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本編
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「ところで、トオル身体は平気か?
アレンに無理されたんじゃないか?
もっとゆっくり休んでていいんだぞ?」
ヴェインさんが聞いてくる。
「ヴェイン、違うんだよ!
アレンか悪いんじゃないんだ。
だから、アレンを怒らないで?」
「トオル、なにも言うな……。」
アレンが止めてきたが無視してヴェインさんに伝えた。
「トオル、アレンなんか庇わなくていいんだぞ?
ちゃんと部屋に送るって約束したのに破って無体なことをしたのはアレンだ。」
ヴェインさんは、俺を本気で心配してるみたいだ。
「ヴェイン、違うんだよ……。
その…だから…俺から誘ったんだよ…。」
恥ずかしすぎて声が小さくなる。
ヴェインさんは聞き取れなかったみたいで
「すまん、よく聞こえない。」
と聞き返してくる。
「……だから……俺から誘ったの!!」
ちゃんと伝えないとずっとアレンが責められてしまうと思い、もうやけになって真っ赤になりながら叫ぶ。
それを聞いて
ヴェインさんは「………はぁ?…え?…そ、そうか…なんかすまん…。」って申し訳なさそうにするし……。
ラインハルトは「マジかよ!トオル意外に大胆だな!?」って爆笑するし……。
アレンは「トオル、好きだ!愛してる!」って抱きしめてキスしてくるし……。
なにこの生き地獄……。
恥ずかしすぎて死にそう……。
しばらくしてから、皆、落ち着いてお茶を飲みながら話をした。
とりあえず、明日にはアンナさんから礼服が届くから明後日の午後に王様とお茶会をするらしい。
王様に差し入れをするお菓子でも作ったら?
とラインハルトに言われて決定した。
王様に食べさせるお菓子なんて…。
後で父さんのレシピを見ながら考えよう。
俺の仕事は、王様とのお茶会の次の日まで延期だと改めて言われた。
途中で俺のお腹がなってしまい、ご飯を作ろうか?って皆に言ったら、基本的にこの国では朝と晩しかご飯を食べないことがわかった。
その代わり、お茶とお菓子を楽しむし、朝と晩のご飯はガッツリ食べるんだって。
ただ、たまに食べ損ねた人のためにサンドイッチとかは用意してあるみたい。
俺は、朝のスープの残りをもらった。
今日は、カイルくんのいる班が当番で俺を真似てクリームスープを作ったみたいで美味しかった。
普通に美味しかったのに、カイルくんは、「トオルさんの作ったやつの方が何倍も美味しかった…。」ってちょっと凹んでいたらしい。
カイルくんの顔を想像してついついほっこりする。
元気そうでよかった。
ヴェインさんの話だと、さっきの魔法講義では凄く頑張っていたみたいだ。
「トオル、カイルが頑張ってるんだからお前も負けてられないな?」
ヴェインさんが俺を見据えて言う。
………矛先がこっちにきた。
「うん…がんばる…。」
「良し、じゃあ、魔力を測って魔法の練習しに行くか!
魔法は、使って無いよな?」
………ギクリ。
「あ、ヴェイン、あの……昨日…」
俺がそう言うとヴェインさんがちょっとだけ不機嫌そうにこちらを見る。
アレンにくっつき助けを求める。
まぁ、自業自得なんだけど……。
「ヴェイン、トオルはやはり治癒魔法が使えた。
治る速度からみても普通の治癒魔法じゃない。本当に伝承の白魔法みたいだった。」
アレンの言葉にヴェインさんが困惑した。
「なにがあったんだ?
怪我をするようなことがあったのか?」
すると、突然、アレンがシャツを脱ぎ、昨日、大きな傷があった所を指した。
「ヴェイン、これを見ろ。ここにあった傷覚えてるだろ?」
ヴェインさんは、そこを見るなり目がキョトンとした。
「は?お前、ドラゴンにつけられた傷が無くなってるじゃないか!?」
そうか、あの傷はドラゴンにつけられものだったのか…。
あんな痛々しい傷、無くなって本当によかった…。
「ああ、昨日、トオルが自分の意思で魔法を使って治してくれたんだ。」
ヴェインさんは、俺に「アレンに触れていいか?」と確認を取ると傷があった場所に触れる。
「感覚に違和感はないか?」
「ああ、全くない。」
「そうか…。完全に治癒したんだな。」
ヴェインさんは凄くほっとしていた。
なんだかんだ言ってもアレンの事を心配していたんだろう。
ヴェインさんの憂いも1つ無くなったならよかった……。
アレンに無理されたんじゃないか?
もっとゆっくり休んでていいんだぞ?」
ヴェインさんが聞いてくる。
「ヴェイン、違うんだよ!
アレンか悪いんじゃないんだ。
だから、アレンを怒らないで?」
「トオル、なにも言うな……。」
アレンが止めてきたが無視してヴェインさんに伝えた。
「トオル、アレンなんか庇わなくていいんだぞ?
ちゃんと部屋に送るって約束したのに破って無体なことをしたのはアレンだ。」
ヴェインさんは、俺を本気で心配してるみたいだ。
「ヴェイン、違うんだよ……。
その…だから…俺から誘ったんだよ…。」
恥ずかしすぎて声が小さくなる。
ヴェインさんは聞き取れなかったみたいで
「すまん、よく聞こえない。」
と聞き返してくる。
「……だから……俺から誘ったの!!」
ちゃんと伝えないとずっとアレンが責められてしまうと思い、もうやけになって真っ赤になりながら叫ぶ。
それを聞いて
ヴェインさんは「………はぁ?…え?…そ、そうか…なんかすまん…。」って申し訳なさそうにするし……。
ラインハルトは「マジかよ!トオル意外に大胆だな!?」って爆笑するし……。
アレンは「トオル、好きだ!愛してる!」って抱きしめてキスしてくるし……。
なにこの生き地獄……。
恥ずかしすぎて死にそう……。
しばらくしてから、皆、落ち着いてお茶を飲みながら話をした。
とりあえず、明日にはアンナさんから礼服が届くから明後日の午後に王様とお茶会をするらしい。
王様に差し入れをするお菓子でも作ったら?
とラインハルトに言われて決定した。
王様に食べさせるお菓子なんて…。
後で父さんのレシピを見ながら考えよう。
俺の仕事は、王様とのお茶会の次の日まで延期だと改めて言われた。
途中で俺のお腹がなってしまい、ご飯を作ろうか?って皆に言ったら、基本的にこの国では朝と晩しかご飯を食べないことがわかった。
その代わり、お茶とお菓子を楽しむし、朝と晩のご飯はガッツリ食べるんだって。
ただ、たまに食べ損ねた人のためにサンドイッチとかは用意してあるみたい。
俺は、朝のスープの残りをもらった。
今日は、カイルくんのいる班が当番で俺を真似てクリームスープを作ったみたいで美味しかった。
普通に美味しかったのに、カイルくんは、「トオルさんの作ったやつの方が何倍も美味しかった…。」ってちょっと凹んでいたらしい。
カイルくんの顔を想像してついついほっこりする。
元気そうでよかった。
ヴェインさんの話だと、さっきの魔法講義では凄く頑張っていたみたいだ。
「トオル、カイルが頑張ってるんだからお前も負けてられないな?」
ヴェインさんが俺を見据えて言う。
………矛先がこっちにきた。
「うん…がんばる…。」
「良し、じゃあ、魔力を測って魔法の練習しに行くか!
魔法は、使って無いよな?」
………ギクリ。
「あ、ヴェイン、あの……昨日…」
俺がそう言うとヴェインさんがちょっとだけ不機嫌そうにこちらを見る。
アレンにくっつき助けを求める。
まぁ、自業自得なんだけど……。
「ヴェイン、トオルはやはり治癒魔法が使えた。
治る速度からみても普通の治癒魔法じゃない。本当に伝承の白魔法みたいだった。」
アレンの言葉にヴェインさんが困惑した。
「なにがあったんだ?
怪我をするようなことがあったのか?」
すると、突然、アレンがシャツを脱ぎ、昨日、大きな傷があった所を指した。
「ヴェイン、これを見ろ。ここにあった傷覚えてるだろ?」
ヴェインさんは、そこを見るなり目がキョトンとした。
「は?お前、ドラゴンにつけられた傷が無くなってるじゃないか!?」
そうか、あの傷はドラゴンにつけられものだったのか…。
あんな痛々しい傷、無くなって本当によかった…。
「ああ、昨日、トオルが自分の意思で魔法を使って治してくれたんだ。」
ヴェインさんは、俺に「アレンに触れていいか?」と確認を取ると傷があった場所に触れる。
「感覚に違和感はないか?」
「ああ、全くない。」
「そうか…。完全に治癒したんだな。」
ヴェインさんは凄くほっとしていた。
なんだかんだ言ってもアレンの事を心配していたんだろう。
ヴェインさんの憂いも1つ無くなったならよかった……。
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