11 / 196
番外編 公爵子息は副団長を愛したい (本編86話後推奨)
2
しおりを挟む
更新遅れてしまいすみませんでしたm(_ _)m
♦♦♦♦♦
久しぶりの実家に気を抜きながら自室で読書をして過ごした。
こんなにゆっくり過ごした休日はいつぶりだっただろうか……?
チラリと机の上に置いた菓子の箱を見やる。
出向いた先で見つけた珍しいお菓子をヴェインにと買ってきた物だった。
本当はすぐにヴェインを訪ねたかったが「迷惑ではな無いだろうか?」
と不安になりまだ行けていない。
しばらく会っていないからどんな顔をしてあったらいいかわからなかった……。
不意に自室の扉のからノックが聞こえてきた。
返事をすると扉が開く。
入って来た人物は、執事長のセバスだった。
「セバス?どうしたんだ?」
「ラインハルト様、アルバ様がお呼びです。」
「父上がか?」
「はい。手が空いたら書斎に来て欲しいそうです。」
「あぁ、わかった。すぐに行く。」
なんの用事だろうか?
せっかく王都に戻って来たばかりだと言うのにまた何処か遠くに行かなければならないのだろうか……?
セバスが机の上の菓子の箱を見ながら聞いてくる。
「ラインハルト様、戻られてから部屋に篭もりっぱなしでは無いですか…。
逢いに行かれないのですか?」
「………どんな顔をして会えばいいかわからん。
ただでさえ1度振られてるんだぞ?」
俺の言葉にセバスが嬉しそうに笑った。
「あの誰にも興味を示さなかった坊っちゃまからそんな言葉がでるとは……。
坊っちゃまも大人になられましたなぁ…。」
「う、うるさい!
もう、24だぞ?坊っちゃまって呼ぶのは辞めろ!」
セバスは俺が生まれる前からこの家にいる。
まるで自分の孫の成長を喜ぶような表情に少しだけ擽ったさを感じた。
「失礼致しました。
しかし、老い先短い私の唯一の願いはラインハルト様が好きな方と結婚して幸せ姿を見ることですから……。」
セバスの目に気まずさを感じ
「父上の所へ行ってくる……。」
と部屋を飛び出した。
後ろから、俺のその様子を見て陽気に笑うセバスの声が聞こえていた。
「父上、お呼びでしょうか?」
父上の書斎の扉をノックしてから声をかけると中から「入れ」と声がかかった。
「失礼します。」
中に入ると書類が沢山積み重なった書斎机が目に入る。
それを見て少しだけ不思議に思った。
父上は基本的に王宮での仕事を家に持ち帰ることはしない。
宰相と言う仕事柄、機密性が高い物が多いからだ。
つまり、この山積みの書斎は私的な物という事になる。
何故か嫌な予感がして踵を返して自分の部屋に戻ろうとする。
「こら、ラインハルト、逃げるな!」
父上は苦笑いしながら魔法で扉を閉め開かなくしてしまった。
恐ろしく早い魔法の構築だった。
父上、絶対に俺の行動を読んでたな…。
観念して父上に向き直る。
「絶対に嫌です!」
父上か何かを話始めるよりも早くそう叫んだ。
「はぁ…。まだ私はなにも言って居ないのだがな…。
まぁ、その回答も予想はしていたよ。」
呆れるようにため息をつきながら父上は書類の1つを手に取る。
「そうは言っても、ラインハルトももう24だ。
結婚して子供が居てもおかしくない歳だろう?
この娘などどうだ?
家柄は申し分無いのだが……?」
そういいながら父上はその書類を俺に見せてくる。
やっぱり、お見合いの書類だったようだ…。
その書類に載っている名を思い浮かべる。
確か、公爵家の令嬢で今までも度々名前が上がっていた。
確かに綺麗な子だとは思う。
でも…やっぱりヴェインの方が可愛い。
というよりも、ヴェイン以外には考えられなかった。
「父上……。申し分ありません。
やはり、私にはヴェインしか想うことは出来ません……。」
「はぁ……。まぁそうだよな……。
出なかったらもうとっくにジークムントのように縁談が決まっている。
ならばいっそ、公爵家の権力を使って無理矢理にでもヴェインと婚姻を進めてしまうか……。」
父上が苦い顔でそんなことを呟いた。
「ち、父上なにをおっしゃるのですか!?
