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本編
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「ポテトチップスは、揚げ物のやり方だけ覚えちゃえば簡単だからラインハルト1人でも出来ると思うよ!」
「おぉ!そう言うの待ってたぜ!」
「ただ、カロリーが高いから食べ過ぎたらヴェイン太っちゃうから気をつけてね?」
そう言うとちょっとだけ苦い顔になる。
「俺はどんなヴェインでも愛せるけど後が怖そうだから気をつけるわ……。」
まぁ、そうだよね…。
ヴェインさん怒ったら怖いもんね……。
油を熱してよく水気を切ったじゃがいもを1枚ずつ入れていく。
揚げ物特有のいい音が厨房に響く。
「!?うわ、びっくりした。
こんなに音が出るのか?
大丈夫か?爆発しないか?」
ラインハルトが青い顔でビビってた。
「大丈夫だよ……。
あ、でも、中が空洞の野菜とかを素揚げする時は刺して穴を空けとかないと爆発するかも……。」
昔、シシトウを素揚げしようとしたら爆発した苦い経験を思い出した。
師匠に怪我したらどうすんだ!ってボコボコに怒られた…。
いや、油より師匠のせいで怪我したよ……。
「やっぱり、爆発すんのかよ!」
「じゃがいもは平気だよ!
ちゃんと水気をとってればの話だけど…。」
話してるうちに綺麗なきつね色になったじゃがいもを取り出す。
取り出してからも表面の温度は高いままだからしばらくは揚げ色がついてしまうから少し早めに取り出すのがポイントだ。
温かいうちに、塩を振り完成。
「はい。ラインハルト味見していいよ?」
「大丈夫か?本当に爆発しないか?」
ビクビクしながら聞いてくる。
「クスクス……大丈夫だよ。」
まぁ卵とかなら時間差で爆発するけどね……。
ラインハルトは意を決してポテトチップスを食べる。
俺も口直しに味見をしよっと。
口に入れるといい音をして崩れていく。
うん!美味しい…。
「おぉ!これ美味いな!
酒のツマミにもピッタリじゃないか?」
「うん、塩だけじゃなくて色んな味にも出来るからピッタリだと思うよ!」
ちなみに俺は、のり塩がイチオシだ!
異論は認めない!
海の方に行けば海苔手に入るかな……?
気づいたら揚げ終えた分が無くなっていた。
「ラインハルト!ヴェインに持っていくんでしょ?
食べ過ぎだよ!」
「あ、悪い!無意識に食べてた……。
これ確かにやばいな。とまらなくなる…。」
「でしょ?
だから、食べ過ぎ注意なんだよ……。」
何日かに分けて食べようと思って買った大袋が気づいたら一瞬で無くなってるんだよね……。
カロリーが高いし……。
あ、でも、師匠が「カロリーが高い料理は総じて美味いんだ!」って言ってたなぁ。
実際、フランス料理なんてバターと生クリームを大量に使った、もはやカロリーの暴力みたいな料理ばっかりだもんね……。
とりあえず、油の音に慣れてきたラインハルトにポテトチップスは任せて俺はシュー生地作りに戻るかな…。
「ラインハルトこっちは任せてもいい?
俺はシュー生地を作りにいくよ。」
「いや、ダメだ。近くにいろ!」
ガシッと手を掴まれてしまった……。
まぁ、仕方ないか。
「わかったよ……。
じゃあ、鍋をもう1つ用意して2人で終わらしちゃお。」
ラインハルトがコクコクと首を振っていた。
これ、1人じゃ作れないやつかな……?
大量のポテトチップスを量産し終える頃にはラインハルトも慣れていてもう1人でも出来そうだ。
パンが出来たらトンカツとか作ろうかな?
