料理人は騎士団長に食べさせたい

arrow

文字の大きさ
上 下
75 / 196
本編

52

しおりを挟む
よく冷やした器に出来たてのアイスクリームを盛り付けてメレンゲ菓子や、オレンジのチップスを飾り付けたら完成だ!

スプーンでクネルというらラグビーボール型に抜いてカクテルグラスに盛り付けた。

やっぱり冷たいお菓子は、ガラスの器に盛ると映えるね!


溶けないうちにアレンとヴェインさんの所に持って行った。

「2人とも、お待たせ!出来たよ!」

談話室に入ると2人が待ってましたとばかりに迎えてくれた。
机の上には書類が積み重なっていて、仕事をしていたとわかる。

アレン用の書類仕事か……。

「おぉ!トオル待ってたぞ!」
アレンは、ぐったりと疲れた顔をしながら歓迎してくれた。

アレンとヴェインさんの前にグラスを置いて俺たちも席につく。

ラインハルトがいつの間にか紅茶を淹れてくれたようだ。

皆で揃って「いただきます」をする。

各々が好きな方から食べていた。

「冷たくて美味しいな!
オレンジのほうは甘酸っぱくてさっぱりして美味しいし、クリーム?のほうはほんのりブランデーの香りがして美味しい!」

アレンは、やっぱりオレンジソルベが気に入ったみたい。

「両方美味いが、このふわふわな焼き菓子も美味いな。口に入れたらほどけて消えるぞ!」

ヴェインさんは、メレンゲ菓子を口に入れて顔を綻ばせている。
マッシュポテトもそうだけど、口当たりがいい物が好きなんだな……。

ラインハルトとカイルくんもアイスが気に入ったみたいで笑顔で食べていた。

よかった……。
まぁ、アイスが嫌いな人は中々居ないもんね!
安心しながら俺も食べ進めた。

実際凄いよなぁ。
アイスなんてアイスクリームマシーンが無いと作るの大変だし、あっても2~3時間はかかる。
でも、今回は、1時間もかからずに作れてしまった。
アイスのアパレイユ(生地)を作る時間が大半だ。

ちなみに、アイスクリームマシーンが無かった時に、冷凍室に10~15分に1回混ぜに行くを繰り返して作ってたことがある。

あれはあれでしんどかった……。

見るに見兼ねて師匠がアイスクリームマシーンを買ってたんだよなぁ……。


「カイル、楽しかったか?」
ヴェインさんがふいにカイルくんに聞いた。

「ヴェイン様、凄く楽しかったです。
魔法でお菓子が作れるなんて考えたことも無かったです。」
カイルくんは、満面の笑みで答えていた。

「正直、お菓子を魔法で作るは俺も考えたこと無かったけどな…。」
ヴェインさんは、そう言いながら笑っていた。

「でも、実際やってみて思ったが結構繊細な魔力操作が必要だから魔法の練習にはいいかもしれないぞ?」
ラインハルトは作業を思い出しながら言っていた。

そうだったのか?
ラインハルトは、サラッとやっていたから普通なのかと思っていたが繊細な作業だったみたいだ。

「そうなのか…。
なら今度から見習いや、正騎士たちの鍛錬に加えてもいいかもな?
デザートも出来るし一石二鳥だな。」
なんて、アレンが言っていた。

相当アイスが気に入ったようで楽しそうにしている。


「おぉ、それいいな!
アレンも一緒に練習出来るし。」

ヴェインさんがそう言った途端、アレンが顔をしかめていたのには、みんな笑ってしまった。


「カイル、魔法はまだ苦手か?」
 ヴェインさんが今度は真剣な顔でカイルくん聞く。

カイルくんはしばらく考えた後、ゆっくりと俺たちの顔を見渡してから答えた。

「……正直、まだ、怖いです。
あの時のことを考えたら、人を傷つけてしまうんじゃないかって……。
でも、アレン様や、ヴェイン様、ラインハルト様やトオルさんが笑顔になってくださるなら……。
ラインハルト様みたいに魔法を使えるようになりたいって思いました。
人を傷つける為じゃなくて、皆を笑顔にする為の魔法を使えるようになりたいって……。」

その言葉にヴェインさんは満足そうに笑った。
「あぁ、それでいい。
カイル、皆の笑顔を守れるくらい強くなれ。」

そう言われたカイルくんの笑顔は、もう先程みたいな曇った顔じゃなくて憂いが晴れた満面の笑みだった。

よかった……。
カイルくん、頑張ってね。




「トオルのことでアレンとヴェインに話がある。」

アイスをみんなが食べ終えた頃にラインハルトがそう切り出した。

うわ……きた………。


「なにかあったのか?」
アレンが少し心配そうにこちらを見る。

「トオルは、もしかしたら白魔法が使えるのかもしれない。」
ラインハルトがそう答える。

それを聞いたアレンとヴェインさんは口を開いたまま固まってしまったのだった。



「……白魔法だと?実在するのか?」
アレンはようやく言葉を発した。

「白魔法って言ったらあの御伽噺に出てくるやつだろ?
なんで、ラインハルトは急にそんなことをいいだしたんだ?」
ヴェインさんは、訝しげにラインハルトを見ていた。

♦♦♦♦♦

Twitterアンケート第2弾結果発表。

番外編読みたいキャラは?

①守護竜               40%
②ヴェイン            12%
③ラインハルト    35%
④カイル               13%


となりました!

近いうちにコア様の番外編を作りたいと思います!
よろしくお願いいたしますm(_ _)m

ご協力ありがとうございました!

今後ともよろしくお願いいたします。              

しおりを挟む
Twitterをはじめました!よろしければフォローをお願い致します。https://twitter.com/arrow677995771
感想 140

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。 ★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果

ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。 そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。 2023/04/06 後日談追加

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~

鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!  詳細は近況ボードに載せていきます! 「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」 特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。 しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。 バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて―― こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。

男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~

さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。 そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。 姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。 だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。 その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。 女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。 もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。 周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか? 侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?

異世界で騎士団寮長になりまして

円山ゆに
BL
⭐︎ 書籍発売‼︎2023年1月16日頃から順次出荷予定⭐︎溺愛系異世界ファンタジーB L⭐︎ 天涯孤独の20歳、蒼太(そうた)は大の貧乏で節約の鬼。ある日、転がる500円玉を追いかけて迷い込んだ先は異世界・ライン王国だった。 王立第二騎士団団長レオナードと副団長のリアに助けられた蒼太は、彼らの提案で騎士団寮の寮長として雇われることに。 異世界で一から節約生活をしようと意気込む蒼太だったが、なんと寮長は騎士団団長と婚姻関係を結ぶ決まりがあるという。さらにレオナードとリアは同じ一人を生涯の伴侶とする契りを結んでいた。 「つ、つまり僕は二人と結婚するってこと?」 「「そういうこと」」 グイグイ迫ってくる二人のイケメン騎士に振り回されながらも寮長の仕事をこなす蒼太だったが、次第に二人に惹かれていく。 一方、王国の首都では不穏な空気が流れていた。 やがて明かされる寮長のもう一つの役割と、蒼太が異世界にきた理由とは。 二人の騎士に溺愛される節約男子の異世界ファンタジーB Lです!

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

処理中です...