そんな事をしたらヴェインは本当に国から出ていってしまいますよ…。」
ドラゴンが討伐されてすぐにヴェインが国を出ようとした時の事を思い出した。
必死になって止めたが俺ではヴェインを引き止めることは出来なかった…。
結局、意識を取り戻したアレンが無理矢理、文字通り引きづって連れ戻したのだ。
俺ではダメなのか…。
俺よりアレンの方が好きなのか…?
そんな醜い嫉妬をアレンにしてから俺は2人に会いに行かなくなった。
思いだしたくない記憶を辿っていた俺を父上が現実に引き戻す。
「ならやはり、ラインハルト自身でどうにかしなさい。
ラインハルト、1つ仕事を頼みたいのだが?」
「仕事ですか?
まだ、休暇中では?」
突然の父上の言葉に首を傾げる。
「休暇と言ってもどうせ家から出ないで寛いでるだけだろう?
なに、少し書類仕事をして欲しいだけだ。」
遊ぶ友人も居ないのか?
と言葉の裏で言われている気がして少し凹む。
まぁ、確かに居ないんだけどさ……。
「書類仕事ですか?
まぁ、そのくらいならいいですけど…。
王宮でですか?」
王宮はあんまり得意じゃないから嫌だな…。
あそこにあまり近づきたくないから王都以外の仕事を率先して引き受けているのを父上も気づいては居るはずだ。
「おぉ!引き受けてくれるか!
安心しろ、王宮じゃない。
むしろ、王宮で仕事をラインハルトがしたら陛下にラインハルトまで使われる事になってしまうからダメだ!
陛下にはジークムントで我慢して貰えばいい。」
父上の言葉に苦笑いしてしまう。
兄貴…相変わらず扱いが雑だな……。
4つ上の脳筋な兄を思い複雑な気持ちになる。
いや、兄貴が生贄代わりに陛下の傍にいるおかげで俺の自由が保証されているから感謝はしているのだか……。
それはさておき……。
早速何処かに声の魔法を送り始めた父上に訪ねる。
「王宮ではないなら、一体どこの書類を?」
次に言われた言葉を理解するまでに時間がかかった。
「お前の愛しの君の所だ。」
イタズラが成功した子供のようにニヤニヤしながら父上が言う。
「…………へ?」
愛しの君?
ま、まさか………?
「ラインハルト、明日から王国騎士団でヴェイン・ブラン副団長の補佐官の任を命ずる。
期限は……そうだな……お前に嫁が出来るまでとする!」
「はぁ!!?
父上、いきなり過ぎませんか!?
嫌ですよ!」
ただでさえ会うのすら気まずいのに補佐官なんて……。
「残念だったな。
さっき既に陛下とヴェインにはお前が快諾したと魔法を送ってしまった。
嫌なら自分で陛下とヴェインに断りに行くんだな?」
父上が楽しそうに笑いながら言う。
「あ、あんまりだ……。
騙すなんてずるいですよ!」
「内容をちゃんと確認してから返事をしなかったのはお前の落ち度だろう?
それに………ラインハルトにも早く幸せになって欲しいからな。
早く嫁を連れてこい!」
父上は話すことは終わったと満足気に扉を閉めていた魔法を解除した。
俺の幸せを願ってくれている顔に嘘はなくてそれ以上は文句も言えず書斎を後にする。
明日から…?
どうすればいい?
どんな顔でヴェインに会えば……。
♦♦♦♦♦
久しぶりの実家に気を抜きながら自室で読書をして過ごした。
こんなにゆっくり過ごした休日はいつぶりだっただろうか……?
チラリと机の上に置いた菓子の箱を見やる。
出向いた先で見つけた珍しいお菓子をヴェインにと買ってきた物だった。
本当はすぐにヴェインを訪ねたかったが「迷惑ではな無いだろうか?」
と不安になりまだ行けていない。
しばらく会っていないからどんな顔をしてあったらいいかわからなかった……。
不意に自室の扉のからノックが聞こえてきた。
返事をすると扉が開く。
入って来た人物は、執事長のセバスだった。
「セバス?どうしたんだ?」
「ラインハルト様、アルバ様がお呼びです。」
「父上がか?」
「はい。手が空いたら書斎に来て欲しいそうです。」
「あぁ、わかった。すぐに行く。」
なんの用事だろうか?
