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本編
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起きて服を来て俺はいつも通り厨房に向かう。
アレンは、しばらく俺を抱きしめてたが
「そろそろ行かないと…」
と名残惜しそうに手放した。
「うん。気をつけてね。」
コア様のとこだから危険なことはないとわかっているけど、なんだか嫌な予感がした。
「あぁ、ありがとうな。
トオルも今日から本格的に厨房で働くんだ。
それに今日から王宮の料理人も来るんだろ?
あんまり無理をしすぎないようにな。」
アレンの言葉で今日から料理人が学びにくる事を思い出して少し不安になる。
「俺なんかでちゃんと料理を教えてあげられるかな?」
ついついアレンに弱音を吐いてしまう。
「あぁ、トオルなら大丈夫だ。
トオルは、トオルが好きなように料理をすればいい。」
優しく俺の頭を撫でながら応援してくれた。
好きなようにか…。
俺は、アレンに食べて欲しい料理を気持ちを込めて作ればいいんだ。
「うん!ありがとう。」
アレンに抱きついて勇気を貰う。
よし行こうかな。
アレンの部屋の前で彼と別れて厨房に向かいながら考える。
とりあえず、朝ごはんからだよな。
約100人分となると大量に作れるものじゃないといけないかな…。
確か、ヴェインさんが料理人が来るのは夕方って言ってたし見習いの子達と作るのかな?
何にしよう……?
主食はとりあえずヴェインさんが仕入れてくれてるパンだろうから、主菜とスープにサラダかな。
厨房に入ると見たことない青年が3人いた。
3人ともコックコートを着ている。
俺を見るなりこちらに近づいてきた。
「トオル様でよろしいでしょうか?」
紺色の髪の青年が代表して話しかけてくれる。
「はい…。えっと…?」
「申し訳ありません。申し遅れました。
私、王宮で料理人の見習いをしております。
コルムと申します。」
「あれ?夕方にいらっしゃるって聞いてましたけど……?」
俺の問にコルムさんが苦笑いしながら答えてくれた。
「実は…トオル様から料理を勉強させてもらえるのが楽しみで夕方まで待てなくて…。
なぁ、カベロ?」
カベロと呼ばれた焦茶色の髪の青年は少し恥ずかしそうに頷く。
「トオル様、申し訳ありません。
コルムが昨日から今日が楽しみで仕方なくて…。
宜しければ朝食作りを御一緒させて頂けませんか?」
この2人が王宮から来た料理人さんなのかな?
2人は仲良さそうに柔らかい雰囲気で話している。
「ありがとうございます。
むしろ、宜しくお願いします。
えっと、コルムさんとカベロさんが王宮の方なんですよね。
じゃあ、そちらがラインハルトのところの方ですか?」
もう1人、ガチガチに緊張している水色髪の子に聞いてみる。
コルムさんとカベロさんは2人とも俺よりも背が高くて青年って感じだが、その子は俺よりも少しだけ背が低くて1番若そうで少年と言う感じだった。
「は、はい……。僕は、ソランジール家で見習い料理人をしています。
リオルと申します。
よ、宜しくお願いします…。」
「こちらこそ、宜しくお願いします!」
彼の緊張を見たせいで俺自身の緊張はいつの間にか溶けていたらしい。
むしろ、彼が心配になったくらいだ。
ちなみに歳はコルムさんとカベロさんが20歳でリオルくんが17歳だって。
全員俺よりも年下なのにそのうち2人は俺よりも大人に見えてちょっと凹んだ。
「トオル様、私たちのことは呼び捨てで大丈夫です。
気楽に話して頂けると嬉しいです。
ただでさえ私たちの方が年下ですし、教えて頂く身なので……。」
カベロさんがそう言ってくれる。
コルムさんとリオルくんもそれに頷いていた。
「……じゃあ、皆、君付けにするよ。
じゃあ、俺からもお願いを聞いて貰っていい?」
聞いてみると3人が
「もちろんです!なんでも仰ってください!」と言ってくれた。
よし、言質はとった!
「じゃあ、俺にはもっと気楽に話して欲しいな…。
成り行きで料理を教えるって事になっちゃったけど、俺は人に教えてあげられるほど料理ができる訳じゃないから……。
だから、皆で一緒に成長していけたら嬉しいなって思ってるんだけど……。」
俺の言葉に3人が固まってしまう。
「それは出来ません!」
リオルくんが真っ先に首をふり、他の2人も頷いてリオルくんに賛成する。
まぁ、そうだよな…。
「でも、お願い…。
正直、俺もこの世界の食材のこと皆に教えて貰いたいから畏まられると聞きにくいからさ……。」
皆には是非とも沢山教えて貰いたい。
しばらく押し問答をするはめになったが、俺が折れる気がないと3人が理解すると渋々頷いてくれた。
「じゃあ、改めて、俺はトオルっていいます。
今日からこの騎士団の厨房で働きます。
宜しくお願いします。」
最初の挨拶だからとついつい畏まってしまうと、コルムくんに速攻で突っ込まれてしまう。
「トオルさん、ずるいですよ!
