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本編
50
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ついに本編50話いきました!
今後ともよろしくお願い致します。
本日は、12時、17時、0時更新予定です。
♦♦♦♦♦
厨房に着くとヴェインさんが
「皿洗いは、俺とアレンでやるからラインハルトとカイルは、トオルを手伝ってくれ。
トオル頼むな?」
と言ってくれた。
とりあえず、今は料理解禁でいいみたい。
「わかったよ!じゃあ、ラインハルトとカイルくん手伝ってくれる?」
「おぅ!お菓子作りなんてしたことないからしっかり教えてくれよな!」
ラインハルトが楽しそうに言ってくる。
「あ、でも、僕、魔法使えないですよ?」
「カイル、心配すんなよ!
今日は、俺が魔法使うから。
それでいいだろ、ヴェイン?」
「あぁ、とりあえず苦手意識が無くなればそれでいいさ。」
ヴェインさんのその言葉にカイルくん少し安心したみたいだった。
「トオル、頑張れよ?」
アレンが応援してくれた。
……そう言えば、アレンへの返事がどんどん先送りになってる。
今回ばかりは仕方ない気もするけど……。
「うん!アレンの好きなオレンジ味のソルベも作るね!」
そういうとアレンは目を輝かせてた。
材料を探し出し、3人で運んでくる。
「ちなみに、ラインハルトどんな魔法が使える?」
「お菓子を作ったことないからどんな魔法が必要なのかがわからん……。」
あぁ、確かにそうだよね。
「んー、アイスは混ぜながら冷やしていく方が口当たりが良くなるから、段々温度を下げる魔法とか?」
「あー、なら、段々氷魔法の威力をあげればいいだけだから大丈夫だな。」
本当は重さを正確に計ったり、温度を確認したいけどこの世界にその概念があるのかすら危ういから今回は感覚で頑張ろうかな。
「じゃあ、今日は、2種類アイス作ろうか。あ、卵白余るからメレンゲ菓子も作って飾りにしよう。
ラインハルト、お湯が沸騰しないくらいの温度で乾燥って出来る?
あ、でも、それだと時間かかっちゃうな…。」
メレンゲ菓子を作る時は焦げないように90~100℃のオーブンで2~3時間乾燥させるのが一般的だった。
「乾燥させたいだけなら水魔法で水分を抜けばいけるぞ?」
乾燥には、風魔法じゃなくて水魔法を使うのか!
「じゃあ、メレンゲ菓子はそれでいいかな?とりあえず、アイスクリームから作っちゃおう。」
まずは、オーソドックスなアイスクリームから作る為にアングレーズソースから作り始める。
バニラは食材庫に無かったけど、この世界にもあるのかな?
今回は、ブランデーを使って卵の臭み消しをする。
とりあえず卵を卵白と卵黄に分けていく。
「僕やります!」
カイルくんが受け持ってくれた。
カイルくんが卵をわけている間に俺は生乳を鍋に入れて温めていく。
この時に砂糖を少しだけ加えてから火にかけると表面に膜が張りにくい。
卵を分け終わったら、卵黄のボウルに砂糖を加えて混ぜる。
パンケーキの時は空気を含ませる為にしっかりと混ぜたが、今回はそこまでやらなくても砂糖がしっかり溶ければ大丈夫だ。
これは、温かい牛乳を入れた時に卵黄が固まってしまうのを防ぐ役割がある。
そこに牛乳を少しづつ加えて伸ばしていく。
全て加えたら、別の鍋にザルで漉しながら卵液を戻して弱火でかけていく。
「同じ鍋じゃダメなのか?」
ラインハルトに聞かれる。
「ダメなわけじゃないけど、ザルでせっかく漉したのに同じ鍋に戻して生乳の不純物が残ってたら口当たり悪くなっちゃうから……。」
「ほぉ?相変わらず丁寧に作るんだな。」
まぁ、分量が目分量の時点で丁寧じゃないんだけどね…。
鍋を弱火に掛けたらじっくりと煮詰めていく。
卵黄は、65℃で固まり始めてしまうので60℃くらいをキープしながら絶え間なくじっくりと混ぜながら、全体の温度が均一になるように注意して、とろみがつくまで煮詰め無ければいけない。
アングレーズソースはフランス料理の5大ソースの1つとまで言われいろいろなお菓子に派生していくソースなので散々練習させられた……。
完成したら生クリームと……!?