いや、ダメだ。
そんなの作ったら更に米を欲してしまう…。
……コア様……会いたいです。切実に。
気を取り直して、シュー生地をつくる。
鍋に水と生乳、バターを入れて火にかける。
沸かして全体が乳化したら2回振るいにかけた薄力粉を加えて弱火にかけながら木ベラで練っていく。
この時に空気を入れるように練るのが膨らみ易くなるポイントだ。
ひとまとまりになって鍋底に薄く生地がつくくらいになったら火からおろしてボウルに移す。
常温に戻して、溶いておいた卵を少しづつ加えて練っていく。
このときにも空気を含ませるように練るのがポイントだ。
最初に沸かした時や火にかけている時間で水分量が変わってくるので卵を分量分全て入れると失敗しやすくなってしまう。
何回かに分けて入れて生地の硬さを確かめながら練っていく。
木ベラである程度の量の生地を持ち上げ、下に落とした時に綺麗に二等辺三角形になるくらいの硬さになったら生地の完成だ。
絞り袋がないから紙で作ったコロネで油を薄く引いた天板に絞っていく。
今回はスワンシューにするからSの鏡文字みたいな形に絞った生地をいくつかつくる。
これは白鳥の頭を模している。
膨らみすぎると形が良くないからこっち薄めに絞った。
本体は、500円玉くらいの大きさで少し楕円になるように絞る。
「そんなに間を開けなきゃいけないのか?
もっと近くに絞れば1枚で済むのに?」
近くで見てたラインハルトが聞いてくる。
「うん。シュー生地はかなり膨らむから間隔が狭いと全部くっついちゃうんだよ…。
まぁ、円を書くみたいに丸く絞って全部くっつけたパリブレストってお菓子もあるけどね。」
「ほぉ?いろんな形があるんだな?」
「うん。普通は丸く焼いてキャベツみたいな形にするんだよ。」
「キャベツ?なんだそれ?」
「あぁ、この世界にはキャベツが無いのか……。似てる野菜ならあるのかな?」
完成したら、ラインハルトに聞いてみよう。
生地を絞り終えたら絞って出来たトンガリを指に水をつけて潰す。
「お?面白そうだな?
俺もやっていいか?」
「もちろん!」
ラインハルトがやってくれた。
「おぉ!なんか、絶妙に気持ちいい触り心地だな。」
「わかる!ぷにぷにしてて楽しいよねぇ。
あ、でも、あんまり潰し過ぎたら形が崩れるからダメだよ?」
「わかってるって。よし!終わったぞ?」
「じゃあ、あとは霧吹きで水を吹いて………。
あ!霧吹きないじゃん!?どうしよう?」
ここまで来てまさかの躓きだ。
シュー生地は、卵と、空気、あとは焼く時の水蒸気で膨らませるお菓子だ。
正確には生地に含まれてる水分と空気が温まって中を空洞にする。
そのためには最後の霧吹きは必須だ。
生地の外に水分が無いと中の水分と空気が生地を押し上げて膨らませることが出来ない。
ちなみに気圧の違いらしいけど詳しくは知らない……。
とりあえず困った……。
「トオル、霧吹きってなんだ?」
ラインハルトが聞いてくる。
「水を雨よりも細くして撒く道具かな?
焼く前にそれで生地を濡らしてから焼かないと綺麗に膨らまないんだよ……。」
「あぁ、なら俺がやるわ!」
そう言うとラインハルトは、魔法で水を霧にしてくれる。
「こんなもんでいいか?」
「おぉ!流石ラインハルト!一家に一人は欲しい万能さ!」
「お前、その顔の時、いつもそんなこと思ってたのか!」
あ、やば!口に出してた……。
「うわっ、冷たい…。
ラインハルト酷いよ……。」
ラインハルトに霧状の水をかけられてびしょびしょだ……。
「酷いのはどっちだよ……。
まったく……。ほら早く完成させるぞ?」
そう言いながら、シュー生地に水をかけてくれる。
「あ、あと、オーブンの何もお願い。」
「おう。こんなもんか?」
「うん!ありがとう。
あとは焼くだけだよ。」
オーブンに生地を入れて待つ。
途中でオーブンを開けてしまうと気圧と温度が変わってシュー生地が萎んでしまうから生地が焼けるまでは絶対に開けてはいけない。
「ハッシュン……。寒い……。」
濡れてしまったせいですごく寒くなってきた。
「悪い、ちょっとやりすぎたか?」
ラインハルトがそういうながら魔法で乾かしてくれた。
「ありがとう!やっぱりラインハルトは優しいね?流石親友!」
そう言うと、照れた顔で笑っていた。
「おぉ!そう言うの待ってたぜ!」
「ただ、カロリーが高いから食べ過ぎたらヴェイン太っちゃうから気をつけてね?」
そう言うとちょっとだけ苦い顔になる。
「俺はどんなヴェインでも愛せるけど後が怖そうだから気をつけるわ……。」
まぁ、そうだよね…。
ヴェインさん怒ったら怖いもんね……。
油を熱してよく水気を切ったじゃがいもを1枚ずつ入れていく。
揚げ物特有のいい音が厨房に響く。
「!?うわ、びっくりした。
こんなに音が出るのか?