俺たちに敬語使うなって言ったくせに……。」
「あ、ごめん、ごめん。
ついつい癖で出ちゃう時があるけど気にしないで。」
日本人だから仕方ないじゃないか…。
だからリオルくんもカベロくんもそんなずるいって目で見ないでよ……。
「じゃ、じゃあ、さっそく朝食の準備をしようか。
もうすぐ騎士見習いの子達も来てくれるから皆で準備しよう。」
「今日は、何を作るんですか?」
リオルくんが聞いてくる。
目がキラキラしてて、この子は料理が好きなんだなぁってわかった。
もちろん、コルムくんもカベロくんも同じ目をしていた。
純粋に料理が好きな仲間が増えたようで嬉しい。
「構成はスープと、サラダ、主菜で、スープは、シンプルに玉ねぎのスープかな。
サラダは、ドレッシングを果物を使ったものにしようと思う。
主菜は…燻製肉を焼いたのと、卵を使った料理にしようかな。」
厨房に来るまでの間歩きながら考えたメニューを発表する。
簡単な料理が多いけど、量が量だから時間がかかるかなと思っていたが、思わぬ助っ人のおかげで手早く出来そうだ。
早く作り終わったらもう1品くらい増やしてもいいかもしれない。
4人で話し合った結果、コルムくんがスープを、カベロくんがサラダとドレッシングを、リオルくんが主菜を担当することになった。
主菜のほうがやることが多いから、コルムくんとカベロくんが終わり次第リオルくんを手伝うらしい。
とりあえず、作り方と材料のメモを書いて3人に渡したところで見習いの子達が厨房へ来る。
知らない人が3人も居て少し驚いたようだったが、説明すると彼らも3班に分れてくれて各料理の担当につく。
「よし、じゃあ、始めようか。」
なんだか、調理実習をしてる気分になってきたな…。
中学生の頃の先生ってこんな気分だったんだろうか……?
アレンは、しばらく俺を抱きしめてたが
「そろそろ行かないと…」
と名残惜しそうに手放した。
「うん。気をつけてね。」
コア様のとこだから危険なことはないとわかっているけど、なんだか嫌な予感がした。
「あぁ、ありがとうな。
トオルも今日から本格的に厨房で働くんだ。
それに今日から王宮の料理人も来るんだろ?
あんまり無理をしすぎないようにな。」
アレンの言葉で今日から料理人が学びにくる事を思い出して少し不安になる。
「俺なんかでちゃんと料理を教えてあげられるかな?」
ついついアレンに弱音を吐いてしまう。
「あぁ、トオルなら大丈夫だ。
トオルは、トオルが好きなように料理をすればいい。」
優しく俺の頭を撫でながら応援してくれた。
好きなようにか…。
俺は、アレンに食べて欲しい料理を気持ちを込めて作ればいいんだ。
「うん!ありがとう。」
アレンに抱きついて勇気を貰う。
よし行こうかな。
アレンの部屋の前で彼と別れて厨房に向かいながら考える。
とりあえず、朝ごはんからだよな。
約100人分となると大量に作れるものじゃないといけないかな…。
確か、ヴェインさんが料理人が来るのは夕方って言ってたし見習いの子達と作るのかな?
何にしよう……?
主食はとりあえずヴェインさんが仕入れてくれてるパンだろうから、主菜とスープにサラダかな。
厨房に入ると見たことない青年が3人いた。
3人ともコックコートを着ている。
俺を見るなりこちらに近づいてきた。
「トオル様でよろしいでしょうか?」
紺色の髪の青年が代表して話しかけてくれる。
「はい…。えっと…?」
「申し訳ありません。申し遅れました。
私、王宮で料理人の見習いをしております。
コルムと申します。」
「あれ?夕方にいらっしゃるって聞いてましたけど……?」
俺の問にコルムさんが苦笑いしながら答えてくれた。
「実は…トオル様から料理を勉強させてもらえるのが楽しみで夕方まで待てなくて…。
なぁ、カベロ?」
カベロと呼ばれた焦茶色の髪の青年は少し恥ずかしそうに頷く。
「トオル様、申し訳ありません。
コルムが昨日から今日が楽しみで仕方なくて…。
宜しければ朝食作りを御一緒させて頂けませんか?」
この2人が王宮から来た料理人さんなのかな?
