91 / 196
本編
68
しおりを挟む
リールさんとアンナさんが帰ったあとは
また、アレンが部屋まで送ってくれた。
「アレン、団服ありがとう。
家族って言って貰えて嬉しかったよ。」
「ああ、当たり前だろ?
なぁ、トオル。ちょっとだけ部屋に入っていいか?」
「もちろんだよ!でも、仕事戻らなくていいの?」
「あと30分くらいなら大丈夫だ。」
それならとアレンを部屋に入れて2人でベッドに腰掛けた。
給料が出たらソファーでも買おうかな…。
人が来た時に座って貰う場所がベッドしかないのは少し困るし……。
「なぁ、トオル。少し聞いてもいいか?」
アレンが躊躇うように聞いてくる。
「ん?なに?」
「さっき、アンナが妊娠をしたって聞いときに暗い顔してただろ?気になってな。」
あぁ、そのことか…。
言おうかすごく躊躇った。
そのことを指摘したらアレンが離れていってしまいそうで少し怖かった。
黙っているとアレンが俺を抱きしめてキスをくれる。
「トオル?何か不安なことがあるなら言ってくれ。
俺に出来ることなら何でもするから…。」
優しく言われ、俺のことを純粋に心配しているその顔にアレンの俺への気持ちを信じきれなかった自分が恥ずかしくなる。
大丈夫だ。
きっとアレンなら……。
そう思い、アレンに伝える。
「………アンナさんの妊娠を聞いて思ったんだ。
俺は、男だからアレンの子供を産んであげられないなって。
それでもアレンは、俺を選んでくれる?」
アレンのことは信じてる。でも、やっぱり答えを聞くのが怖かった。
いつか、女の子のほうがいいと言われてしまいそうで……。
アレンを見ると何故かキョトンとした顔をしていた。
「トオル?そんなことで悩んでたのか?」
そんなこと?え?
「重要なことじゃないか!
俺はアレンの子供を産んであげられないんだよ?」
予想外の反応に驚く。
まるで、考えても見なかったという感じだった。
「あぁ、そうか…。
トオルの世界ではそれが普通なのか。」
「え?どういう意味?男なら好きな人との間に子供が欲しいって思うのは当然じゃないか!」
この世界では、普通じゃないの?
「いや、それは当たり前だぞ?」
「じゃあ、なにが違うんだよ?」
俺の問にアレンが衝撃の答えを言う。
「トオル、この世界ではな、普通に男も妊娠出来るんだぞ?」
「……………は?」
妊娠?出来る?男が?
……………は?
アレンの言葉が脳内で処理しきれず固まる。
「トオル?」
「…………。」
「おい、トオル?」
「…………。」
突然、唇にキスをされて現実に引き戻された。
「トオル、大丈夫か?」
「え?あれ?何の話してたっけ?」
なんか、凄く怖い話を聞いた気がする。
「だから、トオルも妊娠出来るって話だぞ?」
「………はぁ!!!!?
なにそれ?なんで?
意味がわからない。どうやって!!!?」
アレンが俺をなだめながら教えてくれた。
この世界で、同性同士でも自由に恋愛が出来るのは、妊娠が男でも出来るからだそうだ。
魔力を持つものなら誰でも妊娠が可能らしい。
男女の場合は、俺が知ってる知識とそうは変わらなかった。
しかし、同性同士の場合は、ちょっと違った。
ちょっとだけ生々しいからサラッと話すとお互いが本気で子供が欲しいと思いながら行為を繰り返してるうちに身体に子宮が出来るらしい。
それは、魔力を元にして出来るらしく、亜空間に出来る?らしくて身体の中だけど身体の中じゃないらしい。
そこら辺は良くわからなかった。
母体の魔力で成長して出産の頃になると亜空間から出てくるそうだ。
出産の話は怖くて聞けなかった。
「なんというか……人体の神秘……。」
「あぁ、そうだな。
それに関してはまだわかってないことのほうが多いらしい。」
「そうなんだ……。
なんか、凄く怖い話を聞いた気分だよ…。」
アレンが俺を抱きしめて言った。
「だから、トオルも俺の子供を産めるぞ?
これで安心したか?