大丈夫か?爆発しないか?」
ラインハルトが青い顔でビビってた。
「大丈夫だよ……。
あ、でも、中が空洞の野菜とかを素揚げする時は刺して穴を空けとかないと爆発するかも……。」
昔、シシトウを素揚げしようとしたら爆発した苦い経験を思い出した。
師匠に怪我したらどうすんだ!ってボコボコに怒られた…。
いや、油より師匠のせいで怪我したよ……。
「やっぱり、爆発すんのかよ!」
「じゃがいもは平気だよ!
ちゃんと水気をとってればの話だけど…。」
話してるうちに綺麗なきつね色になったじゃがいもを取り出す。
取り出してからも表面の温度は高いままだからしばらくは揚げ色がついてしまうから少し早めに取り出すのがポイントだ。
温かいうちに、塩を振り完成。
「はい。ラインハルト味見していいよ?」
「大丈夫か?本当に爆発しないか?」
ビクビクしながら聞いてくる。
「クスクス……大丈夫だよ。」
まぁ卵とかなら時間差で爆発するけどね……。
ラインハルトは意を決してポテトチップスを食べる。
俺も口直しに味見をしよっと。
口に入れるといい音をして崩れていく。
うん!美味しい…。
「おぉ!これ美味いな!
酒のツマミにもピッタリじゃないか?」
「うん、塩だけじゃなくて色んな味にも出来るからピッタリだと思うよ!」
ちなみに俺は、のり塩がイチオシだ!
異論は認めない!
海の方に行けば海苔手に入るかな……?
気づいたら揚げ終えた分が無くなっていた。
「ラインハルト!ヴェインに持っていくんでしょ?
食べ過ぎだよ!」
「あ、悪い!無意識に食べてた……。
これ確かにやばいな。とまらなくなる…。」
「でしょ?
だから、食べ過ぎ注意なんだよ……。」
何日かに分けて食べようと思って買った大袋が気づいたら一瞬で無くなってるんだよね……。
カロリーが高いし……。
あ、でも、師匠が「カロリーが高い料理は総じて美味いんだ!」って言ってたなぁ。
実際、フランス料理なんてバターと生クリームを大量に使った、もはやカロリーの暴力みたいな料理ばっかりだもんね……。
とりあえず、油の音に慣れてきたラインハルトにポテトチップスは任せて俺はシュー生地作りに戻るかな…。
「ラインハルトこっちは任せてもいい?
俺はシュー生地を作りにいくよ。」
「いや、ダメだ。近くにいろ!」
ガシッと手を掴まれてしまった……。
まぁ、仕方ないか。
「わかったよ……。
じゃあ、鍋をもう1つ用意して2人で終わらしちゃお。」
ラインハルトがコクコクと首を振っていた。
これ、1人じゃ作れないやつかな……?
大量のポテトチップスを量産し終える頃にはラインハルトも慣れていてもう1人でも出来そうだ。
パンが出来たらトンカツとか作ろうかな?