しまった、この世界、生クリームがないんだ!
………どうしよう?
生クリームは、ざっくり言うと生乳から水分を減らして油脂分を多くしたものだ。
なら、生乳にバターを加えて乳化させればいいだろうか?
ちなみに、牛乳は、生乳を熱殺菌したものだ。
カイルくんにアングレーズソースを任せて実験してみる。
「ん?トオルどうしたんだ?」
ラインハルトに聞かれる。
「いや、材料が足らないの今気づいて、代用品を実験してみようと思って……。」
「大丈夫かよ?」
「多分、理論的には?」
幸い、この世界のバターは無塩だからそのまま使える。
生乳を鍋で温めて、よく冷えた同量のバターを細かく切り鍋に加えて乳化させていく。
沸騰させてしまうと水分量がズレて分離してしまうので鍋を絶え間なく揺らす。
フランス料理のモンテという技法だ。
バターが生乳と混ざりきりとろみがついてくる。
火を止めて冷やしてから味をみてみると濃厚な味わいのクリームが出来た。
よかった……。
多分、泡立てることは出来なそうだけアイスクリームに入れたり、他のお菓子や料理に使うくらいなら大丈夫そうだ。
ゼラチンを入れたらホイップにも使えるかもしれないけど……。
「トオルさん、とろみついてきましたよ!」
カイルくんが嬉しそうに教えてくれる。
木べらでソースを掬って指でなぞる。
木べらに線がかけて、消えないくらいのとろみがベストだ。
「うん!いい感じ!じゃあ、このブランデーをちょっとだけ臭み消しに入れて冷やしたら完成だよ。」
そういうとカイルくんは嬉しそうに笑ってくれた。
氷水は魔法を使った料理というコンセプト通りにラインハルトが魔法で用意してくれた。
今後ともよろしくお願い致します。
本日は、12時、17時、0時更新予定です。
♦♦♦♦♦
厨房に着くとヴェインさんが
「皿洗いは、俺とアレンでやるからラインハルトとカイルは、トオルを手伝ってくれ。
トオル頼むな?」
と言ってくれた。
とりあえず、今は料理解禁でいいみたい。
「わかったよ!じゃあ、ラインハルトとカイルくん手伝ってくれる?」
「おぅ!お菓子作りなんてしたことないからしっかり教えてくれよな!」
ラインハルトが楽しそうに言ってくる。
「あ、でも、僕、魔法使えないですよ?」
「カイル、心配すんなよ!
今日は、俺が魔法使うから。
それでいいだろ、ヴェイン?」
「あぁ、とりあえず苦手意識が無くなればそれでいいさ。」
ヴェインさんのその言葉にカイルくん少し安心したみたいだった。
「トオル、頑張れよ?」
アレンが応援してくれた。
……そう言えば、アレンへの返事がどんどん先送りになってる。
今回ばかりは仕方ない気もするけど……。
「うん!アレンの好きなオレンジ味のソルベも作るね!」
そういうとアレンは目を輝かせてた。
材料を探し出し、3人で運んでくる。
「ちなみに、ラインハルトどんな魔法が使える?」
「お菓子を作ったことないからどんな魔法が必要なのかがわからん……。」
あぁ、確かにそうだよね。
「んー、アイスは混ぜながら冷やしていく方が口当たりが良くなるから、段々温度を下げる魔法とか?」
「あー、なら、段々氷魔法の威力をあげればいいだけだから大丈夫だな。」
本当は重さを正確に計ったり、温度を確認したいけどこの世界にその概念があるのかすら危ういから今回は感覚で頑張ろうかな。
「じゃあ、今日は、2種類アイス作ろうか。あ、卵白余るからメレンゲ菓子も作って飾りにしよう。
ラインハルト、お湯が沸騰しないくらいの温度で乾燥って出来る?
