るからね!」
談話室に着くとアレンとヴェインさんが先に着いていた。
「トオル!」
中に入ると、アレンが俺に抱きついて来ようとする。
「うわぁ、ちょっと待って…。」
ヴェインさんが気を利かせて俺から料理を奪ってくれたおかげで落とさずに済んだ。
ヴェインさんは、呆れた顔をしたが今日は許してあげるみたいで何も言わなかった。
抱きついて来たアレンを俺も抱き締め返すと、彼は満足気に笑った。
「アレン、先にご飯食べちゃおうよ?
お腹空いたでしょ?
あと、アレンに持って言って貰う料理も用意したから試食して感想聞かせてよ。」
クレープのラップサンドに、パンケーキサンド、ハンバーガー(パンケーキに挟んだ。)、あとは、フリーズドライにしたスープだ。
それを見たアレンが目を輝かやかせて居るのが可愛かった。
彼は名残惜しそうに俺を離して席に着く。
俺も彼の隣に座った。
「とりあえず食べながら話をしよう。」
ヴェインさんの言葉で皆で「いただきます。」をした。
まずは、試食からだ。
一つ一つアレンに説明しながら皆で試食をする。
焼きたてのパンを食べたヴェインさんが驚いた顔をしていた。
「これがパンなのか!?
中はモチモチふわふわで、外はカリカリしててこんなパン食べたことないぞ!」
ラインハルトもアレンも同じ感想だったらしく驚いていた。
「それにこのパン、オレンジの香りがするな?
凄く美味しい!これとスープだけでも1ヶ月は過ごせそうだ!」
やはりアレンは、オレンジの天然酵母のパンが気に入ったらしく、直ぐに試食分を食べ終えておかわりを要求してきた。
「いや、アレン、これお前が持って行くやつだからな?
出発する前に食い尽くす気かよ……?
それにしても話には聞いてたがこのパンは美味しいな!
こっちは、葡萄の香りがして酒にも合いそうだ。」
ラインハルトがアレンに苦笑しながら葡萄の天然酵母で作ったパンを頬張っていた。
「アレン、このパンにローストビーフとかを挟んでサンドイッチにしようと思うんだけどいいかな?」
「あぁ!頼む。これならいくらでも食べれるぞ!」
パンを気に入って貰えた様でよかった。
ラップサンドと、パンケーキサンドつく、ハンバーガーも気に入ったみたいでこのまま作り進めて良さそうだ。
1番お気に入りは、やっぱりハンバーガーだった。
ハンバーガーを1番増やすつもりだったからそう伝えるとアレンに思いっきり抱きしめられた。
スープに関しては、アレンとヴェインさんに今後の遠征の食事が変わる程の発明だ!とべた褒めされた。
俺が考えた訳じゃないからちょっと申し訳なく思ってしまう。
一通り試食を終えたあと、ラインハルトが何とも言えない顔をしていたのが気になり声をかけた。
「ラインハルト?どれか気になる料理あった?」
なにか良くない事があっただろうか?
「いや、アレンが危険な所に行かないといけないから言うのもなんなんだけどな……。」
ヴェインさんはその言葉だけで彼が何が言いたいかわかったらしくてラインハルトと同じ表情をしながら言う。
「ラインハルト、言いたいことはわかる。
遠征に行くはずなのに……。
普段の食事より豪華じゃないか…?
正直、食事に関してだけは羨ましいくらいだぞ?」
アレンは2人の言葉に納得したようだ。
「まぁ、トオルの俺への愛情だな。」
なんて2人にドヤ顔で言っていた。
その顔にラインハルトがイラっとしたようで
「お前なんて、太ってトオルに嫌われちまえ!」
って叫んでいた。
いや、別にアレンが太っても嫌わないから?
ただ、ちょっと毎日のご飯に野菜が増えてカロリーの高いものが減るだけだから……。
試食のあとは、夕食のパスタをたべる。
俺とラインハルト、ヴェインさんの分は少なくして置いたけどアレンの分はいつもと同じ2人前だ。
それを軽く平らげているアレンを見てやっぱり野菜増やしたほうがいいかと迷ってしまったのはここだけの話だ。
パスタを食べながらラインハルトが得た情報を話してくれた。
サザンカンフォード国内の状況だ。
守護竜の加護が失われたことによって国中で魔物が発生して混乱を極めているようだ。
今のところは騎士団が魔物の侵攻を食い止めているらしく大きな被害は無いようだ。
でも、いつまで持つかわからないと言うことだった。
「それと、守護竜様が闇に飲まれた原因だが……。」
「何かわかったのか!?」
ラインハルトの言葉にアレンとヴェインさんが驚いたように声をあげた。
「正確にはわからない…。
だが、この1ヶ月、守護竜様の加護を受けたサザンカンフォードの国王が公の場に姿を現してないみたいだ。
何かあったとしたらそっちなのかもしれない。
俺が聞いた話だと病に倒れたんじゃないかってことだ。」
加護は、守護竜様からの愛情の証。
前に、アレンとヴェインさんが言っていた。
愛した人が病に倒れたら闇に飲まれてしまうのはわかる気がした。
俺だってアレンがもしそうなってしまったら世界を憎むかもしれない……。
でも、もし治らない病だったらサザンカンフォードの守護竜様はもう……。
でも、アレンとヴェインさんの反応は俺とは少し違った。
「は?それが理由なのか?
そんなことで守護竜が闇に堕ちるのか!?」
アレンが言う。
「そうだ。それは少し考えにくいぞ?」
ヴェインさんもそう言った。
「あぁ、俺もそう思ってる。」
ラインハルトまでそんなことを言い出した。
え?俺だけ話に置いてかれてる?
「ちょっと待ってよ?
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3人の視線が俺に集まる。
俺の言葉にラインハルトが呆れた顔をした……。
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