いや、ダメだ。
そんなの作ったら更に米を欲してしまう…。
……コア様……会いたいです。切実に。
気を取り直して、シュー生地をつくる。
鍋に水と生乳、バターを入れて火にかける。
沸かして全体が乳化したら2回振るいにかけた薄力粉を加えて弱火にかけながら木ベラで練っていく。
この時に空気を入れるように練るのが膨らみ易くなるポイントだ。
ひとまとまりになって鍋底に薄く生地がつくくらいになったら火からおろしてボウルに移す。
常温に戻して、溶いておいた卵を少しづつ加えて練っていく。
このときにも空気を含ませるように練るのがポイントだ。
最初に沸かした時や火にかけている時間で水分量が変わってくるので卵を分量分全て入れると失敗しやすくなってしまう。
何回かに分けて入れて生地の硬さを確かめながら練っていく。
木ベラである程度の量の生地を持ち上げ、下に落とした時に綺麗に二等辺三角形になるくらいの硬さになったら生地の完成だ。
絞り袋がないから紙で作ったコロネで油を薄く引いた天板に絞っていく。
今回はスワンシューにするからSの鏡文字みたいな形に絞った生地をいくつかつくる。
これは白鳥の頭を模している。
膨らみすぎると形が良くないからこっち薄めに絞った。
本体は、500円玉くらいの大きさで少し楕円になるように絞る。
「そんなに間を開けなきゃいけないのか?
もっと近くに絞れば1枚で済むのに?」
近くで見てたラインハルトが聞いてくる。
「うん。シュー生地はかなり膨らむから間隔が狭いと全部くっついちゃうんだよ…。
まぁ、円を書くみたいに丸く絞って全部くっつけたパリブレストってお菓子もあるけどね。」
「ほぉ?いろんな形があるんだな?」
「うん。普通は丸く焼いてキャベツみたいな形にするんだよ。」
「キャベツ?なんだそれ?」
「あぁ、この世界にはキャベツが無いのか……。似てる野菜ならあるのかな?」
完成したら、ラインハルトに聞いてみよう。
生地を絞り終えたら絞って出来たトンガリを指に水をつけて潰す。
「お?面白そうだな?
俺もやっていいか?」
「もちろん!」
ラインハルトがやってくれた。
「おぉ!なんか、絶妙に気持ちいい触り心地だな。」
「わかる!ぷにぷにしてて楽しいよねぇ。
あ、でも、あんまり潰し過ぎたら形が崩れるからダメだよ?」
「わかってるって。よし!終わったぞ?」
「じゃあ、あとは霧吹きで水を吹いて………。
あ!霧吹きないじゃん!?どうしよう?」
ここまで来てまさかの躓きだ。
シュー生地は、卵と、空気、あとは焼く時の水蒸気で膨らませるお菓子だ。
正確には生地に含まれてる水分と空気が温まって中を空洞にする。
そのためには最後の霧吹きは必須だ。
生地の外に水分が無いと中の水分と空気が生地を押し上げて膨らませることが出来ない。
ちなみに気圧の違いらしいけど詳しくは知らない……。
とりあえず困った……。
「トオル、霧吹きってなんだ?」
ラインハルトが聞いてくる。
「水を雨よりも細くして撒く道具かな?
焼く前にそれで生地を濡らしてから焼かないと綺麗に膨らまないんだよ……。」
「あぁ、なら俺がやるわ!」
そう言うとラインハルトは、魔法で水を霧にしてくれる。
「こんなもんでいいか?」
「おぉ!流石ラインハルト!一家に一人は欲しい万能さ!」
「お前、その顔の時、いつもそんなこと思ってたのか!」
あ、やば!口に出してた……。
「うわっ、冷たい…。
ラインハルト酷いよ……。」
ラインハルトに霧状の水をかけられてびしょびしょだ……。
「酷いのはどっちだよ……。
まったく……。ほら早く完成させるぞ?」
そう言いながら、シュー生地に水をかけてくれる。
「あ、あと、オーブンの何もお願い。」
「おう。こんなもんか?」
「うん!ありがとう。
あとは焼くだけだよ。」
オーブンに生地を入れて待つ。
途中でオーブンを開けてしまうと気圧と温度が変わってシュー生地が萎んでしまうから生地が焼けるまでは絶対に開けてはいけない。
「ハッシュン……。寒い……。」
濡れてしまったせいですごく寒くなってきた。
「悪い、ちょっとやりすぎたか?」
ラインハルトがそういうながら魔法で乾かしてくれた。
「ありがとう!やっぱりラインハルトは優しいね?流石親友!」
そう言うと、照れた顔で笑っていた。
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