俺はもうトオルを手放すつもりなんてないからな?」
俺がアレンの子供を……。
嬉しいけど、嬉しくない……。
別の意味で不安になってきた…。
「と、とりあえず、子供の話は置いといて…。
ありがとう。心配かけてごめん…。」
「あぁ、大丈夫だ。
これからも不安があるならすぐに言うんだぞ?
それに子供が出来るのはお互いが望んだ時だけだ。
俺は今は望んでない。」
「え?そうなの?アレン、子供苦手なの?」
「いや、そんなことないぞ?
それにもし苦手でもトオルとの子供なら可愛がりまくるに決まってるだろ?」
子供にデレデレなアレンを想像して少し笑ってしまう。
「じゃあ、なんで?」
「だって、子供が出来たらトオルは子供を優先にするだろ?」
アレンが少し拗ねたような顔で聞いてくる。
「まぁ、普通そうなるよね?」
元の世界で数少ない友人の1人が結婚をして子供が出来た時にそうだった。
親は普通そういうものだろう。
「だから、ダメだ。
俺の子供であろうとトオルを取られるのは悔しい……。
今はまだ、トオルだけを愛したい。」
大人げないことを平気で言うアレンは可愛くて…好きだなぁって心から溢れてきた。
俺がついつい笑って居ると、キスをされる。
しかも、深いキスだった。
身体が反応しそうになるのを我慢して何とかキスから逃げ出した。
「はぁ、はぁ、はぁ…。
アレン、仕事戻るんでしょ?」
「くっ………俺の部下たちは皆、優秀なんだから俺が居なくても平気だろう。
今は、トオルと愛し合いたい!」
そう言って、俺の礼服の中に手を入れようとしてくる。
「ダ、ダメだよ。
せっかくの礼服が皺になるじゃん……。」
やばい、流されちゃいそう……。
突然ノックが聞こえてくる。
「トオル~!お菓子つくるんだろ?まだ盛るなよー?」
ラインハルトの声が扉越しに響いた。
俺は慌てて、アレンを突き飛ばして扉に向かう。
「ラインハルト!廊下でそんなことでっかい声で言うな!」
扉を開けてラインハルトを部屋に引きづりこんだ。
彼は笑いながら「仕返しだ」って言ってくる。
は?なんのこと…。
「まさか、手合わせって……。」
ニヤニヤしながら頷いてくる。
くっ……それは俺が悪かった…。
「アレン、そんな睨むなよ?
ヴェインにこの時間になってもアレンが仕事に戻らないならトオルを連れ出せって言われてたんだから……。」
「くそっ…またヴェインの仕業か…。
あいつ、未来予知でも出来るのかよ!」
「そんだけアレンが単純なんだよ……。
それにしてもまたすげぇ服、贈ったな?」
ラインハルトが俺の礼服を見ながら言う。
まぁ、わかっちゃうよなぁ…。
「似合ってるだろ?
それに牽制しとかないといけないからな。」
「まぁ、それに関しては同意するわ。
トオル、鈍感過ぎて心配だからなぁ……。」
ラインハルトがアレンを憐れむような目で見ていた。
「な、なんだよ?」
俺はそこまで鈍感じゃないぞ?
「まぁ、トオルよく似合ってるよ。
せいぜい明日は、その服で王宮を歩いて宣伝するぞ。
『俺はアレンのものだからな!』って。
したら、手を出してくるヤツらも居ないだろ。」
「わぁー、言うなよー!せっかく忘れてたのに…。」
明日やっぱり私服じゃダメかな?
また、アレンが部屋まで送ってくれた。
「アレン、団服ありがとう。
家族って言って貰えて嬉しかったよ。」
「ああ、当たり前だろ?