あ、でも、それだと時間かかっちゃうな…。」
メレンゲ菓子を作る時は焦げないように90~100℃のオーブンで2~3時間乾燥させるのが一般的だった。
「乾燥させたいだけなら水魔法で水分を抜けばいけるぞ?」
乾燥には、風魔法じゃなくて水魔法を使うのか!
「じゃあ、メレンゲ菓子はそれでいいかな?とりあえず、アイスクリームから作っちゃおう。」
まずは、オーソドックスなアイスクリームから作る為にアングレーズソースから作り始める。
バニラは食材庫に無かったけど、この世界にもあるのかな?
今回は、ブランデーを使って卵の臭み消しをする。
とりあえず卵を卵白と卵黄に分けていく。
「僕やります!」
カイルくんが受け持ってくれた。
カイルくんが卵をわけている間に俺は生乳を鍋に入れて温めていく。
この時に砂糖を少しだけ加えてから火にかけると表面に膜が張りにくい。
卵を分け終わったら、卵黄のボウルに砂糖を加えて混ぜる。
パンケーキの時は空気を含ませる為にしっかりと混ぜたが、今回はそこまでやらなくても砂糖がしっかり溶ければ大丈夫だ。
これは、温かい牛乳を入れた時に卵黄が固まってしまうのを防ぐ役割がある。
そこに牛乳を少しづつ加えて伸ばしていく。
全て加えたら、別の鍋にザルで漉しながら卵液を戻して弱火でかけていく。
「同じ鍋じゃダメなのか?」
ラインハルトに聞かれる。
「ダメなわけじゃないけど、ザルでせっかく漉したのに同じ鍋に戻して生乳の不純物が残ってたら口当たり悪くなっちゃうから……。」
「ほぉ?相変わらず丁寧に作るんだな。」
まぁ、分量が目分量の時点で丁寧じゃないんだけどね…。
鍋を弱火に掛けたらじっくりと煮詰めていく。
卵黄は、65℃で固まり始めてしまうので60℃くらいをキープしながら絶え間なくじっくりと混ぜながら、全体の温度が均一になるように注意して、とろみがつくまで煮詰め無ければいけない。
アングレーズソースはフランス料理の5大ソースの1つとまで言われいろいろなお菓子に派生していくソースなので散々練習させられた……。
完成したら生クリームと……!?
しまった、この世界、生クリームがないんだ!
………どうしよう?
生クリームは、ざっくり言うと生乳から水分を減らして油脂分を多くしたものだ。
なら、生乳にバターを加えて乳化させればいいだろうか?
ちなみに、牛乳は、生乳を熱殺菌したものだ。
カイルくんにアングレーズソースを任せて実験してみる。
「ん?トオルどうしたんだ?」
ラインハルトに聞かれる。
「いや、材料が足らないの今気づいて、代用品を実験してみようと思って……。」
「大丈夫かよ?」
「多分、理論的には?」
幸い、この世界のバターは無塩だからそのまま使える。
生乳を鍋で温めて、よく冷えた同量のバターを細かく切り鍋に加えて乳化させていく。
沸騰させてしまうと水分量がズレて分離してしまうので鍋を絶え間なく揺らす。
フランス料理のモンテという技法だ。
バターが生乳と混ざりきりとろみがついてくる。
火を止めて冷やしてから味をみてみると濃厚な味わいのクリームが出来た。
よかった……。
多分、泡立てることは出来なそうだけアイスクリームに入れたり、他のお菓子や料理に使うくらいなら大丈夫そうだ。
ゼラチンを入れたらホイップにも使えるかもしれないけど……。
「トオルさん、とろみついてきましたよ!」
カイルくんが嬉しそうに教えてくれる。
木べらでソースを掬って指でなぞる。
木べらに線がかけて、消えないくらいのとろみがベストだ。
「うん!いい感じ!じゃあ、このブランデーをちょっとだけ臭み消しに入れて冷やしたら完成だよ。」
そういうとカイルくんは嬉しそうに笑ってくれた。
氷水は魔法を使った料理というコンセプト通りにラインハルトが魔法で用意してくれた。
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