せっかく王都に戻って来たばかりだと言うのにまた何処か遠くに行かなければならないのだろうか……?
セバスが机の上の菓子の箱を見ながら聞いてくる。
「ラインハルト様、戻られてから部屋に篭もりっぱなしでは無いですか…。
逢いに行かれないのですか?」
「………どんな顔をして会えばいいかわからん。
ただでさえ1度振られてるんだぞ?」
俺の言葉にセバスが嬉しそうに笑った。
「あの誰にも興味を示さなかった坊っちゃまからそんな言葉がでるとは……。
坊っちゃまも大人になられましたなぁ…。」
「う、うるさい!
もう、24だぞ?坊っちゃまって呼ぶのは辞めろ!」
セバスは俺が生まれる前からこの家にいる。
まるで自分の孫の成長を喜ぶような表情に少しだけ擽ったさを感じた。
「失礼致しました。
しかし、老い先短い私の唯一の願いはラインハルト様が好きな方と結婚して幸せ姿を見ることですから……。」
セバスの目に気まずさを感じ
「父上の所へ行ってくる……。」
と部屋を飛び出した。
後ろから、俺のその様子を見て陽気に笑うセバスの声が聞こえていた。
「父上、お呼びでしょうか?」
父上の書斎の扉をノックしてから声をかけると中から「入れ」と声がかかった。
「失礼します。」
中に入ると書類が沢山積み重なった書斎机が目に入る。
それを見て少しだけ不思議に思った。
父上は基本的に王宮での仕事を家に持ち帰ることはしない。
宰相と言う仕事柄、機密性が高い物が多いからだ。
つまり、この山積みの書斎は私的な物という事になる。
何故か嫌な予感がして踵を返して自分の部屋に戻ろうとする。
「こら、ラインハルト、逃げるな!」
父上は苦笑いしながら魔法で扉を閉め開かなくしてしまった。
恐ろしく早い魔法の構築だった。
父上、絶対に俺の行動を読んでたな…。
観念して父上に向き直る。
「絶対に嫌です!」
父上か何かを話始めるよりも早くそう叫んだ。
「はぁ…。まだ私はなにも言って居ないのだがな…。
まぁ、その回答も予想はしていたよ。」
呆れるようにため息をつきながら父上は書類の1つを手に取る。
「そうは言っても、ラインハルトももう24だ。
結婚して子供が居てもおかしくない歳だろう?
この娘などどうだ?
家柄は申し分無いのだが……?」
そういいながら父上はその書類を俺に見せてくる。
やっぱり、お見合いの書類だったようだ…。
その書類に載っている名を思い浮かべる。
確か、公爵家の令嬢で今までも度々名前が上がっていた。
確かに綺麗な子だとは思う。
でも…やっぱりヴェインの方が可愛い。
というよりも、ヴェイン以外には考えられなかった。
「父上……。申し分ありません。
やはり、私にはヴェインしか想うことは出来ません……。」
「はぁ……。まぁそうだよな……。
出なかったらもうとっくにジークムントのように縁談が決まっている。
ならばいっそ、公爵家の権力を使って無理矢理にでもヴェインと婚姻を進めてしまうか……。」
父上が苦い顔でそんなことを呟いた。
「ち、父上なにをおっしゃるのですか!?
そんな事をしたらヴェインは本当に国から出ていってしまいますよ…。」
ドラゴンが討伐されてすぐにヴェインが国を出ようとした時の事を思い出した。
必死になって止めたが俺ではヴェインを引き止めることは出来なかった…。
結局、意識を取り戻したアレンが無理矢理、文字通り引きづって連れ戻したのだ。
俺ではダメなのか…。
俺よりアレンの方が好きなのか…?
そんな醜い嫉妬をアレンにしてから俺は2人に会いに行かなくなった。
思いだしたくない記憶を辿っていた俺を父上が現実に引き戻す。
「ならやはり、ラインハルト自身でどうにかしなさい。
ラインハルト、1つ仕事を頼みたいのだが?」
「仕事ですか?
まだ、休暇中では?」
突然の父上の言葉に首を傾げる。
「休暇と言ってもどうせ家から出ないで寛いでるだけだろう?
なに、少し書類仕事をして欲しいだけだ。」
遊ぶ友人も居ないのか?