2人は仲良さそうに柔らかい雰囲気で話している。
「ありがとうございます。
むしろ、宜しくお願いします。
えっと、コルムさんとカベロさんが王宮の方なんですよね。
じゃあ、そちらがラインハルトのところの方ですか?」
もう1人、ガチガチに緊張している水色髪の子に聞いてみる。
コルムさんとカベロさんは2人とも俺よりも背が高くて青年って感じだが、その子は俺よりも少しだけ背が低くて1番若そうで少年と言う感じだった。
「は、はい……。僕は、ソランジール家で見習い料理人をしています。
リオルと申します。
よ、宜しくお願いします…。」
「こちらこそ、宜しくお願いします!」
彼の緊張を見たせいで俺自身の緊張はいつの間にか溶けていたらしい。
むしろ、彼が心配になったくらいだ。
ちなみに歳はコルムさんとカベロさんが20歳でリオルくんが17歳だって。
全員俺よりも年下なのにそのうち2人は俺よりも大人に見えてちょっと凹んだ。
「トオル様、私たちのことは呼び捨てで大丈夫です。
気楽に話して頂けると嬉しいです。
ただでさえ私たちの方が年下ですし、教えて頂く身なので……。」
カベロさんがそう言ってくれる。
コルムさんとリオルくんもそれに頷いていた。
「……じゃあ、皆、君付けにするよ。
じゃあ、俺からもお願いを聞いて貰っていい?」
聞いてみると3人が
「もちろんです!なんでも仰ってください!」と言ってくれた。
よし、言質はとった!
「じゃあ、俺にはもっと気楽に話して欲しいな…。
成り行きで料理を教えるって事になっちゃったけど、俺は人に教えてあげられるほど料理ができる訳じゃないから……。
だから、皆で一緒に成長していけたら嬉しいなって思ってるんだけど……。」
俺の言葉に3人が固まってしまう。
「それは出来ません!」
リオルくんが真っ先に首をふり、他の2人も頷いてリオルくんに賛成する。
まぁ、そうだよな…。
「でも、お願い…。
正直、俺もこの世界の食材のこと皆に教えて貰いたいから畏まられると聞きにくいからさ……。」
皆には是非とも沢山教えて貰いたい。
しばらく押し問答をするはめになったが、俺が折れる気がないと3人が理解すると渋々頷いてくれた。
「じゃあ、改めて、俺はトオルっていいます。
今日からこの騎士団の厨房で働きます。
宜しくお願いします。」
最初の挨拶だからとついつい畏まってしまうと、コルムくんに速攻で突っ込まれてしまう。
「トオルさん、ずるいですよ!
俺たちに敬語使うなって言ったくせに……。」
「あ、ごめん、ごめん。
ついつい癖で出ちゃう時があるけど気にしないで。」
日本人だから仕方ないじゃないか…。
だからリオルくんもカベロくんもそんなずるいって目で見ないでよ……。
「じゃ、じゃあ、さっそく朝食の準備をしようか。
もうすぐ騎士見習いの子達も来てくれるから皆で準備しよう。」
「今日は、何を作るんですか?」
リオルくんが聞いてくる。
目がキラキラしてて、この子は料理が好きなんだなぁってわかった。
もちろん、コルムくんもカベロくんも同じ目をしていた。
純粋に料理が好きな仲間が増えたようで嬉しい。
「構成はスープと、サラダ、主菜で、スープは、シンプルに玉ねぎのスープかな。
サラダは、ドレッシングを果物を使ったものにしようと思う。
主菜は…燻製肉を焼いたのと、卵を使った料理にしようかな。」
厨房に来るまでの間歩きながら考えたメニューを発表する。
簡単な料理が多いけど、量が量だから時間がかかるかなと思っていたが、思わぬ助っ人のおかげで手早く出来そうだ。
早く作り終わったらもう1品くらい増やしてもいいかもしれない。
4人で話し合った結果、コルムくんがスープを、カベロくんがサラダとドレッシングを、リオルくんが主菜を担当することになった。
主菜のほうがやることが多いから、コルムくんとカベロくんが終わり次第リオルくんを手伝うらしい。
とりあえず、作り方と材料のメモを書いて3人に渡したところで見習いの子達が厨房へ来る。
知らない人が3人も居て少し驚いたようだったが、説明すると彼らも3班に分れてくれて各料理の担当につく。
「よし、じゃあ、始めようか。」
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