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本編

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3人の会話を他所に1人で考えにふける。

そもそも、白魔法ってなに?

日本で暮らしてた俺からしたら魔法自体が創作物の世界の話だ。
白魔法って聞くと某有名RPGに出てくる白魔道士がつかうケ〇ルとか、プロ〇スとかを想像してしまう。

前にラインハルトが言っていたが、
魔法は、自身の想像を現実に投影し具現化するようなものらしい。

まぁ、そこに魔法の様々なルールや理論が合わさるらしいからそれだけでは出来ないと思うが。

つまり、俺の知識基盤が某有名RPGならそれみたいなことが出来るのだろうか?

「トオル!お前の話をしてるのになにボーッとしてるんだ!」
ヴェインさんからの喝で現実に引き戻された。

「はい!?すみませんでした……。
そもそも魔法自体よく分かってないのに御伽噺の白魔法とか言われても……。」


アレンとラインハルトが
「まぁ、それもそうだよな」と納得してくれた。

ヴェインさんは
「やっぱり早急に基礎魔法の勉強が必要か」と言っている……。

勉強嫌い……。

「トオルさん、一緒に勉強頑張りましょう!」
とカイルくんにまで慰められてしまった……。


「で、結局、白魔法ってなんなの?」
みんなに聞いてみる。

「白魔法っていうのは、御伽噺に出てくる魔法使いが使ってる魔法だよ。
傷を癒したり、闘う者に力を与える魔法って感じかな?」
ラインハルトが教えてくれた。

「まぁ、ラインハルトが言った通りだな。
正直、子供にする御伽噺だから曖昧なとこが多くてわからないとこも多いけどな。」
アレンがそう言った。

じゃあ、本当にイメージしている白魔法で良いんだろうか?

「治癒魔法が無いわけじゃないんだ。
でも、治癒魔法は、人の傷を治す力を強化する感じだからすぐに傷を塞げるわけじゃない。
むしろ、体力をもっていかれてしまうから体力がない患者には使えないんだ。」
ヴェインさんがそう言う。


「違いがよく分からないけど、なんとなく違うってのはわかった。」


「ヴェイン、そういえば、今日、騎士たちの鍛錬、動きがすごく良かったって言って無かったか?」
ラインハルトが思い出したように言う。

「え?あぁ、確かにいつもより良かった。
それがどうしたんだ?」

「実は、俺も今日は、いつもより魔法が使いやすかったんだ。魔力のノリがいいと言うか……。
昨日からトオルが騎士団全員分のスープを作ってただろ?」


あ、料理してる時に魔力が漏れてたって言ってたよな…。

ラインハルトに言われて皆がハッとした顔をする。

「もしかして、スープに強化魔法がかかってたのか?」
アレンが俺を見ながらそう言ってくる。


「え!?俺、普通に料理をしただけなのに……。」


「料理をしてた時に魔力が漏れてたなら可能性は大いにあるな。
まぁ、食べ物に魔法を付与するなんて聞いたこともないが……。
とりあえず、そこら辺はおいおい検証しないとな。」
ヴェインさんも半信半疑のようだ。
検証って……。

ヴェインさんの口から出てくる検証と言う言葉に少しだけ嫌な予感を感じざるをえない…。



とりあえず、今日のところは解散して明日以降考えることになった。

食器をみんなで片付けて解散した。

やっと、アレンと2人きりになれる。

「アレン、もうすぐ寝ちゃう?」
各々が部屋に帰って行く中、アレンに声をかけた。
ちなみに、ラインハルトは今日は家に戻るみたいだ。

「あぁ、とりあえず、部屋に戻るがどうかしたか?」

「着替えたらアレンの部屋に行ってもいい?
話したいことがあるんだ。」

俺は覚悟を決めてアレンに言う。
アレンは、一瞬、固まったがすぐに了承してくれた。

ラインハルトが去り際に「がんばれよ」と小さな声で応援をくれた。

ヴェインさんは、アレンに何か言っていてそれに対してアレンが「わかってるわ!」って怒ってたけど、なんのことだろうか?

とりあえず、急いで部屋に戻ってアレンが買ってくれた普段着に袖を通した。

これからアレンに告白をしに行く。
そう思ったらドキドキしてきてしまう。
告白なんて今までしたこと無かった…。
なんて言えばいいんだろう……。

何度か深呼吸をして心を落ち着ける。


「…よし、行こう。」

小さくそう呟いて俺は部屋から出た。

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