なぁ、トオル。ちょっとだけ部屋に入っていいか?」
「もちろんだよ!でも、仕事戻らなくていいの?」
「あと30分くらいなら大丈夫だ。」
それならとアレンを部屋に入れて2人でベッドに腰掛けた。
給料が出たらソファーでも買おうかな…。
人が来た時に座って貰う場所がベッドしかないのは少し困るし……。
「なぁ、トオル。少し聞いてもいいか?」
アレンが躊躇うように聞いてくる。
「ん?なに?」
「さっき、アンナが妊娠をしたって聞いときに暗い顔してただろ?気になってな。」
あぁ、そのことか…。
言おうかすごく躊躇った。
そのことを指摘したらアレンが離れていってしまいそうで少し怖かった。
黙っているとアレンが俺を抱きしめてキスをくれる。
「トオル?何か不安なことがあるなら言ってくれ。
俺に出来ることなら何でもするから…。」
優しく言われ、俺のことを純粋に心配しているその顔にアレンの俺への気持ちを信じきれなかった自分が恥ずかしくなる。
大丈夫だ。
きっとアレンなら……。
そう思い、アレンに伝える。
「………アンナさんの妊娠を聞いて思ったんだ。
俺は、男だからアレンの子供を産んであげられないなって。
それでもアレンは、俺を選んでくれる?」
アレンのことは信じてる。でも、やっぱり答えを聞くのが怖かった。
いつか、女の子のほうがいいと言われてしまいそうで……。
アレンを見ると何故かキョトンとした顔をしていた。
「トオル?そんなことで悩んでたのか?」
そんなこと?え?
「重要なことじゃないか!
俺はアレンの子供を産んであげられないんだよ?」
予想外の反応に驚く。
まるで、考えても見なかったという感じだった。
「あぁ、そうか…。
トオルの世界ではそれが普通なのか。」
「え?どういう意味?男なら好きな人との間に子供が欲しいって思うのは当然じゃないか!」
この世界では、普通じゃないの?
「いや、それは当たり前だぞ?」
「じゃあ、なにが違うんだよ?」
俺の問にアレンが衝撃の答えを言う。
「トオル、この世界ではな、普通に男も妊娠出来るんだぞ?」
「……………は?」
妊娠?出来る?男が?
……………は?
アレンの言葉が脳内で処理しきれず固まる。
「トオル?」
「…………。」
「おい、トオル?」
「…………。」
突然、唇にキスをされて現実に引き戻された。
「トオル、大丈夫か?」
「え?あれ?何の話してたっけ?」
なんか、凄く怖い話を聞いた気がする。
「だから、トオルも妊娠出来るって話だぞ?」
「………はぁ!!!!?
なにそれ?なんで?
意味がわからない。どうやって!!!?」
アレンが俺をなだめながら教えてくれた。
この世界で、同性同士でも自由に恋愛が出来るのは、妊娠が男でも出来るからだそうだ。
魔力を持つものなら誰でも妊娠が可能らしい。
男女の場合は、俺が知ってる知識とそうは変わらなかった。
しかし、同性同士の場合は、ちょっと違った。
ちょっとだけ生々しいからサラッと話すとお互いが本気で子供が欲しいと思いながら行為を繰り返してるうちに身体に子宮が出来るらしい。
それは、魔力を元にして出来るらしく、亜空間に出来る?らしくて身体の中だけど身体の中じゃないらしい。
そこら辺は良くわからなかった。
母体の魔力で成長して出産の頃になると亜空間から出てくるそうだ。
出産の話は怖くて聞けなかった。
「なんというか……人体の神秘……。」
「あぁ、そうだな。
それに関してはまだわかってないことのほうが多いらしい。」
「そうなんだ……。
なんか、凄く怖い話を聞いた気分だよ…。」
アレンが俺を抱きしめて言った。
「だから、トオルも俺の子供を産めるぞ?
これで安心したか?
俺はもうトオルを手放すつもりなんてないからな?」
俺がアレンの子供を……。
嬉しいけど、嬉しくない……。
別の意味で不安になってきた…。
「と、とりあえず、子供の話は置いといて…。
ありがとう。心配かけてごめん…。」
「あぁ、大丈夫だ。
これからも不安があるならすぐに言うんだぞ?
それに子供が出来るのはお互いが望んだ時だけだ。
俺は今は望んでない。」
「え?そうなの?アレン、子供苦手なの?」
「いや、そんなことないぞ?