と言葉の裏で言われている気がして少し凹む。
まぁ、確かに居ないんだけどさ……。
「書類仕事ですか?
まぁ、そのくらいならいいですけど…。
王宮でですか?」
王宮はあんまり得意じゃないから嫌だな…。
あそこにあまり近づきたくないから王都以外の仕事を率先して引き受けているのを父上も気づいては居るはずだ。
「おぉ!引き受けてくれるか!
安心しろ、王宮じゃない。
むしろ、王宮で仕事をラインハルトがしたら陛下にラインハルトまで使われる事になってしまうからダメだ!
陛下にはジークムントで我慢して貰えばいい。」
父上の言葉に苦笑いしてしまう。
兄貴…相変わらず扱いが雑だな……。
4つ上の脳筋な兄を思い複雑な気持ちになる。
いや、兄貴が生贄代わりに陛下の傍にいるおかげで俺の自由が保証されているから感謝はしているのだか……。
それはさておき……。
早速何処かに声の魔法を送り始めた父上に訪ねる。
「王宮ではないなら、一体どこの書類を?」
次に言われた言葉を理解するまでに時間がかかった。
「お前の愛しの君の所だ。」
イタズラが成功した子供のようにニヤニヤしながら父上が言う。
「…………へ?」
愛しの君?
ま、まさか………?
「ラインハルト、明日から王国騎士団でヴェイン・ブラン副団長の補佐官の任を命ずる。
期限は……そうだな……お前に嫁が出来るまでとする!」
「はぁ!!?
父上、いきなり過ぎませんか!?
嫌ですよ!」
ただでさえ会うのすら気まずいのに補佐官なんて……。
「残念だったな。
さっき既に陛下とヴェインにはお前が快諾したと魔法を送ってしまった。
嫌なら自分で陛下とヴェインに断りに行くんだな?」
父上が楽しそうに笑いながら言う。
「あ、あんまりだ……。
騙すなんてずるいですよ!」
「内容をちゃんと確認してから返事をしなかったのはお前の落ち度だろう?
それに………ラインハルトにも早く幸せになって欲しいからな。
早く嫁を連れてこい!」
父上は話すことは終わったと満足気に扉を閉めていた魔法を解除した。
俺の幸せを願ってくれている顔に嘘はなくてそれ以上は文句も言えず書斎を後にする。
明日から…?
どうすればいい?
どんな顔でヴェインに会えば……。
2
Twitterをはじめました!よろしければフォローをお願い致します。https://twitter.com/arrow677995771
お気に入りに追加
5,583
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~
鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!
詳細は近況ボードに載せていきます!
「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」
特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。
しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。
バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて――
こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。
異世界で騎士団寮長になりまして
円山ゆに
BL
⭐︎ 書籍発売‼︎2023年1月16日頃から順次出荷予定⭐︎溺愛系異世界ファンタジーB L⭐︎
天涯孤独の20歳、蒼太(そうた)は大の貧乏で節約の鬼。ある日、転がる500円玉を追いかけて迷い込んだ先は異世界・ライン王国だった。
王立第二騎士団団長レオナードと副団長のリアに助けられた蒼太は、彼らの提案で騎士団寮の寮長として雇われることに。
異世界で一から節約生活をしようと意気込む蒼太だったが、なんと寮長は騎士団団長と婚姻関係を結ぶ決まりがあるという。さらにレオナードとリアは同じ一人を生涯の伴侶とする契りを結んでいた。
「つ、つまり僕は二人と結婚するってこと?」
「「そういうこと」」
グイグイ迫ってくる二人のイケメン騎士に振り回されながらも寮長の仕事をこなす蒼太だったが、次第に二人に惹かれていく。
一方、王国の首都では不穏な空気が流れていた。
やがて明かされる寮長のもう一つの役割と、蒼太が異世界にきた理由とは。
二人の騎士に溺愛される節約男子の異世界ファンタジーB Lです!
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

「今夜は、ずっと繋がっていたい」というから頷いた結果。
猫宮乾
BL
異世界転移(転生)したワタルが現地の魔術師ユーグと恋人になって、致しているお話です。9割性描写です。※自サイトからの転載です。サイトにこの二人が付き合うまでが置いてありますが、こちら単独でご覧頂けます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる