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本編

56 ちょい*

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今回もちょいR18です。
なんとなく、気分的に明るい時間に更新がはばかれた為、今日は深夜に更新です。

地雷の方はご注意ください。


♦♦♦♦♦


「仕方ない……。
最後まではしないからトオルに触れさせてくれ。」
そう言いながらアレンは、何かを呟いたあと緋色の光を俺に向かって放つ。

「!?なにこれ?………暖かくて、なんかさっぱりした?」

光は当たった場所から次第に広がっていき俺の身体全体に行き渡りそのまま消えていく。

「浄化の魔法だ。
これで風呂に入らなくても身体は綺麗になったな。」


浄化の魔法?
凄い、魔法って便利だなぁ…。

「ちょっと待って!?なんで最初から使わなかったの?」

最初から使ってたら一緒にシャワーに入ろうとか、風呂に入ってる間、待ってる代わりに抱かせろとかの問答は必要無かったよね?

俺の質問にアレンが固まる。
「い、いや、ま、魔力の消耗が激しいからなぁ……。」
目を逸らしながらそんなことを言う。

ほぉー?

「コア様の加護で無限の魔力があるのに?」

あ、また目を逸らしやがった。

「アレン、今なら怒らないから正直に言おうか?」
とてもいい笑顔でアレンに聞く。

「ほ、本当か?」
チラッとこっちを見ながら、しどろもどろになり聞いてくる。

「うん。とりあえずこの体勢じゃ出来ないから1度足を降ろそうか?」

アレンは、俺の顔を見ながら少しだけ青くなり素直に降ろしてくれた。

向かい合うように座り直す。

俺は胡座をかいて座っているのに何故かアレンはシュンとしながら正座をしている。

アレン自身はシュンしているのに、彼の息子は元気なままでちょっと可愛く思えてしまった。

そんなに俺に欲情してくれてるんだな。
俺もアレンに何かしてあげたいな……。

いや、待て。
流されるな。

とりあえずはが先だ。

「で、本当は?」


「ト、トオルに早く触れたくて……シャワーを一緒に浴びながら…身体に触れようとしました……。」

「へぇー。」

「で、でも、お風呂の間、待てって言われたから代わりにご褒美を貰おうとしました……。」

「ふーん。じゃあ、魔法を最初から使わなかったのは?」

「そ、そんな魔法があるって知ったらこの先、一緒にお風呂とか入ってくれなくなるかと思って隠しました。す、すみませんでした。」

俺が質問をする度に何故か敬語で答えて来て、さらにどんどん怒られた大型犬みたいにシュンとなっていくアレンが、正直もう可愛すぎて仕方なかった。

笑いを必死に堪えながら、さらに聞く。

「で、結局、我慢出来なくなって魔法使っちゃったの?」

「……だって…早くトオルに触れたかったんだ……。」

やばい、可愛すぎる。

嘘をつかれたのはちょっとショックだったけどそれを上回るくらい愛おしくて仕方なかった。

「そっか。俺、嘘をつく人はやだなぁ…。」

「ト、トオル、すまなかった。いや、すみませんでした。もう絶対にしません…。」


青い顔をしながら必死に謝ってくるアレンは可愛くてもう我慢出来なくてとうとう吹き出してしまう。

「ト、トオル?」
笑っている俺をアレンは不安そうに見つめている。


まぁ、今回は、俺のことが好きすぎてついた嘘だから許そう。

それに俺が最後までちゃんとアレンを受け入れてあげられないのも悪いし。

「ご、ごめん………クスクス………アレンが可愛すぎて……クスクス……。」

「トオル、俺のこと嫌いになってないか?」
不安そうに瞳を揺らしながら聞いてくる。

「ならないよ。大好きだよ。でも……。」

でも、面白いからもうちょっとこのままでいよう。

「でも……?」
大好きと伝えたら一瞬で笑顔になったのに、でもと言ったらまた顔が暗くなった。

アレンは俺の言葉で一喜一憂するんだ。
きっと、さっきの発情したワイルドな顔も俺しか知らない。

好きだ。
俺の世界で1番好きな人。
愛しい人。

俺もアレンに触れたい。

「でも…嘘をついたからお仕置しないと。」
そう言うと俺はアレンに思いっきり抱きついた。

「!?トオル?」
俺の突然の行動にアレンは驚いて後ろに倒れる。
俺はそのままアレンの上に乗った。

「今日は俺がアレンに触るからアレンは動いちゃダメだからね?」

「な!?そ、そんなのずるいぞ!」

「ダメだよ。アレンが動いたらお仕置にならないじゃん。」

そう言ってアレンに自分からキスをした。
可愛い。
大好きだ。
もっともっとアレンに触りたい。

いつの間にか俺自身も欲情していてズボンにテントを作っていた。
正直、安心した。

俺はちゃんと、男のアレンにも欲情している。
いや、違うか。アレンだから欲情してるんだ。

そのままアレンのシャツのボタンを外しながら彼の胸元にキスを落とした。

「アレン、大好き。」
アレンは、俺の言うことを聞いて動かないでいてくれる。

「トオル……俺も好きだ……。」
嬉しそうにでも少し悔しそうに返してくれた。

あぁ、本当に可愛い……。

彼の身体を改めて見るとそこには大きな切り傷や火傷のあとが沢山あった。
そこに指で触れる。

アレンは、少しだけ顔を顰めていた。

「痛い?」
不安に思い聞いてみる。

「いや、もう痛くはない。
ただ、怪我をした時のことを思い出すから……。」

そう言って暗い顔をする。

アレンには笑っていて欲しい。
俺に白魔法なんて力が本当にあるならこの傷を治して欲しい。

ラインハルトが言っていた魔力の使い方を思い出す。
魔力は、血みたいに身体に巡っている。

それを感じて身体の外に出すのが魔力放出の初歩らしい。
目を閉じて自分の身体の中に集中してみる。

暖かくて優しい力がある気がした。
これが俺の魔力かな?
それを手のひらからアレンの傷に向かって出していくイメージをした。

アレンの傷を治したい。
俺の最愛の人に笑っていてもらう為に。

「トオル?何して…!?」

アレンの言葉が途中で途切れた。

目を開けると確かに俺の手のひらから優しい淡い光がこぼれていてアレンに降り注いでいた。

少しずつ、ゆっくりとだが、アレンの傷が薄くなっていた。

しばらくするとそこには何も無くて綺麗な肌になっていた。

「出来た?」

「トオル、今、魔法を使ったのか?」

「みたい。アレンに笑ってて欲しいなと思ったら成功したよ。」

「……トオル、抱きしめていいか?」

「抱きしめて欲しいけど、まだ俺の気が済んでないからダメかな。」
俺がそういうと残念そうな顔をした。

その顔にまたキスをする。

今度はぎこちなくだけど舌を入れてアレンの口の中を貪る。

さっきは突然だったから何も出来なかったけど、俺だってアレンを気持ちよくできるんだからな!

だが、すぐにアレンが舌を絡めてくる。

「んっ……んん………んっ……ふっ……あっ……。」

快感がダイレクトに下に響いてついついアレンの猛りに自分の猛りを押し付けてしまう。

アレンも気持ちよかったようで息を漏らしていた。
しばらくお互いの唇と舌を貪り合う。
離れた時にお互いを繋ぐように伸びる唾液の糸が凄く卑猥だった。

アレンも少し腰を浮かせて俺に猛りを押し付けてきた。

俺はそのまま、胸を経由して腹筋までキスをしながらたどり着く。

よく鍛え上げられた腹筋は綺麗に割れていてかっこよかった。

そこにもキスを落としながら、ついに彼の中心に手で服の上から触れた。

で、でかくない?
いや、他人のなんて触ったこと無いんだけどさ……。

「んっ……くっ…。」
そこに触れた瞬間にアレンが吐息を漏らしたのがわかった。

あれ、なんだろ?これ楽しい……。
騎士団長でこの国で1番強いアレンが俺に触られて吐息を漏らしているのだ。

それに酷く興奮した。

それに触れながらら彼のベルトに手をかける。
部屋にはアレンの吐息とベルトの金属音が響いていてとても扇情的だった。
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