それにもし苦手でもトオルとの子供なら可愛がりまくるに決まってるだろ?」
子供にデレデレなアレンを想像して少し笑ってしまう。
「じゃあ、なんで?」
「だって、子供が出来たらトオルは子供を優先にするだろ?」
アレンが少し拗ねたような顔で聞いてくる。
「まぁ、普通そうなるよね?」
元の世界で数少ない友人の1人が結婚をして子供が出来た時にそうだった。
親は普通そういうものだろう。
「だから、ダメだ。
俺の子供であろうとトオルを取られるのは悔しい……。
今はまだ、トオルだけを愛したい。」
大人げないことを平気で言うアレンは可愛くて…好きだなぁって心から溢れてきた。
俺がついつい笑って居ると、キスをされる。
しかも、深いキスだった。
身体が反応しそうになるのを我慢して何とかキスから逃げ出した。
「はぁ、はぁ、はぁ…。
アレン、仕事戻るんでしょ?」
「くっ………俺の部下たちは皆、優秀なんだから俺が居なくても平気だろう。
今は、トオルと愛し合いたい!」
そう言って、俺の礼服の中に手を入れようとしてくる。
「ダ、ダメだよ。
せっかくの礼服が皺になるじゃん……。」
やばい、流されちゃいそう……。
突然ノックが聞こえてくる。
「トオル~!お菓子つくるんだろ?まだ盛るなよー?」
ラインハルトの声が扉越しに響いた。
俺は慌てて、アレンを突き飛ばして扉に向かう。
「ラインハルト!廊下でそんなことでっかい声で言うな!」
扉を開けてラインハルトを部屋に引きづりこんだ。
彼は笑いながら「仕返しだ」って言ってくる。
は?なんのこと…。
「まさか、手合わせって……。」
ニヤニヤしながら頷いてくる。
くっ……それは俺が悪かった…。
「アレン、そんな睨むなよ?
ヴェインにこの時間になってもアレンが仕事に戻らないならトオルを連れ出せって言われてたんだから……。」
「くそっ…またヴェインの仕業か…。
あいつ、未来予知でも出来るのかよ!」
「そんだけアレンが単純なんだよ……。
それにしてもまたすげぇ服、贈ったな?」
ラインハルトが俺の礼服を見ながら言う。
まぁ、わかっちゃうよなぁ…。
「似合ってるだろ?
それに牽制しとかないといけないからな。」
「まぁ、それに関しては同意するわ。
トオル、鈍感過ぎて心配だからなぁ……。」
ラインハルトがアレンを憐れむような目で見ていた。
「な、なんだよ?」
俺はそこまで鈍感じゃないぞ?
「まぁ、トオルよく似合ってるよ。
せいぜい明日は、その服で王宮を歩いて宣伝するぞ。
『俺はアレンのものだからな!』って。
したら、手を出してくるヤツらも居ないだろ。」
「わぁー、言うなよー!せっかく忘れてたのに…。」
明日やっぱり私服じゃダメかな?
16
Twitterをはじめました!よろしければフォローをお願い致します。https://twitter.com/arrow677995771
お気に入りに追加
5,583
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~
鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!
詳細は近況ボードに載せていきます!
「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」
特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。
しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。
バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて――
こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。
異世界で騎士団寮長になりまして
円山ゆに
BL
⭐︎ 書籍発売‼︎2023年1月16日頃から順次出荷予定⭐︎溺愛系異世界ファンタジーB L⭐︎
天涯孤独の20歳、蒼太(そうた)は大の貧乏で節約の鬼。ある日、転がる500円玉を追いかけて迷い込んだ先は異世界・ライン王国だった。
王立第二騎士団団長レオナードと副団長のリアに助けられた蒼太は、彼らの提案で騎士団寮の寮長として雇われることに。
異世界で一から節約生活をしようと意気込む蒼太だったが、なんと寮長は騎士団団長と婚姻関係を結ぶ決まりがあるという。さらにレオナードとリアは同じ一人を生涯の伴侶とする契りを結んでいた。
「つ、つまり僕は二人と結婚するってこと?」
「「そういうこと」」
グイグイ迫ってくる二人のイケメン騎士に振り回されながらも寮長の仕事をこなす蒼太だったが、次第に二人に惹かれていく。
一方、王国の首都では不穏な空気が流れていた。
やがて明かされる寮長のもう一つの役割と、蒼太が異世界にきた理由とは。
二人の騎士に溺愛される節約男子の異世界ファンタジーB Lです!
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

「今夜は、ずっと繋がっていたい」というから頷いた結果。
猫宮乾
BL
異世界転移(転生)したワタルが現地の魔術師ユーグと恋人になって、致しているお話です。9割性描写です。※自サイトからの転載です。サイトにこの二人が付き合うまでが置いてありますが、こちら単独でご覧頂けます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる